雑感。ちょうへいとちょうよう中国株と日本株のPKO

2015年07月08日

6月景気ウォッチャー調査と中国

日本株が今年一番の下げを記録しました。いつも大きく下げるときは、日系の大手証券の日経225先物買いが入っていたものの、今日はなかった。下支え要因が剥落し、脆さを露呈した形です。すでに商品市場にはリスク回避の売りが入っており、日本だけ強いといった異常事態だったのであり、中国株の軟化をみて商品市場がさらに悪化、日本株も遅ればせながらやっと織りこみにいく形です。ギリシャ問題、中国問題が落ち着かないうちに下値目途はつけられませんが、今年すでに10%程度の増益予想を市場は織りこんでおり、それが剥落するだけで18000円台に落ちこむでしょう。企業は年後半に収益拡大、と見込んでいたもののこの混乱でどうなるか? 市場全体が読みにくさの中で、右往左往する展開がしばらく続いてしまうのかもしれません。

内閣府が6月景気ウォッチャー調査を発表しました。現状判断DIが51.0で2.3pt悪化。今年度上期に集中する設備投資で、製造業だけが好調ですが、家計動向関連は全滅。インバウンド消費は早くも失速です。先行き判断DIが53.5で1.0pt悪化。家計動向関連は飲食関連が辛うじて0.0であるものの全滅。製造業も伸びシロは弱く、現状、先行きともに総じて悪い数字が並びます。
一部でプレミアム商品券に期待する意見もありますが、バラマキの一過性であり、メディアの関心も薄れてしまった。それ以上に問題なのは、7月に入って全国的に天候不順がつづいており、さらに景気が悪化する懸念を強めていること。また中小企業は原材料の上昇を価格に転嫁できていないこと。雇用のミスマッチを訴える声があっても、失業率や有効求人倍率の改善に浮かれる政府からは対策らしきものがなく、雇用関連が急落していること。など様々な問題を内包しており、数字以上に6月の調査は将来の日本に不安を投げかけるものとなっています。

一昨日発表された景気動向調査でも、一致指数が109.2と1.8pt悪化、先行指数が106.2と0.2pt悪化。4月の年度切替えに伴う期待の高まりが、早くも剥落してしまいました。マインドは悪化、さらにこれらの統計がとられた後、発生したギリシャ問題、中国問題がさらにマインド低下を招く恐れが強く、7月以降の景気見通しをさらに一層、悪化させる要因となり始めています。
景気動向調査の先行指数では、2月以降ずっと株価がプラス寄与してきました。しかし株価の下落は、日本の景気全体をも悪い循環に陥らせます。中国では400兆円が吹き飛んだことが話題ですが、日本とてそれは同じです。まだ3%、十数兆円程度が吹きとんだだけですが、株価により見かけの経済規模が膨らみ、それを基にした経済が崩れることは想像以上に問題を膨らませます。

中国の個人、企業の投資傾向は、イナゴに喩えられます。金余りで不動産に流れていた資金が、規制がかかると株式へ流れた。信用を膨らませることで株価が急騰し、規制に転じると資金を引き上げてしまう。みなが同じ傾向で、その場にあるものを食い尽くして去っていく。そんな傾向が攻撃性を増したイナゴに似ている、というのです。イナゴは密集し始めると、少しでも自らが生き残るため、食欲と攻撃性を増して生き残る、とされます。中国で用いられる「天道是か非か」という言葉は、歴史書を記した司馬遷の言葉です。天道是か非か、その不満が、攻撃性を増した中国国民の行動につながるとき、中国内に激震が走ることにもなり、経済面だけでなく大きな変動の波が襲う。そんな不安すら想起させる事態に陥りつつあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:18│Comments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アジア

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この記事へのコメント

1. Posted by ジニー銀河   2015年07月09日 01:04
上海市場では…企業が売買停止を望んだら…売買停止になっています。 そんなことは…普通なのでしょうか?
本当に効果があるのでしょうか?
2. Posted by swallow   2015年07月09日 18:19
TPPについて知財関連で心配な事が急浮上してきました。日本の法律(著作権・特許権等)とアメリカ式のTPPでは齟齬が生じてしまうからです。著作権は日本式では自然発生するので、非親告罪化するとなると、コピーも取れないと騒いでいます。日本の著作権法は発想が、活字媒体だった頃のもので、権利団体の要求で継ぎ足し、継ぎ足しして来たのです。民間の管理団体が勝手な約款で、過剰に保護するという事にもなっています。関税率にばかりに気を取られ、知財やISDは大丈夫なんでしょうか。
3. Posted by 管理人   2015年07月09日 23:30
ジニー銀河 さん、コメント有り難うございます。

企業側が要請すると売買が停止される、というのは世界的にみても少ないです。大体は証券取引所が、投資家をまどわす情報があったり、急変動がある場合に売買停止措置をしますが、大抵は数分から数時間、一日ずっと取引停止になるケースはほとんどありません。残念ながら、効果という点では逆効果でしょうね。一時的なパニックであるなら、売買停止にして冷静さをとりもどせば、価格下落は避けられますが、元々実態を伴わない価格にまで上がっている場合、売買が可能となればやれやれと売りに回ります。特に今、追証発生にともなう換金売りが増えており、少しでも現金化したい、という投資家が多い中です。ほんの一握りの企業のみ、そうしたことをしているならまだしも、半数が売買停止にしている時点で、売買が再開された企業から片っ端から売られるのかもしれません。

大口投資家に半年は売らないよう要請、とも伝わりますが、実態を知っている人間なら売って国外脱出するでしょう。国内に残っていたら、色々な罪名をつけて逮捕されることが目にみえていますからね。国家の意に反して行動するような人間は、抹殺されるのが中国です。今回の株価急落で、中国という国の体質がみえてきた。官製相場がこれほどとなると、国外からの投資手控え要因ともなってきます。政府保証がつかないと、安心して活動できない。市場開放からほど遠くなってきた中国市場への不信、不満が次の危機を準備する要因ともなってくるのでしょうね。
4. Posted by 管理人   2015年07月09日 23:40
swallow さん、コメント有り難うございます。

TPPは知財ばかりでなく、平成の金取引とも揶揄されますから、様々な問題を抱えます。つまり明治維新以後、日本の金交換比率が低く、海外がこぞって日本にやってきて金と交換し、日本の金が奪われていった。それと同じことが今回起きるのでは、とされます。

知財は日本では保護されている、過保護、ともされますが、元々何を基準にして過保護か、はまた別の議論となります。もっとも、米国からみると過保護であって、TPPではそちらに合わせるよう求められるでしょう。どういった形で合意するか、まだよく分からない部分もありますが、少なくとも日本にとって利があるケースはほとんどないでしょう。米国が、米国にとって利があるよう交渉しているケースがほとんどなのですから、あらゆる制度が米国側に変わり、時間が経つにつれて日本への不利益が、徐々に明らかになっていくことと考えます。詳細は様々なことが判明してから分析しなければなりませんが、安倍政権のめざす国は米国の属国なのですから、その方針には沿うのかもしれませんが、日本にとって深刻な事態を招くことがほぼ確定でもあるのでしょうね。

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