国連防災世界会議と日本の対応日銀金融政策決定会合について

2015年03月17日

原発廃炉と株式市場

日本の株式市場が、ふたたび活気を失っています。朝高後、値動きが止まってしまい、日中は売買も低調。今日も売買代金が2.5兆円を切るなど、SQ後の高所恐怖症と、「上げる」と思っている層も朝高で出動機会が減るなど、閑散商状です。すでに米市場離れを起こしているので、これは単なるFOMC待ちではなく、市場参加者の減少を感じさせます。個人投資家が好む銘柄、新興市場がまったくこの上昇についていけてないように、「上げる」層がいない市場の低迷ぶりは、日本市場への魅力が薄れていく、その過程の一つということなのかもしれません。
一つ、川柳を紹介しておきます。『安倍が(嘘を)つき、黒田が(屁理屈を)こねし、バブルもち、すわって食うは、外国人投資家』というものです。途中に『かんぽ、年金が味付けし…』を付け加えると、現状を示すのかもしれません。詠み人知らずですが、結果として天下をとるのではなく、食った後に逃げられる、という意味ではより深刻な状況であり、笑える状況でもありません。

原発が廃炉、と一斉に報じられます。廃炉にしても放射化し、高レベル廃棄物となった圧力容器を処分することもできないため、現地に置かざるを得ません。また低レベル廃棄物をどう処理し、再利用するつもりなのか? それを監視しておかないと、日常生活に低レベル破棄物が入り込んでくる恐れもあります。例えば、山奥にある高圧電線用の鉄塔など、安全性さえ確認できれば、電力会社としては再利用もしやすいので、使用される恐れが拭えません。
しかも気になるのが、電源三法交付金が消える地方都市に、別の財源を政府が検討し始めていることです。原発には寿命があり、補助金はいつまでも受け取れない。原発立地自治体は、それを見据えて将来に亘って収益になるような、そうした事業をつくらなければなりません。しかし豪華な保養施設をつくったり、市庁舎だったり、分相応の贅沢な暮らしを享受してきたことも事実です。それを維持するための補助金なら、日本国民は何のために高い電気料金を払っているのか? 『かつて』原発を立地していた地域を養うために、ずっと補助金を払い続けるなら、日本は今後も増えていくその負担で、自滅の道を歩むことになるのでしょう。

日銀の緩和マネーで、じゃぶじゃぶになった株式市場、補助金で財政規律が緩み、原発が廃炉になった途端、苦境に陥る原発立地自治体は、実は明日の株式市場の姿なのかもしれません。公的マネーが消えたとき、自立できる姿をみつけておかないと、今のバブルは将来の負担になって、日本の株式市場ばかりでなく、日本経済全体を襲う災厄となってしまうのでしょう。
賃上げで来年度の消費が活発…という理屈は、トリクルダウンと同じぐらい、実証性は何も証明されていない話です。原発が、安全を重視するとどんどん高コストとなり、実は他の発電方法よりも効率の悪い発電であることが議論されていますが、それと同じ。日銀の緩和が、高コストの経済政策であるかどうか、あったのかと後に証明されるかどうかは、この株高が実体経済とどう整合するのかを、今からよく見ておく必要があるのでしょう。原発にしろ、日本だけが特殊な状況におかれ、議論がすすまないように、日銀の質的、量的緩和もまた世界からみると、かなり特殊な状況なのに、それの成否については未だに冷静な議論が為されません。この国は、お金があると気持ちが緩み、浮かれて使いまくる、という他人の金を扱う行政や、市場関係者の体質そのものに、問題の根があると云えるのかもしれませんね。


analyst_zaiya777 at 23:20│Comments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 原子力

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この記事へのコメント

1. Posted by ジニー銀河   2015年03月17日 23:35
再生エネルギーの高値買い取りもいつまでも続けられるものではありませんよね?
地域の未来は地域が考えたらいいと思います。
どうせ政治家は公共事業しか思いつきませんから…。
2. Posted by 管理人   2015年03月17日 23:53
ジニー銀河 さん、コメント有り難うございます。

再生エネルギーについては、初めから加重して買取する、つまり地熱や波力による発電は、初期の投資コストがかかり、参入が難しいのですから、そうした発電は高い買取価格を設ける。一方で、太陽光など初期コストが小さく、また維持コストも低いものは、買取価格も低く、といった制度設計が必要なのでしょうね。恐らく、太陽光パネルも需要がなくなり、過剰供給に陥っているため、これから価格も下落していくことになりますから、ますます初期費用を抑えられます。バイオマス発電など、参入しやすいものと、そうでないものを別けないと、自然エネルギーの利用がすすみ難くなるだけなのでしょうね。

