株価上昇の要因?雑感。言論の自由と言論の操作

2015年03月13日

株価が19000円越え

今日も株は大幅高です。最近、市場には「上がる」と思っている人より、「上げる」と思っている人の方が多く、全員がそのトレンドフォローになっています。なので、下げ材料になるような項目は潰しにかかる。例えば今日のメジャーSQも19225.43円と、始値より大分高いところでつけると、幻のSQにしないために買いが入ります。今日も「上げる」と思っている人たちが元気だ、となるとそれに追随する。最近、クジラなど呼ばれることもありますが、市場にいる『上げ潮』派が元気なうちは、この騰勢を妨げるのはよほど海外から強烈なマイナス要因がないと難しい、ということでもあるのでしょう。実態との乖離はますます広がりそうです。

昨日発表された法人企業景気予測調査、1-3月の大企業BSIの現状判断は1.9、としか報じられませんが、増税後からずっと右肩下がりで、4-6月の見通しは1.0とさらに下落します。中小企業は-14.8と、ずっとマイナスに沈みますし、企業の景況感は悪化をつづけることが示唆されます。
しかも、利益配分のスタンスを聞いていますが、大企業は設備投資60.3%、内部留保56.1%、株主への還元55.4%となり、人件費はでてきませんが、中小企業は内部留保56.8%、従業員への還元55.4%、設備投資39.8%と並びます。苦しい、と答えた中小企業の方が、従業員に優しい、という事実がこの国の問題を表しているのでしょう。しかも経常利益は全産業で今年度0.3%の増益、来年度は0.5%の増益を見込みます。市場関係者が謳う二桁増益、とはほど遠い内容といえます。企業はいつも慎重なものですが、これだけ実質賃金が大幅に下がってきた日本で、少しぐらいベアが達成されても消費が改善される見込みがないにも関わらず、それを囃すのと似るのかもしれません。

2月の消費者態度指数は前月差1.6と上昇しましたが、ここ半年で前年同月を上回ったのは初です。しかしこれは原油安が影響しているとみられ、耐久消費財の買い時判断がぐっと上がったように、これまで大きく下がってきた分の反動でしょう。2月後半からふたたびガソリン価格など上昇を始めており、その影響がどう出るか、を見ておかないと判断がつかないものです。
米国でも同様に、景気が回復しても消費が改善しないのは、これが金融相場だからです。通常の景気循環なら、引き締めは金利の調整であって、インパクトは小さい。しかし量的緩和からの引き締めは、どうしてもインパクトが大きくなってしまう。家計は景気回復を信じられず、防衛的になる。特に、今の市場の異常な値動きなどを見るにつけ、それが弾けたときのマイナス面を想像し、余計な出費を控えよう、控えようとの意識が働きます。金融緩和からの出口にはバブル状態でないと、とても脱出することができません。日本とて、市場関係者がいうように来期の企業業績は二桁増益が期待できるのなら、緩和を続ける意味は、本来失われているといえます。日米の金融政策担当者の考え方の違い、それはさらに消費者を不安にさせる要因ともなります。

英国がアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を表明しました。実は、英国はロンドンなど一部の大都市でのみ、不動産バブルが起きていましたが、最近その状況に変化が見られます。あくまで個人的な見方ですが、英国はバブル崩壊に伴う失速を恐れ、中国に阿ったのではないか? 英国にもっと投資を。それがAIIBへの参加という形になったのだと見ています。つまり市場を人質にされた時点で、英国に選択肢が残されていなかった。市場の上昇だけをみて喜んでいるようだと、これは米国、日本とて同じ話になりかねません。英国が対岸の火事ではなくなります。
クジラの生態をよく調べると、海面から深海まで頻繁に行き来する、と言います。エサをとるばかりでなく、寄生虫を振り落とすため、海面にジャンプする種もいます。日本の市場は一直線に上がっていますが、これで海面からジャンプし、集っている寄生虫を振り落としたとき、後は一気に沈んでいくだけかもしれません。日本にいるクジラ、それをおいしく食べるのは鯨食の文化がある日本人ではなく、海外の投資家だったときは、悲惨なことになりかねないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:06│Comments(5)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

