6月景気ウォッチャー調査と中国安倍政権の支持率下落

2015年07月09日

中国株と日本株のPKO

日経平均が大荒れです。朝方600円安となったものの、上海市場が開いた10時半すぎから一気に切り返し、後場も中国株をにらみつつ、引け間際にはプラス転換しました。しかし日系の2社が先物の買い方上位2社に並んだ日経平均のみプラスで、TOPIXはマイナスで終えていますし、市場の3分の2は下落するなど、全体としてはかなり弱い印象です。連日の日銀によるETF買いが入っていますが、気になるのはこれまで1日に370億円入っていた規模が、7月に入ってから324億円に縮小している点です。この変動期、上場投資信託の資金が枯渇する懸念が生じており、規模を縮小せざるを得なくなった。日銀の見通しの悪さが、ここに来て下支え要因としての力不足感を生じさせそうです。

そんな乱高下の発端、中国では共産党の中央宣伝部が、メディア向けに緊急通達をだしています。1.株価の変動を冷静、客観的に報じる、2.理性的に予想できるよう世論を誘導、3.権威ある部門の専門家のコメントを掲載、4.株式の動向を政治と関連づけない。1.は当たり前ですし、通達がなくても本来はメディアが努めなければいけない義務ですが、2.以降は中国共産党が何を恐れているか、よく分かるものです。上昇も下落も、当局の責任ではない。一方で下落に歯止めをかけるような報道をしろ、という何とも都合いいことを要求していることになります。
今日の上海市場は5%以上上昇しましたが、売買停止銘柄が多く、流動性の規模が一時的に小さくなっているため、変動幅がさらに大きくなっています。さらに中国の乱高下をみて、資源価格が急落していますが、これも中国には痛い。国策で資源確保してきた面があり、かつ地方政府は製鉄所などを3セクのような形で建設。資源価格の急落は、それら企業を直撃します。悪い循環に入っているものを、改めて好循環へと導く難しさは、バブル崩壊への対策に失敗してきた、世界の歴史が証明しています。今は株価に注目が集まりますが、これが中国企業の信用問題、さらに金融不安へと直結してくると、問題が一層膨らむことにもなるので注意も必要です。

今回の中国株暴落は、一旦は収まるかもしれません。しかし次の危機を今回、準備してしまったと言えます。つまりいくら政府が下支えしようと、実態の伴わない価格は、いずれ調整する可能性がある、と国民に広く周知されてしまった点です。また政府がこれだけ株価維持(PKO)に執着するのは、それだけ弱点にもなり得るということ。そしてこの急落で様々な対策を施した後、再び急落の局面が訪れると、今回以上の株価対策を必要とすること。そのとき、完璧に投資家から見限られることにもなり、暴落に歯止めがかからなくなることが、想定されるのです。
今後起こりうる危機、それに今から日本も対処する必要もあるのでしょう。しかし一方で、日銀がそうであるようにGPIF、郵貯、かんぽなどのリバランス、債券売り、株買いにも一巡感が出ており、株価対策としての買い余力が、ここにきて著しく低くなってきています。日本のPKOが力を失いつつあるタイミングでおきたギリシャ問題、中国問題。日中ともに外部要因にすり替えつつ、国内向けにはPolitics Keeping Operationになりつつある点が、次の危機といえるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:10│Comments(10)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アジア

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この記事へのコメント

1. Posted by ジニー銀河   2015年07月09日 23:48
今回のなりふり構わぬやり方は世界中が違和感を持っていると思います。 アジアインフラ銀行の運営や外交でも…力で押し切るやり方をしないか…注視する必要があると思います。
2. Posted by 管理人   2015年07月10日 00:20
ジニー銀河 さん、コメント有り難うございます。

大体の危機のケースでは、一度で崩れて一気に落ちる、ということはほぼありません。時折楽観へともどりながら、マイナス効果が波及して行くにつれ、実態の悪さを意識してさらに下げを加速していきます。つまりこの危機が始まりなら、ここから三ヶ月から半年ぐらいが勝負になります。この下落によるマイナスの影響を、今後どう織り込んで行くか。そのあたりがカギになるのでしょうね。

AIIBにしろ、中国には制度的な問題が内包することには、もう世界はある程度気づいています。それでも投資するしかないのは、独国の金融機関がギリシャ国債を大量に買っていた事情に似ます。つまり、金余りでどこにも投資先がない。少しでも収益機会があるなら、多少は危険でも投資しておく。いざとなれば、国にすがりついて危機を回避する、そうしたことがリーマンショック、欧州債務危機以後、金融機関には染み付いてしまっているのですね。いざ、国から見捨てられると破綻するのは、リーマンブラザーズでもそうですが、今は世界全体でそうした危ない取引が増えているのですね。バーゼル委の規制強化まで、中国だろうと投資機会があればつぎ込む。それを意識してみておく必要があるのでしょうね。
3. Posted by 通りすがり   2015年07月10日 01:20
人の事言えないような・・・
4. Posted by ジニー銀河   2015年07月10日 05:00
会期末から逆算すれば…参議院の60日ルールと衆議院の80時間ルールで衆議院の採決は来週の16日だとか…
民主党は自民党の強行採決に口では反対していますが…本音は自民党に強行採決して欲しいらしいですね…。
5. Posted by 通りすがり   2015年07月10日 07:10
それは本記事のどこと関連するのでしょうか?
そのために必死で官製相場を作り上げているという主旨ならわかりますが
6. Posted by ジニー銀河   2015年07月10日 07:25
だから…
人の事言えないような…。
7. Posted by いろはのい   2015年07月10日 19:47
民主党が強行採決に賛成しているというのは、私も初耳です。
それは執行部の方針なのでしょうか。それとも民主党の誰かが個人的に話しているだけなのでしょうか。それとも自民党が法案を進めるだめに、わざとそういう噂を流しているのでしょうか。
よくわかりませんね。
8. Posted by 管理人   2015年07月10日 23:28
通りすがり さん、コメント有り難うございます。

