雑感。15日に何かあるか…安保法案の強行採決

2015年07月14日

雑感。イラン協議の合意と日本

自民が安保法案で、強行採決することで腹をくくったようです。頼みの維新も党内が割れており、対案を提出して1週間での採決に応じれば分裂しかねません。「議論は尽くした」という言葉も聞かれますが、議論をすればするほど、国民の反対が多くなっていく現状では、いくら議論しても国民理解がすすまないのですから「万策尽きた」が正解でしょう。安倍氏が出演した自民ネット番組も、意味不明なたとえ話や、話がつまらない、という安倍首相の特質もあって、右肩下がりで視聴人数が下がるなど、八方塞になってきたことが自明となっています。

ギリシャがサムライ債を償還しています。公的機関なら合意がなくても延滞、で済みますが、民間では即デフォルト認定されるため、優先して償還したものでしょう。ただ15日にギリシャが仮に法案を通せても、そこから法的整備が必要な欧州各国が、ギリシャ支援に関する法律を議会にはかります。下手をすれば、そこで反対ともなりかねず、まだまだ予断を許さないのでしょう。
一方で、イラン核協議が合意にいたっています。ISILの封じ込めにイランの存在感が高まっており、シーア派イランが、スンニ派ISILと戦ってくれることを欧米が期待し、徐々に経済制裁を解除します。一方でイランは核開発を大幅に抑制、IAEAの厳しい査察も受け入れます。

しかし北朝鮮と同じ轍は踏まない、中東の核開発ドミノは絶対阻止、という命題からはややずれたように感じます。それがISIL対策なら、イランはより武装化がすすみ、兵も精鋭と化していくでしょう。一時の核武装の遅延だけで、イラン軍が強固になることを放置しているなら、それは将来に禍根を残すことになります。今やソ連崩壊で流出した核技術者や、北朝鮮経由で技術はいくらでも買えます。下手をすれば濃縮ウランも買えます。自国開発にさえ拘らなければ、いつでも核武装が可能な世界になってしまっているのです。精鋭の部隊、数発の核ミサイル、経済制裁で苦境だったイランが、ふたたび中東の主役に踊りでるキッカケにすらなりかねません。
しかしこの協議に、日本が参加できていない点は重要です。イランとの良好な関係もあって、日本こそ橋渡し役になるべきでした。それは手放した油田の権益もそうですし、莫大な原油、天然ガスを埋蔵するイランとの関係改善に、真っ先に手をつける権利を得られたからです。軍事ではなく、話し合い、調整で解決できる国、としての存在感すら見せることなく、改めて軍事で世界に打ってでようとしている、それが安倍政権です。千載一遇の外交チャンスを、みすみす逃し続けている。安保常任理事国と、どうして独国だけが参加できたのかは、よく考える必要があります。

ギリシャの支援でさえ、会議は踊っても国際合意を得る方向性をずっと模索してきた欧州には、知恵があります。向こうは外交巧者で日本はそうでない、と言って尻ごみしていては、何も変わりません。「日本をとりもどす」がスローガンの安倍政権は、戦争をできる国にはもどしても、欧米列強と肩を並べて外交する、という明治の頃の先達が行ってきた外交態度は、とり戻す気すらないようです。コメント欄には記載しましたが、祖父の岸元首相は「妖怪」と呼ばれましたが、安倍氏は「幼怪」。妖しくて怪しい、なら畏怖も与えますが、幼くて怪しい、では単に危ない子供です。世界に関与することもできず、国内でさえまとめ切れない首相が、明日の安保法制を強行採決する。欧州の会議は踊りますが、日本では首相が独り相撲をとっている。滑稽な対比でしかないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:01│Comments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 中東 | 政治

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この記事へのコメント

1. Posted by ジニー銀河   2015年07月14日 23:31
日比谷公会堂は…安保法案反対の人達でいっぱいだったかも知れませんが…横浜球場や甲子園球場も満員でした!
60年安保時国会を連日デモ隊が取り囲んだ時…「後楽園球場は満員だ!」と言った自民党の大物政治家がいたとか…。
当時とよく似ていますよね…。デモ隊の数は全然違いますけどね…。 イランが大人しくなってホルムズ海峡に機雷をばらまかなかったら…自衛隊の掃海艇は行かずに済みます。中国・北朝鮮が大人しくしていたら…自衛隊はほとんど日本を出て行かなくて済みます。そうなるように願っています。
2. Posted by 管理人   2015年07月15日 00:45
ジニー銀河 さん、コメント有り難うございます。

ホルムズ海峡自体、機雷をばらまく想定が本当に成り立つのか? といった問題もありますが、イラン、中国、北朝鮮の問題がなくとも、今の安保法制なら出ていくことができるので、それこそISILで各国が協調対応、などとなれば、安倍政権なら自衛隊を出さざるを得なくなるでしょう。何より法整備ができていて、且つ米国から要請されるためです。それ以外でも、アフリカのナイジェリア、ソマリアなど、治安維持が必要な国は山ほどあります。ナイジェリアは内政問題というより、女生徒を拉致したテロ集団の問題もあって、ソマリアはもう治安すら正常に機能していません。それらでも、自衛隊は求められれば出ていくことになります。安倍氏はかつて、百田氏との会談で、後方支援で出て行って、戦闘になったら逃げ帰ることなどできない、と明言しています。治安維持や後方支援でも、戦闘に巻きこまれる危険性は高いのであって、この安保法制が通ってしまえば、出て行かなくて済むことなどない、ということなのですね。

