ギリシャ国民投票はNO6月景気ウォッチャー調査と中国

2015年07月07日

雑感。ちょうへいとちょうよう

民主党のパンフレット『いつかは徴兵制 募る不安』が、回収騒動になっています。党内調整がつかないまま、支部に発送してしまったとされますが、印刷前に推敲を重ねているはずで、その説明には疑問符がつきます。保守系メディアは情緒的で、扇情的としますが、中身はよく分からないので評価しようがないものの、手続き上は極めて不手際があったということです。
しかし自民にも『いつかは徴用工』の問題がおきました。文化遺産の登録をめぐり、『forced to work』の文言が入ったことで、これが強制労働をさすのではないか? と国内から激しい抗議がおき、自民党は外務省をよびだす構えです。しかしこれは外務省の問題ではなく、安倍政権の問題であって、岸田外相が『forced to work』で認めています。いくら「強制労働ではない」と、岸田氏が述べようと、英訳するときは『強制労働』になることが通常であり、『forced to work』がいつかは『徴用工』と訳されるようになるかは、まったく未定の状況です。

保守系メディアなどは『自民が反撃』として、これから国際社会で『徴用工』であることを発信して行く、としますが、攻撃されて敗北したから反撃するのであって、最初から『drafted worker』で押し切っておけば、何ら問題なかったはずです。それが世界遺産登録という実を焦り、『forced to work』で妥協したからこそ、後に膨大な問題を抱えることになった。まさに安倍外交の敗北、これまでと同様、見かけの成果にこだわった結果とも言える惨憺たる状況です。
「慰安婦問題と同じ」との指摘も、まさにその通りでしょう。韓国内の裁判どころか、今後は強制労働の碑、なる石像をかの国は世界各地で建てようとするかもしれません。菅官房長官は「ハイレベルで合意している」ので、問題ないとの認識を示しますが、外相会談の内容など公にできるはずもなく、また外相が代われば知らぬ存ぜぬ、で通せます。世界遺産の声明に残った『forced to work』がほとんどすべてであり、韓国はこれを盾に様々な嫌がらせも可能です。

安倍首相が自民党のネット番組にでて「テレビに出たいが、呼んでくれない」とボヤいていました。しかし何度も、くり返し同じ説明しかしないので、話がつまらない。下手に鋭いツッコミでもすれば、それこそ自民党から抗議をうける。ツッコミを入れなければ、視聴者も見てくれない。いずれにしろリスクが高くて、さらに秒単位で視聴率が下がると評判の首相をよべば、それこそ広告がつかなくなる恐れが高い。民放ではまず呼ばれないでしょう。
最近、安倍ノタメノNHKを自認する某国営放送なら、出演できるかもしれませんが、それこそ以前の自民党の抗議、「与野党を公平に扱え」に従えば、与野党各党首を呼ばざるを得なくなる。安倍氏が単独で出演し、説明することも安倍政権がこれまでメディア操作に用いてきた文言で、抑制されてしまったのです。若手芸人や地下アイドルだって「テレビに出たいが、呼んでくれない」のであって、自分の都合で今は出ます、出たくありません、を差配しようとしてもムリ、それが喩え日本の最高権力者であっても、ということでもあるのです。

韓国に強い態度をとっていたものの、能力不足なのか、しっかりとしたチェックを怠って『forced to work』を盛り込んでしまった愚により、結局は腰砕けになってしまった。これまでメディアを規制しようとしたことで、国民に理解の広まらない安保法制の説明をしようにも、自主規制がかかってしまった。まさに今、自業自得で安倍政権は追い込まれつつあるのです。徴用にはもう一つ、commandeerという単語もあります。今はcommandant(指揮官)の指導力不足が顕著となってきて、いつかみた凋落の道を、ふたたび辿り始めた、といえるのかもしれませんね。

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analyst_zaiya777 at 22:53│Comments(14)TrackBack(0)政治 | 一般

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この記事へのコメント

1. Posted by ジニー銀河   2015年07月07日 23:12
韓国のネットユーザの反応は…登録を許した韓国政府に厳しいです。あとの会見で強制労働を否定した岸田外務大臣を見習え的な意見もありました。 今回のゴタゴタで…日韓関係の難しさを再認識しました。
民主党の徴兵制のビラ問題は…無責任な三流週刊誌的な記事だと思います。
なんでもいいから自民党の足を引っ張りたい的なものだと思います。 関西維新の会ができるということは…維新の会が分裂するということでしょうか?
2. Posted by 通りすがり   2015年07月07日 23:19
「徴用だから問題ない」という発想が愉快だすね
案外「徴兵じゃなくて徴用だから問題ないと」
戦闘地域での運送、建設の作業への徴用を考えるようになったりして
3. Posted by ジニー銀河   2015年07月07日 23:43
戦時中は人手不足を補う為に…大勢の日本人も徴用にとられました。戦後徴用で働いた日本人は賠償を求めたのでしょうか?日本人は当たり前と考えていたのです。徴用は日韓基本条約で解決済みです。
4. Posted by 管理人   2015年07月07日 23:55
ジニー銀河 さん、コメント有り難うございます。

