人口動態統計は50万人減家計調査と毎月勤労統計

2020年08月06日

50日ぶりの安倍首相の会見

広島で記者会見を行った安倍首相が「直ちに緊急事態宣言を出す状況にないが…医療体制が逼迫しないよう…」と語りました。この言葉を逆から読むなら「医療体制が逼迫しなければ国内に感染が拡大しても構わない、国民か感染してもいい」と言っているように聞こえます。よく死亡率でコロナ禍は大したことない、インフルエンザより毒性が低い、などという人もいますが、その判断を下すのは後遺症の影響を調査した後です。日本は相変わらず遅くて、やっとつい先日、後遺症の調査をはじめたばかりですが、死亡率が低いからといって回復しても深刻な問題が生じていたら、やはりそれは危険な病気です。安倍政権が、医療体制が逼迫しなければ感染が蔓延しても構わない、という姿勢でいることは国民に対して不誠実といえます。

菅官房長官は「帰省は個々人の判断?」と問われ、「基本的にはそうだ」と応じました。菅氏は「3密は避けて、大声で話さない」、安倍氏は「大人数の会食は避けて」としますが、帰省しても、家族で一緒にいちゃいけない、耳が遠い高齢者に呼び掛けてはいけない、一緒に食事をしてもいけない、と言っているようなものです。帰省して、1人1人祖父母の家に入り、小さな声で挨拶だけして帰れ、とでもいうのか? だったら帰省を規制した方がよほど分かり易い。結局、GoToを推奨する以上は移動を制限するのはおかしい、だから帰省も認めるけれど、その意味は剥奪する、内容は制限する、という極めて悪質なやり方といえるのでしょう。
少なくとも、東京がGoToトラベルキャンペーンから除外された7月16日は新規感染者が286人、その前日までは5日間連続で100代でしたから、そこからみても大阪、福岡、愛知、神奈川辺りはとっくにGoToから除外されていてもおかしくない。逆に、それを容認するなら16日の東京除外の説明がつきません。人口10万人当たりの感染率をみても、沖縄などいくつも該当するでしょう。数字が絶対というつもりはありませんが、安倍政権はその基準がよく分からず、場当たり的な対応をくり返していることがここからもよく窺えます。

その安倍氏、50日ぶりの記者会見でしたが、相変わらず15分で会見を打ち切ろうとして、記者から呼びかけられて答える出来レースのような展開で、「節目、節目において会見」と応じました。しかし逆に「節目でしか会見しないつもりか?」との疑惑があります。その節目とは、感染が爆発的に増えても医療体制さえ逼迫していなければ会見しない、というのと同じであり、安倍政権が勝手に設定するものです。つまり自分たちの都合で会見を開くか、開かないか決める、と述べたのです。司会者を制してまで発したのがトンデモ発言で、かつ「菅氏や西村コロナ担当相から話をしている」としますが、それがぐらぐら、朝令暮改のようなことが起きているから、きちんとリーダーシップをとって物事をすすめる段階なのに、しないというのです。
朝日新聞の記者が食い下がろうとすると、内閣府の職員から腕を掴まれた、という話もある。記者会見を開くだけで、このピリピリムード。やはり安倍氏は相当、ヤバい状況ということなのでしょう。それは危機対応すらままならないほどであり、ならばこの「医療体制が逼迫」していない、緊急事態宣言をだす状況でない今のうちに、首相を辞任して危機対応のできる人に代わるべき、ということでもあります。この先、第2波がきたとき、安倍氏がトップでは心許なく、その節目に耐えられない可能性があるなら尚更です。特に、安倍政権のせいで日本はこれから後遺症に苦しめられることになる。安倍ノミクス、黒田バズーカ、少子高齢化、財政、年金などなど、日本に溜まっている病巣は、早く治療しないと医療体制が逼迫するどころか、崩壊するレベルで完治を難しくするでしょう。むしろもう日本の深刻な状況は、節目を越えているのかもしれず、早めに手を打つ必要があるのかもしれませんね。

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analyst_zaiya777 at 22:56│Comments(4)政治 | 一般

この記事へのコメント

1. Posted by F男   2020年08月07日 01:53
久しぶりにみえた安倍総理。
やっぱり顔の張りがなく、でこぼこして見える。
大丈夫かな。
また、病気に逃げ込むのでは。
今度は死ぬ覚悟でやんなきゃだめだよ。
さんざん好き放題して、人まで死んでる(自殺)んだから。
2. Posted by らむ   2020年08月07日 08:06
安倍内閣は、第一次で国会で津波による被害を指摘されて問題なしと突っぱね東電原発事故の下地を作りました。そもそも、この内閣に危機管理を期待する方が間違っているし、それをここまで何度も選挙を経ながら選択し続けた国民にも問題があります。今の日本は長期ビジョンや危機管理など高等な問題に対応する能力は、国民レベルで何もなく、今だけ金だけ自分だけ主義が蔓延してしまっているのです。また利権の傘から外れた人は、自分がどうこうしたとて何が変わるという諦めも蔓延しています。
立憲民主党も、私は枝野官房長官がただちに影響はないと立て板に水のような会見をしていたことしか思い浮かびません。国民に寄り添うなんてことは何もないし、期待もしません。
3. Posted by 管理人   2020年08月07日 23:14
F男 さん、コメント有り難うございます。

そもそもストレスに弱い人は、その時点で首相にしてはいけないのですが、そのストレスに弱い人を、首相にして利権を得たい、という人がいっぱいいたことで、不適格なままこんな政権が7年以上もつづいてしまったのでしょうね。

財務省による森友問題もそうですが、悪質な裁判で無罪認定されたり、そもそも起訴されず、事件化もされずに世の中に跋扈する悪党の問題もあります。罪を逃れてほくそ笑む、悪質な連中が安倍政権を支持しているのが、最悪なのですね。

安倍氏は、恐らくいつ辞めてもいいけれど、歴代1位にはなりたい。一方で、河井前法相の判決がでてからだと、悪評もつきまとうので、そのタイミングよりは前。そしてコロナ第2波が来てからだと、対策の失敗を問われるので、その辺りで辞任を考えているのでしょう。正直、病気で辞任する悲劇のヒーロー的な演出をするため、今から色々と策を練っている段階であって、国民のことなどまったく何も考えていないのでしょうね。
4. Posted by 管理人   2020年08月07日 23:22
らむ さん、コメント有り難うございます。

麻生財務相が、コロナ感染症の影響が小さいことに「民度が高い…」と用いましたが、少なくとも民度が高かったら、こんな悪質な政権をつづけさせていないはずですから、要するに「自民度が高い…」というのが本音だったのかもしれませんね。要するに、愚かでも自民さえ支持してくれる国民が多い、というのが今の安倍政権を支える最大の理由のようにも感じます。

以前から指摘していますが、野党を積極的に支持する必要はありません。ただし、だからといって何もしなかったり、選挙に行かなかったり、死に票になることをしていたら、自民党支配は何も変わらないのが問題なのですね。本当は、自民内の権力移譲により、この国が何か変われれば簡単なのかもしれませんが、今はそれすら期待できる状況ではありません。それぐらい、腐敗だらけとなっており、どんな人物が政権を担っても、結局はそういう利権に絡む人材を重要ポストに充てないと、党も回らない状況なのですね。

私は最近の選挙のときでも、如何に自民に打撃を与えられるか、死に票にならず、有効に政治にNOを突き付けられるか、を考えて投票するようにしています。結局、そういう形でしか今は国民主権を実践することができず、利権集団からこの国をとりもどすためには、何でもする覚悟も必要なのかもしれませんね。

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