雑感。投資に失敗する農水省の官民ファンド香港のデモと日本

2019年06月17日

政治の安定も株式市場の安定も、どちらも問題

安倍首相が自民全国幹事長会議で「政策を前にすすめるために政治の安定が不可欠。まなじりをけっして参院選を勝ち抜こう」と語りました。その政策がダメである場合、政治の安定はむしろ国力を落とす結果となることを、安倍政権はこの6年で示してきました。真に能力のある、正しい政治であれば必然的に政治は安定するのですが、それを無理やり安定させることで日本は大きな矛盾を抱え、未来は暗いとなります。

安定が正しくない、もう一つが株式市場です。今、売買代金はやっと1.5兆円を超えるぐらい、売買は低迷し、後場には値動きすらなくなります。その原因は「日銀のETF買い」とはっきり語る人も増えました。ETF買入れは白川前総裁時代の2010年、年間4500億円ではじまりましたが、市場に比べて規模が小さく、大した意味がなかった。黒田総裁となり、13年4月に1兆円、14年10月に3兆円、16年7月に6兆円にまで引き上げられています。ただ白川氏の間は「市場の安定」としていたものが、黒田氏に代わり「資金供給」と変わったことで規模が天井なしとなり、その逆で市場は低位安定してしまった、というのが現状です。
今週は日銀もFRBも金融会合がありますが、注目はFRBです。6月FOMCで利下げがあるか、声明が引き下げられ7月に利下げか、という予想が大半を占めます。しかしそれでも私は今回、声明も変更なしではないか? と予想しています。5月米小売売上高が前月比0.5%増となり、底堅いとの声も聞かれます。経済指標もよく、株高。債券市場はすでに年内3回の利下げを織りこんでおり、利下げがないと動揺しやすい、ということ以外、利下げする理由がない。予防保全という言い方もされますが、そこには高いハードルがあります。

6月最終週のG20で、米中首脳会談が開かれる見込みです。まだ実現性も定かでありませんし、会談内容さえ決まっていませんが、トランプ政権が米中貿易協議により解決をそのタイミングに定めている以上、FOMCで米中協議が失敗に終わり、世界経済が低迷する、という前提の利下げを果たして行えるのか? 事前にトランプ政権から交渉が上手くいかない、との事前アナウンスがない限り、FOMCは動きようがないのです。
FOMCの役割は雇用と金融市場の安定。政府の失敗を担保する役割まではになっていないのです。ただ5月小売売上高は、明らかに制裁関税前の駆け込みとみられ、企業の雇用意欲も減退気味。ただしそれも、米中首脳会談が上手くいけば利下げそのものが要らなくなるのです。それを6月の今週、果たして判断できるか? 眉唾と言わざるを得ません。そして利下げ見送りとなれば、日本も巻きこまれるので、注意が必要です。

基本は、米金利急騰にともなう円安、株高ですが、私はそう思わない。市場は多少、利下げなしの瞬間は慌てるでしょうが、自然といずれ辿る道だとして反動の動きは収まるはずです。FRBのメインシナリオは、G20での協議が上手くいかず、景気減速が確実視されるようになった7月FOMCで声明の変更、8月ジャクソンホール講演で複数の理事が利下げの必要性について言及、9月FOMCで利下げ、となるはずです。高々2ヶ月遅れるからといって、株価が数千円も下げたり、為替が数円の幅で動く、と考えるのは早計です。少なくとも、そういう動きを抑えてしまうのが今の市場でもあり、金余りの結果ともいえます。
しかし安定しているからといって、将来の問題が解決するわけでもない。米中で拡大した個人、企業、政府の債務など、いつ信用が崩れてリーマンショックの二の舞を引き起こすか? 分からない状況です。ただ、まだ大丈夫という程度の話でしかないのです。今の安定は、決して将来の安定は約束しない。安定しているからといって、決してよい状況とは限らないのです。むしろ不安定である方がダイナミズムとなり、能動的で建設的なものが生まれることもあります。緊張感も薄れ、『異例の』が連発される今の政治が、『安定』の悪しき例となっているのが皮肉なのでしょう。それは株式市場も同じです。安定による停滞と沈鬱、それがこの国から活力を奪ってしまった。日本の市場関係者が「政治の安定を外国人投資家が好感」などと言っていたことさえ、すべて嘘なのです。むしろ、日本の現状を言い表すなら、それは『腐安定』となるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:08│Comments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

この記事へのコメント

1. Posted by 時給1000円で常勤と同じ仕事させられている介護福祉士の立民代表   2019年06月18日 07:25
 自分達の好き放題がしたいために安定した議席が欲しいんだろ自民は…国民が求めている安定した生活・年金・社会保障…なんかより、自分達の好き放題できる安定した議席が第一!これが安倍政権の姿だ。
 参院選のポスターに日本の明日を切り開く!と書いていましたが…7年間で一体何していたんだ?と突っ込みたくなりますね。
 ウソつきまくる・TPP大賛成・ブレまくり・公約違反…犯罪者と思われても仕方ない自民党を今すぐ破滅させてやりたい!もちろん選挙という国民が使える最大の武器でね。
2. Posted by 管理人   2019年06月18日 22:50
時給1000円で常勤と同じ仕事をさせられている介護福祉士の立民代表 だん、コメント有り難うございます。

安倍政権にとっては、自分たちの安定、安寧が第一なのは、今回の年金問題でも浮彫ですね。訳知り顔で「年金が足りないなんて、はじめから分かっていたではないか」などというのではなく、政府に対して実体をはっきりさせよ、というのが正しい。政府がそれを認めるかどうかが問題なのに、論点をズラしているだけなのですね。

以前の記事で、自民の公約は「日本の明日を切り売りする」と指摘しましたが、まさに明日を蔑ろにして、安倍を大切にするのが鮮明です。寧ろ「日本の安倍を守り抜く」とした方が、自民の公約としては適当なのかもしれませんね。

自民長崎3区の谷川議員に公選法違反の恐れ、と報じられます。山形沖の地震でも、秋田の新屋演習場への津波を想起させます。今回はそれほどの被害がでなくとも、もしイージスアショアが建てられた後、秋田沖で地震がおきたら、日本の防衛網は一体どうなるのか? 結局、自民では『明日は守れない』ということが一連の事情でもよく分かるのでしょうね。
3. Posted by いいじゃん   2019年06月19日 07:23
山桃太郎先生に、総理大臣になってもらうしかないね
4. Posted by 管理人   2019年06月19日 23:13
いいじゃん さん、コメント有り難うございます。

難しいのは、山本氏のように個人だと目立つ、立派な意見を言えても、それで集団をまとめていくのはかなり難しい点でしょうね。それこそ山本氏への期待も高く、れいわ新選組は発足後、寄付金もかなり集まっているとの話もありますが、それこそ20、30人ぐらいは統率をとれても、党となり、与党になるためには衆参合わせて500人ぐらいの議員をまとめないといけない。残念ながら、まだ山本氏にはそこまでの人望も、能力もみとめられていない、ということなのですね。

大体、どこの政党でも20人を超え始めると、党内が割れ始めて意見集約が難しくなる。自民とて、あれだけ批判された派閥を未だに存続させるのも、派閥単位で一つのグループを形成することで、巨大な政党を維持するため、という理由もあるのですね。今の山本氏の動きでも、10人ぐらいの当選者はだせるかもしれない。ただし、そこからプラスアルファを考えたとき、果たしてそれをまとめていけるだけの魅力ある方針、政策をうちだせるのか。むしろこれからその手腕が試される、といえるのでしょうね。

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