雑感。教育と理性「我が軍」の衛星打ち上げ

2015年03月25日

市場の動きについて

住友商事が発表した今期の損益見こみが、かなり衝撃です。米シェールガスを含む資源投資に失敗し、100億円の黒字予想から850億円の赤字に修正しました。円安で海外投資に関しては、見かけの価値が上がっているはずですが、それだけに衝撃も大きい。また米企業も同様に苦境に陥っているはずですが、リグの稼働率はあまり下がらず、また早期に破綻したのは一社だけ。米国経済全体も含めて、原油安でも落ち着いてみえるのが、不思議と言えば不思議です。

日本の株式市場は、明日の配当権利とりに向け、下がらない状態がつづきます。しかし売買代金は3兆円に届かず、年度末と考えるなら低調と言える状況です。大型株は上がっており、ドレッシング買いを入れる必要がない、という以上に、すっきりしない閑散という気もします。数ヶ月前なら、日経225の10倍近い取引が成立していた日経225ミニなど、今では日経225より取引が少ない。極端にTOPIX先物偏重になったかと思えば、ここ数週間は現物株の方が増えている。しかも材料株には大きな買いが入り、何日も上昇を演じます。極端なことを言えば、日本市場の中で満潮と干潮ができており、お金が満ちる銘柄への取引と、そうでない銘柄とが、かなりはっきりと色分けされてしまっている。極めて不健全な取引が横行している状況です。
しかも、日本株がバブルでない、という理由付けに来期10%の増益を達成すればPERで15倍、という言葉があります。まず来期10%も増益できるかどうかすら曖昧です。仮に円安になれば、国内経済への打撃が深刻となり、内需に期待できなくなります。外需も今すでにバブルであり、それが後1年はつづく、という算段になります。その目論見通りにいくかどうか。トヨタでさえ来期は販売面で苦戦する予想の中、どうにも楽観的すぎる見立てではないか、とすら思われます。

実はこうした見立ても出ています。年金は運用比率が決められており、幅はありますが国内債券35%、国内株式25%で、未だに債券比率が高い。債券はすでに高値圏であり、後は下がるだけとも言われます。つまり株価が上がっていくと、GPIFが買わずともこの運用比率に入ってしまう。ここ数週間、GPIFの買いが止まったように見えるのも、トヨタの高値に見られるように、年金の運用比率上、限界に近づいてきたのではないか? 日経平均が2万円を越えると、逆にGPIFが売り手になるのではないか? GPIF保有株がぐんぐん上がっている状況に、買いを尻ごみし始めたのではないか? それがここ数週間の動き、年度末にしては閑散とする原因ではないか?
しかも来年度、債券価格がずるずると下落すれば、それもGPIFが株売りに転じる条件ともなります。これまでも何度か、海外投資家は日本売りを仕掛けており、ここで出てきた戦略が、GPIFを早めに売り方へと転じさせる。ここ数日、急速に4月の調整を示唆する発言が市場関係者から流されるのも、株だけが突出して上げてしまうことへの危機感から、ということにもなります。今、日本市場を支えているのは間違いなく買い手が増えている、という需給要因です。それが崩れたとき、日本には大きな調整が訪れる。それは債券安、株安を伴うかもしれない。これで円安ともなれば、トリプル安です。恐らくこれは遠くない未来には訪れますが、あまりに株高を急ぎすぎると、数ヶ月と経たずにそうしたことが起こるのでしょう。

下手をすれば、日本もマイナス金利を導入しなければなりませんが、貯蓄率の高い日本で、マイナス金利などとなればパニックを引き起こしかねません。一部では、日銀は内々に調査している、ともされますが、日銀の打つ手も限られてきた中、株高のみすすむ現状には注意も必要ということなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:17│Comments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

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この記事へのコメント

1. Posted by ひまわり   2015年03月26日 07:49
こんにちは(^-^*)/
日本市場の売買の中身が、そんなに変化しているんですね。
2. Posted by 管理人   2015年03月26日 23:29
ひまわり さん、コメント有り難うございます。

市場は日々、新しい戦略が生まれ、それに対処するものが現れ…のくり返しですが、今はそのペースが極めて早くなっています。その理由は二つあって、それほど収益が上がらないので、対処するプログラムが現れなくても撤退する。もう一つは景気の見方が不安定であるので、一方に傾け続ける取引は危険、ということなのでしょうね。オプションへの仕掛け的な売買などもあり、今は小口で、儲かるようにするのに汲々としているのでしょうね。

日本に限らず、4月には需給要因が少し崩れます。米年金基金が、ヘッジファンドの資金を引き上げる、という話ですが、高値圏にある株式市場から手をひくのは、ある意味、長期運用を目的とする年金基金にとって必須の動きとなるのかもしれません。急速に米景気減速が意識されていますが、需給要因の悪化もあるのでしょうね。さらに言えば、日本は4月に運用者の益だし売りが、今年はかなり高水準ではいる、とみられています。期初に利益を確保しておけば、その後の運用が楽になる、というものですが、運用者にとっても今後、どの程度の上値追いができるか、疑心暗鬼という面もあります。運用担当者にとって頭の痛い日々は、当分つづいてしまうのでしょうね。

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