経済対策と一票の格差民自公の党首会談が決裂

2012年10月18日

中国の7−9月期GDP

週刊朝日が、橋下大阪市長に関する連載記事『ハシシタ 奴の本性』について、謝罪する事態となりました。人格攻撃どころか、差別的内容であったこと、またそれを助長しかねない内容でもあり、言論の自由を逸脱していたことは明白だったのでしょう。最近のメディアは、攻撃の仕方を間違えており、矮小化された、極めて危険な正義感に基づく場合が多く見受けられます。
政策や発言を捉えて、その矛盾や実効性を疑問視する類なら、それが歪つでも正義感は許容されるのでしょう。身内や親族を攻撃すれば、その影響は計り知れず、むしろそれをした側の悪意しか目立たなくなるのです。しかも、完全子会社の週刊朝日を別会社としたことも、問題を大きくしました。企業の問題を追及する際、完全子会社なら責任問題は一体で報じるのがメディアです。自らの態度と、報道における態度を使い分ける姿勢が、メディアの立ち位置として不透明さを残したといえるでしょう。

中国の7-9月期GDPが、前年同期比7.4%増となりました。数字が予想に近く、景気に底打ちの兆しが見える、として市場は好感しましたが、これはかなり厳しい数字です。09年から12年6月末まで、中国金融機関による新規貸出しは35兆元(434兆円)に及ぶとされます。これは昨年のGDPの7割、2.5年で分割すればGDPを3割近く押し上げた形です。そしてその新規貸出しが、8月からふたたび増加傾向にあるとされます。つまり1兆元の景気対策に伴い、新規貸出しでGDPが嵩上げされている懸念があります。
しかも地方政府の受け皿機関が、国家審計署によると10兆7千億元の債務残高をかかえており、中国政府は債務返済期限を1年先送りする対策を打ちました。つまり共産党大会前に、債務問題を隠蔽したのです。さらに金融機関は、資産管理商品による投資を行わせ、それをリスクのある貸付に回す、ということが常態化しており、利回りがいい反面、貸し倒れリスクも大きい。これは金融機関のバランスシートに載らず、10兆元を超えるとされているものの、引当金も積まれておらず、金融機関を突然死させるに十分な規模をもっていますが、まったく公表されていません。

中国政府の債務は少ないものの、こうした受け皿機関、金融機関に時限爆弾のように蓄えられた債務は、非常に莫大です。中国では莫言氏がノーベル文学賞をとりましたが、まさに莫言(言うこと莫れ)で、債務を公表していない。しかもGDPを、裏の融資で押し上げているとすれば、見た目以上に中国経済の深刻さが読みとれるのでしょう。輸出入の鈍化の前に、中国経済の真の不安は、金融トラブルです。しかも、需要の鈍化に伴い、一部では卸売物価に鈍化がみられ、インフレ懸念から一気にデフレ傾向を示している。これを食い止めるためには、ふたたび金融緩和せざるを得ませんが、そうなると金融機関の収益性は益々落ちますから、闇金融に頼る傾向を強めてしまうのでしょう。
さらに人民元が上昇を続けていますが、これも中国強硬派のロムニー候補より、オバマ候補を支援する材料ではないか? と見られています。為替操作も、共産党大会前に不透明要因を消す、という目的で利用しているなら、いずれ金融も操作してくる可能性もありますが、春節の爆竹のように、連続で爆発するような事態となれば、国家の統制が利かないほどに、経済破綻へ至るのでしょう。

日本市場は、ムーディーズによるスペインのジャンク級格下げが見送られ、それがリスクオンを助けた、とされます。つまり格付け3社の内、2社がジャンク級に格付けすると、急激に利回りが上昇する、とされており、時間を稼いだとの見方です。ただ支援要請すれば、当然ジャンク級になりますので、これは時限的なリスクオンと云えます。中国リスクの波は、日本により大きくかぶります。今後の市場は、中国経済との連動性が強まってしまうことは止むを得ず、経済指標とて信じられない国に、右往左往させられる場面が増えてしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:18│Comments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 経済