この場合、韓国メディア、ネットユーザーの反応はあまり意識しない方がよいでしょう。むしろ、韓国政府に厳しければ、ますます韓国政府が意固地になり、この問題で日本を攻撃する材料とするはずです。韓国政府にとって、今回のforced to workを最大限に利用しない限り、これをプラスとすることができないなら、日本とて同じようにこれをどう読み替えさせるか、に力点をそそがなければならない。日本語の違いで満足しているようでは、まず外交で敗北を重ねることになるだけでしょうね。

民主党のビラは、洩れ伝わってくる情報しか分からないため、つまり全文を読んでいないため、評価も難しいものです。保守系メディアがその一部を切り取って批判しますが、これはどんな問題も同じ、色のついた記事をかくところは、注意して読んでおかないと最終的な判断を間違えてしまいがちなのですから、それを差し引いてみておく必要もあります。

維新は分裂するでしょうね。遠くないうち、ということになるのでしょうが、橋下氏はもう分裂に乗り気で、それに阿諛追従する議員も乗り気で、小が大を振り回す構図にも限界が近づきつつあります。恐らくローカル政党となり、関西圏のみの大阪維新と、結いの二つにふたたび分裂する、というのが規定路線になりつつありますね。橋下氏には組織を率いていく力がない。カリスマとよばれる層にありがちな、唯我独尊的な部分が、組織が大きくなればなるほど、分裂懸念を増していく。都構想が頓挫し、政治の道にやる気を失っていた橋下氏が、盟友である安倍氏の援護射撃をすることで、自らの存在価値を見出した、というのがこの前の会談以来の流れでしょう。それに反対する結いが、疎ましくなってきた。結局、橋下氏が『壊し屋』への道をひた走っている状況でもあるのでしょうね。
5. Posted by 管理人   2015年07月08日 00:14
通りすがり さん、コメント有り難うございます。

徴兵も、徴用も、戦時における有無を言わせず任につかせるものですから、人権は無視している話です。日本政府が『徴用』にこだわり、『強制労働』を否定しますが、印象的には同じ。ナチスの強制労働と同一視されることを嫌って…とは言われますが、それは『徴用』だからという、表向きの文言よりも、内容によって評価されるものですからね。

昔から、戦時の輜重輸卒は兵士か、そうでないか、というのは議論もありますね。ただ、今は海外が戦場となるなど、輸送路が伸びて、必然的に兵士があたることも多いですが、かつては兵士とはいえない民間に担わせることも多かったのですね。現代でそんなことをすれば、責任問題となりますが、兵士の数が限られていた戦前では、各国とも似たような状況でした。もし現代で、民間が戦地における建設、運搬をになったら『人間の盾』として糾弾されることは間違いありません。まさかそんなことをするとは思えませんが、少なくとも『徴用工』か、『強制労働』か、にこだわる前に、韓国の裁判において外交問題になりかねないことが判断されるのなら、抗議するぐらいの強い姿勢でないと、いつまでも同じ問題をくり返すのかもしれませんね。
6. Posted by 管理人   2015年07月08日 00:21
ジニー銀河 さん、コメント有り難うございます。

このケースで、日本人は徴用されても賠償を求めていない、ということは関係ありません。別に賠償を求めることは可能ですし、今後はそういう人がいるかもしれません。判決がどうなるかは分かりませんが…。

それに日韓基本条約で解決済みではあるのですが、ではなぜ韓国で実際に裁判が行われていることに強く抗議し、外交関係を悪化させたとしてすべての取引を絞る、といった措置をとらないのか? そこも問題にしてしかるべきですね。表立ってやる必要性はありませんが、米国でもこうしたケースで、外交問題になるような場合は、嫌がらせのような措置をとってくることがあります。日韓関係なら、ほとんど日本が有利にコトをすすめられるのですから、韓国からの輸入品にイチャモンをつけたりすることだって、日本政府にはできるのですね。そうした行動が正しい、というつもりはありませんが、それが外交です。

