政治

2020年10月31日

大阪都構想について

トルコ西部でM7.0の地震が起きました。地震の規模に比べ、建物の倒壊などが起こるのも、地震大国でもあるのに耐震設計の整備が遅れているため、なのでしょう。気になるのは、中央自動車道で手抜き工事が行われ、そこに二階派の農林水産副大臣も関与する業者の存在が、文春により報じられています。耐震基準があっても、手抜き工事をしていたら何の意味もない。しかも東京日野市の辺りだと、首都直下地震があると、間違いなく影響がでる。これが事実なら人命軽視であり、地震の恐怖を何も分かっていない。政治家として国政に関与すべきでない人物が、副大臣についているということであり、深刻さを感じざるを得ません。

明日は大阪都構想の投開票日です。松井大阪府知事は、橋下氏を真似たのか「否決なら辞職」と口にしており、否決なら府知事選に直結します。発言した当初は、世論調査では可決が多数だったため、油断していたのでしょうが、現状では賛否が拮抗。しかも否定派に勢いがあり、期日前投票の多さと相まって予断を許しません。しかもここで否決されたら、もう三度目はないでしょう。何しろ橋下氏、松井氏と続々と顔を失っていくのですから。都構想は鬼門、と誰でも理解できるはずで、かなり慎重になるはずです。
そもそも、他の政令市で「二重行政」など騒いでいないのは、長年の調整を経て、そうしたものを解消してきたからで、大阪都構想というのは、単にそのプロセスをすっ飛ばして市をなくしてしまえばいいだろう、という極論に近いものです。しかも維新は府も市も議会で多数派であるにも関わらず、あくまで都構想に拘り、その解消に向けた動きを避けてきた面がある。ナゼならデメリットが少しずつ解消できるなら、それで十分では? と意識されるためです。しかしそうやって時間を空費した、維新の側の罪も同時に判断に入れないと、おかしなことになります。ナゼなら、これは都構想に是か非か、という判断であって、大阪府と市の二重行政を解消して欲しいか? という選択ではないからです。つまり、都構想という政策に関するあらゆるものを、有権者としては良かったのか、悪かったのか、を判断すべきだからです。

例えば、吉村市長が述べる「小中学校420校で1つの教育委員会、1人の市長ではなく、100校ずつでそれぞれ…地域にある特色のある学校支援」としますが、特色がだせたとしても予算も人件費も、4倍とは言いませんが、その分多くかかる。すると行政サービスの低下につながります。1つの市がなくなり、4つの行政区が増えるのも同じ。きめ細かくとも行政機関が肥大化すれば予算配分が減るので、結局は行政サービスが低下することになるのです。今や、企業も大きくなって生き残ろう、管理費を減らそうとしている昨今、これは単純に市が4分割されるのではなく、行政の肥大化を促しやすい点を維新は全く説明していません。
結局、行政が4分割されて組織が肥大化するのと、府と市の二重行政を解消すると、どれぐらいコストを減らせるのか? その数字をきちんと説明していない点が、否定派を増やす要因ではないか、と感じます。要するにそれは、維新の示すメリットだけだと信が置けない、ということなのです。物事には何でもメリット、デメリットがある。その2つをみて、人は判断したいのです。夢見がちなお年頃で、相手のいうことを何でも鵜呑みにしてしまう、大阪市民がそんな単純で、扱いやすいと考えていることが失敗の元であり、大阪と抗争、に見えてしまう原因なのかもしれませんね。

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2020年10月30日

菅首相の答弁

9月のハローワークを通じた職業紹介状況で、前年同月比で有効求職者数が24万人増となる一方、有効求人数が69万人減、とかなり雇用に厳しい数字がでてきました。しかも産別でみると、圧倒的に新規求人を増やしているのは医療・福祉。コロナで病院経営が厳しく、賃金も厳しいものの人手不足で求人を増やす悪循環。これを除くと求人数自体はもっと悪い状況であり、経済全体の低迷が長期化する懸念も漂います。

菅首相、代表質問への答弁で早くも地がでており、ヤジをやたら気にして議長に何度も注意を促したり、読み間違えを連発したり。「新型コロナウィルス対策、経済再生が最優先。国民の政権への期待は『そこそこ』にあると思う」と述べ、大して期待が高くないかのように述べました。なぜ『そこ』を重ねたのか分かりませんが、言葉を使えていない印象を強くします。普段からきちんとした言葉遣いをしていると、不意のときでもすらすら言葉がでてくる。しかしNHKに出演したときも、学術会議の問題を問われた時、半ばキレ気味にまくし立てていた。この人は色々と考えながら、論理だてて話すのが苦手なのだと感じます。
その学術会議の問題では、相変わらず意味不明な説明を繰り返します。「七つの旧帝国大所属の会員が45%」「民間企業所属や若手は3%」などとしますが、旧帝大のレベルが高く、研究の質も高いから選ばれているだけで、しかも東大の研究者は16.7%と2011年の28.1%に比べて割合は下がってきた。当時、それを認めていたのなら拒否する理由とはならないはずで、やはり菅政権で新基準、とした方がよほど説明がすっきりします。NHKの番組で「地方の人たちも…」と言っていた件も、関東以外は今回49.5%、2011年59.5%なので、こちらも改善傾向。ナゼ選定基準を変えました、という簡単なことが言えないのかが不思議です。

