日銀の追加緩和策について雑感。米国のハリケーン

2012年10月31日

石原新党と野田民主は踊る

米国の東海岸に、ハリケーン「サンディ」が上陸し、大きな爪痕を残しました。証券市場の取引が休場になったり、冠水した道路、停電などの実害以上に、今後の衛生問題が不安視されます。大統領選への影響が盛んに報じられますが、国民生活にはスポットが当たりにくいものの、実はもっとも大事な点です。それが翻って大統領選にもはね返る。GDPを0.1%下押し、という試算もありますが、疫病や健康被害が拡大することにより、その数字はさらに悪くなってしまうのでしょうね。

石原氏が都知事を辞職しました。任期で退任するわけではないので、職員の拍手は英雄の見送り、よりも厄介払いに聞こえてなりません。石原氏が個別の政策を「些細なこと」と発言し、もっとも政局的な政治家となりました。さらにこれまで支援してくれた自公を裏切っていますが、そうした批判は一切聞かれません。石原氏が毛嫌いする小沢氏の称号、壊し屋、政局至上主義を地でいく形です。その小沢氏が、第三極の軸に石原氏を容認と語った、そんな噂も流れているようですが、細川政権の失敗を経験していますから、まずその構想に小沢氏が乗ることはないでしょう。
橋下氏もたち日、減税日本との連携に難色を示しましたが、ハードルを上げているというより、政策を歪めれば信用が得られない、との危機感とみられます。石原氏は、たち日を引き継ぐ形で新党を結成しますが、理念糾合ではなく、官僚機構の打破を旗印に訴えますが、石原氏の政策にはむしろ官僚機構べったりな匂いしかしない。これまでの政治家としての行動を辿っても、官僚機構への提言は乏しい。掲げた旗も、国民に耳障りのいいことをいう、と政局的な動きでしかないのです。

国会では代表質問がありましたが、野田首相は経済対策をかかげ、こちらは解散へのハードルを上げました。野田氏は燃え尽き症候群、ともされますが、財務省の振り付けで踊っていたマリオネットが、糸を切られて踊れなくなっただけです。元々、政策の軸もなく、熱心にとりくんできた課題もなく、何のために政治をしているか分からなかったため、都合よく裏で糸をひいてくれないと、踊り方も知らない。残りの任期は、自分で考えた創作舞踊となり、途端にみすぼらしくなったのです。
石原氏は「小異を捨てて、大同につく」という言い方をしましたが、方向性がまったく違うものを小異とは呼びません。これで大同団結すれば、それこそ「正気を捨てて、大道芸をする」政治の場が危機的状態になりかねません。仮に政権をとれても、政策協議で難航し、空中分解するだけです。

大道芸で空中ショーまでみせれば、お客さんは喜ぶでしょうが、それで被害をうける国民はそれどころではありません。そして今、空中分解しつつあるのが民主党です。『操り人形』という舞台劇は、すでに終焉しました。ロングラン講演を狙う野田劇場が、初期の頃の演出家・仙谷氏まで出演させ、客寄せを狙う臨時国会ですが、醜い踊りを繰り広げるばかりで見せ場はありませんでした。
野田民主は、次の選挙で「中道リベラルから、穏健な保守」ぐらいの立ち位置で戦うようです。少し嫌な言い方をすれば、民主はすでに大道芸ですらなく、中道芸なのかもしれません。民主そのものが、意見・主張の異なる政治家を集めた野合であり、意見の食い違いで失敗をみせる中で、第三極までそうした野合と見られることは、逆にマイナスでしかありません。政権交代がメインテーマであった3年前とは異なり、今は経済情勢、海外環境が大きく悪化し、国民は着実に前進できる政治が必要、と考えています。決して政治の本流に、野合を求めていないのであり、ここで野合を目指すことは、踊るばかりで結論をだせない政治、として国民がさらに失望することに繋がりかねないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:33│Comments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

