対米自動車輸出に数量制限か?雑感。市場の動き

2019年05月17日

雑感。安倍首相と黒田総裁

日米貿易交渉を、21日事務レベルで開催、と報じられます。25〜28日にはトランプ大統領が国賓待遇で来日しますが、その前に事務レベルで話し合うのですから、最終決着とは言わないまでも手土産ぐらいはトランプ氏に渡さないと…ということかもしれません。茂木経済再生担当相がライトハイザー通商代表と、自動車への数量制限を掛けないと確認、と伝わった直後に事務レベル協議という話がでてきたので、もしかしたら「だったら土産をよこせ」とでも言われたのかもしれません。本格交渉は参院選後、と先の安倍首相の訪米の際に決めたのにここで事務レベル協議をするのですから、それ以外に考えられません。
そもそも『令和初の国賓』の名誉、という大してトランプ氏にとっては有難くもないもののために来日します。米中貿易協議も長期化が予想され、国内向けに成果を誇りたいトランプ氏が日本に要求すること大でしょう。北朝鮮の短距離ミサイル発射では、「北の脅威」で合意できなかったように、実は日米にも溝が感じられます。「日米は蜜月」という人もいますが、蜜月はhoneymoonの略であり、トランプ政権発足から2年以上が経ち、ハネムーンというほど甘い関係でもなくなった、ということなのかもしれません。

黒田日銀総裁が都内で講演し、「外的ショックに対する我が国経済の頑健性が着実に強まって…」と語りました。自分たちは悪くない、という理論武装のためにも嘘をつきつづけるしかないのでしょう。ムーディーズが日本の金融機関を格下げ見通しとしたように、低金利で高リスク投資を増やしたため資本の健全性に疑問符、と指摘されています。外的ショックで金融が総崩れになれば、経済全体が行き詰まるかもしれません。リーマンショックが深刻だったのは金融機関の突然死、というのを忘れてはいけません。しかもスジが悪いことに、預金保険機構の利益剰余金を国庫に納付させ、活用する改正金融機関早期健全化法が、与党などの賛成多数で可決です。それが必要となる場面が、今後でてくるかもしれません。
安倍首相は昨晩、エコノミスト4人と会食し、景気見通しや増税に関して意見交換しました。この時点で黒田氏の発言が嘘になるのですが、日本の経済はかなり危ないから、消費税増税についても未だぐらぐらします。菅官房長官が「内閣不信任は解散の大義」などと語りましたが、これまでは無視してきたことを、ここでそうするのなら理由を説明する必要があります。景気が悪くて増税を延期するのなら、安倍ノミクスは失敗と明言することにもなる。内閣不信任は「大義」ではなく、「大疑」となるのでしょう。

安倍氏も黒田氏も、嘘をつきつづけてきたことで、その矛盾が鮮明です。最近、高齢ドライバーの事故が注目されますが、安倍氏と黒田氏の危険運転が、目に付くようになってきた。景気が悪化する中金融政策を引き締めざるを得ない逆走、大義もなく解散する急発進、どちらも直接の被害は見えにくいですが、日本全体が大きなリスクにさらされていることも、また間違いないのです。早めに免許を返納し、運転する立場から下りてもらわないと、さらに危険運転がつづいてしまうことにもなるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:08│Comments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

この記事へのコメント

1. Posted by いろはのい   2019年05月17日 23:40
茂木大臣の話、ニュースを見て最初に思ったのは
えっ、これ本当の話? 米国には、数量規制受け入れますよ
と言っておいて、国内向けには、断固拒否、と言ってるんじゃないの?
というものです。だって、日朝交渉も日露交渉も
相手に要求してるのと、国内向けに説明してるのは、
全部真逆ですから(笑)

米国との交渉では、米国相手も国内向けも
同じこと話してるんですかね?
トランプ相手だと、秘密にしといてくれ、と頼んでも、
すぐツイッターでバラしちゃうから、嘘がつけない、とか(笑)
2. Posted by 管理人   2019年05月18日 00:20
いろはのい さん、コメント有り難うございます。

例に漏れることなく、今回も国内向けには嘘をついている、とみて間違いないでしょうね。これまでも米国が公開した文書と、安倍政権が説明する内容に大きな乖離がありました。代表的なものでは、TAGと安倍政権は説明し、on goodsがついて物品だけだとしましたが、米国が公開した合意文書では通常のFTA内容並みのことを話し合う、と書いてあった、というものです。一度でも嘘をついてしまうと、整合性をとるためにも嘘をつきつづけなければいけない。今回とて、数量制限をかけない、というのは合意かもしれませんが、むしろ別の項目で大きな妥協をした、そのご褒美だとしたら本末転倒といえるのでしょうね。

トランプ氏に対しては、これが先に公にされたらもう約束を守れませんよ、と釘をさしておくことは忘れていないでしょう。トランプ氏もビジネスマンですから、交渉を壊してまでTweetはしないでしょうから、今のところ公にされていない。逆にいえば、トランプ氏が満足するぐらい、その約束を守らせたいと思わせるぐらいに、日本が妥協していると思って間違いないのでしょうね。
3. Posted by 阿吽   2019年05月18日 11:42
単純に考えて、今までアメリカに追随していた国々は、アメリカがアメリカ側の貿易赤字にも構わず大量の物資を輸入してくれて儲かっていた(国益になった)ので、無理難題を言われても従っていたのですが、
トランプ大統領になってアメリカ側の無理矢理の赤字解消策として、更なる武器の購入要求や新たな関税を掛けて来たので、今までアメリカに追随していた国々も、これまで通りのアメリカ追随が果たして得になるのかどうか、改めてどうしょうか考えているところでは。
アメリカと中国を天秤に架けて損得を考え、果たして両者のどっちに付くべきか、各国とも考えどころなのでしょう。
「金の切れ目が縁の切れ目」じゃないですかね。
4. Posted by 管理人   2019年05月19日 00:13
阿吽 さん、コメント有り難うございます。

米国との付き合い方を考えているのは間違いないでしょう。ただし、それが中国との天秤、というのは少し違うと考えています。米中貿易戦争が起これば、米中ともに沈みます。その両経済大国との衝突で、如何に自分たちを生き残らせるか? そこに注力して検討を重ねているはずです。日本だけがおめでたく、未だに日米同盟は強固、などというものにすがっているのでしょうね。

もし世界が米国の愚行をとめたければ、ドル基軸通貨体制をゆるがすことでしょう。米国の強みは、どんなに危機に陥ってもドル基軸通貨体制があるうちは、各国は米国を助けなければいけない。自分たちが健全性を保つために米国を支えざるを得ないからです。経済規模と同様、米国が強気でいられる、それが力です。軍事力という面も持ち合わせていますが、経済的にみると今のところ、米国は破綻を免れる公算が高く、それが居丈高な交渉をゆるしてしまう。

一方で、中国も人民元を基軸通貨とする戦略をとってきましたが、失敗した感もあります。いくらアジアやアフリカで人民元を通用させても、国際決済通貨としての立場は弱いまま。改めて戦略の練り直しをせまられているのでしょうね。米中の動き方、一つ一つを追いかけて、日本が生き残る術をさぐっていかなければいけないのでしょうね。

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