日銀のETF買いと英中銀の緩和民進党代表選に蓮舫氏が出馬表明

2016年08月05日

雑感。年金と働き方

年金積立金が4年ぶりに減少です。先に5.3兆円の運用損は発表されていましたが、厚生年金の納付が45兆円、給付が43兆円。国民年金の納付が4.2兆円、給付が4.1兆円になったことが判明し、トータルで3.2兆円の減少と判明しました。ここで問題になるのが、10月から年収106万円、勤務先の従業員が501人以上などのパート社員にも、厚生年金と健康保険の加入が義務付けられる、という点です。大手などは501人の従業員を越すところが多々あり、そうなると余計に105万円以下に抑えようとするか、年金受給者なら尚更、中途半端に働くぐらいなら退職する、という選択肢もとり易くなる。条件によって受けとり額が増える人、減る人、様々なので一概には言えませんが、年金が破綻しないよう、納付を増やすことばかりを優先しているのです。しかし納付は右肩下がり、給付は右肩上がり、という現状は何も変わらない。一方で、マクロ経済スライドとして物価が上がっても低成長なら実質的に年金は目減りしていく、という構造問題も抱える。今の安倍ノミクスではまさにそういったことが起きているのです。
厚労省は年金納付者を増やそうとすることを考えるあまり、景気へのマイナス面を意識していない点も問題なのでしょう。年後半から景気が上向く、という人も多いですが、こうした負担増になる家計が増えるのですから、どうしてそうなるのか? 理解に苦しみます。高齢者でも余裕のある人は株や為替などで運用してきた。それも、もう右肩下がりの悪循環に入りました。7月の米雇用統計がよく、円安にふれてはいますが、大きな流れは当面円高であって、株高局面になりにくい。日系が買わないと上がらない、という現状は極めて上値追いには厳しい状況なのです。パートの社会保険料負担、国内の消費には悪影響になることが確実です。

6月の毎月勤労統計がでてきました。現金給与総額は前年同月比1.3%増、ただし所定内0.1%増、所定外0.1%減、もっとも増えたのが特別に支払われた給与で3.3%増。12月までは円安がつづいていたため、2-3月に行われる春闘でもボーナスの妥結額が増えたことが影響しています。しかし企業業績は、東証1部の上場銘柄の平均では10-12月からマイナスに入っており、1-3月期、4-6月期とマイナス幅が拡大している。来年のボーナスは目減りが確実でしょう。気になるのは労働時間が減少していること。特に所定外が減っており、不景気に伴い、仕事がなくなってきている。そうなると雇用面にも問題が波及していきそうです。
しかも賃金の伸びは業種別でみると不動産、鉱業、建設業の順で伸びが高く、不動産などはちょうど建設ラッシュで販売が増えたタイミングでもある。要するに特需です。鉱業は原油高、建設業は公共工事、復興需要と考えると、今の成長がどこに偏っているかもうかがえる。景気敏感の業種が押し上げたわけでもありません。実質賃金指数も前年同月比1.8%と伸びていますが、こちらは消費者物価の悪化がプラスに寄与しただけ。景気が継続的に伸びて行く兆候は、まったくこの統計からはうかがえないのでしょう。

6月の景気動向指数も出てきましたが、一致指数が前月比1.3pt上昇、先行指数が前月比横ばい。生産や出荷はプラス寄与ですが、販売に関してはあまり芳しくない。どちらかというと、在庫を増やす方向で6月は推移したのではないか、とみられます。またこの統計はあくまでBrexitを完全には織りこんでいない、6月の指標だということです。今は落ち着いているBrexitも、長期的にみるとマイナスの影響があるもので、今後はどう織りこんでいくか、日本の経済指標でもそれを見ていかないといけないのでしょう。
これまで、家計調査でも伸びてきたのは配偶者の収入です。夫が退職したり、再雇用によって給与が削られる中、妻がパートにでることで支えられてきた。そこに降って湧いたのがパートへの社会保険料負担の拡大、です。一箇所で働くと、負担を強いられることになるので2社、3社と働き先を増やすことでそれを回避するなら、雇用としては改善したように見えても、賃金の低下はより鮮明になっていく。日本の陥っている現状は働き方の多様化どころか、働き先の多様化であり、政府がそれを社会保険料の負担という形で後押ししているのなら、今後はより働き方の複雑化がすすむでしょう。そして、その中のどこかが従業員の社会保険料の負担を怠っていたら…。将来、年金をうけとるとき、こんなはずでは…という人が増えることになるかもしれず、余計に不安が増してしまうのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:46│Comments(6)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 年金

