安倍政権は算数が苦手?雑感。年金2000万円不足

2019年06月11日

高齢者の限定免許と骨太の方針

相次ぐ高齢者の自動車事故をうけ、安倍政権が安全装置つき自動車に限定する免許を『成長戦略』に盛りこむ方針、と伝わります。今の安全装置など、補助的で大した意味がありませんし、何よりそんなものを成長戦略とする意味が分かりません。高齢者が免許を手放す必然性を減らし、自動車産業を潤すとでもいうのか? それは成長ではなく、縮小抑制というだけです。そもそも高齢者の身体的衰えを鑑みても、今の自動車ではリスクが変わらない。根本的に新しいシステムを、安価に提供できるようにしなければダメです。
一つの例としては電動の立ち乗りフォークリフト。手だけで前進後退、右左折ができる。足をつかわない運転で、最高速度を抑え、安全装置もつければ高齢者でも安心して乗れるでしょう。軽自動車サイズにして4人乗りとすれば、簡単なアシには十分です。既存のシステムを組み合わせるだけなので、安価に提供できる。体が不自由な高齢者が乗る、一人乗りの電動車の延長という位置づけの新たな製品が必要なのでしょう。

金融庁がまとめた『年金2000万円不足』リポートを、麻生財務相が「受け取らない」と発言。安倍政権はそれ自体を亡きものとする意向です。しかし安倍政権のいう『不正確で誤解を与えた』という言葉は、実は『年金4000万円不足』が正しい、としても当てはまることになります。以前も指摘しましたが、年金制度は破綻しない。それは負担を増やし、受給を減らせば均衡できるからです。しかし老後の生活は成り立たなくなる。運用に失敗して、資産を失う人などは年金だけでは足りないので、生活保護に切り替えるようになる。すると受給はさらに減り、負担は増えないかもしれない。しかし生活保護は税金で賄われるので、結果的に重税が課されることになるのです。年金は破綻せずとも、生活が破綻する人はますます増えるでしょう。
来年度にむけた経済財政運営の基本方針、いわゆる骨太の方針の原案が明らかになりました。就職氷河期世代のためにハローワークに専用窓口や、資格所得支援などを盛りこみますが、いくらやる気をみせたところで、企業が若年層の労働者を求める以上、マッチングが上手くいくはずがありません。例えば求人要件の拡充などを企業に義務づける。新卒採用に対して何%かを中途採用する、それぐらいのことをしないと、いくら労働者側に働きかけても改善は難しいのです。しかも、今から働きはじめてもそういう人たちの年金は少ない。今の社会保障を賄うため、人手不足の対策のためだけで、結果的に使い捨てられると感じる人も多いでしょう。そうした印象が強い以上、こうした政策がうまくいく見込みは皆無といえます。

一方で、社会保障改革へは切りこまず、財政健全化とはほど遠い。これは『骨太の方針』ではなく、単なる『太腹の方針』です。それに見合う財力ももうないのに、大盤振る舞いをして、散財するようなもの。消費税増税への賛成意見で「将来世代へツケを回さない」ため、という意見が多いですが、実は政府の方針自体が「将来世代へツケを回す」ものでしかないのです。『年金2000万円不足』とするリポートを受けとらない、としたように今の不満をださないようにするため、将来世代へずっとツケを回してきたのが安倍政権です。
『消えた年金問題』がトラウマで、今回のリポートも無視することでやり過ごそうとする。それが「問題と向き合う」と宣言した安倍氏の、真の姿でもあります。高齢者の自動車事故を云々する前に、問題から目を逸らすことが安全運転だと考えている、安倍政権の政権運営の方が、よほどリスクが高いといえます。気づいたときには、国民全員が高速道路を逆走させられているかもしれない。いみじくも、黒田日銀総裁が「金融政策を最大限吹かす」と述べたこともあるように、安倍政権の高齢ドライバーでは、エンジンを吹かし過ぎて壁に衝突するまで止まらないかもしれない。安倍政権を制限し、限定する免許が今こそ必要なのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:03│Comments(5)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

