日銀の金融政策決定会合雑感。安倍ノミクスは落第点

2014年04月09日

ウクライナ情勢について

STAP細胞に関して、小保方氏が会見を開いています。ただ釈明と自らの立場の説明、というだけで、新たな材料は何もありませんでした。STAP細胞をつくるにはコツあり、として次の研究発表で…としますが、ここで研究者生命を断たれてしまうと、その発表さえできなくなります。それに第三者が再現できれば、当然そのコツ、も相手に知れるわけですから、公開できないという理由がわかりません。理研の調査委員会にも不透明感がただよいますが、小保方氏の会見にも釈然としない部分がある。この問題はもう少し長引きそうな印象が強まってきました。

ウクライナ問題も長引く様相を呈しています。ウクライナ東部で露系住民が議会を占拠し、住民投票による露国編入を叫びました。しかし露国外相がウクライナに連邦制導入を示唆するなど、明らかな内政干渉発言をするなど、各国の非難が強まっています。米国は早くも露国の工作員の存在を匂わせ、容認できないとしますし、この内政干渉発言のせいで、逆に露国は手足をしばられそうです。国境線に露軍を配置していますが、これを動かせば露国の重要な企業にまで、制裁措置が及び、経済的損失も大きくなってしまう。すでに経済成長見通しが、続々と引き下げられているように、その打撃は計り知れない影響を伴って、露国を傷めることになるでしょう。
問題は、ウクライナ経済の状況です。すでに破綻状態にあり、支援がなければ立ち行かない。露型の経済体制をとったため、強烈な格差社会となり、未だに国民1人あたりのGDPは近隣のV4(ポーランド、スロバキア、ハンガリー、ルーマニア)の4分の1に過ぎません。しかもこの混乱で、さらに投資もすすまず、産業も育たず、破綻を回避する術が見当たりません。しかも東部が露国へ編入されたとて、この状況は一向に改善されません。露国への投資が膨らまないのと同様、東部は更なる貧困に喘ぐことになります。借金をウクライナ本国へ押しつけ、逃げだせば済む話ではありません。もっと言えば、露国からの借入金依存がより鮮明になることでしょう。

それで露国が磐石なら問題ありませんが、露国も転換期を迎えつつある。天然ガスの販売は、伸びが頭打ちになるでしょう。輸入先の多様化と、新エネルギーへの移行はどの国でも喫緊の課題であり、欧州でも露国依存は減っていきます。日中への販路開拓を狙っていますが、日中も状況は同じ、一部を露国へと頼っても大口需要にはなりにくい。それは、今回のようなことを起こす露国と、取引を増やしてもリスクが高すぎるためです。投資も同様、露国はリスクが意識されます。
将来的にみると、露国には経済成長を阻害する要因が大きすぎる。今回の問題が長引けば長引くほど、露国への打撃となって利いてきます。電撃作戦でクリミア編入を決めたときのようには、行かなくなり、状況を見て行動すればするほど露国はさらに苦境に陥る、という構図です。内政干渉発言までしたのも、露国も状況の困難さを意識してのことなら、ここからの長期化は露国にとって最も忌むべき状況になってきた、ということになるのでしょうね。



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analyst_zaiya777 at 22:59│Comments(0)TrackBack(0)ロシア | 経済

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