政治の安定も株式市場の安定も、どちらも問題1年ぶりの党首討論

2019年06月18日

香港のデモと日本

陸上配備型迎撃装置、イージス・アショアの設置場所とされた秋田県の新屋演習場、住宅地からほど近く、津波の影響も想定され、設置場所としての適性にも疑問符がつきますが、岩屋防衛相などは見直しません。この構図、沖縄の辺野古移設とほとんど同じ。つまりもう日米合同委員会で「イージス・アショアは新屋で」と合意されたから動かせない、ということなのでしょう。米軍に対し、設置場所の変更を申し出るより、住民がどれほど反対、怒りの声を上げようと、当初の計画のまま押し進める。そんな事情が透けてみえます。
民主党政権は失敗、という人もいますが、日米合同委員会で決めた辺野古移設に手をつけ、その決定を覆そうとしたからこそ、官僚もメディアも、日米安保ムラの住民たちがこぞって民主党政権を叩いた。民主党議員に手をつっこみ、離反させたり、都合の悪い政策を通させたり、といった裏工作まで行ったからこそ瓦解したのです。新屋演習場の問題をみると、如何に日米合同委員会の決定を覆すのが難しいか、を改めて感じさせるのであり、こうしたことは沖縄だけの問題でないことを意識させられます。安倍政権が長期政権になっているのも、こうして日米合同委員会の決定に逆らっていないから。つまり未だに戦後体制を守りつづけているからこそ、日米安保ムラにも守られ、安寧を得る。その逆に、住民の尊厳は蔑ろにされる。奇しくも辺野古と新屋、という二つの問題は、安倍政権と米軍と、そして国民との間にある溝を浮き彫りにさせた、といえるのでしょう。

香港では逃亡犯条例改正に反対するデモが拡大し、林鄭行政長官が『事実上』の撤回を表明しましたが、未だに反対デモが収束する気配をみせません。羨ましく感じるのは、こうした国民の熱があるからこそ、アジアのハブとして香港は君臨できるのであり、日本とのパワーの違いを感じさせます。国がすすめることを、何となく反対だけど、傍観しているからこそ国民の間から何かをうみだす力がでてこない。政府の方を向き、その顔色をうかがう意識が強まり、日本は停滞、凋落へと転がり落ちているといえます。
だから政府が起業を促したところで、小粒なものしか出てこない。世界を席巻するサービス、ビジネスモデルもない。社会を変えてやろう、とのパワーもないのなら、それも当然です。6月の月例経済報告は5月を維持し「緩やかに回復」となりました。しかし以前から指摘しているように、景気の分かれ目である50を下回った状態であり、日本は「緩やかに衰弱」が正しい。国民が活力を失い、どうせ何をやっても上手くいかない、との空気が蔓延する。そうした空気をつくったのも、安倍政権と安保ムラの仕業といえます。

安保ムラにとっては、現状の戦後体制を変えてもらっては困る。社会に変革の機運がおきてもらっては、自分たちの利益が損なわれる、と考えている。だからそうした動きを徹底的に排除してきた。だからこの国にはまともなデモも、反対運動も起きにくくなった。そういうことをするのが何となく悪いこと、という空気の醸成に成功したからです。その結果、この国は安定した。昨日の記事の言い方を踏襲するなら『腐安定』になったのです。沈鬱という安定が、この国からすべてを奪ってしまった、といえるのでしょう。
国民をコントロールしてきたはずの中国が嵌った罠、それはこれから統制を強めようとした香港では、市民の間に活力が残っていたのが誤算だったのでしょう。日本では官製春闘や、今日も携帯電話についても『官製』の文字がチラつく。金融、株式市場でも日銀の『官製』が蔓延る。中国の社会主義体制の中に残っていた民主主義が垣間見せたのは、日本が社会主義の罠に嵌っている、という現状であり、社会全体が活力を失い、『緩やかに衰弱死』に向かっていく姿です。一国二制度だからこそ見えた気概、日本がそれに学ばないのなら、辺野古や新屋ばかりでなく、日本は第二の敗戦を迎えて米軍に蹂躙される。それは経済でも政治でも、という事態になりかねなくなるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:38│Comments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

この記事へのコメント

1. Posted by payoku   2019年06月19日 22:21
既得権益を持つ人間が過剰に力を持ったせいで、成長するプライオリティがそれほどなかったことも、この安定?停滞?の原因かもしれませんね。もう頭の腐りが末端まで回ってしまってるので、香港みたいなことは難しいですね。
2. Posted by 管理人   2019年06月19日 23:27
payoku さん、コメント有り難うございます。

安保ムラにとって、安倍氏ほど魅力的なトップはいない。ナゼなら、安倍氏の政治的支柱でもある祖父の岸氏が、まさに戦後の安保体制に大きく携わったからで、祖父を否定できない安倍氏がトップであり続けることが、まさに重要ということなのですね。そうすれば安保ムラは安泰、ということなのでしょう。

スクラップ&ビルド、が経済を活性化してきた側面がある。これまではそれこそ地震であったり、大雨であったり、破壊は促されてきましたが、そこが国に依拠する組織となることで、安寧を得てきた。不意の変動がおこっても、既得権益という基盤をゆるがせないことが、自分たちにとっての利益。そうしてろくに成長もしない、大して社会に役に立たない、どころか害の方が多い組織が幅を利かせてしまった。そんな事情も安倍政権で成長が促進されない事情の一端でもあるのでしょうね。

これから国民が活力をとりもどし、社会を変えてやろう、世界を動かしてやろう、といった国民が現れるのは、世代をいくつか経ないと難しいのかもしれません。ただ、日本がふたたび輝けるような新たな世代がでてくるまでは、こうした日本を腐敗させる勢力に抵抗する動きをつづけていかないと、後世からこの時代をだたの『暗黒』と評されてしまう。今を生きているからこそ、提言を止めてはいけないのでしょうね。

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