安保の時代は、さすがに私も経験はしていませんが、当時は野球しか娯楽がなく、また中継よりも球場に足を運んでみる、というのが一般的でした。今とは時代背景も異なりますし、今回の安保法制の危険性を本当に理解している国民がどれほどいるか? も疑問ですが、大事なことは世論調査でも、国民の大多数が反対していることです。安倍氏が「理解がすすんだ」などという理屈でごり押しすれば、世論はますます離れます。人の興味はそれぞれですし、重要度も人によって異なりますが、少なくとも空気が読めなかったり、人の意見を無視してしまうような人間は、誰からも信頼されない、ということであり、野球場の声援とおなじぐらいの罵声を浴びる日も、くるのかもしれませんね。
3. Posted by けやき   2015年07月15日 09:42
幼怪安倍はお粗末なロボット議員やヒラメ官僚、極右などでまわりを固め、醜悪な法案を次々と通し、とうとう最終段階にまで来てしまいました。自公を日本ファシスト会議とでも改称すればぴったりだと思います。それにしても植民以来殺戮や詐欺を繰り返し、そのカルマでいよいよ倒れかかっているアメリカと、ともに戦っていこうとする安倍政府は、日本にアメリカのカルマを移し替えようと張り切っているんですから、救いようがないですね。どんな災厄がこれから我々に降りかかってくることやら。
4. Posted by 管理人   2015年07月15日 23:38
けやき さん、コメント有り難うございます。

ついにここまで、という感じですね。労働法制もそうですし、大企業より、米国追従の政権を、国民が支持していたら、いつのまにか労働者には厳しく、戦争までできる国になってしまう。あるインタビューで、戦争できる準備をしておくことが抑止力、などと述べる人もいましたが、安保法制には自衛隊の機能強化は含まれていないので、勘違いしていることにも気づいていないようです。残念ながら、予算も増えない、装備も粛々としか更新できない自衛隊では、戦争できるどころか、戦争に行ったらもっとも危険な部隊にしかならない、ということでもあります。本当に安保法制を機能させたいなら、莫大な予算がかかる。それを否定している安倍政権では、自衛隊はもっとも危険なことになるのでしょうね。もしそれがブラフで、防衛予算が激増するなら、日本はその財政負担で潰れかねませんが…。

問題はいつ支持率が、レイムダックを意味する20%台に入るか、ですが、年内だと大きな転機は9月の自民党総裁選です。安倍政権ではこれまでも、大きな党内の動きがあるときは、組閣をチラつかせてきましたが、毎回おトモダチしか入れず、また派閥のごり押しで入った閣僚は須らく醜聞まみれだった、という事態に陥っています。ここで閣僚の醜聞がでてくると、これまでと違って安倍政権の致命傷になりそうですが、党総裁選を乗り切れるのか、そこで内閣改造を行って醜聞でつぶれるのか、それとも来年の参院選を待つのか? そんな秒読みに入っているのか、今後の動向は非常に不透明感も高まってきたのでしょうね。
5. Posted by いろはのい   2015年07月16日 20:58
イラン制裁解除だと、また原油価格が下がりますね。
2%の物価目標は厳しくなるばかりですが、黒田氏はどう思っているのでしょう。最近、2%「程度」に修正したばかりですが、今度は、四捨五入したら2%だ、とか言い出すのではないかと不安です。

ところで、管理人さんのコメントに、日銀のETFは9月頃枯渇する、とありましたが、本当でしょうか。
 日銀のデータをみたら、7/9まででまだ約1兆2千億ほど資金が残っていました。1回324億円(7月から減少した)で約40回購入できます。2日に1回として約4か月分です。11月の半ばくらいまではもちそうなのですが、購入ペースを上げるのでしょうか。
(1回370億のままだったら、10月半ばくらいで枯渇しますね。こっちの計算でしょうか)
6. Posted by 管理人   2015年07月16日 23:36
いろはのい さん、コメント有り難うございます。

9月頃、としていたのは、ご指摘のように370億円で1-3月のよなペースを続けていたら、の前提です。ただ5、6月は相場が上昇をつづけており、介入ペースが下がったこと、及び7月から1回の介入金額を324億円に下げているので、その意味では余裕が出てきましたね。ただ、今後の市場動向次第では年内に枯渇するので、そのとき改めて何か策を打たなければなりません。どちらにしろ、年内には何らかの行動を示すのかもしれませんね。

日銀が1-3月期の需給動向を発表、0.1%の需要超過としました。つまりインフレに傾きつつある、ということですが、内閣府がGDPをベースに発表しているのは1.6%の供給超過、大きな差があります。元々、需給の算出はブレが大きく、様々な条件を加味していくと調整ができてしまいます。日銀がここで需要超過、と発表したのも、計画通りうまくいっている、ということを示したかったのでしょうね。しかしイラン核協議の合意で、WTI原油が50$前半にもどっていますし、ドル円も123円台と、一時期より落ち着いています。ある試算では、為替のみが異常な水準であり、金利差から想定されるドル円の実力は110円台前半、ともされます。今後、120円を割れてくると、さらに物価が下がる方向となり、日銀の計画も未達となってくるのでしょうね。今後、数字をいかに弄って、自分たちを正当化していくのか? 今から頭のいい人たちが必死でひねりだしているところなのでしょうね。

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