雑感。戦後70年の経済雑感。教育と理性

2015年03月23日

社会意識に関する世論調査について

安倍首相の訪米が正式に発表されました。米議会での演説は調整中、いってみればTPPで妥協しまくったので、韓国の朴大統領がしたように自分も演説させて、とのお願いは未だ受け入れられていない、という状況です。今日の発表に至ったのは大安ということ以上に、沖縄への牽制が強いとみています。恐らく法廷闘争にもつれ込むとみられますが、そうなると一旦は工事を止めるよう、裁判所から決定がでるはずで、しかも地裁、高裁レベルでは国敗訴の可能性もある。最高裁では国の意をうけた裁判官ばかりなので、勝訴は難しくとも時間稼ぎはできるのです。
本来、沖縄とは理をもって説得するしかありません。しかし安倍政権は利で懐柔することばかりを優先し、面とむかって話し合ってすら来ませんでした。嫌なことから目を背けてきた結果、法廷で向かい合うというなら、安倍政権で地方分権など有りえないとも云えるのでしょう。

3月の月例経済報告で「企業部門に改善」として、基調判断が上方修正されました。確かに鉱工業生産指数は若干もどりましたが、ブレの大きい指標であり、また2月貿易統計をみても数量ベースでは減少している。つまり全体として、日本の生産活動は低迷する一方、円安がすすんだことで輸出企業の採算性が改善された、に過ぎません。それでもムードを改善させるため、上方修正せざるを得なかったのは『社会意識に関する世論調査』が見るも無残な結果だったためでしょう。
悪い方向にむかっている分野として、財政(39%)、物価(31.3%)、景気(30.3%)、地域格差(29.6%)、雇用・労働条件(27.8%)です。しかも前回調査と比べ、各項目は軒並み数字が上がっている。安倍政権の経済財政政策は「悪くなっている」という意見が圧倒的、との世論調査の結果がでたのです。これは安倍政権にとってショックであり、嘘でも改善している、という必要性が生じたのです。しかも国の政策に、民意が反映されているかどうかでは反映27.6%、反映されていない69.4%なので、安倍政権は民意と逆行した政策をしているとの判断も下された。内閣支持率が50%越えでも、地方選で敗北しまくるここに、安倍政権のおかれた状況が映し出されています。

しかも良い方向にむかっているのは科学技術、医療・福祉などとつづきますが、STAP細胞の問題や腹腔鏡手術の問題など、色々とあるこの時期にこの結果。しかも政治とはほとんど関係ない話です。次は治安、防災とつづきますが、日本とてテロ警戒レベルを引き上げざるを得ず、また東日本大震災からの復興も道半ば、防災に関する報道は一時期増えましたが、実際には自治体レベルで区々の対応であり、決して良い方向にむかっている、とまではいえない状況です。
安倍政権にとって、この結果からは目を背けたくなる。嫌なことから目を逸らす、安倍政権ならばこの世論調査の結果は隠しておきたいところです。実際、メディアの扱いも小さく、ほとんど報じないところもあるほど。以前から注目されるような世論調査ではありませんが、それでも安倍政権のことを全否定する内容だけに、報じ難いという面があるようです。一部では、わざわざ景気の悪化を「消費税増税に伴い…」と但し書きをつけるところもありますが、もっとも悪くなっているという意見の多いのが財政なのですから、増税のせいにするのも違和感があります。

沖縄の民意さえ汲めない、経済政策も評価できない。統一地方選を前にして、安倍政権にとってこれは不都合な真実です。だからこそ、このタイミングで月例経済報告の基調判断を上げた。景気はよくなっているんだよ、というブラフです。ベアにしろ、ムードを上げるためのアゲアゲな情報は、メディアもこぞって報じながらのこの結果。安倍政権とメディアが組んで、行ってきたことの限界も見え隠れするのでしょう。さんご礁の破壊以上に、国全体、及び国民生活の破壊について、国民から訴えられそうな局面にまで来ているのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:12│Comments(8)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

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この記事へのコメント

1. Posted by ジニー銀河   2015年03月23日 23:46
国の防衛は国の専権事項です!
一地方のエゴで変わるものでもありません!

普天間基地周辺の人達の命は 辺野古の珊瑚の命より軽いのでしょうか?
かっての辺野古推進派の旗振り役だった現沖縄県知事の翁長さんなら…全てわかっているハズなのに残念という他ありません!
2. Posted by 管理人   2015年03月24日 00:20
ジニー銀河 さん、コメント有り難うございます。

人の命も珊瑚の命も重いからこそ、の沖縄の行動ですので、ここは間違えてはいけませんね。以前から指摘していますが、辺野古でなくとも選択肢はあったのに、辺野古に固執したのは自衛隊の事情など、様々なものが絡まったもので、逆に使い勝手の悪い、非常に不便なところに移されるのであって、誰も幸せになれないのが辺野古です。自衛隊の事情と利権の話を抜きにして、辺野古しかないというのも、実は誤りなのですね。

