安倍改造内閣の顔ぶれ世界のカウンター的な動き

2019年09月11日

国債の金利上昇

クレジットカードの不正利用が、相次いで摘発されています。キャッシュレス決済の本格化の前に、監視を強めた結果かもしれませんが、外でカードを使えば間違いなくリスクがあります。今は店側の善意によって成り立っていますが、それでも店員が悪意をもてば、こうして情報をぬきとられてしまう。スマホ決済も同様ですが、不正がない、という前提に立てないと利用はすすみません。補助金でキャッシュレス決済を広めようとする前に、脆弱なこうしたシステムをしっかりするのが先でしょう。結局、今回もキャッシュレス決済の普及には失敗して終わるはずです。何事も、善意に依拠したシステムはつづかないのです。

安倍改造内閣は「安定と挑戦」だそうです。どちらかといえば「暗澹と悵然(恨み、嘆く様)」でしょう。安倍氏側近と、安倍氏に協力する派閥からしか入閣がないのですから。党内の不安定化と、朝鮮半島の問題、という意味の裏返しのようにも聞こえます。加計学園の問題で、圧力をかけた萩生田氏が文科相と、不正を働けば働くほど出世する、という悪しき前例ともなった。従わない官庁を監視する、という姿勢も鮮明であり、安倍色に政界、官界を染め上げる、そのための布陣だとすれば「蛮行と悚然(恐れてぞっとする様)」です。
今日の株式市場は「上げる」と専らでした。それは内閣改造のとき、「好感した」という印象で終えようとする動きが続いており、例え下げたとしても異様な底堅さを示したり、とにかく買いが入り易い特異日だからです。世界的に楽観ムードも広がり、メジャーSQのロールオーバー中心としても、今日は絶対に上げる。という声に押されるよう、日本株は一段高しました。円安、株買いの動きも後押しした側面もありますが、その為替市場を動かした国債の動き、それは次の危機を準備しているのでは? と囁かれています。

多くの国ですでにマイナス金利に突入していますが、これは満期まで保有すると損をします。それでもこれまではキャピタルゲイン(値上がり益)目当ての購入も多かったのですが、ここにきて金利が上昇し、キャピタルロス(値下がり損)が発生しています。つまりマイナス金利の国債を保有すると、ダブルのロスが発生する確率がある。それはもう、安全資産とはいえません。つまりマイナス金利の国債は、リスクの高い試算としてカウントしなければならず、国債の保有が忌避されてしまう。金融機関が必要な一定数以上の国債以上のものをもたなくなれば、国債市場のメインプレイヤーが投機的な動きを促すようになってきてしまうのです。
それを防ぐため、嫌でも国債をプラス金利で推移させなければいけなくなります。つまり金融政策に縛りがかかり、すでにマイナス金利の現状は、むしろ引き締めざるを得なくなるのです。以前、株式市場の楽観と、債券市場の悲観はどちらかが間違っており、それが判明するときは死屍累々、としましたが、現状は債券市場の方が血塗れとなっており、ここで損失をだした投資家がふたたび債券市場にもどってくるか? マイナス金利の間は難しいのかもしれません。そうなると国債市場が崩壊する恐れまで出てきてしまう。国債がリスク性資産という認識が広がることは、これ以外にも様々な悪影響をその国にもたらすことになります。今はまだそこまで進んではいませんが、今回の国債市場の動きは必ず国債保有に対する懸念を世界的に惹起させます。マイナス金利、という悪意の方が勝った仕組みをつづけても、悪意に利用されるだけです。善意を前提としながら悪意にも対処する仕組みづくりをしないと、次の危機はこうしたところから生じるでしょう。内閣改造のときは株式市場が上昇する、などという悪意に依拠したシステムの日本では、危機に対処することさえ困難であることは間違いないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:52│Comments(6)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

この記事へのコメント

1. Posted by ひまわり   2019年09月12日 05:16
トランプ氏がとうとう金利をマイナスにしろとまで言い出しました。
市場は、中央銀行ばかり見すぎて経済指標は無視。
英国も米国も、問題は移民問題です。トルコが移民規制を始めました。先進国の高齢化も言われ始め、金融緩和だけやっていればいいのでしょうかね。
2. Posted by 阿吽   2019年09月12日 08:09
状況は、ドルの崩壊を必死に防ごうとしている勢力と、
ドルの崩壊は必至だとして、それに対処しようとしている勢力(或いは折角なら早いとこドルを崩壊させてしまえという勢力)との、
せめぎ合いでしょうか。
3. Posted by いろはのい   2019年09月12日 17:13
アメリカの金利がマイナスですか。
これに対して、米国債を大量に保有してる日中は何も言わないんですかね、
さっさと売らないと、損失が拡大しますよ(笑)
まあ、米国株は値上がりするかもしれませんが。
 MMTじゃないですが、金利がマイナスならいくら借金しても大丈夫
なんて考えているのかもしれませんが。
4. Posted by 管理人   2019年09月12日 23:13
ひまわり さん、コメント有り難うございます。

