2018年02月22日
ベネズエラの仮想通貨
米株がふたたび米国債の金利を意識し始め、ダウが2日間で400$以上下落するなど不安定となり、日本株も連れ安しています。為替も対ドルで107円台と、ひところより落ち着いていますが、これが一時の休憩ならふたたび円高へと向かう可能性もあり、注意も必要です。日本のように人為的に金利を低く押さえつけている場合、金利差を基にした取引自体の正当性が疑われます。米国がインフレを加速させるなら、通貨としての価値は下がるのでドル安が正当化される。市場の健全な動きを阻害する要因がある以上、偏った見方は危険です。大事なことは、市場に参加するプレイヤーにとって何が重要なのか、です。
ベネズエラ政府が仮想通貨ペトロを発行し、約7億$の資金調達に成功した、と発表しています。ベネズエラ産原油に紐づけられているため無価値ではありませんが、議会は否定しており、換金に疑義が生じる可能性が高い。しかし今後こうした資金調達法や、中銀によるデジタル通貨として仮想通貨を発行する可能性なども議論の対象です。
つまり仮想通貨は、政府にとっての新たな資金調達手法として活用される可能性がある。国債は償還期限がありますが、仮想通貨に期限はありません。マイニングに報酬が支払えなくなったら終わり、そのときは新たな仮想通貨の枠を増やしてマイニングへの報酬とするしかありませんが、それを国家や中銀によるコントロールで行えば、通貨の大量発行によるインフレは避けられます。モノとの取引に用いられなければ、物価とも切り離せる。ある意味、通貨が不安定化する国にとって、仮想通貨は魅力的に映ります。
安倍政権が仮想通貨に前のめりなのも、日銀を使い倒す安倍ノミクスにより、いずれ円が不安定化することを恐れているため、ともされます。日銀の経営不安…今はまだ現実的ではありませんが、このまま国債や株を買い続ければ、間違いなく訪れることです。そのときスムーズに円を捨てさせ、仮想通貨に移行するには、国民の嫌悪感を払拭しておく必要がある、そう考えたのでしょう。しかしコインチェックやテックビューロなどのトラブルが、むしろ日本人に仮想通貨を忌避しようとする意識を植え付けた、といえます。
問題は、仮に安倍政権が政府保証をつける形で仮想通貨の発行を示唆したとき、市場に与える動揺が大きい点でしょう。欧米は仮想通貨そのものに否定的なので、そうした不安はほとんどありませんが、安倍政権だけは異なります。国債による資金調達をほとんど日銀が吸収していますが、それができなくなったとき、新たな資金調達手法として仮想通貨、が議論されるかもしれない。日銀の限界と、仮想通貨の議論は、日本では表裏一体になるのかもしれず、今はまだ遠い話ですが、注意も必要となるのでしょう。
株も小康、後…という状況であり、為替とともに第二段が始まる恐れも高い。何より、平昌五輪の終わりが見えてきて、パラには出場しない北朝鮮、米国との対話も直前でキャンセルした北朝鮮が、また動き始める恐れも高まっています。リスクに敏感となった市場が、改めて今の水準感をみたとき、居心地のよい場所はどこか? 考え直す可能性も高まります。黒田日銀総裁が「仮想通貨は仮想資産という方がいい」としましたが、むしろ今の市場が「仮想資産」だらけだったとしたら、実態を映す鏡に、すでになっていないとしたら。過剰資産が生んできた経済成長だけに、注意も必要なのでしょうね。
ベネズエラ政府が仮想通貨ペトロを発行し、約7億$の資金調達に成功した、と発表しています。ベネズエラ産原油に紐づけられているため無価値ではありませんが、議会は否定しており、換金に疑義が生じる可能性が高い。しかし今後こうした資金調達法や、中銀によるデジタル通貨として仮想通貨を発行する可能性なども議論の対象です。
つまり仮想通貨は、政府にとっての新たな資金調達手法として活用される可能性がある。国債は償還期限がありますが、仮想通貨に期限はありません。マイニングに報酬が支払えなくなったら終わり、そのときは新たな仮想通貨の枠を増やしてマイニングへの報酬とするしかありませんが、それを国家や中銀によるコントロールで行えば、通貨の大量発行によるインフレは避けられます。モノとの取引に用いられなければ、物価とも切り離せる。ある意味、通貨が不安定化する国にとって、仮想通貨は魅力的に映ります。