この記事へのコメント

1. Posted by 介護福祉士・時々立憲民酒党の代表   2019年06月12日 15:16
 まず事故ばかり起こしている自公政権をなんとかしたいですね…。
2. Posted by 介護福祉士・時々立憲民酒党の代表   2019年06月12日 17:53
 安倍政権を制限させる方法といえば選挙で大敗させる事だと思いますが…自民が数議席減らすが正教分離に反している創価党が議席を増やす…結局与党の勝ちでしょうね…
3. Posted by いいじゃん   2019年06月12日 19:06
外国人留学生の起業促進=在留資格切り替え可能

外国人留学生の起業促進=在留資格切り替え可能に−特区諮問会議 2019年06月11日19時38分

https://www.jiji.com/sp/article?k=2019061101094

 政府は11日、国家戦略特区諮問会議(議長・安倍晋三首相)を首相官邸で開き、外国人留学生による起業を促進するため、原則不可となっている、大学に在学しながらの在留資格切り替えを認めるよう見直す方針を決めた。今月下旬に閣議決定する成長戦略に盛り込む。<下へ続く>
 現行制度では、「留学」の在留資格で来日した外国人留学生が起業する場合、原則卒業後か退学後に帰国し、必要な資格を取り直す必要があった。地域での起業を活性化する観点から、在学中の資格切り替えが可能になるよう制度改正を検討する。
4. Posted by 管理人   2019年06月12日 23:33
介護福祉士・時々立憲民酒党の代表 さん、コメント有り難うございます。

今回、公明がかなり衆参ダブルに反対しているのは、創価学会の協力が得にくくなってきたことも影響しています。改憲の意欲をむきだしにしてきたため、それを学会婦人部が納得していない。何しろ、池田大作氏の著作で憲法9条を守れ、と書いてあるのですから、今の執行部がいくら締め付けたところで、池田氏への忠誠の強い学会員が、協力的でなくなった面も影響しています。これまで安倍氏が、改憲のことを匂わすぐらいで積極的でなかったのも、公明との関係を崩すと選挙に勝てないから。ただしそれで支持層を納得させてきたのも、もう限界。そんな状況で、これからの選挙は迎えることになるのですね。

つまり政権の座に6年もついたのに、ほとんどレガシーがない。それは外交ばかりでなく、改憲も同じです。日本会議が改憲に前向きとなったのも、いい加減その下にいる実働部隊に対して、説明がつかなくなってきたから。いくら安倍氏を支持しろ、といっても、6年たっても改憲の道筋もつけられない、やる気がないのは許せない、という声が大きくなってきた。自公の齟齬、安倍支持層に配慮した方がいいのか、それとも創価学会のF票に期待した方がいいのか、その判断を間違えると、自民大敗の兆しもみえてきます。ここからの安倍氏は、長期政権であるがゆえの苦悩を迎える。むしろここから、どんな事態がおきるのかをしっかりとみておいた方がよいのでしょうね。
5. Posted by 管理人   2019年06月12日 23:43
いいじゃん さん、コメント有り難うございます。

この話は少し前からでていましたが、今回は金融庁のWGとちがって、うけとらないということはしないでしょう。つまりお金のある留学生が、企業してくれるのなら大歓迎、とでも考えているのでしょうね。また地方がそれで活性化されれば、分散にも資するとでも考えているのでしょう。しかし実際は、都市部の企業が多いはずですし、そもそも税金の高い日本でわざわざ起業するのか? という視点が欠けているのですね。

例えば日本の特産品を海外に売るための起業、というのなら日本人が起業すればよいことですし、よほど日本人の知恵がない、とでも考えているのかもしれません。結局、日本人を一番バカにしているのが安倍政権なのでしょうね。別に、起業してくれるのが悪いことだとはいいませんんが、東京福祉大にもちあがった問題のように、今回のケースで東京福祉大は受け入れ大学として不適当とされ、在留の受け入れ期間を短縮される見通しです。つまりこれまで東京福祉大に通っていると、在留資格がその分延長されましたが、今後は通っていても資格が切れてしまう生徒が続出する。そういう場合、どうするのか? こうした問題が起こっているときに、審議会にだしてくる、その時点で安倍政権のセンスのなさが顕著といえるのでしょうね。

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