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この記事へのコメント

1. Posted by ひまわり   2015年03月14日 02:54
こんにちは(^-^*)/
今日の、300円ちかい上げには驚きです。ダウは、ミシガン大消費者信頼感指数を嫌気して大きく下げていますが、毎日変動が大きいですね。また、英国のアジアインフラ投資銀行参加へのニュースには、驚きです。アメリカを裏切るの?って。ウィリアム王子の訪問の意味が解りましたね。基軸通貨ドルへの元の挑戦はどう見てますか?
2. Posted by ひまわり   2015年03月14日 15:27
こんにちは(^-^*)/
朝刊で、国内債券市場の記事で『異次元緩和の実務も正念場』との記事が、ここまでくると、追加緩和なんてありえないと思えますが、ますます混乱の様相になるのでしょうか。
3. Posted by いろはのい   2015年03月14日 22:12
日本は人口減社会で労働人口も数年前から減少に転じています。従って、黙っていても失業率は下がると思われます。
日本では失業率は景気の実態を反映しなくなっていると思います。(それで景気を判断するのは無意味)
 米国はまだ人口減社会ではないと思いますが、失業率は景気の実態を反映しているのでしょうか?
日本と同じように小売が不調→本当は景気が悪い→利上げは中止、なんてことになりませんか?

4. Posted by 管理人   2015年03月14日 23:25
ひまわり さん、コメント有り難うございます。

米国とて経済指標を半ば無視して、ここまで上げてきましたから、実体経済と市場との乖離について、様々な不安もあるのでしょうね。そこには米利上げで資金還流、といった話を囃してきた部分もありますから、余計に不安なのでしょうね。

人民元は、基軸通貨ドルにとって代わりたい、という意図があることは間違いありませんが、それは難しいのでしょうね。かといって、ドルが基軸通貨のままでよい、とも考えていません。一時、SDRなどがそれに代わるのでは? と語られたこともありますが、バスケット方式などをつかって世界統一通貨、といった形にしないと、結局はその国の金融政策や経済情勢に左右されるだけですからね。特に、中国のように人民元を操作している、金融機関への規制が多い、といった国では代替通貨にすらなりえません。将来的にはどれぐらい、中国の自由度が高まるか、もありますが、先にも言ったように通貨バスケット方式の方がよりよい制度になるのですから、そちらを優先したいですね。

追加緩和はもう事実上、ムリです。恐らくやったとしても小幅な、例えば株式や不動産など、国債ではない金融商品ということになるはずですが、それでも日銀のバランスシートが、リスク資産で溢れることになるといった問題を回避できません。残念ながら、今でも続けている時点で、日銀のリスクは肥大化しているのですから、いずれ混乱するときは必ず訪れます。残念ながら、追加緩和どころか出口戦略を今から策定しておかなくてはいけない、そうした議論が4月ごろから、有識者を通じて出てくることにはなるのでしょうね。
5. Posted by 管理人   2015年03月14日 23:46
いろはのい さん、コメント有り難うございます。

日本では労働人口の減少に合わせ、なぜか求人数も下がっていて、その結果として有効求人倍率や失業率が低下している、といった謎の現象がおきています。本当に景気が好調なら、求人数は増えているはずですし、賃金も上がっているはずなのですね。実態を映していないのはその通りですが、この求人数と求職数の奇妙な関係について考察しておかないと、国民が騙されるばかりなのでしょうね。

米国は移民の受け入ればかりでなく、米国で生まれた人に国籍を与える、といった形で若い世代の人口が増えているのですね。ただ、残念ながらそうした米国籍をもつ若者が、そのまま米国で就職することもあまり多くありません。家族のいる国で就職するのが、一般的ですからね。米国で重要なのは、職探しを諦めた人や、また職につけない人がふたたび大学に通い始める、といった傾向がある点です。スキルを上げるために大学に通い、新たな就職先を探す。一見するとよいシステムですが、そのために借金をし、うまく就職できないと返すアテがないことで破産してしまう人が多い、といったことです。米国にはこうして、失業しても逃げ道のようなシステムがあるので、実態をどこまで映すかは微妙ですね。一応、U6といった広義の失業率を用いる指数を米FRBなども重視していますが、米国経済を正しくみるためには、目先の数字よりもその奥に隠れているものを見極めることが大事なのでしょうね。

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