FRB議長の会見米国による日本の人身売買報告

2014年06月20日

雑感。政治の失言

東京都議会で「お前が結婚しろ」、「産めないのか」というセクハラ野次がありました。恐らく自民都議とみられますが、自民都連は発言者を特定することもなく、都議会も火処分者の氏名がない、として処分要求をはねつけています。しかし発言者の周囲にいた人物は知らないはずもなく、セクハラは実際に行った者も、それを黙認した者もセクハラに加担した、という視点でみると、自民都連がセクハラ議員の集まり、と断罪されてしまう可能性もあるわけです。
しかし自民都連が沈黙するのは、都連会長である石原環境相の舌禍も影響している、とみられます。これまでも舌禍騒動をくり返してきましたが、「金め」発言は致命傷です。ここで自民都連からセクハラ議員をだし、責任論が及べば、石原氏の政界での発言力は一気に低下します。ただでなくとも先の総裁選で『もってない』ことを示してしまった。安倍政権でも傍流で、内閣改造でリストラ対象とされるだけに、庇う発言も少ない。不信任を粛々と否決し、閉会中に交代させるという流れが出来ています。パパ石原新党の存在感があれば別ですが、パイプ役にもなれず、石原氏はすでに『終わった政治家』という見方で一致している。自民都連と同時に、石原氏も『終わった』のかもしれません。

河野談話の検証チームが、聞き取り調査終了前に文案作成、韓国との調整という2点を発表しました。前者は調査が杜撰だったことを示し、後者は韓国との外交文書に准じる、ということを示します。外交文書であれば、双方に何らかの合意があり、合意履行を覆した可能性がある。これは表向き、日本の単独調査に韓国側は協力しただけ、というスタンスでしたが、それが覆されるかもしれない。今回の検証チームだけで、正しいかどうかは不明ですが、継続調査が必要なのでしょう。
韓国が竹島沖で射撃訓練を実施していますが、強い反応である点が、この検証に強い危機感を抱いていることの表れ、なのでしょう。密約については、日本は情報公開が整備されておらず、韓国側も情報統制下にあるため検証不能ですが、両国の反応は興味深いところです。

一方で、朝鮮総連の競売に対し、最高裁が異例のストップをかけました。北朝鮮との拉致再調査合意から、規定路線であるのは言うまでもなく、政府が司法に介入したことは自明です。この国では外交になると、途端に口が重くなるばかりか、超法規的な手法がめだちます。ことは国益をかけた話なので、ある程度許容される、という認識が裏にあるのは間違いなく、それが実は危険だということに気づいていません。特に、安倍政権がすすめる集団的自衛権の問題は、法整備もすすまないうちに実行し、抗弁して逃げてしまうという傾向が顕著にみられるのです。
河野談話も、結局のところおかしな合意を密約的に結んだことが、禍根を残すことになりました。沖縄返還時の、不透明な資金の流れも隠蔽され、後に判明したことです。セクハラ議員を隠したり、問題発言をスルーしてみせたり、政治が何をもって正しさ、とするかが今は問われています。起こりえないレアケースを並べたり、個別的自衛権と集団的自衛権を混ぜて、議論を混乱させたりする今の安倍政権に、少なくとも正しいことを行う、という認識に欠ける点が、政治における問題の根深さ、を示しているのでしょうね。

このエントリーをはてなブックマークに追加
analyst_zaiya777 at 23:05│Comments(0)TrackBack(0)政治 | 一般

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
FRB議長の会見米国による日本の人身売買報告