日米閣僚級貿易協議がスタート消費税増税を再延期?

2019年04月17日

中国1−3月期GDP

仏国のノートルダム大聖堂の火災で、マクロン大統領がパリ五輪に合わせるよう「5年で再建」と語りましたが、明白な政治利用ですし、大事なのは期間ではなくしっかりと元通りに再建すること、です。しかし現状、世界は勇ましいことを言ったり、嘘をつく政治家の方が支持されることが多く、正論が評価されにくい雰囲気もあります。安倍政権はこの常習犯といえますが、虚勢や虚構がまた一つ確認できそうです。
日米閣僚級の貿易協議で、TPPで協議した水準で大筋合意と報じられます。しかし米農業団体が求めたTPP以上、という条件は満たさないため、この大筋合意には裏があるとみていい。数量なのか、はたまた為替条項でより有利な条件を付加するのか。例えば米産牛肉などの輸入の枠が決まっていると、他の国は日本に輸出しにくくなる。消費に対して供給ばかり肥大すれば、価格下落を招いて損をするからです。米国産牛肉は日本が決まった枠を買うので、安定した価格が見込まれる。一定の量を買わなければいけないので、米農業団体は価格支配権をもつことが可能だからです。今回は、来週の日米首脳会談を前にして、今回は特段の動きを示さなかったものの、果たしていつどの段階で、米国にとって都合よい話がでてくるか? それが参院選の後…というのは考えにくく、G20用のおもてなしとして準備するつもりかもしれません。

中国が発表した1-3月期GDPは前年同期比6.4%増と、市場予想を上回りました。ただ固定資産投資が6.3%増、不動産投資は11.8%増と、借金型の中国経済がさらに借金を拡大させて押し上げた面が強く、しかもこの辺りは地方政府が数字を弄って、中央に報告していた事例がこれまでも散見されます。同時に発表された3月鉱工業生産は前年同月比8.5%増と14年7月以来の高い伸び、3月小売売上高も8.7%増と昨年9月以来の高い伸びです。これだけをみると中国経済は回復、といえそうですが、日本の指標が衝撃でした。
財務省が発表した3月貿易統計速報は、前年同月比2.4%減ですが、対中輸出が9.4%減です。日本製の部品を使って製造する、もしくは日本製品を買うことの多い中国で、日本からの輸出が減っているのに中国の数字は改善している。しかも驚くほど…。減ったのは金属加工機械、科学工学機器、半導体製造装置なので、中国製造業が伸びている気配がない。これをどう読むか? によって今後の経済情勢の見方も変わります。

中国の経済統計は、以前よりもさらに信用がない。減税や公共投資など、なりふり構わない経済対策を打ちましたが、その効果が出ている、という数字を作り上げないと習政権の体制がもたない。そして市場が楽観ムードとなった現状を壊したくない。それが今日の経済統計だったのでしょう。しかしそんな嘘が、真になってしまうのも経済です。株高で一部の資金繰りが改善、信用不安が減ったことでムードも上がっているのは事実でしょう。そのムードだけで今の市場は支えられ、市場の上昇で企業が楽になる。その循環が起きているのは、ほぼ間違いありません。ですが、消費の現場はそういうわけにもいかない。
実際、生活が苦しくなれば財布の紐がしまりますし、値段が上がれば買い控えも起きる。中国の場合、家具などが増えているので見えにくいですが、これは不動産投資と同様、家具とセットで高めの価格で不動産を売る、という流れが影響します。実際の消費の現場は、まだ回復とは言い難い状況と予想されます。果たして、世界がこの虚構まみれの中で踊っている現状が、いつまでつづくのか? 日本では『嘘も方便』という言葉もありますが、世界的に『嘘と抗弁』が通用する間だけ、幸せであるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:17│Comments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アジア

この記事へのコメント

1. Posted by payoku   2019年04月18日 21:45
世界の首脳陣に勇ましいことを言う人間が増えているなか、世界経済、米中貿易戦争、ブレグジットなどの先延ばしがどこまでできるか見ものですね。
2. Posted by 管理人   2019年04月18日 23:23
payoku さん、コメント有り難うございます。

本当は、勇ましいことを言うような人間に問題解決能力なんてないのですけれどね。『勇ましいこと』というのは、結局のところ自分の行動の幅を狭めてしまうことでもあります。例えば、米朝交渉で米側が要求した内容について、評価する人もいます。確かに、トランプ氏の態度にはよく合うでしょうが、そのせいで逆にあの条件から妥協すると、弱腰とみられるためにそれができない。北朝鮮があの条件で交渉をまとめるなど、到底あり得ないのですから、その時点で交渉による解決はない、と分かるのですね。

勇ましいことがブラフとなり、今の世界経済は支えられているようなところもありますが、問題はそれでも起きる不測の事態が、ブラフすら台無しにする可能性が高く、逆にそのときは嘘をついたことによって影響を拡大させる恐れがある、ということなのでしょうね。

例えばブレグジットなど、トゥスクEU大統領が英国の離脱を回避した意向を強くにじませる発言もしていますが、そういう発言をくり返すことで離脱回避の流れをつくりたいのでしょう。しかし逆に英国内の反EUサイドの怒りに火をつける恐れもある。世界経済はいい、と言われていて、気づいたら実は悪かった、などとなったら最悪です。いつそうなるかは予想もつきませんが、トレンドフォロー型の取引が今は主流とはいえ、それが再び売りのトレンドについたとき、値動きが大きくなるので、注意も必要なのでしょうね。

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