安倍政権が仮想通貨に前のめりなのも、日銀を使い倒す安倍ノミクスにより、いずれ円が不安定化することを恐れているため、ともされます。日銀の経営不安…今はまだ現実的ではありませんが、このまま国債や株を買い続ければ、間違いなく訪れることです。そのときスムーズに円を捨てさせ、仮想通貨に移行するには、国民の嫌悪感を払拭しておく必要がある、そう考えたのでしょう。しかしコインチェックやテックビューロなどのトラブルが、むしろ日本人に仮想通貨を忌避しようとする意識を植え付けた、といえます。
問題は、仮に安倍政権が政府保証をつける形で仮想通貨の発行を示唆したとき、市場に与える動揺が大きい点でしょう。欧米は仮想通貨そのものに否定的なので、そうした不安はほとんどありませんが、安倍政権だけは異なります。国債による資金調達をほとんど日銀が吸収していますが、それができなくなったとき、新たな資金調達手法として仮想通貨、が議論されるかもしれない。日銀の限界と、仮想通貨の議論は、日本では表裏一体になるのかもしれず、今はまだ遠い話ですが、注意も必要となるのでしょう。
株も小康、後…という状況であり、為替とともに第二段が始まる恐れも高い。何より、平昌五輪の終わりが見えてきて、パラには出場しない北朝鮮、米国との対話も直前でキャンセルした北朝鮮が、また動き始める恐れも高まっています。リスクに敏感となった市場が、改めて今の水準感をみたとき、居心地のよい場所はどこか? 考え直す可能性も高まります。黒田日銀総裁が「仮想通貨は仮想資産という方がいい」としましたが、むしろ今の市場が「仮想資産」だらけだったとしたら、実態を映す鏡に、すでになっていないとしたら。過剰資産が生んできた経済成長だけに、注意も必要なのでしょうね。
この記事へのコメント
1. Posted by いろはのい 2018年02月23日 21:14
そういえばGPIFは、年金運用を仮想通貨でやってたりするんですかね。
それだけは絶対にやめてほしいけど。
しかし国が仮想通貨を発行するって、何かおかしい気がするんですよね。
値段の違う2種類の通貨が流通することになるので。
それだけは絶対にやめてほしいけど。
しかし国が仮想通貨を発行するって、何かおかしい気がするんですよね。
値段の違う2種類の通貨が流通することになるので。
2. Posted by 管理人 2018年02月23日 23:24
いろはのい さん、コメント有り難うございます。
GPIFの運用は、法律で決まった範囲にしかできないため、今は仮想通貨での運用をしてはいないでしょう。ただし、法律を改正すればできてしまうので、例えば政府が儲けたい、と考えたら事前にこっそりと買いを入れておいて、GPIFの運用見直しで仮想通貨も組み入れ、という噂を流せばいい。実際に、鉄火場に年金資産を投げ込まなくても、噂だけで値上がりしますから、十分に元はとれそうです。そうこうするうち、年金基金の資産も仮想通貨に、という形が既定路線となっていくかもしれません。
いみじくも黒田氏が語ったように、「仮想資産」であれば、いわば国債の代替ですから、国の信用によって発行もできる。今回のベネズエラの話も、米国から制裁をうける中で、苦肉の策としてあみだした、というのが本音でしょうね。日本政府が発行するようなときは、まちがいなく国債発行に行き詰まりが感じられるときでしょうから、例えば国有地などを裏付けにした仮想通貨、といった形で資金調達手法の一つとしては、あり得るのかもしれませんね。
私もこれは通貨としてはおかしい、と感じます。通貨には何らかの信用が必要ですが、それがありませんからね。例えばIMFなり、国連なりが各国政府からの資金を集めて自己資本とし、それを裏付けにした仮想通貨を発行、ドルに代わる国際決済通貨とする、というのならブロックチェーン技術を用いたこの仕組みは、機能すると思いますが、今はただのギャンブル商品でしかないのでしょうね。