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この記事へのコメント

1. Posted by tora   2012年10月31日 23:41
これから年末にかけて解散回避のための引きとめも利かず泥舟から逃げ出すねずみが増えるでしょう。
年を越せば近いうちということばが空虚どころか詐欺紛い扱いになりますね。
不信任・問責が今国会でふたタび出るでしょうね。
否決にセ可決にせよノダ政権はそこでつみますね。
2. Posted by おるおる君   2012年10月31日 23:54
三年前の政権交代は…結果的に…日本国民の歴史的選択ミスになってしまった!と思っていますが…どうでしょうか?
3. Posted by 管理人   2012年10月31日 23:59
tora さん、コメント有り難うございます。

野田氏が解散を決断するタイミングと、離党により過半数割れを起こし、追い込まれた
形で解散するのと、どちらが先か、というところでしょうね。
解散の判断に、一票の格差の問題、周知期間は不要との認識を野田氏が示している
ので、与野党で合意さえできていれば、いつでも解散は可能です。
0増5減は即合意できるはずですので、ハードルは一つ下がります。
経済対策を訴えますが、すでに予備費をつかった対策を打ち出しており、さらに
臨時国会で、補正予算を組むのか?
その点には違和感もあります。
予備費の対策に、目ぼしいものがなかったことからも、今の民自公で補正を
組めば、それこそバラマキとなり、必要な対策とはならない可能性も高い。
それで支持母体を喜ばせても、無党派層が第三極に流れては困るので、あえて
補正を組む必要性も、現時点ではないのですね。

野田氏が解散に踏みきるタイミングは、益々早まっているとは考えています。
追い込まれ解散になると、民主は確実に50割れを起こすでしょう。
形式的に、諸課題のいくつかに結論をだし、堂々と解散する形でなければ、すでに
惨敗は確実であっても、民主は解体してしまいかねませんからね。
野田氏はある時点で、自公に解散と引き換えにして法案成立をはかり、野田氏の手で
解散する、という形をとると考えています。
代表質問が終わり、委員会も開かれますが、どの時点で国対辺りから、幹事長会談が
密かに行われるのか、その辺りで時期は見えてくるのでしょうね。
4. Posted by 管理人   2012年11月01日 00:15
おるおる君 さん、コメント有り難うございます。

政権交代がテーマだった3年前は、硬直化した利権構造、自民を支援することで、
利をえる団体、企業、組織の流れを断つ目的もあったため、そこに楔は打てました。
ただ今の民主は、その頃の自民と結んでいた利権団体と関係を結ぼうとして失敗、
支持を落としていますから、これは民主の側に問題がありますね。
選択ミス、というより、ミスになるよう誘導したメディアの問題など、色々とあり
ますから、一概に失敗と断じることも難しいですが、問題はこれからです。

自民にもどるか、第三極が政権をとるか、ここで自民にもどると、確実にかつての
利権構造が復活する、そんな恐れもあって、国民は悩んでいます。
それが「自民はこりごり」という言葉に表されています。
ただ、着実に前進させてくれる政治は? という視点にたつと、経験豊富な自民、
という結論にいたる人もいるのでしょう。
恐らく今はそのせめぎ合い、それが既成政党 対 第三極の構図ですね。
現時点で、第三極はまだ中心軸がなく、期待値も高まっていませんが、選挙の
タイミングが伸びれば、これは自民にも跳ね返る問題なので、早期解散を求める
流れが、一層強まっているのでしょうね。

民主の失敗により、大事な時間を失った、という面もあると思いますが、では自民が
有効な対策を打てたか、その視点にたつと、それほど代わり映えしない、と映っても
しまいます。
それは官僚に頼っている時点で、出てくる政策は同じはずですから、意思決定に
どの程度、政治が関与したかの差ぐらいでしかありませんからね。
次の政権が成功すれば、この失敗も必要悪だった、ということになるのでしょう
から、もう少し長い目でみる必要も有りそうです。
その成功が、自民が一度地獄をみたことで出直した上でそうなるのか、第三極に任せて
そうなるのか、その帰趨はまだ見えてこないのでしょうね。

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