雑感。財政と安保法制安倍首相の春

2015年03月30日

安倍首相、シンガポール国葬参列において

シンガポールのリー・クアンユー元首相の国葬に、安倍首相が参列しました。その席で安倍氏が居眠りをし、世界からも「Sleeping Abe!」と、驚きと侮蔑を交えて伝えられている、とされます。6時間弱の強行日程だから、と擁護する声もありますが、今どき日本全国、東南アジアぐらい日帰り出張するのは当たり前の時代です。しかも安倍氏は手続きしたり、空港で待たされることのない、高待遇での行程であり、疲労が溜まって…というのは通じません。逆に短時間だからこそ、そこに集中して臨まなければならず、それすら出来ないなら出席する体調ではなかった、としか考え難い。むしろ、国会でさえ居眠りするぐらい政治家の緊張感のなさが影響した、という方が自然にうけとめられます。いずれにしろ日本が大恥をかいたことに間違いありません。

沖縄県知事による辺野古移設作業の停止指示に対し、防衛省が行政不服審査法により執行停止を農水省に申し立て、林農水相が効力の停止を決定しました。そもそも、行政不服審査を行政間でだすことが正しいのかどうか? 同じ内閣の管轄にある中で、省庁間の対立の火種になるような決定を下せるのか? 甚だ疑問です。安倍政権では効力停止を錦の御旗に、工事を継続するようですが、これで行政手続き上の問題や、作業の進め方に一つ瑕疵が生じたことになります。
しかもこの手法が蔓延すれば、行政不服審査に行政不服審査で対抗し、国民による申し立てが事実上、機能しなくなる恐れがあります。しかも農水省が独自に、辺野古沖の海にもぐって実態調査をした形跡もありません。つまり書面上、防衛省が正しいと判断しただけのこと。これは翁長県知事と会おうともしない政権幹部と同様に、沖縄の方を半ば見ようともせずに決定を下したことになります。これも沖縄県民の心を大きく傷つける結果となっているのでしょう。

「我が軍」発言も、「これだけ時間を割かれるならもう使わない」と安倍氏は述べていますが、問題と認識しているので、早めに幕引きをはかったのでしょう。一部で「我が」はourと訳す、との話もありますが、日本語のニュアンスで「我が」には所属と所有があります。所属はourですが、所有はmyです。どちらの意味でつかったかは、前後の文脈にもよりますが、その考察もなく限定して批判したり、擁護したりすることは慎むべきでしょう。ただしそれを海外でどう受け止められるか、と考えたとき、翻訳者によりニュアンスが変わるならそれも問題なのでしょう。
しかし「Sleeping Abe!」のニュアンスは、正しく海外に伝播します。国葬されるほど評価が高い、その席で哀悼の意どころか、居眠りする姿を晒した。これが相手の国の国民にどう受け止められるか? 考えるまでもありません。シンガポールでは『虎の皮をかぶる山羊』という諺があります。通常、『羊の皮を被った狼』とされますが、こちらは逆。せっかく拾った虎の皮で、安心して草を食べていた山羊が、狼をみつけて慌てて逃げだしたため、虎の皮も忘れていった。つまり中身がないのに、威光を嵩にきて威張り散らすようなことを指します。内閣という威光を借りて、行政不服審査を行政の間で通してしまうことなど、辺野古移設の正当性を訴えられない、その中身のなさを露呈しているとも言えるのでしょう。しかも日本では虎の皮をかぶっていても、海外に行くときは忘れてしまうようです。春眠に暁をおぼえないだけならまだしも、赤っ恥を搔いてしまうようなら、まずその心がけから改めなければならないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:30│Comments(8)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

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この記事へのコメント

1. Posted by ジニー銀河   2015年03月30日 23:40
受け入れる可能性のない県外に執着するより 辺野古が現実的だと思います。翁長さんや社民党や共産党も…さがすのは国の仕事と逃げずに県外をさがすべきだと思います。 沖縄の民意が迷走した原因は 明らかに鳩山さんの県外発言からです。沖縄の民意はいつまで鳩山の夢物語に酔っているのでしょうかね…。
2. Posted by 管理人   2015年03月30日 23:59
ジニー銀河 さん、コメント有り難うございます。

実は、基地の移設先候補地としては廃炉原発の跡地、という話もあります。廃炉にしても、放射線を帯びた格納容器など、屋外に出せるまでは困難ですが、一箇所にまとめて管理、保管し、残りの地を基地とする。廃炉が本当に、政府がいう通りの期間で終わるなら、十分に可能な範囲です。ただし、沖縄にある他の基地との連動性や情報、管理のし易さで、米軍は沖縄に固執しており、また利権の問題で辺野古に固執するのが自衛隊、という構図が今なのですね。

一方で、沖縄はすでに経済が好調、自立できる道ができているため、基地を受け入れるのはデメリットになりつつあります。そうなると、沖縄が鳩山氏の掲げた夢に酔うのではなく、安倍政権がいつまで米軍の言いなりになるか、も時間軸上の判断としては重要となります。それこそ、安倍政権の次の政権が魅力的な提案ができるのなら、一気に解決できる可能性もあるのですから。そもそも論なら、米軍がいつまで日本に駐留し続けるのか? それこそずっと…というのも夢のように儚い話でもあります。くり返しになりますが、日本は日本単独で国防を賄えるようにならない限り、脆弱な国のままとなってしまいます。他国の戦争に出ていくことを議論する前に、自立自存できる国づくりを考えたとき、いつまでも『米軍のための基地』を整備しつづけることが正しいことか、を議論しないといけないのでしょうね。
3. Posted by ジニー銀河   2015年03月31日 00:11
沖縄経済が好調なのは…自民党の沖縄優遇策と円安や中国観光客のビザ緩和のおかげだと思います。まぁ今までの政策を転換するようなことはないと思いますけどね…。TPPの悪影響は沖縄にはないのでしょうか?
4. Posted by 管理人   2015年03月31日 00:39
ジニー銀河 さん、コメント有り難うございます。