GPIFの運用は、法律で決まった範囲にしかできないため、今は仮想通貨での運用をしてはいないでしょう。ただし、法律を改正すればできてしまうので、例えば政府が儲けたい、と考えたら事前にこっそりと買いを入れておいて、GPIFの運用見直しで仮想通貨も組み入れ、という噂を流せばいい。実際に、鉄火場に年金資産を投げ込まなくても、噂だけで値上がりしますから、十分に元はとれそうです。そうこうするうち、年金基金の資産も仮想通貨に、という形が既定路線となっていくかもしれません。
いみじくも黒田氏が語ったように、「仮想資産」であれば、いわば国債の代替ですから、国の信用によって発行もできる。今回のベネズエラの話も、米国から制裁をうける中で、苦肉の策としてあみだした、というのが本音でしょうね。日本政府が発行するようなときは、まちがいなく国債発行に行き詰まりが感じられるときでしょうから、例えば国有地などを裏付けにした仮想通貨、といった形で資金調達手法の一つとしては、あり得るのかもしれませんね。
私もこれは通貨としてはおかしい、と感じます。通貨には何らかの信用が必要ですが、それがありませんからね。例えばIMFなり、国連なりが各国政府からの資金を集めて自己資本とし、それを裏付けにした仮想通貨を発行、ドルに代わる国際決済通貨とする、というのならブロックチェーン技術を用いたこの仕組みは、機能すると思いますが、今はただのギャンブル商品でしかないのでしょうね。
3. Posted by いろはのい 2018年02月24日 15:16
仮想通貨はネット上で便利に使える、が命なので、
国境に縛られる、というのでは無意味。
なので、各国通貨から独立したものになるのは当然でしょう。
しかしそうなると、誰が管理するの? という問題が発生し、
じゃあ各国共通でやりましょうか、という話になりますね。
しかし政府はそんなことに時間や人手を割かれるのは
なにかメリットが無い限りやりたがらないでしょう。
だから政府としては、仮想通貨なんか無いほうがいいんじゃないの?
と考えても不思議はない気がします。
国境に縛られる、というのでは無意味。
なので、各国通貨から独立したものになるのは当然でしょう。
しかしそうなると、誰が管理するの? という問題が発生し、
じゃあ各国共通でやりましょうか、という話になりますね。
しかし政府はそんなことに時間や人手を割かれるのは
なにかメリットが無い限りやりたがらないでしょう。
だから政府としては、仮想通貨なんか無いほうがいいんじゃないの?
と考えても不思議はない気がします。
4. Posted by 管理人 2018年02月25日 00:58
いろはのい さん、コメント有り難うございます。
仮想通貨を国家が発行しても、国境にしばられることはありません。むしろ、国の信用に依存する、ということになるので、仮想通貨なのに兌換紙幣のような意味をもつのでしょうね。今の仮想通貨は、ほとんどが不換紙幣の位置づけなので、通貨なのか? という疑問がわくのですね。なので、本来は国際的な機関がそれを管理、運用する形が良いと考えています。
人手を割くこと、そのものは問題ないでしょうし、むしろ資金が調達できたり、それが決済通貨になるなら、国としても積極的に関与しようとするでしょう。懸念は、もし国際的な機関がそれをしたとしても、恐らく実態は各国からの出向で運用されるので、国家の介入をどこまで防ぎ、独立性を保てるのか? 今の中銀が、ほとんど独立性を失ってしまったようなことが起こらないか。そのとき、通貨としての不安が台頭するのでしょうね。
仮想通貨を国家が発行しても、国境にしばられることはありません。むしろ、国の信用に依存する、ということになるので、仮想通貨なのに兌換紙幣のような意味をもつのでしょうね。今の仮想通貨は、ほとんどが不換紙幣の位置づけなので、通貨なのか? という疑問がわくのですね。なので、本来は国際的な機関がそれを管理、運用する形が良いと考えています。
人手を割くこと、そのものは問題ないでしょうし、むしろ資金が調達できたり、それが決済通貨になるなら、国としても積極的に関与しようとするでしょう。懸念は、もし国際的な機関がそれをしたとしても、恐らく実態は各国からの出向で運用されるので、国家の介入をどこまで防ぎ、独立性を保てるのか? 今の中銀が、ほとんど独立性を失ってしまったようなことが起こらないか。そのとき、通貨としての不安が台頭するのでしょうね。