雑感。市場の動き1‐3月期GDPはプラスでも…

2019年05月19日

解散の大義はあるのか?

共同通信の世論調査で、安倍内閣の支持率は50.5%と、5月1、2日の調査から1.4pt減です。不支持率は36.2%と4.9pt増となりましたが、令和のバカ騒ぎの間にとられた世論調査から支持を下げるのは当然として、未だ50%超えであるため、解散にも追い風となるのでしょう。条件なしで北朝鮮の金正恩氏と会談、という方針を「評価」は61.2%、「評価しない」は30.6%。しかしこれまで胸倉をつかんで北朝鮮のことを脅し、剰え周りにも「アイツ、虐めてやろうぜ」と先導していた安倍氏と、北朝鮮が会談してくれる可能性は現時点で皆無です。米国に意見できる立場でもない安倍氏に期待しないからこそ、金正恩氏は中露に頼るのであって、もし日本と交渉する気ならとっくにアプローチをかけてきています。
秋の消費税増税は57.6%が反対、賛成は37.6%。衆参同日選は47.8%が行った方がよい、37.2%が行わない方がよい、です。一見、増税を中止して解散すれば大勝できそうな数字ですが、しかし大義がないので、安倍政権は頭が痛いのでしょう。増税の中止は野党がこぞって主張すること。争点つぶしにはなりますが、与党を支持する道具たりえない。これまでの選挙では必ず安倍ノミクスを選挙の道具としてきましたが、今回は旗色が悪い。今日の日曜討論でも、茂木経済再生担当相が袋叩きに遭っていましたが、景気が悪いから増税を停止するんでしょ? という認識が広がれば、安倍ノミクスは失敗したとの印象が強まります。いくら米中貿易戦争のせいにしても、肝心の米国が高成長であるのですから説明になりません。

改憲を争点にしても、維新を除名された丸山議員の辞職勧告に自民が賛同しなかったことで、自民は戦争をするために改憲したいのでは…? との疑念をもたれる。実際はこの程度の妄言で辞職勧告をだしていたら、自民党議員の半数はいなくなるから、という感じですが、自民党が今回の件で株を下げたのは間違いありません。元島民もあきれ返った発言であるのに、自民党がそれに寄り添えなかったからです。
今日は安倍首相が拉致被害者家族と面会していますが、「安倍内閣で解決。被害者と家族が抱き合う日まで使命は終わらない」と語ります。しかし6年経って戦略をがらりと変えたので、一からスタートも同じです。今から北朝鮮の信頼を克ちえて、交渉までたどりつくには少なくとも1年はかかるでしょう。しかも先に指摘した通り、これまでの高圧的態度から、かなり相手の心証が悪い。6ヵ国協議にもちこんで、そこで首脳会談という戦略のようですが、その6ヵ国協議ですら安倍政権は四面楚歌です。「トランプ大統領もぜひ力になりたいとの気持ちをもっている」と述べますが、頼れるのは米国だけ。トランプ氏以外で力添えしてくれるのは皆無。親友とされるプーチン氏でさえ、北朝鮮の事情を優先するでしょう。日本が大きな手土産を準備すれば、会ってみようという気にさせるかもしれませんが、それ以外で北朝鮮が今の日本と会談する必要性がないからです。拉致問題をもちだしたところで平行線、北朝鮮が再調査に合意することすらないでしょうから、逆にそれを争点にしてアピールするのはリスクが高すぎます。

解散にはお金がかかる。国政も停滞する。解散したくても大義なし、この状況で唯一の材料となりそうなのがG20かもしれません。G20で米中首脳会談が実現し、世界経済を成長軌道に乗せたなら、その成果をアピールして解散にうってでる。そのときは市場も回復しているでしょうし、安倍ノミクスを再び俎上に乗せてアピールすることもできます。ただし、米中の首脳会談が決裂したときは、地獄のような厳しい状況が待つでしょう。恐らく、決裂というまでにはならないでしょうが、内容次第では悪い形で市場の変動を招く。それぐらい注目が集まってしまっているのです。安倍氏はこれから揉み手擦り手で米中の間を太鼓持ちのようにふるまうのかもしれませんが、早くも米国の指示通りに中国への圧力に加担しはじめた。これでは6ヵ国き協議で中国の協力を得るのはムリ、となるのでしょう。
結局、軸足が米国にしかないから、ほかの国の理解も得られず、協力も得にくいという状況に今はなってきてしまったのです。野党からの内閣不信任案提出が大義、などといいだすのも、結局は他に何もないから、なのでしょう。もし米中首脳会談が失敗し、市場が大混乱していたら、それこそ大義の欠片すら得られないはずです。むしろそんなときに解散したら、大逆として断罪されることになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:02│Comments(6)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

この記事へのコメント

1. Posted by 門外漢   2019年05月20日 11:17
おはようございます。

対北朝鮮外交ですがあちら側にとっては、「前提条件無しに」ということは「ストックホルム合意の履行により拉致問題は解決した、ということを日本政府も認めたんだよな?」と認識するのは当然でしょう。北朝鮮高官の「我々の拉致問題は解決済み、との立場は些かも揺らいでいない」というコメントからも前記の態度がうかがえます。
「前提条件」=「拉致問題は未解決」ですからね。
世論は「大きな前進」と評価してるようですが、その実、「大いなる後退、むしろ第二次政権発足時よりマイナスになった」でしょう。

