米国ですすむ弾劾と、日本景気の弱気ムード

2019年11月10日

雑感。経済指標と景気

9月の毎月勤労統計で、実質の現金給与総額が0.6%増となりました。一般労働者の伸びが大きく、パートタイムの横這いを補った形ですが、業種別でみると鉱業・採石業、建設業の所定内給与の伸びが高いので、東京五輪に向けた最終局面なのか、台風15号など自然災害における対策、公共事業の増大をみこんだものとみなせます。また保険・金融、卸売・小売の所定外給与の伸びが高いので、この辺りは増税におけるシステムの更新や従業員への教育、といった影響がうかがえます。いずれにしろ特殊要因といった印象がぬぐえず、持続性には疑問符がつきます。これまで毎月勤労統計は実質賃金でマイナスが続いてきましたが、9月の特殊要因は、むしろ今後の賃金低下を促す要因になる、とさえ言えるのかもしれません。
中国は物価が3.8%上昇、明らかにアフリカ豚コレラによる食肉価格の上昇の影響ですが、そのため米中貿易協議で豚肉を大量購入したい、という事情が見え隠れします。経済が悪化する中、物価だけが上がる状況は危険に過ぎるからです。米中貿易協議が年内解決しなくても、中国は豚肉だけは買うことになりそうです。

日本も消費税増税から1ヶ月以上が経ちましたが、9月の指標には明らかに駆け込みの影響がみられます。駆け込みをした層は、恐らくキャッシュレスを用いない層でしょう。自動車や住宅などの大きい買い物以外では、キャッシュレス決済がつかえるのに、駆け込みをしたのですから。ただ10月以後の指標には注意が必要です。キャッシュレス決済と、現金決済では金額が異なる。どちらにどう合わせるかによっては、物価が高めにでたり、低めにでたりする。つまりその影響が極めて読みにくくなる、ということです。
それはキャッシュレス決済で、各企業が独自に行うポイント還元の影響もでてくる。ポイント還元があるから消費が拡大したのか、そうでないのか、出てくる指標だけでは読めないのです。ポイント還元は後日、ポイントを還付する形が多く、そうなると一時的な消費が拡大しても、次の月には減少することを意味する。10月以後の消費動向の読み方は、経済関係者の間では腕のみせどころ、逆に頓珍漢なことを言っていると、能力の低さを露呈するとも言われていて、多くが支持する説でさえ疑念をもった方がよいでしょう。

最近、雇用に関しても待機労働力、つまり就職をあきらめた層も数に含めないと、正しい失業率が示せない、とする意見がでてきています。安倍政権も同様ですが、雇用が改善したといっても、働いても生活しにくい層が就職をあきらめた場合、失業率だけは改善しますが、経済的には何らプラスでないことにもなる。安倍政権は就労人数が増えた、ともしますが、高齢者と女性の就労環境を正しく説明したことはありません。低賃金で働くケースもあるとみられ、経済的にプラスかどうかはそうした他の数字も見比べないといけないのです。安倍政権では、就職氷河期世代への就労働きかけ、が盛んですが、むしろそれで就職活動を始めたら、失業率が悪化するのかもしれません。本当の経済の実態、その実力をこれから図ることにもなるのでしょう。世界的に経済が斜陽の中、むしろ駆け込みより、労働力や資金などが逃げだす懸念が高まっている、ということなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:59│Comments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

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