原発再稼動について考える米中戦略・経済対話について

2013年07月11日

日銀の会合と米FOMC議事録

米FOMC議事録で、緩和縮小に賛成が半数、雇用などの状況に配慮すべき、が多数になったと判明し、米FRBが緩和縮小に後ろ向きとみて、新興国株が上昇しています。しかし緩和縮小に前向きな意見が半数であることに変わりなく、9月に緩和縮小と予想していたものが12月に伸びたとて、大した違いはありません。問題は、米国の失業率は今後も高止まりが予想されること、です。
米国では労働者が、スキルアップのために大学に通うなどして、一時的に労働市場から撤退することが一般的です。そこがバッファとなり、雇用環境の悪化で逃避した労働者が、経済の好転で労働市場にもどり、失業率は一向に改善しない、といった傾向があります。失業率を目安にすると、その間に他の市場でバブルがおきる。それがFRBのジレンマです。バーナンキ議長の緩和縮小発言以後、ジャンク債投資などが一気に巻きもどされ、若干余裕はありますが、折をみてバブル退治用にタカ派的な発言が必要であり、その度に市場は動揺することになるのでしょう。

日銀の政策決定会合で、「緩やかに回復しつつある」と2年半ぶりに『回復』を盛り込みました。15年度のCPI2%にも自信を示します。しかしこれは政治的な見方であり、実際には今日発表の経済指標で、簡単に否定できてしまいます。日銀が発表した6月企業物価指数は101.6、前年同月比1.2%の上昇です。明らかに円安による影響で、悪性のコストプッシュ型のインフレに陥っています。
円安による好影響をもっとも受けている、と思われるトヨタ社長が、国内設備投資、賃上げは難しいとの見通しを示したように、自民や日銀が盛んに喧伝する『賃金への反映』は起こっていない。そして将来的にも起こりようがない。内需の縮小がつづく限り、賃上げしようがないのです。それを金融政策で達成するのは困難、波及経路において、まったく理論的な証明のできない話です。

内閣府発表の6月消費者態度指数でも、前月比1.4pt低下しているのに、基調判断を「改善している」に据え置きました。しかし景気の実態をもっともよく表す、とされる景気ウォッチャー調査も6月は足元が3ヶ月連続の低下、先行きも2ヶ月連続の低下、指数自体はすでに景気が踊り場、もしくは低下傾向を示しています。つまり日銀、内閣府とも4月頃の話をしているようであり、参院選にむけた政局的な判断を下している、そう断じてよいほど、国民の意識とは乖離しています。
非常に危惧されるのは、政府、日銀とも想定していた経済効果が出ていない。そのことを国民に伝えていない点です。しかもそれを『うそ』で糊塗し、気づいたときには景気がどん底、という事態に陥りかねないことを今の政府、日銀はやっている。日銀の金融緩和はバブル発生装置、としていますが、今のところバブルが発生しそうにない。それどころか後退に陥るとき、日銀は打つ手を失いますが、それと同時に好調、好調と言い続ければ更なる緩和の手は打てません。どこかで自分たちの失敗を認めない限り、日銀からは新たな施策がない、そう思われるときが危機になります。

政府、自民から盛んに喧伝される「賃金が上がる」という言葉、これほど軽く、うそをつく政府、政党を見たことありません。猛暑で経済効果がある、と云う人も、うそをついています。これだけ暑いと外出を控え、さらに電気代が嵩み、消費が活発になるはずがありません。安倍政権は都合の悪い報道をするメディアを叩き、出入り禁止にするなどして、メディア統制を強めています。経済の分野でも、やがて統計資料でさえ、中国と同じで信用できなくなる。そんな国に日本がなってしまう恐れを、今の政府、自民の動きからは感じてしまうのが残念ですね。

analyst_zaiya777 at 23:13│Comments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

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