安倍政権は、できることをやってもいないのです。それで、外相会談で合意したにも関わらず、直前になって韓国がロビイ活動を活発化させたことを、国内で「嫌がらせ」や「腹立たしい」と述べているだけで終わりでは、結果的に外交をしていないも同様です。よく「抗議しました」とは述べますが、具体的な行動をとった例は、存外に少ないのです。日本の弱腰外交は安倍政権でも改まらず、というのが今回のケースでもよく現れてしまった、ということなのですね。
7. Posted by Pasta   2015年07月08日 01:39


東京大空襲によって被害を受けた被害者らが国を相手取って損害賠償請求訴訟を起こした裁判がありましたが、国民が等しく受忍しなければならなかった苦痛として裁判所は国から被害者らへの損害賠償を認めませんでした。戦時下の徴用による被害もこの判例が適用され損害賠償は認められないでしょう。

日本と韓国の国対国の精算は日韓基本条約によってなされているのですが、これには前述の徴用ような国の法令によるものが含まれているに過ぎず、戦争前でかつ企業と個人による違法な雇用関係のようなものについては日韓基本条約の対象外で損害賠償請求は可能と考えられます。とは言っても裁判を維持できるほどの証拠もないので、これまでは裁判所から和解を勧告されて決着してきた経緯があります。

ところが日本国政府が個人の意に反した労働を強いていたということを認めるなると日本企業と韓国人の間の損害賠償請求訴訟には大きな影響がでます。特に米国や韓国本国など海外で韓国人らによって日本企業を相手取って起こされている損害賠償請求には日本企業に決定的に不利に働くでしょう。

同じような戦後精算のグレーゾーンを扱った事件では直近では商船三井が中国人から戦前の船舶の貸与について損害賠償請求され中国政府が動き供託金40億円を支払わされるという事件がありました。(古くは西松建設強制連行訴訟などがありあます。)

これも安倍政権が日中友好条約の元になっているサンフランシスコ平和条約をないがしろにしようとした為に中国政府が対抗措置を講じてきた結果、発生したものでした。あんな廃墟の世界遺産登録の為に、これまでの先人の膨大な努力と知恵をないがしろにするとは安倍政権に呆れて言葉もでません。

8. Posted by 通りすがり   2015年07月08日 01:42
日本人はあたり前と考えたから問題ないってのもあれですね。
つか、条約で解決ずみだから正しい行為となるのは疑問
犯罪で懲役で罪を償ったから犯罪ではない無いというのと同じくらいズレているような。
それにしても現代でも人手が足りないから徴用したら
「当時の日本人はあたり前だと思ってた」で納得するのでしょうか?
「当時とは時代が違う出」逃げるのかもしれませんが
9. Posted by swallow   2015年07月08日 04:30
当時は、植民地化が当然という世の中でした。日本は併合・同化という形態を取った為、徴用は自国民という認識が有ったかもしれません。慰安婦についても同様の意識だったのかも知れません、多少の差別意識は有ったかもしれませんが。パラオとかでは半日感情は無い訳ですから、同化政策が悪いのか、というのは、受け取る側によるのでしょうね。さて、植民地が独立してシアワセになれたでしょうか、否ですね。
10. Posted by ジニー銀河   2015年07月08日 06:13
慰安婦や徴用の賠償請求は…韓国の司法の判断です。司法の判断に韓国政府は従わざるを得ないし…ましてや日本政府としてはどうすることもできないと思います。
韓国司法のポピュリズムが大きな問題だと思います。
11. Posted by 管理人   2015年07月08日 23:37
Pasta さん、コメント有り難うございます。

韓国の司法制度については詳しくありませんが、請求権の時効がない、という点にも問題があると考えます。例えば当時の企業が現在までつづいているケースと、すでに廃業しているケースがあるので、請求できる人とできない人が出てくる。違法性もそうですが、個人対企業で訴訟するにも、差が生じてくるのですね。なので本来は日韓基本条約など、詳細な内容をつめて個人対個人、個人対企業も含めて、国家間で賠償に関する一切を完了しておくことが求められます。細かい文言は分かりませんが、恐らくそれは入っているはずなのでも、今回の件でどうなるかは分かりませんね。日本はこれまで『強制労働』を認めてこなかった。それが認めた、となれば条件が変わります。日韓基本条約から見直す必要もでてきそうです。

本当に安倍政権は何をしたいのか? 何が成果か? よく分からないことになっています。やたらと今、噴火警戒レベルにしても、経済的な打撃を心配する声はありますが、それ以上に安全に配慮しないといけないはずです。事故でも起きれば、そのダメージで観光業は数年は立ち直れなくなりますからね。原発も同様、最早どの程度、経済効果があるかは分からず、むしろ事故になったときの損失を考えると、再稼動が妥当かどうかは判断がつきかねます。安全を蔑ろに、経済を最優先。その姿勢が顕著であって、国民の最も大事な点が蔑ろにされている、そんな懸念が強まっていますね。それは今回の、世界遺産登録でも顕著にでてしまった。ここで登録できないと、安倍政権の失点になる恐れがあり、成果を焦った。結果として、外交上の敗北になっている。安倍政権が考える成果と、国益とが合致しなくなっている。これは極めて重大な事態となるのでしょうね。
12. Posted by 管理人   2015年07月08日 23:48
通りすがり さん、コメント有り難うございます。

