民自公の党首会談が決裂田中法相の辞任と、輿石戦術

2012年10月22日

雑感。KDDI基地局における裁判について

前原国家戦略担当相が、年内解散について言及し、永田町がざわついています。ただ、野田首相と連携していない前原氏が何を発言しようと、特に意味はありません。個人的見解だけで政局が動くことはなく、政権の援護射撃にすらなり得ないでしょう。今や前原氏は政府の中枢ではなく、閣僚であっても傍流に位置します。下種の勘繰りをすれば、自民との意思疎通、連携が図れるのは自分だ、という態度にも思えます。国民の声や、野党に阿るような発言をするとき、それは自分こそそうした声に耳を貸し、代弁者たりえるとの意識が見え隠れしますが、概して前原氏の場合、それが無責任さにみえてしまうのは、結局、実行力というものが伴わない自身の態度に問題があるのです。

先週、少し気になる裁判がありました。宮崎地裁のKDDIの無線基地局に伴う、健康被害についての裁判です。判決は、特定の地域にまとまった健康被害は認められるが、携帯基地局との因果関係は認めず、原告敗訴となりました。実は、電波防護基準は短時間に大量の電磁波を浴びた場合による、健康被害を起こさないことを念頭に定められたものであり、少量の電磁波を浴び続ける、という事態に対処していません。実は、その件については定量的な情報は得られておらず、判決はそれを念頭に因果関係を排除していますが、後に因果関係が判明した場合に備えて表現を曖昧にする、という極めて問題の大きいものとなっています。つまり裁判所が予防原則を見送った、ということです。
電磁波にしろ、放射線にしろ、一度に大量に浴びた場合の危険性は定量的な情報が得られていますが、少量を浴び続ける、という状態については分からないことが多い。現在、人類は被害を受けている人から結果を収集し、それを後世の基準とする、悪い言い方をすれば『壮大な人体実験』をしている最中、といえます。さらに日本は薬害エイズや肝炎の問題にしろ、海外で治験が出ていても、それを無視して被害を野放しにする傾向が行政や司法に蔓延しており、それで影響を拡大してしまいます。

有意な健康被害があるのなら、対策を打つよう企業に求めなければなりませんが、そうなると全国、全世界に波及する可能性がある。日本はこうした問題でも、リーダーになることを恐れる、そんな傾向がみてとれます。後にこうした問題で影響が確定し、賠償や対策費が嵩むことになれば、その方が企業にとってマイナス、という考え方も存在しない。実に、率先垂範の意思すらない国になっています。
この裁判が気になったのは、日本に欠けているリーダーシップが、問題解決を遅らせる典型だと考えたからです。これは政治も同じで、誰かに被害が出ていても、自ら動いて何かを為そうという気概のない人間が、今の野田内閣です。特例公債法案などが通らないと影響がでる、しかしその批判は野党に向かうだろう…これは、民主が野党時代の考え方をそのまま引きずっているだけで、自分たちが国を動かしている、とは考えない。だから無責任に時間稼ぎ、見て見ぬふりができます。

国のトップが電磁波、放射線の問題に向き合えば、すぐにでも対策が必要と判断できます。国民が健康に、安全に生きることを保証することが、健全な経済活動をする上でも必須といえます。今の法律が、低量の電磁波、放射線の影響を考慮できていないなら、健康被害を調査、継続して監視することを求めても良かった、そんな判決でもあります。それをできない司法の限界と、この国のリーダーシップ欠如の問題を重ね合わせると、根深い問題だと改めて認識できてしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:07│Comments(10)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 司法 | 社会

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この記事へのコメント

1. Posted by バッタマン   2012年10月22日 23:47
野田が中小野党に協力を求めています。問責と不信任を出された連中に頼るなんて無様ですね。

屍内閣の延命治療はいつまで続くのでしょうかね。
2. Posted by 管理人   2012年10月23日 00:25
バッタマン さん、コメント有り難うございます。

輿石幹事長が一回生議員に渡した、選挙資金と何らかのメモ。
恐らくそれが単なるデータで、選挙戦術に関するものでない限り、民主党執行部に
次の選挙での妙薬はない、という失望感にもつながるので、逃げたくなる気持ちが
強くなるのでしょうね。
恐らく民主党内には二つの動きが出てきます。野田氏を引きずり下ろし、新党首で
解散を打つ…これだと、9月の代表選を丸々否定することになり、それこそ民主党の
意思決定方法に疑義が生じますが、現実的にこの支持率では、野田氏は選挙の前後で
代表の座からすべり落ちます。
一縷の望みをかけて、交代を模索する動きがでるでしょう。

