2月の米雇用統計についてGDP改定値と景気ウォッチャー調査

2015年03月08日

自民党大会について

中国の王毅外相が、反ファシスト戦争70年の軍事パレードに「誰であれ誠意をもってくるのであれば歓迎する」と、安倍首相を招待する意を含ませました。先の日中首脳会談、国旗も外し、愛想笑い一つみせなかった習近平主席が、ふたたびクセ球を投げてきた印象です。出席すれば談話にクギを刺され、出席しなければ日中の友好を踏みにじった、として批判できる。本来れあれば出席した上で、逆に日本からクギを刺すことが外交戦術としては考えられますが、安倍政権の外交手腕では期待薄です。嫌いな相手、苦手な相手をうまく説得し、胸襟を開かせるような、そんな高等テクニックは国会ですら見かけません。外交の場面で、しかも会うのが二度目、前回は挨拶程度しか交わしていない相手では、まず出席した方が傷口を広げるのでしょう。オバマ米大統領が出席するなら、参加する意味はあるかもしれませんが、このクセ球をヒットコースに打ち返すのはかなり困難で、安倍政権の外交手腕が問われるところでもあるのでしょう。

自民党が結党から60年の党大会を行っています。安倍首相は安倍ノミクスは成果を上げている、と発言していますが、公的資金が株を買う。日銀がETFを買う。公共工事の大盤振る舞いと、それこそフルスロットルで経済政策を打っている、と言いたいのでしょう。しかしそれでこの程度の成長、4-9月期などマイナス成長に陥っているのですから、それはどこか政策がおかしいのです。消費税増税だけではない、労働分配率の悪化など、日本に燻る消費不況には安倍政権ですすむ政策の歪みが影響するのです。好循環どころか、悪循環を起こしているとしか思えません。
憲法改正には触れず、安保法制には前向きな姿勢を示しましたが、安倍政権では憲法改正は間に合わない、との自覚もあるのでしょう。さらにこの時期、統一地方選を前にして憲法改正に脚光を浴びると、不利との思惑も働きます。ただでなくともISILの問題で、安倍政権下では日本の安全を脅かされる、との認識をもたれています。ここで憲法9条を変えるとなれば、益々そうした認識を強めます。安保法制はメディアとのタッグで議論をすり替えることができても、憲法となればそうも行きません。統一地方選への直撃は、なんとしても避けたいところでしょう。

気になるのは「自民党はこの2年で日本人の気持ちを『諦め』から『希望』に変え…」と述べた点です。東日本大震災から4年、様々なメディアでも特集されますが、どれも暗澹たる気持ちにさせられるものばかり。それは決して復興の難しさばかりでなく、行政の怠慢や不作為による影響も垣間見られるものです。そもそも『希望』を感じる人が『安倍ノミクスの実感がない』と、8割以上が答えるはずもない。むしろ安倍政権が始まってから『諦め』が支配し始めたのです。
しかも復興の問題でも、やたらと一体感を煽る『絆』や、暗に我慢を強いられるケースが多い、と聞きます。それが負担となり、心のバランスを崩すとも。安倍政権になってからやたらと恩着せがましく、安倍ノミクスの成果…と訴えた李、積極的平和主義もそうですが、日本人が美徳としてもっていた控えめに、相手の心を斟酌して行動する、といった行動が減った気がします。絆もそうですし、言わずもがなでこれまで日本人が実践してきたことを、言葉にして強要するかのような場面が目立つのです。その結果、強迫観念に陥り、それに耐えられない人が脱落していく。それは『諦め』から『希望』に変えたのではありません。『押しつけ』に変えたのです。その結果、国民は『飽きられている』というのが現状でしょう。自民党が今後、どれだけ続くかは分かりませんが、国民が『呆れている』に変わったとき、寿命がつきるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:03│Comments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

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この記事へのコメント

1. Posted by ジニー銀河   2015年03月08日 23:21
安倍首相は
日本をはじめ中国の周辺国を脅すような軍事パレードをわざわざ見に行く必要はないと思います!
安倍自民党政権は…
カネの問題で攻められている今国会中でさえ自民党の支持率は上がっているそうですから…なかなかあきられることはないと思います。
また安倍政権は…世界の中でも安定している政権の方だと思いますけどね…。
2. Posted by 管理人   2015年03月09日 00:12
ジニー銀河 さん、コメント有り難うございます。