条約で清算がすんでいるはずだったのが、今回で蒸し返されそう、という点が問題なのでしょうね。それこそ慰安婦でも、日韓基本条約のときにはそうした事がらがあったと知らなかった、という韓国側の主張には同意できませんが、今回も『強制労働』なんて知らなかった、と韓国が言い出す恐れすらあります。清算が清算になっていない、そうした懸念を想起させた点が問題なのでしょうね。

当時の日本人がそれを受容せざるを得なかった、としても、常識だったか、はまた別です。国のやり方に疑問をもっていた人が、相当数いたことは検証されていますし、特高に捕まるから…と渋々従っていた人もいた。そうした人もひっくるめて「常識」だったのかは疑問も残るところです。それでも当時は、犯罪とはしておらず、それはもう制度を決めるべき国が行っているのですから、そうなるはずもないのですが、制度として適用されていたことも事実です。徴用を拒否できる状態でなかったのなら、やはり問題があったのであり、強制と徴用の差に、一体どんな線引きが必要なのかも含めて、これは議論の対象になるということになるのでしょうね。
13. Posted by 管理人   2015年07月09日 00:04
swallow さん、コメント有り難うございます。

当時、最初は日本人のみが徴用され、後に朝鮮半島出身者も徴用されました。これは徴用により使役されるのが、国の基幹産業、当時でいえば軍事兵器などの製造に関わる部分であり、朝鮮半島出身者に信がおけなかった点が影響するのでしょうね。内部で破壊工作をおこされたり、それこそ機密情報を持ち出されたりすれば、一大事ですからね。それでも朝鮮半島出身者まで徴用するようになったのは、そうした懸念以上に、人材不足が顕著となった点が大きかったのでしょう。それこそ中学生まで動員されるぐらい、人手不足が深刻だったのですからね。

朝鮮半島には、曲りなりにも国家があり、また独立心も強い中で、併合したことに反発する層が多かったのは事実です。韓国ではよく朝鮮人として虐げられた、としますが、そのほとんどは国家主義における反体制派への弾圧であって、朝鮮出身者だから、というのとは別なのですね。国民の心には、併合した相手、という差別意識があったことは否めません。これは今と異なり、人権意識が低かったこと、差別感情を戒めるような教育が為されなかったこと、など色々とあるのでしょうね。しかし国として、差別を助長するような制度は確認できないのであって、個別のケースでは色々とあるでしょうが、国としては同列に扱おうとしていた点は認められますね。

植民地は独立すべきですが、経済規模が弱い国は、実は強い国とくっついていた方が、成長は早いです。つまり同一制度、同一の待遇が確約されるのであれば、経済規模の大きい方から、小さい方へとお金が流れますからね。まさに南洋の諸国はそうして豊かになり、制度が充実していきました。これはもう国民の考え方一つでもあるのでしょうね。
14. Posted by 管理人   2015年07月09日 00:15
ジニー銀河 さん、コメント有り難うございます。

司法制度は時の政府に嫌われたくないので、どこの国でも独立はしていても、方針に従うのが常です。ポピュリズムばかりでなく、国の態度が司法判断に大きく影響するので、従わざるを得ない点はその通りですが、従うような判断をする、というのが正しいですね。

例えば今日、トヨタ元役員の米国人女性が起訴猶予となりましたが、これも政府の方針に従ったものです。あれだけ有罪確定、といったマイナスの情報を流しておいて、この腰砕けの決着は、明らかに日米政府の意向を反映しています。私の嫌いな「社会的制裁をうけている」から、という理由で起訴猶予にした。本来、社会的地位の高い人物は、それ以上に社会的責任を負うのであり、社会的制裁をうけた上で、さらに重い罪を課す、というのが通常の刑罰における判断でなければなりません。今の日本はそのボタンを掛け違えているのですが、政府の方針に従うようなときは、この文言が都合いいのですね。政治家や役員、といった社会的地位の高い人間にしか、この文言が適用されない時点で、そこには大きな問題もあるのですが、今回もそこはスルーされ、社会的決着ということになってしまいました。世界全体、司法制度の不備は、今後も不透明な決着を増やしてしまうことにもなるのでしょうね。

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