安倍首相、シンガポール国葬参列において3月日銀短観について

2015年03月31日

安倍首相の春

安倍首相が桜をみて一句詠みました。「賃上げの 花が舞い散る 春の風」これを聞いてすぐに散ったらダメだろう…と思いましたが、周りにいる記者は愛想笑いするだけです。個人的に添削すれば「賃上げの 花咲き乱れ 春うらら」なら、満点です。しかし現実との乖離から、それはどこ吹く風、というなら「賃上げの 記事は多いが 蜃気楼」なのかもしれません。
一方で、鳩山邦夫氏の主宰するメンバーと桜をみたときは「世の中は 桜の花に なりにけり」と述べたとつたわります。桜はぱっと咲き、ぱっと散る。バブルを意識してこの良寛の句を択んだなら、良識はあるのかもしれません。ただ安倍ノミクスは自然に咲いた花ではなく、人工的に咲かせた花です。栄養剤を打ちつづけ、満開になった後はムリが祟って枯れてしまう手法です。「世の中が 桜のように 散りにけり」となるかどうか、それは今年にかかっています。

中国の主導するアジアインフラ開発銀(AIIB)の参加締切日となりました。日米は静観ですが、英国から雪崩を打って各国も参加を表明した。極めて規模は大きくなりそうです。ただ北朝鮮の参加は拒否、と伝わりますし、経済的に不安定な国もあるなど、内容には問題もありそです。ただ日米は不参加、要するに中身をつくり上げる過程にはタッチできません。
そんな中、中国がユーラシア大陸を内陸、沿岸とで東西をつなぐ新シルクロード経済圏、一帯一路の構想をぶち上げました。インフラをつくれば産業が活性化する、という中国の奇妙な思想が色濃く滲みますが、治安が不安定な国を通過する際どうするか? さらに通関をどうするのか? 例えば自国の知らないうちに、国内を爆弾、もしくは化学兵器などの危険物質が通過する可能性もあり、そのため検閲を厳しくすれば利便性は頗る低下します。一帯一路は、夢想の段階ではすばらしくとも、現実的ではありません。それこそ中国は人民元を共通通貨とし、中国型の制度、経済政策を共通とする、TPPに対抗する新たな経済圏をつくりたいのであって、そこにAIIBの資金を効果的につかう計画なのでしょう。問題はインフラ整備が各国でも重い負担となったとき、中国に支える力があるか? という点です。住宅ローン規制の緩和など、中国から相次いで減速への対策が打ち出されていますが、落ちはじめた市場への処方箋となるかは不透明です。

日本の株式市場は年度を通じて、約3割ほどの上昇となりました。しかし今年に入ってからは値嵩株だけが上がり、先物で指数のみ吊り上がる状況となっており、決して健全な上昇局面とは言えない状況となっています。先物やオプションでは、日々異なる戦略に振り回され、値動きも粗くなっています。現物株も、材料がでると飛びついてストップ高、しかしその材料が、極めて不純なものも多く、単に「上げるから買う」という需給要因に大きく比重がかかり過ぎの印象です。
今年はまず4、5月に需給要因が崩れます。さらに夏ごろには、GPIFなどの準公的資金も、続々と需給を乱す要因となってきます。日本の企業の稼ぐ力が、本当についているのかはそのとき、大きく市場を左右するのでしょう。安倍氏は『我が世の春』を謳歌しているようですが、この『我が』はmyです。しかもこの春は、いずれ花散らしの嵐がくると、すぐ吹き飛んでしまうような脆さを秘めたままでもあります。それが中国から吹き荒れる黄砂なのか、それとも中東から吹きつけるアラブの春の風なのか。日本までつながっていたはずのシルクロードは、新シルクロードには入らないと決めた。どこから吹いてくる風かは分かりませんが、背伸びしている経済に、強い横風を浴びたときにどうなるのか? 安倍の春に花をつけるような植物は、ほとんど育っていない今、生き物も住みにくい場所に日本はなりつつある、といえるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:34│Comments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by ジニー銀河   2015年03月31日 23:55
アジアのインフラ整備というのは 国際的な公共工事ですよね?
結局は中国共産党が仕切って外国の資金を活用して中国の国営企業が一番美味しいところを食べるという算段ですよね…。 捕らぬ狸の皮算用なのか…
そうは問屋が卸さないのか…
欧州勢の頑張りにかかっていると思います。
2. Posted by 管理人   2015年04月01日 00:35
ジニー銀河 さん、コメント有り難うございます。

AIIBは公共工事に偏ることは間違いありませんが、まだ中身がよく分かりませんからね。中国の国営企業が受注するのなら、諸外国で行うODAと何が違うのか? という話にもなります。そもそも、参加表明した国は自国の利益の代弁をしているので、仮に中国がそうした方針を提示しても、まとまるかは微妙ですね。そもそも論ですが、新シルクロード構想は古くて目新しいものではありません。シベリア鉄道なども、ロシア国内の輸送も担う一方、アジアの物流を担う目的もありましたからね。道をつなげば…、鉄道をつなげば…と考えがちですが、それほど単純な話でもなく、TPPのように様々な経済統合の果て、インフラもつながれば、という途方もない話になるのでしょうね。

一方で、中国はそれを夢見ているのは間違いなく、また人民元を主要通貨とするため、様々な手を打ってくるでしょう。今回も、今はまだどのような手になるかは分かりませんが、人民元との取引弁を設けてくるのかもしれません。例えば工事は地元の業者に任せるとして、取引通貨を人民元とする。そうすると、自然に人民元を扱うことになり、流通量が増えます。アジアでそうやって、人民元を拡大させることが目的なら、恐らく中国はそれ以外の範囲は妥協するでしょう。今回のAIIBに、どこまでの深謀遠慮が隠れているかは、情報を精査した後に分かってくることなのでしょうね。

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
安倍首相、シンガポール国葬参列において3月日銀短観について