トランプ氏はまさに経済オンチそのままですね。それは大統領就任前、安倍氏にレクをうけ、経済は金融緩和をしておけばいい、とでも言われたのでしょう。日本がマイナス金利で成功しているから、米国も…などという浅薄な発想での発言でしょうから、問題は大きいのでしょうね。

記事でも指摘しているように、金融緩和には限界もあり、それを露呈する日はそう遠くないでしょう。ECBが再び量的緩和にまでふみこみましたが、時限爆弾のスイッチを押したようにも感じました。限界を露呈したとき、世界が次に打てる手を失って漂流することになるかもしれず、それが危機として認識されることになるのでしょうね。

移民問題、というより人口バランスの問題として考えるべきだと感じています。高齢化を迎えた社会は、いずれにしろ成長力が限られてきます。米国もベビーブーマー世代の引退を、これまでは移民で補ってきましたが、トランプ政権によってその道すら絶たれそうです。米国が低成長社会に陥ると、投資によって成り立つだけに極めて厳しいのでしょうね。それは英国も事情はほぼ同じです。

成長戦略をどうえがくか? 世界中でそれが問われているのであり、政治家の無能、無知、逆に問題を大きくしてしまうといったことが、これから最大の懸念となってくるのかもしれませんね。
5. Posted by 管理人   2019年09月12日 23:22
阿吽 さん、コメント有り難うございます。

まだドルの崩壊を促す動きは小さいですね。その前に、崩壊させたい通貨は山ほどあるでしょう。その中には円も含まれています。ただし、ドル基軸通貨体制のような現在の形を好ましくない、と思う勢力が増えていることも確かです。ドルペッグ制、もしくはそれに近い通貨制度をとる国を次々と陥落させていけば、いずれドル基軸という発想も低下していくでしょう。逆に言えば、そうしたドルペッグ制をとる国が多い以上、いくら攻撃をしかけたところで、防衛する側が多い、ということでもあるのですね。

Facebookが発表したリブラのように、基軸通貨となりうる代替の通貨が、今はシステム的につくれてしまうのですから、いずれドル基軸通貨という形は消えていくことになります。ただ、それは次の危機を経験した後になるのでは? と考えています。今のシステムを、安定した経済の中で変えることが本来なら望ましいのですが、安定しているときにシステムを変えるようなことを、多くの人が望みませんからね。これはもうダメ、となったとき、ドル崩壊を促す勢力にとっての好機となり、次の経済大国をめざして、各国が自分に有利な仕組みをとりいれようと、暗躍することになるのでしょうね。
6. Posted by 管理人   2019年09月12日 23:30
いろはのい さん、コメント有り難うございます。

米金利がマイナスにすすむ過程では、価格が上昇するので保有しておけばいい。問題は、マイナス金利に転落した後となると、多少の金利変動で利ザヤを稼ぐようなことをしても、金利上昇局面では倍以上の損失を蒙ることになるのですから、大量保有しておけるのか? ということになります。これは日中に限らず、世界的な年金、保険なども同様でしょう。今はドル調達コストが高くて、金利の高い米国債といえどあまり魅力がありませんが、それがマイナス金利になると、ますます魅力が薄れます。当然、そのときはドル調達コストも低下しているでしょうが、いつ売るかは大きな悩みとなるのでしょうね。

日本でも同様ですが、マイナス金利にしたところで貸し出しは伸びない。むしろ貸しはがしが減り、倒産件数が減った。ただしそれは、経済の新陳代謝を無視しており、本来はゾンビ企業を早めに淘汰した方が、経済にとってはいい、とされます。つまりマイナス金利は、経済を停滞、低迷させる一助であり、安定的に自然死へと向かう施策、ということでもあるのですね。それが分かっていない人間と、分かっていても今の安寧に依拠する人間だけが、マイナス金利を推奨するのでしょうね。

MMTも日本の現状をみたら、これは間違いでしたと認めざるを得なくなるでしょう。上滑りな日本の研究だけで、経済運営してもらっては困るのであり、そういう意味ではトランプ氏の発言も、その類をでるものではないのでしょうね。

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
安倍改造内閣の顔ぶれ世界のカウンター的な動き