1‐3月期GDPはプラスでも…週末のトランプ訪日

2019年05月21日

雑感、華為技術への圧力

韓国の徴用工問題で、安倍政権が二国間協議の戦略を転換し、韓国に対して仲裁委員会の設置を求めました。ただ韓国が応じない場合、設置はムリですし、国際司法裁判所への提訴も韓国側の同意が必要。要するに手詰まりです。韓国は長期化させ、日本企業が根負けするのを待っているので政府間交渉に応じることはない。ナゼなら、そんなことをすれ日韓請求権協定を盾にとられ、自分たちが不利だと知っているのです。
文政権の経済政策の失敗で、財政に余裕のない韓国は少しでも海外から資金をむしりとれれば成功、との思惑もある。安倍政権は早く次の、次の手に移らない限り問題は解決しませんが、米国に尻尾をふまれているため踏みこみが遅れるのでしょう。未だ北朝鮮との首脳会談に色気をみせるトランプ氏にとって、そうはいっても韓国に交渉の一端を担わせている。拉致問題でお願いばかりしてくる日本より、韓国の方が有用なのです。だから日韓の亀裂は米国にとって許しがたく、結果として韓国にぬるい対応しかできない、となってくるのでしょう。日本が北朝鮮と交渉するためにも、6ヶ国協議にもちこむなら韓国の助力も必要。韓国が強気にでられる条件もあるのであり、だから問題が長引くということでもあるのです。

米商務省が中国通信機器、華為技術への輸出規制、一部を3ヶ月猶予すると発表しました。米企業としてもすでに契約した分を捌かないと業績下押しになるため、当然でしょう。GoogleがAndroidの提供を打ち切る、と発表しましたが、短期的にはこうした制裁が効くでしょうが、数年後には中国がパソコン、スマホのOSを内製し、半導体も国内で賄える体制を構築してくるはずです。特定の製品、産業の依存はリスクがある、と気づかせたからです。これは比較優位で説明される貿易の動きを否定するものであり、ナショナルリスクを加味した生産体制の構築が、喫緊の課題になったことを世界全体が意識することになるでしょう。
つまり半導体、OS、SNSや映像配信事業など、今は米企業の一人勝ちの状況ですが、これから数年でその脱却が始まる。むしろ脱却できない国はサービス産業の従属により、相手国に文句もいえず、国内の混乱を避けたければ隷属という立場におかれるのです。今回の米国の動きはその萌芽とみて間違いありません。それを受け入れるのかどうか、米中貿易戦争とはそういう側面をもちはじめた、といえるのでしょう。

日本も対岸の火事ではない。ますます米国の無理難題に対して、反論できない状況におかれる。それを避けるためには半導体の内製やOSの構築、ネット配信事業などへの規制を考えるべきでしょう。例えば、Google、Netflix、Amazonなどに対して、日本には子会社ではなく事業本体をおき、きちんと税金を納めさせる。そうでないと接続を停止する、それぐらいの強い対応をしていかなければいけないのかもしれません。
例えば、Yahoo!は別会社としてYahoo!Japanがあり、国内で独自に活動しています。他のネット企業も日本に営業所のようなものはありますが、事業本体は別であり、税金は免れている。現状、欧州でもGAFAへの規制、課税を検討しているのですから、世界的な動きとしてこれを展開し、米国依存でない体制を構築するのでない限り、関税であったり輸出規制であったり、そうした圧力があると対抗できなくなるのです。安倍政権のように、米国の提灯もちさえしていれば生き残れる、といった幼稚な考えでは、今後世界で日本が存在感をなくしつづけることだけは、間違いありません。Googleの地図アプリがゼンリンとの提携を止めたため、使いものにならなくなった今こそ、依存体質の脱却をめざすには絶好のタイミングといえるのでしょう。今は中国が標的ですが、明日は我が身と備えられるような政府でない限り、グローバル化の負け組に入ることはまちがいなく、安倍政権に則して言うなら日本はグローバル化の負け犬になってしまう、となるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:13│Comments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