もう一つは、落選は覚悟で後一年、野田氏を火達磨にして使い捨てる。
一回生議員はどう頑張っても再選はされないので、そうした考えが増えるでしょう。
党内でクーデターを起こし、代表から引きずり下ろせばもう解散は規定路線。
一年間は議員を続け、歳費を溜め込んでさっさと議員は辞める算段もあります。
このケースは、一回生議員の多い民主で必然的に起きる傾向であり、その流れに
野田氏は乗ってくるかもしれません。
ただ、その場合は民主の主要議員も総選挙で討ち死にし、死屍累々という惨状を
呈すのでしょうね。

前者のケースが考えられますが、野田氏はそれをさせまい、と動くでしょう。
もう自公にすがることもできず、党内に敵を抱え、圧倒的多数で代表選を勝った
とは思えないほどの、窮屈な路線を強いられる。
自ら動くことのない野田氏では、この解決策を見出すことはできず、恐らくは
年内解散を余儀なくされるでしょうね。
恐らく、妥協の条件はかなり低くなり、それこそ予算編成をできるギリギリを
自公から突きつけられ、それを飲まざるを得ない展開がチラつくのでしょうね。
3. Posted by おるおる君   2012年10月23日 00:31
民主党の幹部が…前原さんの発言に不快感を持ったということは…たとえ野党が法案成立に協力したとしても…年内解散はしない!ということでしょうか?
4. Posted by 管理人   2012年10月23日 00:45
おるおる君 さん、コメント有り難うございます。

民主党執行部にとって、解散確約と受けとれる発言をしたことが不快だったので、
妥協点をさぐる意味でも、条件闘争をする前からそうした相手に言質を与える
ようなことはしたくない、という意味でしょうね。
年内解散は回避したい、そうすれば予算編成も、また日露首脳会談も控えており、
事態が好転するかもしれない。
大抵、追い込まれた人間は救世主、何らかのアクシデントが発生し、自分は運に
恵まれている、またそうでありたい、と考えるものです。
そもそも、臨時国会が開会できないことや、特例公債法案が成立しないことを
野党のせいにする、というのは民主党が野党時代に染み付いた体質であり、
政権与党である現時点では、すべての責任は民主党に帰します。
それを理解できていない時点で、与党失格なのですね。

野田氏は頑なに、首相の専権事項だから解散の日付はいえない、ということに
こだわっていますが、別にそれは何の裏づけもない、云わば野田氏が勝手に
そう位置づけているだけの問題です。
そこに答えが出れば多くの問題が解決する、それを知ると、益々民主党の責任が
大きくなります。
野田氏は最悪でも、予算編成をした後で解散し、その果実を選挙で訴えたい、と
考えているようですが、その考え自体も野田氏の勝手な思い込みに過ぎません。
野田氏のそうした思い込みは、まるでキャベツの葉っぱのように、一枚一枚
めくっていくと、後には何も残っていない、といった形です。
骨のない政治家は、政局でも骨のないことをするものであり、結果的にそれが
年内解散に追い込まれる一つの動機になりうるのでしょうね。
5. Posted by tora   2012年10月23日 01:20
日本の消費が総崩れになってきていると報道されましたがやはり震災後の需要予算が切れ始めたことも原因ですか?それとも電気料金等物価上昇の悪影響が出てるのでしょうか?
今や日本の景気は消費・生産・輸出面から見れば、リセッション(景気後退)に入ったと言え、そこに株だけを
金融緩和を材料に買い上げて果たして持続できるでしょうか?
景気浮揚の対策を打ってこなかった民主党の罪は重いですね。
これでは増税引きあげなんて来年は無理でしょうね。
6. Posted by tora   2012年10月23日 18:45
予算編成に手を突っ込みたいノダは年内解散は絶対しないでしょう。
来年通常国会前解散2月選挙が一番可能性が高いです。
これ以上の先延ばしは非難轟々になるのでしょう。
12月か1月には最後の離党者が出て過半数割れ確実なのも理由になると思います。
通常国会前が最後の離党のチャンスです。
来年度予算編成に手を入れられることを嫌う財務省がどう出るかがポイントですね。
7. Posted by 管理人   2012年10月23日 23:30
tora さん、コメント有り難うございます。

日本の消費は、様々な要因によって下押し圧力が強まっていますね。
復興予算が回っておらず、復興特需が期待通りすすまないこと。
エコカー補助金の終了、中国経済減速にともなう収益性の低下から、給与に及ぶ
との懸念から身構えていること。
電気料金以外でも、増税負担が重くなってきたこと。
さらにここにきて、特例公債法案が決まらないことで補助金なども配られず、
従業員の給与にも影響がでる企業がでていること、などですね。