その理由とも考えられるのが自意識過剰、自己愛の強さがあるのかもしれません。自分は間違えていない、自分は正しい、安倍前首相にも同じような傾向がありましたが、安倍氏はそれを敵とみなした者への攻撃へ向けた。それを支持層が強さと勘違いした面がありました。菅氏の場合、安倍氏のキレ芸を踏襲すると、普段から言葉を使えていないだけに、言葉の選択を間違える機会が増えていくことでしょう。逆にいえば、安倍氏はふだんから敵とみなした相手をインタビューや、官邸からの発信でさえ敵への攻撃をしていた。ずっと罵っていたので悪口に馴れていましたが、ふだんは美辞麗句で飾り、いい人ぶろうとする菅氏は人の悪さをみせない、それを隠すことがストレスだからこそ、キレるケースが増えるのかもしれません。
あくまで噂ですが、自民内では早くも来年の衆院議員の任期までには菅氏は交替し、安倍氏にもどすという話があります。3度目の首相就任は伊藤博文氏、桂太郎氏以来、それもレガシーです。政権最後は距離のあった安倍氏も、菅氏が首相では面白くない。なので、菅氏はやはりどこかで解散し、選挙強さを見せなければならない、そうしないと党内から引きずり下ろされる懸念が強いのでしょう。だから菅氏の仮想敵は野党でなく、党内になっている。そんなことも菅氏の戦略のブレに繋がり、またストレスともなってくるのでしょう。民主党政権時代の菅(かん)政権も、官僚に嫌われていたように、菅政権も官僚に嫌われがち。菅氏が何と戦い、壊れていくのかはよくみておく必要があるのでしょう。それこそ菅氏は、首相になったのも『そこそこに』政権を追われる可能性がでてきているのでしょうね。

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2020年10月28日

雑感。代表質問と与党の態度

国会の代表質問、すでに一部メディアからNHKに出演したときの発言から「名簿をみていないのに『民間出身者や若手が少なく、出身大学にも偏りが…』と、どう判断したのか?」と疑問を呈されていましたが、国会でも同様の答弁を行いました。しかも、事あるごとに「学術会議には税金が…」と語りますが、それと任命問題とは同列ではない。任命拒否は政府が方針を変えたかどうか、という話であって、学術会議のあり様とは別です。問題の切り分けと整理ができていない、というのは全ての面で能力に疑問を生じます。
しかも、民間出身者や若手が優秀なら入ってくるでしょうが、研究期間も短く、成果をだすのが乏しいから入っていないのであって、それを任命理由とすると、能力は度外視しても民間出身者や若手を入れなければならず、それも税金投入機関としてそぐいません。さらに出身大学にどう偏りがあったらマズイのか? それこそ優秀な大学が、頑張って研究者を育てたらその出身者が多くなって当然です。利権や選定に恣意的な判断が加わっている、というならその問題を指摘しなければならず、どういう風に『偏り』があるか、ということも説明責任が生じたのでしょう。名簿を見ていないのに、それを見抜けたほどの慧眼なら、簡単に説明できるはずです。語るに落ちる、と言いますが、語るたびに墓穴に落ちているような印象です。

しかも政権の一里塚らしい携帯電話会社の値下げ問題では、SBやKDDIが傘下のMVNOで、20GBで5000円以下、という料金を発表しています。菅政権の要望内容に沿った形であり、それに応えたので十分との判断でしょう。しかし国民からは「ただのプラン追加」「なぜMVNOで?」など、批判的な意見であふれます。要するに、菅政権が最初にだした要請が、国民を満足させるレベルでは全くなかったのです。
大手キャリアの回線が使い放題で5000円以下、これならインパクトがあった。しかしそこまで介入すると、さすがに自由主義に反するのでできない。それが中途半端さを生んだ原因でしょう。乗り換えを容易に、MVNOへの回線賃貸料をもっと安く、eSIMの導入なども出ていますが、光回線とのセット割など、さらに囲い込みを強めるだけでしょう。大事なことは、国民の満足感をどう得るか? 納得感を得られるか? それは学術会議の説明責任でも同様に、この政権には国民との乖離、意識の差のが見え隠れします。

