世界同時株安日経平均の反発と政治とお金

2015年08月25日

株式市場の乱高下

年初来安値を下回ってきた中国株ですが、人民銀行が政策金利を0.25%下げ、預金準備率も0.5%下げる追加の金融政策を発表しました。こうした動きを察知したのか、今日のアジア株は上昇するところもあり、一方で上海株は下落して終えています。今日の日経平均は乱高下でしたが、いつも先物で桁違いの商いを行う欧州系2社が、まったく異なる戦略をとったことが一つ要因です。
最終的に、この2社は大きな傾きを残しましたが、何かトリガーがあって買い、売りのアルゴリズム取引を膨らませた。トリガーが何かは分かりませんが、為替とも連動していたとみられ、それが一気に1000円も押し上げ、また押し下げた原因でもあります。気になるそれ以外の動きとしては、売りも買いも反対の売買がゼロ、即ち売りなら売りだけ、買いなら買いだけ、の取引をする主体が多かった。大きなポジションチェンジを迫られ、混乱した中の取引だったとみられます。

欧州が切り返していますが、これは下げの速度違反から、きっかけ探しでの反発とみられます。昨晩、米市場が取引時間中に大きく切り返したように、下げ過ぎとの見立てから買いも増えてきた。しかしこれが、本格的な反騰になるかは微妙です。中国の利下げも、貸出金利が4.6%、預金金利が1.75%になったから、急に景気がよくなるわけでもない。企業は過剰設備、個人は過剰投資の現状にある中国に、ふたたび振り回される展開となることが予想されます。
一旦は下げ止まるかもしれない。しかしそれはあくまで速度調整に留まるでしょう。今回の急落で、世界におきる不規則な動き、もしくは中国の景気の波がどう動くか、といったことを確認しつつ、日本株も動かざるをえず、グローバルマネーの動きに翻弄される展開をしばらく覚悟する必要があります。いつ、どこで金融クラッシュが起きるか、今後は分かりません。

翻って日本では、米FRBの利上げの影響が不透明、と述べる経済学者、証券アナリストもいますが、言葉は悪いですが転職した方がよいレベルです。これだけ事前アナウンスがあり、時間とお金をかけて調査した結果、分からないというのですから。現時点で分かっている範囲のことを説明し、その結果として調査不足なのか、分析不足なのか、で評価されるべきであって、不明で言い逃れられるものではありません。そういう人間に限って、今回の急落も問題ない、と言ったり、日銀の金融緩和を解除しても大丈夫、と言ったりします。気をつけなければいけないのが、「不明」というのは責任の回避に他ならない、ということでもあるのです。
4月頃から、日本の底堅い相場とよばれるものはディフェンシブ株で支えられてきました。今日も金融株などを先に弄ってきたのも、そのポジションをくすぐると、市場が大きく反応すると見越した動き、でもあったのでしょう。与党内から景気対策の話もでて、政府に圧力をかけ始めましたが、数兆円程度の景気対策なら焼け石に水、金融緩和の規模にしても同様です。グローバルマネーの変調が、官製相場を大きく崩す、ということを目の当たりにした後は、誰もその効果について信用がおけなくなりました。ディフェンシブ株でさえ大幅下落に見舞われる、それが今回の急落局面でえた教訓であり、官製相場なんてややムードがいいときにしか機能しない、がコンセンサスです。

中国景気についても、様々な試算が出されますが、深刻なバブル崩壊、というシナリオを最悪としますが、政局リスクについて語るものが少ない。それでは分析不足です。真の最悪のシナリオは、中国共産党の内紛から、内戦状態に陥ること。まともな政治が機能していない、先進国とは異なる事情を抱える中国において、内戦が起こらないと限定する必然性もないのです。日本株の動向もこれと同じ、分析不足のものが目立ちます。まだ落ち着きどころを云々するのは早い、とは思いますが、少なくとも市場関係者がばらまく楽観や、トレンドフォロー並みの現状説明ではないものを示すところでない限り、信をおいてはいけないということでもあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:20│Comments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

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この記事へのコメント

1. Posted by ジニー銀河   2015年08月25日 23:36
中国の利下げでダウが上がっているとか…。
しかしこないだは利下げで
確かダウは下がったのでは…。
私の記憶違いですかね…。
北朝鮮ですが…結局本気ではなかったということですよね? 一応どんな形であれ…あの北朝鮮から会談を持ちかけ謝罪しましたからね…。
2. Posted by 快晴   2015年08月25日 23:49
昨日のNYダウ・・−1000からまさかのプラ転か!と思いましたが
引けは-500。
また、ドル円の動きも凄すぎでした。
いくら想定外のレンジとはいえ、一体どのくらいの取引だったのか?