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この記事へのコメント

1. Posted by おるおる君   2012年10月18日 23:45
野田総理大臣は…党首会談で…解散時期を明示するでしょうか?
解散がちかいうちにあるから…お金を配ったのでしょうか?
2. Posted by 管理人   2012年10月18日 23:56
おるおる君 さん、コメント有り難うございます。

野田氏の権力のよりどころは、解散を人質にしていること、この一点です。
恐らく文言をかえて「近いうち」を「近日中」や、「近々」などとすることで、
誤魔化してくることが想定されます。
今のところ、野田氏に心変わりがあったような様子はなく、谷垣氏とは通じた
この手法をつかって、妥協を求めるのでしょうね。
野田氏が解散時期を明示すれば、党内から引きずり下ろされます。
内閣不信任が出たとき、離党ではなく賛成してしまう。
当然、総辞職を求めてのことであり、それで解散すれば民主は総崩れでしょう。
それを野田氏に迫り、解散までの11ヶ月を新政権で乗り切り、次の選挙にかける、
といった動きが民主内で出かねませんからね。

恐らく、輿石幹事長にとっては選挙戦略がないことに対する、党内の不満に応える
必要があり、また厳しい情勢調査に、カネを配って尻をたたいたところもある
のでしょうね。
以前から指摘もありますが、今の党執行部には人脈も、戦略もありませんから、
頼るところは金庫にうなっている政党助成金です。
急激に組織が肥大化しても、使い切れないお金をつかった選挙にならざるを得ない、
それが党執行部の実状です。
選挙が近いのはその通りですが、未だに年明け? 年内? といったところで党内も
揺れており、その結論は出ていないのでしょうね。

ただ、年明け解散は財務省が許さず、予算審議に影響もすることから、仮に年内
選挙でも、自民党が与党に返り咲くとみて旧知の族議員に泣きついて、予算の組み替え
をさせない腹積りでしょうね。
そうなれば、年明け解散にGOがかかることにつながるのでしょうね。
3. Posted by rata   2012年10月21日 14:03
アサヒの記事は、支持率が低下している維新に対するアサヒの援護射撃ではないかと思うのは考えすぎでしょうか?
4. Posted by 管理人   2012年10月22日 23:24
rata さん、コメント有り難うございます。

仮に、週刊朝日が日本維新に対して、何らかの支援を考えたとしても、リスクとの
兼ね合いから少し考え難いですね。
まずテレビは番組ごとにプロデューサーに編集権がありますから、問題のある放送が
あっても、放送局としては中々トップまで責任論が波及しません。
週刊誌は編集権を編集長が握り、コトが差別にまで及ぶとなるとジャーナリストと
しては致命的で、この業界に残ることすら困難になる恐れがあります。
週刊朝日の負ったリスクはかなり大きかったのですね。

一方で、橋下氏が仮に週刊誌に、この手の記事を書くことを許容し、それで政党の
支持を上げようとしていたなら、家族を犠牲にしてでも利を獲ろう、という野心的な
行動ですが、先の浮気問題にしても、そこまで橋下氏が非情、家族を切る人間とは
思えない部分もあります。
ただ、橋下氏が今回の件を、都合よく利用してメディアへの露出を増やそうと画策し、
あえて派手に反論してみせた、ということならそうなのでしょうね。
ただそれでも、子供たちの就職、結婚にまで悪影響を及ぼすことから考えても、
落としどころを間違えると、それこそ家族を犠牲にしてでも野心的に振舞う人物、
という目でみられることになるのでしょうね。

佐野氏も、かつて盗作疑惑があったように、今回も連載と云いながら、第一回目は
かつての週刊誌報道の焼き直しだった。
今後、新たな材料がでたのかもしれませんが、いずれにしろ文筆家として、読み手に
誤解を与えたなら、それは能力的な問題を露呈したともいえます。
これは三方が一両どころか、多くの損をして少しだけ橋下氏が得をするかも、という
ことですから、あまりに代償の大きいものとなったのでしょうね。

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