雑感。安倍首相と黒田総裁解散の大義はあるのか?

2019年05月18日

雑感。市場の動き

厚労省がBSE問題以来、米国産牛肉の月齢30ヶ月以下としていた規制を17日付で撤廃、と発表しました。これもおもてなし、トランプ氏への忖度なのでしょう。対中輸出ができず、苦しむ農畜産業に対する配慮が働いた結果でしょう。交渉の道具にするため、いつでも解除できたはずなのにここまで引っ張ってきた。それを解除する理由が、自動車の数量制限への見返りだった、ということになるのかもしれません。

令和相場がはじまってから、2週連続の下落です。下げ幅は日経平均で100円弱とちぢまりましたが、まだ底が見えない状況です。一方で米国では金融プレイ、15日は経済指標が悪くて利下げ期待、16日は経済指標がよくて素直に上昇、といった状況です。ただし、米国でもここで金融緩和をしたとて、大して効果がないと予想できます。金融緩和の効果があるのは、金融市場に問題が生じている場合です。景気が悪いのに金利が高すぎる、などが一つの例ですが、今の米国に金融の不安はなく、資金繰りに何の問題もないのです。
日本でもそうだったように、金融政策による景気が悪化するときに行うべきであり、デフレ脱却を目的に始めた日本では景気浮揚も、インフレにもなっていない。ただ米国ではインフレが昂進するでしょう。資金が逃げる日本と、引き付ける米国、特に今は他に投資先もなく、米国に資金が滞留することになります。これまでの金融緩和では、先進国から新興国へと資金が流れ、それが新興国経済を押し上げてきました。しかし米国が緩和を停止した途端、新興国の不安がただよう。その不安の大きさから、もう投資先としてふさわしくなくなり、米国内では資金が滞ってしまう。米国はインフレに向かいやすい国といえます。

しかし市場は、利下げ期待がある間だけは下がりにくい。5月までの指標が良好であることも下支えとなるはずです。ただし、それが日本株へと波及することはほとんどありません。来週には1-3月期GDPがでてきますが、よくて横這い、悪くすればマイナス成長。景気後退まっしぐらです。特に、米中との貿易量が多く、金融に不安のある国ですから、尚のこと株式市場への期待は皆無と言えるのでしょう。
むしろ日本こそ、今は金融緩和すべきタイミングなのですが、それができない。金融に不安があるのに緩和できない国だからこそ、期待もできなくなります。急速に下げるタイミングではありませんが、緩やかには2万円われをめざしていくでしょう。6月のG20で米中首脳会談の期待もありますが、以前も指摘したように中国は不都合な合意をむすぶ気はない。一方で、トランプ氏は自分たちの要求が通らないと席を立つ傾向もあります。今のところ、米中ともに慌てて合意する気もないのですから、その期待は空しいばかりとなるのでしょう。日本株への期待、それは安倍政権お得意の忖度でも好転させることは難しい。むしろ『忖度』の蔓延した日本では、市場の下落で『損たくさん』となり、さらに景気を下押しする悪循環が予想されてしまう点で、厳しいといえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:42│Comments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

この記事へのコメント

1. Posted by payoku   2019年05月19日 20:55
素材関係や、電子部品関係の知り合いは、中国関係の売上低下により6月のボーナスが相当酷い状況のようですし、これから厳しくなりますね。菅官房長官が解散を匂わせてますから、消費税延期を訴えて衆参ダブル、その後、消費税延期という流れでしょうか。日本国債の格付け低下or予算確保のため大量の国債発行などで、日本の金利上昇により、結局、どっちにしろ破綻しそうですね。
2. Posted by 管理人   2019年05月19日 23:36
payoku さん、コメント有難うございます。

将来的によくなる、といった展望を抱けない点が、中国との取引をしていた企業には大問題なのでしょうね。米中貿易戦争が、仮に中国の妥協によって解決したとすれば、それは中国経済が高成長の旗を降ろしたことを意味するので、結果的に中国との取引は縮小したまま、となるでしょう。変な言い方ですが、両国が適当な折り合いをつける形で解決してくれないと、日本は結局のところともに沈んでいく運命なあのかもしれませんね。

今日の記事にも示しましたが、解散の大義はない。消費税増税の延期の是非、といったところで、そもそもムリでしょ、とだれもが考えているので、だからといって与党を支持する理由にはならない。しかし安倍ノミクスの失敗の印象だけは強まってしまう。一方で、今年度の予算すら組みなおしとなり、国債の大量発行が懸念され、日銀によって買い支えたところで格下げも予想されるのでしょうね。日本は増税するから、として格下げを免れてきた面がある。それを思い知ることになるでしょう。現在のMMTにしろ、国債の大量発行により財源を賄える、という理屈が格付けとどうマッチングしていくのか? それを試す場面がでてくるのかもしれませんね。

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