日本維新の会の政権公約について日銀の会合と米FOMC議事録

2013年07月10日

原発再稼動について考える

前回の衆院選もそうでしたが、今回の参院選も、なぜか原発政策に争点が当たりません。メディアが嫌がり、とり上げないためにそうなっていますが、ここに来て原発にスポットライトが当たる事例が絶えません。福島第一原発の、汚染監視用井戸で高濃度の放射性物質が確認されています。東電は、事故直後の4月に立て坑から洩れた残り、という論調を崩していませんが、新規に洩れがある、と認めてしまえば東電の対策、解体までのスケジュールは大幅に遅れることになります。逆に、そういうバイアスがかかっているだけに、東電の発表に信憑性はもてません。
規制委も3、4号機付近でも放射性物質が確認されること、海水中の汚染は広範囲、ということから新たな汚染水の漏洩を疑っています。しかし仮に東電の説明がうそだとすると、そんな事業体が原発の処理を行い、柏崎刈羽原発を再稼動させようとしている。そんな事業体を信用できるか? という問題に直面します。しかも、もし東電の説明が真実だとしても、立証は弱く、根拠もないのに甘い見通しを立てていることになる。東電幹部と経産省のメールのやりとりが暴露されていますが、原発再稼動にむけて猛暑をのぞみ、国民の健康、農産物の被害など二の次で、自分たちの利益だけを考えている組織、ということになります。そんな組織が原発を握っている。そのことが恐怖です。

自民は公約でも、高レベル放射性廃棄物の線量を低減する、貯蔵期間を短縮する技術の研究開発、を謳っています。しかし放射性物質は、崩壊しない限り線量は下がらず、また崩壊に伴って周辺を汚染します。新たな施設をつくり、崩壊を促進させるよう運営すれば、その施設がまた廃棄物になるのです。そしていくら崩壊を促進しても、核種が代わるだけで崩壊してできた物質が、新たな放射性物質になる。放射性物質でない、線量が出なくなるまで、すぐに促されるわけではないのです。
そんな技術に、高いお金をかけるのは愚かです。米国が、一時期ヤッカマウンテンに燃料棒のまま、捨てようとしていたのは再処理にお金がかかり過ぎるためです。さらに、米国では厳しい規制により、原発のコストが他の発電施設より高く、ペイしないために閉鎖が続いています。日本だけが、原発がコスト的にも割安、どんどん動かそうとしている。さらに輸出まで推奨している。世界において、原発政策は今、二枚舌になっているのです。米国などのシェールガス革命がある国と、日本は違うという意見もありますが、日本と米国の監視、規制が違う点には留意も必要です。

改めて指摘しておきますが、今の安全基準は、原発は事故を起こすことが前提で、その際に水蒸気爆発が起こらないよう、ベント弁にフィルターをつける、免震重要棟などの監視できる機能を別けておく、等がさだめられています。逆に、炉心溶融が起こり、建屋をつきぬけて地下から漏洩することに対しては、処置のしようがない。それこそ炉心を交換するしか手がない。しかしそれをすれば、原発の再稼動は5年以上遅れ、また莫大なコストがかかる。だからやらない、となっています。
原発の安全を高めることは、技術的には可能です。しかしコストとの兼ね合いで、そうしていないだけ。危険なまま、その処置を先送りして動かそうとしているのが、今の再稼動の流れです。国民は危険を甘受するのか? 地元は再稼動に前向き、ともされますが、安全と安心を引き換えにして、得られる生活基盤が磐石なのかは、今一度認識すべきなのでしょう。原発を動かすな、というのではなく、安全、安心に資するものになって、初めて稼動すべきだ、ということです。そして今の経産省、電力会社にしろ、その任に足る組織でないことが、明らかとなっています。原発は、所有媒体から改造しない限り、残念ながら安全も、安心も保証できないまま、となるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:03│Comments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 原子力 | 社会

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この記事へのコメント

1. Posted by けやき   2013年07月11日 13:37
連日猛暑が続きますが、製造業の現場などでは冷房を入れないところが多く、一日3リットルの水を飲んで仕事をこなしているそうです。去年社員から駐車料金を取る会社がでてきて驚きましたが、安倍政府以降事態は一段と悪化しているようで、会社側の強気の裏には、雇用状態の一層の悪化があります。去年は非正規なら2,3受ければ採用されたのが、今年は2,30でやっとという状態になっているそうです。近所の年寄りもさすがおかしいと感じ始めたようで、日本の未来は暗いという認識は、かなり一般化してきています。そりゃあ原発を再稼働しようとしている国の将来を構想しても、無意味ですからね。安倍にとっては国民なんかはどうでもよく、グローバル企業の鼻息をうかがい、国民の資産をグローバル企業に移し替えることを使命としているのでしょう。
2. Posted by 管理人   2013年07月11日 23:25
けやき さん、コメント有り難うございます。

個人単位で、ミネラルを含むアメを買って、それで熱中症予防をしている、
そんな話も聞こえてきますね。
6月の景気ウォッチャー調査で、雇用部門の悪化が顕著であり、まったく個人に
波及していない、金融政策の限界を示すのでしょうね。
米国のように、金融部門が発達した国であれば、そこに従事する人間も多く、
金融政策の効果もあがる。
日本でリフレ派、新自由主義の人間が、総じて米経済の洗礼をうけている点を
みても、日本と米国との事情を混同しているのかもしれませんね。

安倍政権は、大企業優遇、それによる経済の押し上げ効果を狙う、小泉政権
時代と同じなので、その当時も海外のバブルがおき、やっと国民に波及し始めた
時点で、サブプライム問題がおき、景気の気が折られてしまいました。
安倍政権のやっていることも同じ、どこかでバブルが起きれば、景気はある程度
回復できるのでしょうが、そのバブルがぽっきり折れた時点で終わり。
それが国民に波及するまで、続けばそこそこ好影響なのでしょうが、今は先に
円安になり、コストプッシュ型のインフレが起きている。
そして、これが景気後退につながり、物価が上昇していくスタグフにまで
陥れば、嫌でも国民も気付くことになるのでしょうね。

その前に止めたいところですが、参院選で自民が勝利すれば、国民は地獄を
みて初めて気づく、という形になるのでしょう。
スタグフに陥れば、経済への悪影響は計り知れない、もしかしたら、日本は
またしても世界の最先端、長期低迷と同じで、経済の実験をはじめることに
なるのかもしれませんね。

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