丸山議員ですが、「何でロシアに謝罪するのか?」と不満を言ってるようですが、本人は自分の発言の問題点がわかってないようですね。
一私人ではない、衆議院議員としての北方領土問題解決に向けた公務での発言です。ロシア側からすれば「なんだ、結局日本は力づくで奪い返そうとしてるのか。じゃあ話し合いもへったくれもないですね。どうぞどうぞ、戦争でも何でもしてください」となるのは当然です。
人との会話ではなく、頭だけで生きてきたエリート故の悲劇ですね。


2. Posted by いろはのい   2019年05月20日 20:11
丸山発言の問題点は「俺を辞めさせるなら、お前らも道連れだ」と
他の議員を脅した点。
これで丸山が辞めなければ、日本の国会は一議員の脅しに屈したことになる。
そんな「悪しき前例」を作っていいのか?

最初から、仲間の議員を脅迫するような人間は
国会議員にふさわしくないので辞職せよ、
としておけば、誰もが納得できたのに(笑)
3. Posted by payoku   2019年05月20日 20:34
1-3月期のGDPが発表されましたが、無理矢理あげてきた感じからすると、いまのところは消費税増税のポーズは維持してますね。成長してるから安倍ノミクスは成功している、という形で選挙に突入するのかもしれませんね。
4. Posted by 管理人   2019年05月20日 23:01
門外漢 さん、コメント有難うございます。

政府に近いスジからは7月、9月にも訪朝して拉致被害者を2〜3人、連れて帰るといった威勢のいい言葉も聞かれますが、これは昨年秋ごろから政府関係者が北の担当者と非公式会合、といった話がちょろちょろと政府から漏れ伝わるように、やっている感を演出したいためのブラフとみています。特にそのタイミングが伸びているのは、参院選をまたいで解決、という方が期待感を継続できる、そんな姑息な考えしか感じないのですね。

実際にはストックホルム合意をどうするのか? それさえ決まっていないでしょう。産経などは安倍政権の方針と呼応するように、期待感マシマシの報道をしますし、それで韓国が孤立、という印象の記事を書きますが、以前から産経が書くときはブラフ、読売が書くときは確定、という使い分けもされているので、これがブラフとの見方をさらに強めます。そもそも北朝鮮がすり寄ってくる、米国から強く言われた、というあり得ない前提ですから、余計にブラフと思わせるのですね。

問題発言をする人間がよくいう「言論の自由が…」という言葉。丸山氏も例に漏れず、用いていますが、自由があるからといって何でも発言していい、などと勘違いしてはいけない。公務、立場、それこそ一般常識に照らして言っていいこと、悪いことはあるのですね。その使い分けすらできない人間が、公務の職にあることが問題であり、論点ずらしに過ぎない、ということなのでしょうね。
5. Posted by 管理人   2019年05月20日 23:08
いろはのい さん、コメント有難うございます。

丸山氏の報復発言は、人間性すら疑わせるものであり、支持者さえ呆れることだったでしょうね。むしろ、そんな醜聞があるのなら、議員をやめて文筆家になった方がよほど有益な活動ができるでしょう。杉村元議員のように、タレントとして活動する手もありですからね。それ以外でも週刊誌や、暴露本を出してほしい出版社もありますから、どんどんとやればいい。ただ嘘にまみれていたり、それがただの復讐のためだったら興ざめなのでしょうね。例えば、今回議員辞職勧告をだした野党にだけ、その牙をむける、ということでは何のためにそれをするのか? という話にもなります。そこまで人間が腐っていたら、もう議員などつづけるべきではないのでしょう。

もし夏にも衆院が解散されたら、丸山議員は非常に厳しいことになるでしょう。自分からは辞めなくても、人間性に悖る人物に、いったいどこまで投票する有権者がいるのか? 有権者まで腐ってしまったのか、それが試されるということにもなります。それでも選挙に勝利できるなら、政界の風雲児として今後も生き残っていけるのでしょうが、今のままなら退場を余儀なくされることになるのでしょうね。
6. Posted by 管理人   2019年05月20日 23:16
payoku さん、コメント有難うございます。

安倍政権が本当にこんな数字を望んでいたのか? 確かにヘッドラインでは年率2.1%上昇、と流されたので、それしかみない人には響いたかもしれません。しかしどのメディアでも「実は…」と、その数字が悪いものであると報じられる。増税判断に今のところ影響しない、と茂木氏などは強気ですが、明らかにこのまま増税したらまずいぞ、という危機感は高まったでしょう。

安倍ノミクスは成功…というイメージを与えるためにも、とにかく数字を作り上げたとすれば、10月以降は本当に日本の景気に崖が待つ。今回、安倍ノミクスは成功だけど増税は止めます、という説明をするには程遠い内容だったことで、安倍政権はさらに焦燥を強めているのではないか? と考えています。むしろほくそ笑んでいるのは官僚で、安倍政権が数字をよくみせろ、というからそうしましたよ、と開き直っているようにも感じます。もし今回、選挙に勝ったとしても10月以降の崖により、自民党は次の次の選挙で大敗することが確実でしょう。なぜなら、その時まで安倍政権がつづいてしまうからです。自民の重鎮などは、小さく負けて安倍政権退陣のキッカケとしたい、そのためにも選挙…という考えの方が強いのかもしれませんね。それを防ごうとする官僚と、むしろこれからはその綱引きが熾烈となってくるのかもしれませんね。

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