ただ日本の場合、景気対策をうつといっても、効果が薄くなってしまうのは、
所得が下がる現状で、最終材としての製品購入に補助金をだす、という形である
ため、対策が終われば終わり、そこで新たな需要が生まれない、という単発の
景気対策である点が問題なのでしょうね。
民主党のこれまでの補正予算が、中身の薄いものとなってきたのは、結果的に
省庁の限界という部分でもあるのですが、その程度の認識しか政治、行政が
もてていない、ということの不幸なのでしょうね。
恐らく、自公、民主が政権政党に入っていれば、消費税は何かと理由をつけて、
増税するのでしょう。
付則なんて読みとり方一つですし、今の努力しろ的な書き方では、それこそ
裁量一つで増税できてしまいます。
省庁の景気認識、経済対策がその程度である以上、増税してもそれを歳出に回す
から景気浮揚効果がある、という訳のわからない理屈がまた語られるのでしょうね。

続きます。
8. Posted by 管理人   2012年10月23日 23:39
続きです。

野田氏は、恐らく予算編成どころか、通常国会をのりきって、自らの手で任期に
ともなう総選挙、という形で考えているのでしょうね。
記事には書きませんでしたが、19日の党首会談で、野田氏が踏み込んだ言及を
避けたのは、党内にくすぶる不測の事態のため、と考えていましたが、それが
隣にいた輿石幹事長だった、ということだとすんなりと肯けます。
衆院選、参院選をできるだけ離す、ということなら、年内解散になります。
解散になっても、輿石氏は自身の選挙ではありませんし、逆風も関係ない。
自分は後三年以上、政界に居続けられるのですから、幹事長として選挙をしても、
選挙弱いと云われるだけで、それ以上痛くも痒くもないのですね。

野田氏の頼みは、藤村官房長官、岡田副首相、後は政務官の何人か、といった感じで
党内からも追い込まれていくでしょう。
輿石氏にしても、衆院の一回生議員を育てる、といった発想は毛頭なく、先の300万円
の選挙資金も、手切れ金、功労金、これまでお疲れ様という気持ちで渡したのかも
しれません。
参院議員から離党を出さないこと、今の輿石氏にとっては喫緊の課題で、これは野田
政権のため、というより自身のためにそうしたい、ということです。

輿石氏の、今の態度が続くなら、思っている以上に解散は早まるかもしれません。
いえ、そもそも解散のタイミングはもう逃しており、野田民主は死に体に
なっているのですから、遅きに失している部分を多少とりもどせる、というぐらい
でしかないのかもしれませんね。
9. Posted by bemsj   2012年10月28日 05:51
携帯電話基地局の電磁波に関して
それなりの情報を公開していますので、
参照してくだされば、幸いです。

携帯電話の基地局に関する情報の頁
http://homepage3.nifty.com/~bemsj/RF5.htm

携帯電話などの電磁波に関連して裁判になって事例
http://homepage3.nifty.com/~bemsj/RF7.htm

このページには延岡の裁判の判決要旨も公開してあります。
10. Posted by 管理人   2012年10月28日 23:53
bemsj さん、コメント有り難うございます。

人間の体には電気が流れていますし、神経はナトリウムとカルシウムの電位差を
つかって、感覚を伝えていますし、水素イオンや電子を用いてミトコンドリアは
活動するなど、微量とはいえ、電磁波が影響しないはずがないのですね。
医学的な治験がない、として無視するような事例でも、常識的に考えることが
大切であり、年数を経なければ影響がないことでも、実は予防や、研究のために
何らかの手を打つよう、司法が命じても良かった。
そんなリスクを負わない裁判が、最近は多いですね。

放射線にしろ、長くそれを浴びないと人体に有意な変化がみれれないからといって、
それを安易に安全だ、と判断することは危険です。
人間の感覚が、長い神経節をつなぐミシュリン鞘の間で、電位差をつかって伝わる
以上、そこに電磁波が加わることにより、痛感にも変化が生じてしまうことは、
科学の分野からも想像ができる。
そうしたものに焦点をあてていかないと、日本で安全に暮らす土地が少なくなって
しまうのでしょうね。
基地局が近くにあると、土地の価格も下がる。そんな事態になれば、実害として
認定されることになるでしょう。
実は、高圧電線でも同様に、健康被害がでる恐れもあるのですが、電磁波について、
詳細に検証する仕組みが必要なのでしょうね。

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