地域の未来は地域が考える、確かにその通りですが、補助金漬けになると、結局は補助金に頼る施策を打ってしまうのが、人間の性なのでしょうね。原発は必ず寿命があり、雇用にしても永続的ではない。それを弁えないと、原発で働いている人がいるから、原発に反対できない、といった奇妙な論調になってしまいます。原発がなくても、独り立ちできる経済をつくる、それを確約した自治体でないと、本来は原発をつくってはいけなかったのですね。

そして市庁舎にしろ、保養施設にしろ、実はそれを建設するとき、公共工事の側面があります。ハコモノに似ていますが、そうしてその日暮らしで、補助金に頼っていたからこそ、原発立地自治体には苦境が襲うのでしょうね。動かせばリスクが高い、動かさなければ仕事がない。廃炉になると補助金が消える、という事実を最初から考えて行動する、そんな政治家がいないと、税金を食い物にするだけなのは、国政にしろ、地方にしろ同じなのかもしれませんね。
3. Posted by pasta   2015年03月18日 01:11
はじめまして


本日、東京株式市場引後の欧州株式市場と米国株式市場は大きく下落しています。ドル建て日経も他の市場と連動して下げていたのですが、東京市場の引値付近まで下げてくると連動しなくなり下げ渋っています。欧州勢と米国勢は売り優勢なのですから、ここで買を入れているのは本邦勢なのではないかと疑わざるを得ません。

政府筋が流動性の低い市場を使った指数吊り上げやっていても何ら驚きはありませんが、その先を思うと気が重くなります。ドル建て日経の資産を持つのも分散が効いてポートフォリオ構成上いいとしも、何故、既に割安でもない株の上値を更に買い進むとしたら拠出者、契約者、預金者でもあり民主主義国家の主人でもある国民にきちんと説明してもらいたいと思います。

国民が主人で政治家と官僚はその使用人であるという国家制度に対する基本的な認識が希薄な二流国というのが、残念ながら安倍政権を誕生させた我々の日本にふさわしい地位なのだろうと考える今日この頃です。
4. Posted by 米寿   2015年03月18日 17:12
全世界の国が一日に産出する商品・サービスの総額が約836億ドル。それに対して外国為替取引額は一日で1兆8800億ドル、デリバティブ取引をあわせると3兆1000億ドル。実体経済はマネー経済のわずか2.7%しかないことを知り恐ろしくなりました。なにかのきっかけで、世界大恐慌がおこるのでしょうか。
5. Posted by 管理人   2015年03月19日 00:17
pasta さん、コメント有り難うございます。

安倍政権では、メディアが政権監視と言う役目を放棄しているため、何でもやり放題といった感じですが、その結果としてバブルがおき、そのバブルが崩壊した後を考えると、暗澹たる気持ちになりますね。恐らく指摘もされないから、説明する責任もない、というのが安倍政権の考え方なのでしょう。政治資金でも、規正には後ろ向きで、世論が騒がなければそれでいい、という考え方ですしね。

日銀の黒田総裁、岩田副総裁とて、2年で2%の目標が達成できなければ責任をとる、とまで言っておきながら、目標を下げても何らそこに言及しません。残念ながら、この国ではメディアが協力する限り、おかしな政策、言動があっても支持率が高いということなら、二流国家の謗りは免れないのでしょうね。

国民主権という建前と、政治による不正を国民が知る権利すらない、という現実と、その中で改めて市場を透かしてみたとき、吊り上げであったり、引け間際の急進であったり、市場をよく見せよう、という意図が浮かび上がってきます。それを知りつつ、市場関係者もよほど匿名でない限り、事実を喋れないというのが、メディアのみならず市場関係者まで、この国では責任のとれない人たちになってしまっているのでしょうね。
6. Posted by 管理人   2015年03月19日 00:26
米寿 さん、コメント有り難うございます。

株式市場もレバレッジを含めれば、相当に肥大化していますからね。それこそ今は金融商品をどれだけ品揃えできるか? そんなことも市場の魅力として語られますが、その結果、マネーが垂れ流されても受け皿となりうる。逆に、恐慌などが起きると、希薄化した市場が重荷にもなります。残念ながら、いずれ世界は金融肥大化の逆回転から、恐慌の状態には突入するとみています。そのとき、黒田日銀の誕生の前なら、日本はいち早く不況から脱出できる、と主張していましたが、黒田氏になってここまで日本が愚策をとれば、恐らく日本の低迷は世界でも最悪のレベルに達するのかもしれません。

バーゼル委でも金融規制が議論されていますが、金融の肥大化により成長を享受する、という仕組み全体を見直さなければ、いずれ人類は大きな失敗を経験することになるのでしょうね。そのとき日本人が、どれだけかしこく立ち回れるか? そんなことを今から考えておかないといけないのかもしれません。すでにバブルと化した市場、いつかそれが弾けたとき、それを意識しておいた方がいいのでしょうね。

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