軍事パレードを見に行くかどうか、そこにはもう少し外交上の判断も必要ですが、もしかしたらプーチン露大統領の出席があれば、安倍氏も出席するかもしれません。停滞している北方領土交渉など、こっそりとできるかもしれません。

安倍政権の支持率は高いですが、世論操作をしている政権は概ねそうです。それこそプーチン氏も国内では熱烈な支持をうけていますからね。しかし世論操作による支持をうけると、総じて歴史では敗者になります。ヒトラーも同様、当時はアーリア民族優位を掲げ、平和を訴え、高い支持率を誇りました。当時の社会では、メディアを統制するのは当たり前でしたから、今とは比較になりませんが、ジャーナリズムの確立や、メディアの独立性を謳った現在において、その功罪は計り知れなくなっているのでしょうね。逆にいうと、そうした信頼を得た後で、世論操作に加担しているのですから、容易に世論が騙されてしまう。露国で起きていることは、そのまま今の日本にも当てはまります。国際社会からみて、首をかしげることをしていても、国内の支持が高い。批判する者を抹殺するのも同様です。今では、政権批判をする人はメディアにも出演できませんからね。

今の世論調査でさえ、信用に値するものではありません。残念ながら、異常ともいえるレベルです。安倍氏の精神安定剤、とも呼ばれていますから、支持率を高く見せかけることは、メディアにとって必須になってしまっている。恐らく、どうして支持率が上がっているのかは、不思議に感じているでしょうが、その奇妙さもメディアによる演出と考えるのが、今は妥当ということなのでしょうね。
3. Posted by Sean   2015年03月09日 20:16
抗日戦争勝利70年記念と言う名目の朝貢体制の場に行く必要があるのか。
そもそも、歴史認識が特異過ぎる。「中華民国の抗日戦争」を当時の米英仏露が支持して中国を独立させたのか。中国が対抗すべきは、19世紀半ばからの西欧型植民地主義であり、その最終段階が日本であったに過ぎない。この行事は日本の敗戦という一時点の状況を、都合良く利用している。参加する国は、よほど注意深く中国の論理を認めずに上手く付き合う必要があるだろう。
王毅外相が言う「誠意があれば誰でも歓迎する」は聞こえはよいが、誠意の有無を判断するのは中国であって、要は「中国の意に従え」と言っているのである。しばらくの間は、日本のみならず各国に対し、様々な嫌がらせがなされることだろう。
4. Posted by 管理人   2015年03月09日 23:43
Sean さん、コメント有り難うございます。

個人的には、行く必要などまったくないと考えていますが、政権側の判断が難しくなった、ということですね。日米首脳会談への地均しのため、日中は仲良くしていますよ、というアピールのために前回、首脳会談を行った。本当にそれで雪解け、互いに理解し合うようになったのなら今回のことは起きていませんし、下手に安倍氏がにこやかに握手をしたため、これで行かないとすると、日中の関係は再び冷えこんだ、と内外から判断されることになります。安倍政権の場当たり的な態度が、事態を難しくしている、ということなのですね。

以前から、中韓は抗日として戦ったことを国の成立基盤に据えているため、反日教育なり、反日的態度を押し進めてきた、という経緯があることは指摘しています。つまり日本側がそれに対抗すると、内政干渉になっても自分たちがとってきた態度、教育、世論形勢してきたことなどを正当化するためには抗議し、日本側を変えるしかありません。日本側は逆に、米国にある程度教育なども握られてきたため、むしろ世論誘導が中韓に比べて少なかったのが、これまでですね。
 
しかし安倍氏の対応は、むしろ問題が多い。中韓のこうした問題を広く世界に訴える。それは政府がやると角が立つので、民間の有識者やロビィ活動などを通じて、広めていくのがいい。逆に、国内を反中、反韓でまとめ上げれば、支持率には好影響ですが、外交上のトラブルを増やすだけなので、それが今回にも影響しているのですね。こっそりと、中韓に仕掛けていくほどの戦略性も、したたかさもない。だから今回も頭の痛いところなのでしょうね。

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