防衛に関しては国の専権事項ですが、平時の扱いについては地方との話し合いが必要です。話し合わずにすすめているのが安倍政権であり、もうこれは宿命のように、安倍政権が行おうとすることはトラブル続きになります。相手を説得する、という一番大切な、政治家にとって必須の事がらが抜け落ちているのですから。国会も同様ですし、地方行政も同様です。国の専権事項だから口をだすな! という態度は通用しません。安倍政権は、残念ながら歴史上の汚点の扱いをうけることが確実です。鬱屈した気持ちを抱える方が多いほど、後世にまで伝えよう、とするのが確実ですからね。これはいくら現世利益を重視し、お金をばら撒こうと、国のためだからと強引に政策を押し進めても同様です。国民の声を聞かず、それが最善だというなら説得から始めないといけないのです。そもそも、辺野古は自衛隊の基地ではないので、国防とはまったく関係ありません。米国でも日本の戦争には参加しない、という意見があるように、日米安保が本当に日本の自衛に役立つのか? から議論を始めないと、終着点は見えないのでしょうね。
3. Posted by けやき   2015年03月24日 09:59
簡単に国の防衛といいますが、「国」という言葉で何を指しているんでしょう。原子力ムラや米軍に配慮し、格差拡大を推進する現在の支配体制をいうのか、尖閣など領有権でもめている国土のことか、それとも意見の多様性や様々な出自を受け入れるあるいは排除する国民のことか。また「防衛」とは、外交や文化、経済の面での地道な努力をいうのか、米国のように先制攻撃を仕掛けることなのか。なんにせよ単純化して人を誘導しようとするのは、現在の政府、メディアにもいえることですが、感心しませんね。
4. Posted by ひまわり   2015年03月24日 17:45
こんにちは(^-^*)/
安倍政権による政策で唯一、株価だけが成功していますが。
AIIBを少し調べました。世界中で金融緩和に躍起になっている昨今で、中国の壮大なる計画である『一帯一路』計画!  世界が変わる予感がします。
5. Posted by 管理人   2015年03月24日 23:42
けやき さん、コメント有り難うございます。

国の形は難しいですが、国防に限って言えば、まず自分の国を自分で守れないようでは、首根っこを相手に押さえつけられたまま、首から下だけで動こうとするようなもので、決して正常な状態ではありませんね。一方で、日本より圧倒的に劣る軍備の国など山ほどあって、今の状態で日本単独で他国からの攻撃を排除できない、としたら、それこそ人も兵器も戦略も、それこそ落第レベルの話です。米軍の存在を認めることこそ、自民党の国防の考え方が誤りである、という象徴的な部分でもあるのでしょうね。

それこそ戦争抑止のためには外交力や、他国と深く付き合い、日本の力になってくれる国を増やす、政治力も必要となってきます。地球儀俯瞰外交と喧伝されましたが、訪日してくれる各国首脳の、なんと少ないことか。これが安倍政権の限界でもあるのでしょうね。本当に外交上、成功していたなら、ひきも切らずに訪日してくれる国があるはずですから。

今日の記事でとり上げたカントは、啓蒙という言葉を用いましたが、今の知識層とされる層、政治家であったり、企業経営者であったり、教育者であったり、メディアであったり、本来は啓発し、導く立場にある者たちがその役割を放棄し、民衆を愚民化しよう、と模索しているのが今なのでしょうね。
6. Posted by 管理人   2015年03月24日 23:51
ひまわり さん、コメント有り難うございます。

株価についてのみ、政権がずっと拘っていましたからね。そのために日銀、年金などに買わせ、金融機関まで債券運用から、株式運用に転換せざるを得ない状況ですから、今は買う層が一気に増えているような形なのですね。逆にいうと、買う投資家層が増えている間は上げますが、それが途絶えた途端、一気に落ちることになります。この3月や4月でそれが起こる、とは考えていませんが、残念ながらいずれ訪れる未来として、急落は覚悟しなければいけないのでしょうね。

AIIBについては、目的や方向性は正しいと思いますが、肝心の運営に関して、その基準や安全性に関してどういった方針なのか? 中国得意の公共工事偏重のやり方ではないのか? といった問題がどうしても残ってしまいます。インフラを整備すれば発展する、というわけでもありません。むしろ中産国の罠に陥れば、それが過剰投資となり、返済できない事態ともなります。中国のように、無理やり農民から土地を接収し、今さら労働者として働けない元農民にそのお金を投資させ、事業が破綻して農民が無一文になる、といったお金の吸い上げ方をする国で、どこまで他の国が投資リターンを得られるのか? それを考えると、仮に参加しても仕組み次第で抜ける、というぐらいに柔軟な対応をしておかないと危ないのでしょうね。
7. Posted by いろはのい   2015年03月25日 20:53
株価についてですが、売買のメインは外国人ですよね。日本の景気について詳しくない彼らは、今まで為替を指標にして取引してきたところが、今は公的資金の買いが入るので為替に関係なく爆買いしはじめた、そんなところだと思ってます。欧州の緩和マネーも入り込んでいるのでしょう。
 たとえ下がっても公的資金が上げてくれるので安心して買っている、というより、下がったときを狙って買っているように思います。だから日経平均は連続して下がらないのでしょう。
 勿論このまま続くはずがなく、下がっても上がらなく(上げられなく)なった時が、相場の転換点だと思っています。
8. Posted by 管理人   2015年03月25日 23:31
いろはのい さん、コメント有り難うございます。

今は需給相場ですので、需給が崩れたとき、が相場の転換点になるはずです。押し目買いは個人投資家も多いので、外国人投資家ばかりということもありませんが、その循環取引がうまくいかないと、戦略を変えてくるでしょうね。今のような相場は、上げるときも急ですが、下げるときはもっと急になるので、注意も必要なのでしょうね。

恐らく年後半には、間違いなく需給が崩れるのですが、そのタイミングでバズーカ第三弾を撃てるのか? GPIFに代わる買い手をみつけられるのか? それ次第であって、もしかしたらそれより早く、下手をすれば春を過ぎるころには需給も崩れてくることでしょう。しかもGPIFがさらに運用上、難しくなるのは外国株式も25%にする点であり、国内債券、株式が下がると外国株も売らざるを得なくなる。もし債券が暴落するようだと、年金はブラックマンデーの引き金をひきかねない、という点にもあります。運用規模が大きいだけに、実体経済を無視して株価が上がってしまうと、その後の調整がより深くなる。それを今回もまた体験することになってしまうのかもしれませんね。

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