公明が高校3年生や浪人生に2万円支給、という提案を撤回しました。連立与党がそろってダメ提案を連発する、という致命的事態です。誰がどう考えたって上手くいかないだろう、検討するだけ時間のムダ、とナゼ最初から分からないのか? 最近の一連の流れをみて思うのは、与党の劣化、もしくは与党ボケ、という惨状です。10万円が貯金に回った、と文句をいう麻生財務相の存在もそう。GoToをやっておけばいい、という考えもそう。与党の誰をみても、国民の考えを理解できていない、そして浅い考えでその場しのぎのようなことをして、後でその修正、調整にバタバタする。その繰り返しです。菅氏の性質なのか、それとも与党全体に蔓延した症状なのか、新型コロナに政治家が罹患するケースはほとんどありませんが、この与党ボケという症状への罹患が、日本における深刻な危機、といえるのかもしれませんね。

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2020年10月27日

2050年にCO2排出を実質ゼロ?

西村コロナ担当相による「17連休」発言、自民内からも批判がでて、政府は「分散ということ」と17連休ではない、としますが、元々は政府分科会からの提案をうけて同時に会見したときのものであり、当初の意図は間違いなく17連休だったでしょう。休みを多くすれば国民が喜ぶ、という浅い考えもあったのでしょう。
日本学術会議の問題で、ろくな提言もない、などとしていましたが、政府分科会もそういう意味で否定するのか? 研究者や専門家は、自分たちの領域のことで最良を判断し、提案をします。分科会としても集団、密を回避するには…と考えてのことだったのでしょう。しかしそれを斟酌し、発表する段には政治の判断が絶対に加わってきます。しかしそれこそ「総合的、俯瞰的に」政治が判断できなければ、一面の最良しか得られない。社会全体でみると悪影響が大きい、という事態にもなります。政治家には誰に、どういう案件で、どういった形で提言をうけるのか? という能力が求められるのであって、現状で菅政権は落第です。

同じことは2050年にCO2排出を実質ゼロにする、という点にも現れます、自民の世耕議員が「新型の原発も…」と発言しますが、立地でもめるでしょうし、何より「新型」って何? 今の安全基準を変えなければ、新型だろうと安全性は現行レベルです。安全基準より過剰スペックで造るのか? そんなものを電力会社に『要請』するのか? ただそういったスペック変更はトラブルの元、ますます地元の理解が得られず、着工に何十年とかかるでしょう。元経産大臣、というだけの発言で、中身はスカスカで使い物になりません。
中国では五中全会が開かれていますが、そこで2035年までに新車販売はすべて環境対応車へ、という方針も打ち出されます。これを日本のハイブリッド車に好機、とする意見もありますが、全く違います。中国のさす環境対応車は、須らく電気自動車となるでしょう。その裏付けもあり、2026年ごろには全固体燃料電池が実用化、という話がある。現状のバッテリーの弱点、寿命、充電時間、安全性などすべて克服できるので、電気自動車の普及期に入る、とみられるのです。そこから約10年、法的にガソリン車を禁止し、2035年には切り替えが完了、とのスケジュールが成り立ちます。では2050年に実質ゼロ、という日本は未だにハイブリッド車を使いつづける、という計画であり、それ以外のところで大幅に削減しないと、達成は厳しい状況です。

全固体燃料電池が実用化されると、自然エネルギーがクローズアップされる。自然エネルギーは発電できるタイミングが限られ、平準化することが難しかった。しかし大規模に蓄電できれば、自然エネルギーがメインとなり得るのです。それこそ一般家庭は電線でつながらず、屋根にとりつけたソーラーパネルと蓄電池だけで十分、となるでしょう。正直、そうなると電力会社は詰み。大規模な工場などしか卸先がなく、ますます都市部の近傍で、小型発電できるシステムが重要となり、原発を遠隔地につくって、長距離送電でロスを大きくする形はデメリットになるでしょう。そもそも発電網すら維持できなくなる可能性もあります。
そうなると必然的に電線は撤去され、メタルの電話線もなくす方針なので、光ケーブルさえ地下埋設できれば電柱も撤去できる。これが未来の姿です。科学技術に目をむけず、きちんとその意見を取り入れていないから、こうした未来のあり様も描けない。所信表明演説にも「新型太陽光発電」などとでてきましたが、新型〜などと簡単に口にだす時点で、科学オンチであることが浮き彫りです。中身も知らず、何も分からないから鵜呑みにしたり、おかしな拒否をしてしまうのでしょう。菅政権は17連休どころか、判断力は年間を通じてお休みしているらしく、早く働かさないと日本全体がさらに世界から遅れをとるのですから、何とかして欲しいところなのでしょうね。