この記事へのコメント

1. Posted by 知廉   2019年05月22日 00:07
19世紀末の帝国主義的世界分割の流れで、現在の中国の一帯一路などを見れば、次は経済貿易の対立から世界恐慌が控えるのでしょうか。まあ、現代は金融工学の洗練化もあるので、カタストロフ的な恐慌は起きないのかもしれませんが、慢性的な不況化におちいるような気もします。
さらに、世界恐慌後には、通貨の切り下げ合いとなり経済がブロック化し、結局、世界大戦にまで至りましたね。
実際に、歴史が繰り返すかは分かりませんが、似たような構造はあるような気もします。
2. Posted by いろはのい   2019年05月22日 22:03
携帯各社は、ファーウェイ製の新製品を販売停止に。
これってかなりヤバイ状況だと思うんですけど。
企業は当然予算を組んでるわけで、売る商品がなくなったら
その予算に穴が開く。今期の売上げも下方修正。
代わりに別の製品を、といっても、すぐ手配できるはずもないし。
どうするんですかね。
3. Posted by 管理人   2019年05月22日 23:06
知廉 さん、コメント有り難うございます。

貿易の対立、というより、市場経済の限界が世界恐慌へと導く、といえるのかもしれませんね。中国は完全に開放された市場経済は取り入れていない。だからといって市場経済をめざしてきた米国が、今やそれと真逆のことをしはじめ、計画経済へと舵を切ったようにもみえる。市場経済をうけいれたはずの中国が、適度な計画経済との組み合わせで急成長するのが、米国にとっても受け入れがたくなってきた。これまでは中国の成長をとりこんで…としてきたのが、対立の構図になったのは、市場経済の限界を強く意識させるのですね。

むしろ金融工学も完璧ではなく、危機を助長するのかもしれません。今、問題視されているのが企業債務の大きさですが、これも金融工学によって安全、安心とされて債務を拡大させてきた。ここから経済危機に陥るなら、それが一転するのも金融工学の特徴です。また個人債務も大きく、リーマンショックの引き金となったサブプライムローンに似た仕組みが、規模は過去ほど大きくありませんが、復活もしています。

ブロック経済というより、トランプ氏の手法は最終的に軍事衝突までいかないと解決しない、とも感じます。米経済の失速は、開戦により米国債に変調をきたすことで始まるような、そんな気もしてきました。とにかく今は経済の速度も速いだけに、また金融相場に再び突入、リスク感応度が低下していますので、悪くなる時は一気に…となるのかもしれませんね。
4. Posted by 管理人   2019年05月22日 23:20
いろはのい さん、コメント有り難うございます。

携帯各社にとって、iPhoneの次に売れスジなのがHuawei製ですから、大打撃とはなるでしょう。端末とのセット販売が停止されましたし、元々格安スマホとして売られているものも、ラインアップに加えれば体裁は整えられるでしょうが、売れスジがないのは大きな問題なのでしょうね。

恐らく携帯各社にとって、Appleの動向も気になるところでしょう。中国で製造し、米国に輸入するときは高い関税がかかる。日本に輸入する分がそのままだと、割安の日本で買って、米国に個人売買で売る、といった行為も横行するかもしれない。それを防ぐためにはiPhoneの販価も引き上げるかもしれません。元々、これからは製品販売より、サービスを中心とした収益構造に転換する、としますが、AppleはiOSを使ってもらわない限り、サービス業としての収益が上がらない構造であり、販価が高いとそれだけユーザーも逃げることになる。Appleの今後の戦略次第では、携帯各社の戦略も変わってしまうのですね。

Huaweiが新OSなどを搭載し、AppleよりAndoroidより魅力的なサービスをうちだしてきたら、携帯各社は独自サービスとして載せてきたメールサービスなども、また見直しが必要となります。携帯各社は今後、冬というより大嵐の時代に入るのかもしれませんね。

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