今日の日経も驚きのマイ転でしたし・・・
おっしゃる様に『まさにタイミング』で生死が分かれますね。
怖すぎます。

3. Posted by 管理人   2015年08月25日 23:51
ジニー銀河 さん、コメント有り難うございます。

今回は、上げたい層によるきっかけ探し、が昨晩の米市場で入っていたように、何か対策がでてきた、とのやれやれ買いですから、利下げそのものを必ずしも好感したものではありません。むしろ、この対策では不十分、として今後ふたたび下落する可能性は十分ある…というか、そうなってしまうでしょう。今は速度違反の下げなので、一旦の反発、小休止が必要ですから、その段階でもあるのですね。本格的な対応が出てくるか、そうしたものを見極める段階は後にやってきますから、それを見て本格反騰になるかは判断しないといけないのでしょうね。

今回の韓国、北朝鮮の会談で、韓国は盛んに「謝罪があった」と喧伝しますが、単に「遺憾」とするだけであって、読みようによっては不幸な事故があって、ご愁傷様、というぐらいの文言です。それを韓国では謝罪としているだけで、玉虫色の決着といえます。それより北朝鮮は拡声器での攻撃を封じることができ、御の字といったところでしょう。異例のロングラン会談ともされますが、この程度の合意内容だったら、一日と経たずに結していたはずです。恐らく、双方が文言を都合よく本部に持ち帰れるよう、調整に時間がかかったのかもしれません。本気かどうか、は微妙なところですが、本格的に朝鮮戦争を再燃させる気は双方にない。軍事衝突といっても、双方にダメージとなることがはっきりしている分、どちらが必死か、で決まってきます。今はまだ、外交に委ねようとする意志が双方にありますから、軽い戦端ぐらいのことはあっても、戦争状態にまで突入させたくない、が本音ではあるのでしょうね。

4. Posted by 管理人   2015年08月26日 00:19
快晴 さん、コメント有り難うございます。

NYダウもきっかけ探し、で動いている面があって、買い方としては何とか粘りたい。売り方はその流れに応じて買い戻したり、と出し入れしているので、どうしても動きが大きく出てしまいますね。ポジション崩しの売りも散見され、追証発生に伴う投げも、急変動を大きくしてしまいます。まさにそういう1ティック抜くたびに恐怖心理も上がり、ボラタイルな展開になってしまっているのでしょうね。

欧州系の買い方は、言葉は悪いですが頑張り屋な面があって粘ります。数日かけてポジションを組んでいるようなので、デイトレのような超短期の動きにはならないかもしれません。ただ、ここも水準を抜くと大きな調整に迫られる。欧米で下げ止まり、ポジション調整がうまくいくか、それによっては更なる大きな変動を引き起こしかねないのでしょうね。PERでは14倍台まで低下、という話も出ていますが、低成長に陥るとそれでも高い、と意識されます。日本がマイナス成長に陥るように国内はダメ、海外要因に頼るしかない状況では、仮に米国が1%成長、中国が5%成長をわりこむようだと、やはりPER14倍もそれほど下支え要因にはならなくなりそうです。速度調整は必要なので、下げ止まるタイミングはくるはずですが、今は市場もおちつきどころを探りながら、超短期の売買に振り回される展開が、しばらくつづいてしまうのでしょうね。
5. Posted by 通りすがり   2015年08月26日 07:09
上向きのときに米指数の発表にしても
「良い指標だから」という理由で株価は上がり
「悪い指標だから利上げは見送られる」というで
やはり株価はあがるように、常に都合良く解釈されますが
下がるときは、それとは逆に常に悪く解釈されるのです
6. Posted by 管理人   2015年08月26日 23:56
通りすがり さん、コメント有り難うございます。

どんなものでも解釈次第で、そのときの相場のムードによって、良い材料、悪い材料と同じ材料でも変わってきますからね。今回のように、一気にリスクオフになることは稀ですが、結局これまで何でもかんでも好材料、として上げてきたことの、反動でもあるのでしょうね。

今回の市場の急落も、米利下げを景気指標が悪ければ延期、良ければ指標そのものを好感し、といった面が大きく、その反動といった面を強くします。残念ながら、市場というのは理屈より、マインドを重視する傾向があります。マインドとは、やはり内容より受け止め、感覚の範囲でしかないのですから、中国利下げの影響にしろ、感覚的に景気悪化の深刻化を意識すれば売りになってしまいます。

さらに今回、中国から資金流出がおこっていて、金利の引き下げは人民元の引き下げとともに、中国から資金を流出させるキッカケともなり得ます。経済は成長する、高い利回りが確保できる、通貨も安定、といった好環境から後退するものですからね。日本のマネーは一部の中国株投信などを通じてしか入っていませんが、欧米などは支社もおいて、中国に本腰いれて投資をしていたところもあるので、そうしたところが資金を引き上げる。そんな懸念を抱いたとしても、何ら不思議がないところなのでしょうね。

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