日本の官製相場の方が深刻なのは、ゆっくりと上げてきた、ということはそれだけ長く影響が残り、下げもゆっくりと、また深くなりそうという点にありますね。中国の場合、バブルを煽りに煽って半年近くで暴騰、暴落となりましたから、意外と立ち直りつつ、再びこの下落による負の影響を改めて織りこむ、といった形で下げていくものと推察されます。恐らくその影響は半年、そこから先は実体経済の悪化をみて、動くことにもなるのでしょう。

日本の場合は安倍ノミクス開始以来、と考えると二年以上、調整らしい調整もなく、この上げを続けていますから、それと同じぐらい悪影響が長引く。それ以上になることも想定されます。少なくとも、中国のように信用の拡大と利下げ、世論誘導でバブルをつくり上げた仮想のものと、金融政策をミックスさせた安倍ノミクスでは、金融政策が剥落する分、悪影響がつづくでしょうからね。今止めても、二年は調整するとなると、日本はそれこそ五輪の頃にはかなり景気が落ちこんでいることも想定されます。官製相場の終焉には、不幸しか待っていない点では、日中とも変わりないといえるのでしょうね。
9. Posted by 管理人   2015年07月10日 23:37
ジニー銀河 さん、コメント有り難うございます。

民主党は、強行採決するならしてみろ、という構えではいるでしょうが、それを望むまではいかないでしょうね。何しろ今、政権支持率が落ちてきていますが、直近で選挙はないので、安倍政権の支持率が落ちてもメリットが少ないのです。むしろ来年にかけて、支持率の落ちた安倍政権で参院選を戦う方が、よほどメリットがあります。そのためには安保法制をじっくり審議し、不備をつき、支持率をゆっくりと下げていく方がいい。強行採決してがくんと落ちたら、それこそ自民党総裁選で安倍政権は交代するでしょう。元々、党内基盤が強くないですからね。それでは、民主党は面白くないのです。

ましてや仮に安倍政権が、党総裁選を無風ですぎても、一度おちた支持率はもう回復しないので、来年度予算を決め、本会議をすぎたら、体調不良で交代することになるでしょう。支持率の低下は、安倍氏の体調を著しく阻害する要因ですし、そうなるとメディアも辛らつな批判が増えます。いくらメディアコントロールをはかっても、支持率の低い政権には見向きもしなくなる。ナゼなら、そんな政権に阿諛追従すると、一緒に凋落してしまうのであって、それこそ広告がつかないことにもなる。メディアの行動原理は、そんなものです。

強行採決は安倍氏にとって自殺行為ですが、一部の過激派、取り巻きに煽られて、安倍氏はそこにつっこむことになりそうです。ここまで来て、やらなかったら逆に指導力不足、と言われる。そう嗾けられたら、つっこまざるを得ないためです。安倍政権を打倒するのは、やはり身内ということになるのでしょうね。
10. Posted by 管理人   2015年07月10日 23:49
いろはのい さん、コメント有り難うございます。

強行採決の件は上記しているので割愛しますが、維新の動きと民主の動きは、より重要でしょうね。橋下氏の意をくんで、維新の一部が強行採決を避けようと動こうとしたら、橋下氏が賛否に加わらない旨を発信して、維新の動きが混沌としていますが、維新の大多数が採決に応じる気配をみせていない中で、少数が造反すれば、もう分裂せざるを得ない。橋下氏も、自分の子飼いの部下を維新から去らせるのは得策ではない、という判断も働いたのでしょう。何しろ、十人程度の小勢力になってしまっては、元も子もありませんからね。

そこで急転、対案を民主、維新で共同で提出する形になりましたが、安倍政権の支持率が低下してきたなら、さらに共同歩調をとり易くなりますし、それこそ安倍政権が倒れれば、橋下氏も恩を売る相手を失うので、野党共闘にも支障がなくなります。強行採決には両党とも反対、というのは1年先の参院選をにらめば当然の選択ですし、野党共闘をすすめるためにも、安倍政権が早くつぶれるよりは、徐々に追い込んで行く中で政権選択できるよう、野党を糾合して行く、ということでも反対の方が、都合いいところもあるのでしょうね。むしろ安倍政権が死に体になるのが早すぎると、選挙前のタイミングで政権交代、強い自民党政権と戦わなければならないのは不利、ぐらいに考えているでしょう。どの道、安倍政権は安保法制で討ち死にするのが確実ですから、タイミングを量り始めたというのが実態なのでしょうね。

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