2019年11月17日
日経新聞の『円安』害悪論
自民党の大岡衆院議員が、自身の後援会が開いた政治資金パーティーに呼んだ来賓に、無料で飲食を提供していた疑惑が報じられています。500人が1口1万円、70人が来賓というので、70人に1万円ずつの寄付であり、事実なら公選法に抵触します。安倍首相自身が猿でもできる「反省」ぐらいで済ませているのですから一議員など推して知るべし、大岡氏は魔の三期生、首相も首相なら…という言葉がぴったりです。
日経新聞がここに来て「円安=株高」はおかしい、円安は悪、とする論調を展開しています。もうとっくにそんなことは常識ですが、今さらそんなことを言いだしたのは、1つには害の方が目立ち始めてきたためでしょう。害とは即ち、円安になっても税収が増えない。日本経済全体からすれば、富が散逸するだけであり、株高によるメリットよりもその散逸の方が深刻で、経済の空洞化を引き起こす、とする懸念です。
円安になると、企業は見かけの海外売上が嵩増しされ、業績も上がります。しかし現地で稼いだお金を還流することが少なくなった。現地で納税すればそれ以上に税負担はかからない。現地の通貨では売上は増えていないので、納税額が増えることはありませんが、日本の場合は売上が増えることになり、税負担が減る。だから現地で処理して、そのままで済ませるのです。円安になる本国に置いておくのもリスク管理として劣っており、通貨が高くなる国にそのまま置いておくのが、企業としては正しい判断になるのです。
これまでは、そうはいっても国内の固定費が多く、その負担のためにも還流が一般的でした。しかし国内は不動産の上昇も、人件費の上昇も低く抑えられ、逆に海外の負担の方が重くなってきて、これも還流をしない要因となります。また合併や買収も、今や海外企業の方が圧倒的に多い。特にドル調達コストが高い今、わざわざ円に換えておくより、ドルのまま持っておくのがいい。今はありとあらゆる状況が、円に還流する必要性を否定する。経営者報酬でさえ、今やストックオプション付きの株券で代用ができ、企業にとっては現金を保有しなくてもよい。稼いだはずの富が、海外にとどまる傾向が強まっているのです。
企業が海外に資金をとどまらせれば、いずれ賃金も頭打ち。日本は購買力が下がり、国際競争力を落とすばかりで、日本は貧しくなる一方です。株価がすでにその国の経済を表すものでなくなってから久しいですが、こんな話を大ぴらにはできないから、婉曲的にでも日経がそれにふれざるを得なくなった。このままでは、日本は危険な水域に突入しかねない。円安歓迎の態度を見直すべき、ということです。
しかし日銀にとっては逆風です。金融緩和は通貨安をもたらし易く、日銀はそれもインフレ率の上昇に寄与する、との考えで追加緩和についても「躊躇なく」としてきたからです。しかし日経がこんな記事をだすように、財界もすでに日銀にNoを突き付けはじめた。財界も金融機関の苦境を黙っていられなくなった、という面があるとしても、円安に未来はない、という認識では一致するのでしょう。しかし一方で、海外でないと稼げない国内の運用主体は、どんどん円を売っている。溜まる円買いのマグマ、リスクが高まったときの強烈な円高も、深刻な水準になってきたのでしょう。警鐘を鳴らさなければいけないほどに、歪みが溜まってきた日本経済。円安を糧としてきた株価も崩れるようだと、本当にみるべき点のない経済になりかねません。むしろ、それが安倍ノミクスの実態であり、その化けの皮が剥がれるときと、政権への醜聞が重なっているのは決して偶然ではありません。議事録でもみられた経団連と安倍政権の溝、安倍政権と官僚だけがまだ気づいていない、そんな落とし穴はこの『溝』なのかもしれませんね。
日経新聞がここに来て「円安=株高」はおかしい、円安は悪、とする論調を展開しています。もうとっくにそんなことは常識ですが、今さらそんなことを言いだしたのは、1つには害の方が目立ち始めてきたためでしょう。害とは即ち、円安になっても税収が増えない。日本経済全体からすれば、富が散逸するだけであり、株高によるメリットよりもその散逸の方が深刻で、経済の空洞化を引き起こす、とする懸念です。
円安になると、企業は見かけの海外売上が嵩増しされ、業績も上がります。しかし現地で稼いだお金を還流することが少なくなった。現地で納税すればそれ以上に税負担はかからない。現地の通貨では売上は増えていないので、納税額が増えることはありませんが、日本の場合は売上が増えることになり、税負担が減る。だから現地で処理して、そのままで済ませるのです。円安になる本国に置いておくのもリスク管理として劣っており、通貨が高くなる国にそのまま置いておくのが、企業としては正しい判断になるのです。
これまでは、そうはいっても国内の固定費が多く、その負担のためにも還流が一般的でした。しかし国内は不動産の上昇も、人件費の上昇も低く抑えられ、逆に海外の負担の方が重くなってきて、これも還流をしない要因となります。また合併や買収も、今や海外企業の方が圧倒的に多い。特にドル調達コストが高い今、わざわざ円に換えておくより、ドルのまま持っておくのがいい。今はありとあらゆる状況が、円に還流する必要性を否定する。経営者報酬でさえ、今やストックオプション付きの株券で代用ができ、企業にとっては現金を保有しなくてもよい。稼いだはずの富が、海外にとどまる傾向が強まっているのです。
