消費税増税を再延期?市場の動きとついていけない日本

2019年04月19日

雑感。日露平和条約交渉の頓挫

あまり大きく報じられませんが、6月G20で来日するプーチン露大統領と平和条約交渉で、政府は大筋合意するのを断念しました。やはり安倍氏は色丹、歯舞だけで平和条約を結ぶ予定だったのに、それすら蹴られた形です。これが問題なのは、4島返還が遥か彼方に遠のいたこと、日ソ共同宣言すら形骸化し、2島さえ返還の見通しが立たなくなったこと、平和条約が高いハードルとして返還+平和条約締結が、今後の交渉の基本ベースになったこと、です。つまり交渉が後退しただけでなく、将来的な交渉にも弊害が生じた。すべては功を焦って安易な妥協をもちだし、結果は失敗という安倍政権の責任に帰されるものです。
逆にいえば、妥協をもちだすのは交渉の最後でなければならない。交渉が行き詰まり、突破口とするために妥協し、それが2島返還ならまだしも、平和条約交渉の入り口で2島返還にしたことで、合意までにさらなる妥協を日本が迫られることになったのです。しかも、プーチン氏と北朝鮮の金正恩氏との会談も伝わる。これまでプーチン氏は、西側の制裁に対して日本を梃子に、解除へと動くことを期待していた。それが北朝鮮というカードを手に入れ、ますます日本を顧みる必要がなくなった、ということになります。

北朝鮮も露国の後ろ盾を得て、米朝交渉の再開を目論みますが、北朝鮮という船に中国、露国と乗ったことでますます交渉が困難になったといえます。そんな中、外務省の2019年版の外交青書で北朝鮮に対する「圧力を最大限まで高めていく」とする文言を、削除する方向と伝わります。つまり北朝鮮に融和路線でせまり、拉致問題を始めとする交渉の端緒にしよう、ということですが、その程度で北朝鮮が見向きをするとは到底思えません。元々、日本の制裁、圧力により北朝鮮がダメージをうけていたわけでもない。日本が融和に転じたとて北朝鮮にとって何のメリットもないのですから、キッカケにすらなりません。
5月25〜28日にトランプ米大統領が国賓待遇で訪日します。北朝鮮が韓国による米側への働きかけに対して、懐疑的な見方を強めているのですから、ここで安倍氏が米国にモノが言える立場であることを強くアピールすれば、北朝鮮が日本の調整能力に期待し、交渉に応じるかもしれません。しかし安倍氏は米朝交渉で、拉致問題を「取り上げてもらった」などと語り、それを成果とするぐらいですから、北朝鮮が日本に期待するはずもない。日米貿易交渉でも米側の要求をのめば、ますます日本は米国にモノを言える立場でない、と見透かされることになります。むしろ日米交渉が北朝鮮を交渉の場にひきだす鍵となるでしょう。

誰が得をして、誰が損をしているのか? 世界は近視眼的な政治家たちが右往左往することによって、ますますカオスな方向に動いているといえます。そこに安倍氏も入っており、むしろもっとも負けているのが残念な限りです。中東でおきた民主化の動きは『アラブの春』などと呼ばれましたが、結果は春どころか、カオスという真冬並みの混乱をうみだしただけでした。『安倍外交の春』、G20のホスト国などと浮かれていたら、いつの間にか経済でも外交でもみるべき点がない、ワースト国に成り下がっているのが現状なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:49│Comments(5)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

この記事へのコメント

1. Posted by いいじゃん   2019年04月20日 08:26
外務官僚は、張り付け獄門でいいでしょう
退職した老人官僚も、罪人として処刑が妥当
2. Posted by いいじゃん   2019年04月20日 09:19
国益を確保するために争う事を嫌う官僚どもは、生きるに値しないでしょう
3. Posted by 阿吽   2019年04月20日 10:10
「地球儀を俯瞰する外交」と言って自慢していたのは何年前のことだったか…
近頃は記憶力も衰えて忘れてしまいましたが、あれから何年も過ぎた今現在の世界を俯瞰してみると、世界の風景は随分と変わりましたねぇ…
4. Posted by 管理人   2019年04月20日 23:26
いいじゃん さん、コメント有り難うございます。

ソビエト崩壊から積み上げてきた、4島返還をかなぐり捨てた安倍政権と外務官僚は、本当に国を亡ぼす元凶として処罰されて然るべき、といえるのでしょうね。ロシアになる際に、最大の4島返還のチャンスを迎えたのですが、そこで失敗した。ただ、そこから4島返還を前提に話をすすめてきた。それが、安倍政権で日ソ共同宣言までもどっただけでなく、それ以前の敗戦国の状態まで行ってしまったのですね。

露国とて、もう安倍政権の間に何らかの合意をむすぼうとはしないでしょう。これが個人的関係を基軸とした安倍外交の失敗の典型、ともいえるのでしょうね。相手は個人でやっているわけではない。政治家であり、一国の代表であり、国益とは何かを常に考えている。安倍氏のように、個人的な思い込みや名誉欲で外交をしている人間など、一人もいないのですね。官僚機構も大したことありませんが、それ以上に安倍氏のように、大した能力もないのに権力をにぎって、しかも官僚を統制しているという思い上がりによって政治をするのが、如何に誤りか。この日露外交がそれをよく示している、といえるのでしょうね。
5. Posted by 管理人   2019年04月20日 23:37
阿吽 さん、コメント有り難うございます。

弁明するつもりはありませんが、地球儀俯瞰外交などというのは、単純に地球儀をぐるぐる回して、指を置いたところに行ってみる、という所ジョージ氏の番組のダーツの旅とほとんど同じで、安倍氏の行きたいところに行く、というだけの代物だったのでしょうね。実際、そのころは小国ばかりをめぐって支援を約束し、相手から感謝され、ご満悦で安倍氏がもどってくる、というのが一般的でした。しかし財政に余裕がなくなり、支援する額が限られてくると、途端に小国には行かなくなった。それと同時に、先進国や欧州の国々などをめぐることが多くなってきたのですが、何もしていないも一緒。観光をして帰ってくるのが常態化してしまった。まさに俯瞰するだけの外交だった、といえるのでしょうね。

世界的には極右的な、保守思想をもつ政治家が台頭し、国をせん断するといったことがめだっており、その中盤ぐらいで登場したのが安倍氏でした。なので、一番いい時期ともいえた。ただ、その流れが終息したのがトランプ氏という、国をせん断しまくる政治家でもない国のトップの登場であり、トルコのエルドアン首相も、イスラエルのネタニヤフ首相も、一時期の栄華からはだいぶ力も衰えてきました。須らく安倍氏も同じ流れに飲み込まれることになるでしょう。

それがここにきて、安倍氏にも焦りとなっているように感じます。いくら補選の応援とはいえ、吉本新喜劇にでて、露骨にアピールしだした。何か一つの流れが変わると、日本でも同じ流れがおきるかもしれない。愈々、政局が動き出す気配もしてきたのかもしれませんね。

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