この記事へのコメント

1. Posted by あらいぐま   2016年08月06日 10:36
この政権の出す数値に信憑性など無いでしょう
よくよく見ると去年と今年では違う基準のものを出したりしてますからね
確実に言えるのは国民は騙されてるってことです
2. Posted by スー   2016年08月06日 12:21
確か今年からGDPの中に開発研究費が組み込まれることになったと思います。
3. Posted by 反新自由主義   2016年08月06日 16:34
国際基準と称して
色々GDPに上乗せしているようです

まぁそれだけなら旧来の数値をメディアが併記すればいいのでしょうが
そこのところがどうなるかでしょうね
4. Posted by 管理人   2016年08月07日 00:20
あらいぐま さん、コメント有り難うございます。

確かに、基準が変わっていたり、調整がかかっていたり、といったことが増えていますね、安倍政権では。一応、何年かおきに見直すものもあるのですが、このタイミングで? と首をかしげるものが多い。自分たちに都合のよい数字がでるよう、基準を変えているのなら、それでもこれぐらい低いとなると、実際にはかなり経済面は悪化しているのかもしれません。

安倍ノミクスが地方まで波及していない、と安倍政権は用いますが、都市部でもインタビューをとれば、実感がない、という人が多い。株価だけをみている人にはわからないでしょうが、ここまで成長していない政権も珍しいぐらいなのですね。実際、円安になれば国民が貧しくなっている、と同義です。何より、円で買うのにより多く支払わなければいけないのですから。それも分からず、円安株高を望む人は、よほど株価が上がって欲しいか、輸出企業の幹部、ぐらいでしょうね。輸出企業といっても従業員には恩恵がないので、円安になったところで大して波及がない。今の安倍政権は、こうして一部の人だけを喜ばす、という形が鮮明になってきているのでしょうね。
5. Posted by 管理人   2016年08月07日 00:25
スー さん、コメント有り難うございます。

GDPとして研究開発費まで含めるかどうか、正式に決まったかどうか、定かではないのですが、むしろどの数値から算出するのか? 実はよく分かっていないのですね。法人企業統計なら、速報ベースでは難しいですし、それ以外に研究開発費を、一体どの調査から盛りこむのか…。設備投資から概算するか? 実はまだ正式にアナウンスもないのです。GDP、1次改定や2次改定でいきなり数字が高くなるようなことがあるのか、研究開発と、設備投資と、どこで線引きするのか。さらに分からないことにもなってきそうですね。
6. Posted by 管理人   2016年08月07日 00:33
反新自由主義 さん、コメント有り難うございます。

そうなのですね。色々と上乗せされるのでしょうが、一体どの数字をとっているか、未だに分からない点が問題なのでしょうね。経済活動だから、と称していますが、これまで指数として発表されていない部分もあり、基本的に新しい統計をとらないと分からない部分が多い。特に速報ベースでは、どんな数字から割り出してくるか? 非常に曖昧なものともなってきそうです。通常、1次改定、2次改定で精度を高める、と考えるものですが、今のままだと速報では予想の部分が多く雑じってきて、1次改定ではまったく別の数字から算出されることになり、結果が大きく異なる、といったケースが頻発するのでしょうね。それは以前、GDPの一次改定がでて、速報と大きくことなっていたとき、ある経済指標では確報値がでているのにも関わらず、速報値がまちがっていました、と発表されたことがあります。つまり速報が間違っていたので、GDPの速報値が誤りだった、ということにしたのですね。

しかしその経済統計の確報は、GDPの1次改定では採用されていない。別の指標で1次改定を算出するためで、こうして確報が意味を為さなくなり、他の指標との整合をとるため、速報値を修正しました。安倍政権ではこうしたことが、もしかしたら頻発するのかもしれませんね。

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