雑感。日露平和条約交渉の頓挫衆院2補選は与党候補敗北が確実

2019年04月20日

市場の動きとついていけない日本

安倍政権がいきなり農協をやり玉に挙げ、改革を訴えたのは2年半前。それが今になって政府と農協が一丸となって、アジア地域で農協型の共同組織づくりを支援、という話がもち上がってきました。日本では改革が必要なのに、それを輸出? というより、農協が安倍政権に完全敗北し、協力を約束したからその恩典として、アジア進出という道を準備した、とみるべきなのでしょう。農協型の仕組みをつくれば、農薬や肥料などを組織立って融通することが可能となる。日本でつくったものを輸出するのもそうですし、海外でつくられた安価なものを輸入して農家に販売することもできる。高齢の農家が増え、先細りが懸念される農協にとって、安倍政権に協力して海外進出が生き残りの道。ただし、それが農家のためではなく、あくまで農協という組織の存続のためだけに利用されそうな点が、残念に感じる部分といえるのでしょう。

萩生田自民幹事長代行が言及した「消費税増税の再々々延期」、しかし市場は全くの無視をきめこみ、ムニューシン米財務長官が言及した「日米貿易協議で為替条項」という話でさえ、ガン無視でした。つまり今、市場はまったく政治のことを見ていない、気にしていないが現状です。萩生田氏は「日銀短観で…」と景気の弱さの確認方法を示しましたが、米株は最高値をうかがう勢いで、景気の弱さなど微塵も感じられない。日本株は弱い、出遅れといっても22000円を回復しており、市場からはまったく景気の悪さを感じさせるものがありません。さらにトランプ政権、安倍政権とも異常なほど株価の推移を気にしており、市場に悪材料となるような合意はしないだろう、と市場からはその思惑を見透かされていることになります。
しかし実際の経済指標には、絶好調とされる米国でさえ斑模様。日本に至っては悪いものの方が目立つほどです。政治家が抱く危機感の方が正しいのか、市場が抱く楽観の方が正しいのか、実はこれが同義なのが現状です。つまり、政治が危機感を抱く→景気対策を打つ→株価を押し上げ、というのが現状の支配的なシナリオであり、その引き金をひいたのは中国といえるでしょう。中国政府の公共投資、減税により景気に期待できる、として上海株が上昇した。その流れが世界的に波及、経済が悪いから株が上げる、という現在の状況が生まれたのです。しかしこのシナリオの最大の弱点は、政府が景気対策を打ったからといって、必ずしも経済が回復するわけではない。その視点が完全に抜け落ちてしまっていることなのでしょう。

またFRBが市場フレンドリーになったことも、市場の楽観ムードにつながった。政府、中央銀行が株安を防ぐために対策を打つ、というのが安心感となって、株高につながる。つまり今の世界は市場本位制という状況に陥り、市場の価格が経済の好不調を映す、という誤った認識が広がってしまい、政治も市場もそれに毒されている、というのが現状なのです。しかしバブルがそうであるように、株価など決して実体を映していない。どんなに企業業績や経済指標をみて、市場がそれを反映するとしても、結局のところ株価は人のマインドです。ITを導入してもそれは同じ。儲かるか、儲からないか、で価値が決まるものを景気のバロメーターにした時点で、すでに政策判断を誤っており、バブルを生む要因をつくっているといえます。
安倍政権の発足当初、『甘利越え』なる言葉を生み、やたら株価を意識した政策をとっていたのは安倍政権です。誤った認識や、誤った手法を輸出するのは、ある意味安倍政権の得意技ともいえるのでしょう。そんな誤った認識に従い、市場本位制をとっている米中の株価が、今や一時期の下落をとりもどすほどに上昇し、片や日本株が弱い、出遅れという状況なのは示唆的です。安倍ノミクスなどといい、日銀も黒田バズーカなどと異次元緩和を行い、株価対策をうちつづけたことで、すでに出涸らしとなっている日本。米中が市場フレンドリーになって株価が上昇しても、日本だけ市場閑古鳥が鳴くのは致し方ないといえるのですね。

analyst_zaiya777 at 22:51│Comments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

この記事へのコメント

1. Posted by payoku   2019年04月21日 18:15
先行きが思わしくないほど、金融緩和や景気対策を織り込んで株価が上昇するとは、悪い冗談みたいな話ですね。数十年後の経済学の教科書、啓蒙書なんかで笑い話のように取り上げられるんですかね。なんとかそのころまで生きてみたいものです。
2. Posted by 管理人   2019年04月21日 22:20
payoku さん、コメント有り難うございます。

これが金融相場の徒花なのでしょうね。私の周りでも現状の相場の読みとして、この前提をもっておいた方がいいだろう、ということでは一致しています。ただそうなると厄介なのは、この相場がどういう終わり方をするのか? ということなのですね。そこではまだ意見が割れています。スローダウンして軟着陸ながら、現状を映す形まで急変動もなくすすむのか? それともバブル崩壊のツケが常にそうであるように、急落とそれに伴う異常な変動を引き起こすのか? 今のところ後者になるとの予想が強いのですが、そこはまだ結論がでないのでしょうね。

将来的には、金融緩和のありようについても議論の的で、現状のありようは反省点として特記されることにもなるでしょう。私は以前から、金融機関に問題が生じていないときに緩和などするものではない、というスタンスですが、景気をバロメータとして金融政策をしたところで、バブルを生むだけなのですね。笑い話で済めばよいですが、将来的には大きな禍根を遺す形になるなら、これは悪い教訓として刻まれていくことでしょうね。

現状の行き着く先にはMMTがあり、金融ですべてが何とかなってしまう、という誤った認識が生まれてくるのでしょう。ただそれは、このバブルがはじけた瞬間にその理論も破綻するはずです。金融にできることを見誤った現状は、笑いごとでは済まなくなってきているのでしょうね。

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