沖縄経済に関しては、そう単純な話でもありません。むしろリゾート開発の波が、沖縄に訪れているのですね。外資が沖縄の立地条件、風光明媚な土地柄、等をみて出資をはじめており、実際にそれで雇用も増え、好循環が生まれているのですね。そのため、沖縄振興予算を削減しても、沖縄はびくともしない。そんな苛立ちが、安倍政権の強硬路線には滲んでいます。

しかもそうした観光産業にとって、基地は邪魔。むしろ辺野古に基地などつくらず、あのキレイな海をリゾート開発した方が、沖縄県にとっても得です。だから沖縄の民意は基地不要に、大きく傾いているという点を見逃してはいけません。基地があって、補助金やそこから落ちるお金をあてにしていた時代からの転換。それが金融緩和により、リゾート開発に資金が回るようになってきたため、というのが皮肉なのかもしれませんね。

TPPの悪影響はあります。砂糖は国の補助で守られてきましたから、さとうきび農家は大きく打撃をうけます。沖縄は豚肉が主になりますが、養豚業者にも悪影響があるかもしれません。沖縄からみれば、安倍政権は害悪にしか見えない。だからこそ、安倍氏への反発がより一層強まる状況かもしれませんね。
5. Posted by けやき   2015年03月31日 08:58
安倍政権による辺野古移設の強行は、それを「日米同盟の深化」の象徴とみる賛成派と、「対米従属の深化」の表れとみる反対派の、認識の差が根底にあるだけに、妥協は不可能でしょう。賛成派にとって「日米同盟」は、出世や利権構造を温存する種であり、国民に強権をふるう権力の快感を与えてくれるよりどころで、そこに対米従属を死守しようとする根本的動機があります。その構造を維持するため沖縄は本土に従属せよというのが政府の立場でしょうが、本土の国民と違い、主権を回復しようとし始めた沖縄県民には、それは到底受け入れがたいでしょう。このままでは、反対運動は自立への第一歩となるかもしれませんね。
6. Posted by いろはのい   2015年03月31日 21:21
首相も、自衛隊を軍隊と呼びたければ、まずは日米安保条約を破棄するのが先でしょう。
 軍隊の保持を禁じた憲法を与えたアメリカが、代わりに日本を守ってやるという名目で締結されたのが始まりですから。日本が軍隊を持てば、当然安保も不要になるはずです。
 米軍に出て行ってもらえば辺野古問題も一気に解決です。
 首相がもし憲法改正で自衛隊を軍隊にしたいなら、安保は破棄しないと理屈に合いません。

7. Posted by 管理人   2015年04月01日 00:16
けやき さん、コメント有り難うございます。

従米、媚米も一つの利権ですから、安倍政権はもうそれを止めることもできないのでしょうね。辺野古移設の正当性を訴えるのが、日米同盟を壊す気か? というのですから、何をかいわんやです。その前に国民生活を壊してどうするのか。国民の声も聞かず、米軍とも再調整せず、物事を推し進めようとする安倍政権は、圧倒的に調整能力に欠けた政権、ということなのかもしれませんね。そこに利権が絡めば、融通も効かなくなります。

辺野古移設は、菅官房長官マターともされますが、菅氏はメディアに圧力をかけていない、と定例会見でも発言しますが、その定例会見で「放送法に違反するのでは? まずはテレ朝の出方をみる」と、放送法を盾にして圧力をかけたことが確実で、同じ発言を聞いたはずの記者が、それを指摘しもしないという異常事態を生じています。そんな人物ですから、辺野古移設を沖縄と話し合わなかったり、も平気でできてしまう人物なのでしょうね。政治家には冷徹な面も必要ですが、それを国民に向けるべきではありません。それは後世、必ず批判される政治家として、意識されることとなるのでしょうね。
8. Posted by 管理人   2015年04月01日 00:25
いろはのい さん、コメント有り難うございます。

憲法改正の前に、まず日米安保のあり方から考え直すべきなのでしょうね。自衛隊を軍にする目的が、米軍に追従するためなんて、笑い話にもできませんからね。

そもそも、米国は世界の警察の任から下りようとしているのに、警察権を維持する目的の基地をつくってどうするのか? 米軍が他国に駐留する規模は、今後も確実に小さくなっていくのに、日本だけが拡張しなければならない説明は、今のところ政府からは一言も出てきていません。残念ながら、この国にまともな安全保障を考えられる政治家は、いないのかもしれませんね。例えば軍事オタクで知られる石破氏のレクサス問題にしろ、政治家がどれだけ贅沢をすれば満足するのか、を露呈したような話です。庶民は大半が軽自動車に乗り換える昨今、日本の高級車は政治家のためにつくっているようなもの、だから軽自動車税を上げても政治家は痛くも痒くもない、というところなのかもしれません。

安全保障とは、本来は国民を守る上で考えなければいけませんが、国民を犠牲にして成り立たせよう、というのが安倍政権なのかもしれません。原発にしろ、国民の声が聞こえない政権として、メディアが流す政権ヨイショの声しか届かないのが、現状なのでしょうね。

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