企業が海外に資金をとどまらせれば、いずれ賃金も頭打ち。日本は購買力が下がり、国際競争力を落とすばかりで、日本は貧しくなる一方です。株価がすでにその国の経済を表すものでなくなってから久しいですが、こんな話を大ぴらにはできないから、婉曲的にでも日経がそれにふれざるを得なくなった。このままでは、日本は危険な水域に突入しかねない。円安歓迎の態度を見直すべき、ということです。
しかし日銀にとっては逆風です。金融緩和は通貨安をもたらし易く、日銀はそれもインフレ率の上昇に寄与する、との考えで追加緩和についても「躊躇なく」としてきたからです。しかし日経がこんな記事をだすように、財界もすでに日銀にNoを突き付けはじめた。財界も金融機関の苦境を黙っていられなくなった、という面があるとしても、円安に未来はない、という認識では一致するのでしょう。しかし一方で、海外でないと稼げない国内の運用主体は、どんどん円を売っている。溜まる円買いのマグマ、リスクが高まったときの強烈な円高も、深刻な水準になってきたのでしょう。警鐘を鳴らさなければいけないほどに、歪みが溜まってきた日本経済。円安を糧としてきた株価も崩れるようだと、本当にみるべき点のない経済になりかねません。むしろ、それが安倍ノミクスの実態であり、その化けの皮が剥がれるときと、政権への醜聞が重なっているのは決して偶然ではありません。議事録でもみられた経団連と安倍政権の溝、安倍政権と官僚だけがまだ気づいていない、そんな落とし穴はこの『溝』なのかもしれませんね。
この記事へのコメント
1. Posted by payoku 2019年11月18日 22:35
太平洋戦争の犠牲者の9割が1944年以降だったように、末期状態でも政策の転換ができないと被害が甚大ですから、早く止めてほしいものです。
2. Posted by 管理人 2019年11月18日 22:49
payoku さん、コメント有り難うございます。
結局、政治が自らの失敗をみとめないとき、軍が敗勢をみとめないとき、犠牲が拡大するということなのでしょうね。安倍政権で、現地で納税すればよい、と決めた時点ではこんなことになるとは思っていなかったのでしょう。しかしそのときは財界の要請もあり、また円安になるから都合よい、という面も意識したでしょう。しかし結果として、日本から富が散逸し、国内の投資の先細りや賃金上昇の限界など、様々な悪影響が意識される水準まできてしまった、ということなのでしょうね。
大事なことは、円安にしろ円高にしろ、市場に任せておくのが一つの重要なポイントですが、そこに余計な思惑をのせてしまったのことで、徐々にその歪が溜まり、気づいたときには取り戻すことすら大変なほどの歪みを貯めてしまった。しかしいずれどこかでその歪を修正しないといけないのであって、遅れれば遅れるほど修正をかけたときの被害も甚大です。しかし安倍政権では、もうそれが怖くてできない。自分たちが失敗したと認めるようなもので、こういう点も安倍政権は日本の将来を壊してきた、といえるのですね。
為替は今年、値動きが小さくなっていますが、それも余計な思惑の結果であり、本来であればもっと円高でもおかしくなかった。円高になるのが遅れれば、いずれ襲う円高修正の波が、余計にひどくなることになります。誰もが警戒をはじめる水準まで来てしまった印象ですが、それこそ早く見直さないと、国内で死屍累々といった状況になりかねないのでしょうね。
結局、政治が自らの失敗をみとめないとき、軍が敗勢をみとめないとき、犠牲が拡大するということなのでしょうね。安倍政権で、現地で納税すればよい、と決めた時点ではこんなことになるとは思っていなかったのでしょう。しかしそのときは財界の要請もあり、また円安になるから都合よい、という面も意識したでしょう。しかし結果として、日本から富が散逸し、国内の投資の先細りや賃金上昇の限界など、様々な悪影響が意識される水準まできてしまった、ということなのでしょうね。
大事なことは、円安にしろ円高にしろ、市場に任せておくのが一つの重要なポイントですが、そこに余計な思惑をのせてしまったのことで、徐々にその歪が溜まり、気づいたときには取り戻すことすら大変なほどの歪みを貯めてしまった。しかしいずれどこかでその歪を修正しないといけないのであって、遅れれば遅れるほど修正をかけたときの被害も甚大です。しかし安倍政権では、もうそれが怖くてできない。自分たちが失敗したと認めるようなもので、こういう点も安倍政権は日本の将来を壊してきた、といえるのですね。
為替は今年、値動きが小さくなっていますが、それも余計な思惑の結果であり、本来であればもっと円高でもおかしくなかった。円高になるのが遅れれば、いずれ襲う円高修正の波が、余計にひどくなることになります。誰もが警戒をはじめる水準まで来てしまった印象ですが、それこそ早く見直さないと、国内で死屍累々といった状況になりかねないのでしょうね。