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2020年10月26日

菅首相の所信表明演説

第203臨時国会が開会です。菅首相の所信表明演説が行われましたが、まず日経が「行政の縦割り、既得権益、悪しき前例主義の打破は小泉元首相に似る」「各論積み上げ、実務型」と持ち上げますが、各論積み上げと実務型はイコールではありませんし、既得権益の塊である自民には手をつけない点をみても、それは行政機関をもっと自民に従順な組織に作り変え、自民の既得権益を拡大する、と言っているように聞こえ、自民をぶっ壊す、として支持を得た小泉氏とは真逆としか見えません。逆に、各論から入るためにこの国をどういう形にしたいのか? という点がまったく不明で、その各論も達成時期を示した点は評価できるとしても、逆からみれば中継ぎ政権だから、そんなことを簡単に口にしてしまう、とも見えてしまいます。

まず「8年前の政権交代以来、一貫して取り組んできたのが経済再生」としますが、8年経っても「再生」で留まるものは、もう失敗です。「マーケットは安定」「働く人は400万人増えた」「地方の公示地価は27年ぶり上昇」としますが、すべてバブルの所為です。それを為すほど日銀が流動性を供給してもその程度です。
これまでと大きく変わった点は「デジタル」「テレ」が頻発する点ですが、それで万事うまくいくわけではない。逆に現状の日本の能力だと悪用し放題、情報のぬきとられ放題、となるでしょう。デジタル能力を上げてから対応するのではなく、マイナカードを2年半で全国民に、など危険性も考慮せず、ただ日程だけが出てきている。非常にリスクが高く、また国民全体を塗炭の苦しみに導きかねない手法だといえるでしょう。

日経の世論調査で期待の高かった「グリーン社会の実現」の項は、もっと心許ない「革新的なイノベーション」が鍵、だそうです。次世代型太陽光発電、などそういうことができればいいね、レベルなのに2050年までに温室効果ガスの排出ゼロ、という。今は具体策がないけれど、将来的に何とかなればいいね、と言われても期待はできません。太陽光発電なんて、日本企業はほぼ撤退、次世代だとしてもその開発競争に勝てる見込みもゼロです。全固体燃料電池でさえ、日本企業の遅れは深刻で、仮にその技術が一般化したとしても日本の国益からみると、何のメリットもないということにもなりかねません。
総論として最悪なのは、その程度で長年の問題が解消する、と本気で思っているのか? という点です。例えば「未来を担うのは子供」としながら1人1台のタブレット端末、で終わり。それを教育する側のレベル向上や、そもそもソフト面だけの教育でよいのか? 一事が万事、こんな調子で物事をあまりに軽くとらえている、もしくはそこまでの想像力が働かない、そのとき生じる不都合や不利益をうける人のことまで考えが及ばない、といった負の面が目立ってしまいます。各論であるからこそ尚更そうした印象が強い。

外交・安全保障では『核』がでてきたのは北朝鮮の項目のみ、『被曝』という言葉すらありません。やはり核兵器禁止条約には目もくれないようです。安倍政権の失敗外交を踏襲する、としか読めないなど、本当に外交のことを知らない。大丈夫か? と心配になるレベルです。これでこの国に夢や希望をもて、とはとても言えないでしょう。「革新的なイノベーション」を起こすはずの研究、開発に手をつっこんだ日本学術会議の任命拒否問題にはふれない。今も最側近の和泉補佐官など、iPs細胞の
山中教授に圧力をかけたことでも知られます。この国で研究、開発でイノベーションなど起こりようがない。せめてリノベーションでもして、暮らしやすくしてもらえるならまだしも、このままだと生活はさらに苦しくなりそうです。嫌なことから目を背け、一行たりとも初心表明には含めない。猜疑心の強い菅政権では、この国の国民を上から下まで『シモベーション』にして統制しないと気が済まないことが滲む、所信表明演説だったといえるのでしょうね。

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2020年10月25日

核兵器禁止条約が発効

核兵器禁止条約が50ヶ国・地域の批准となり、発効されました。日本は米国の核の傘の下にいるから、として安倍政権はこの条約を批准せず、菅政権もどうやら踏襲するようですが、これは「核の傘の下にいるから」ではなく、「米国の占領下にあるから」というのが正しいのでしょう。米国が反対しているから、日本が批准できないなんて、国の主体をなくしたも同然です。その米国が日本を被爆国にし、被爆者が望んでいる核の廃絶に、国が賛成を示せないのですから。かつては外交によって米国を説得、日本独自の行動もとれたはずですが、安倍氏ほどの媚米主義を一度でもとってしまったため、もう米国は少しでも日本が独自性をみせようとすると、反米的になったとみなすことでしょう。主体性を取り戻すのは相当に大変です。

そんな米国では大統領選が佳境に入ってきますが、ここにきてペンス副大統領の周辺まで、コロナ感染が広がってきました。トランプ氏の周りで感染が広がるのは、対策をとっていると弱気、とみられるから。結果、管理能力不足とみなされ、支持を落とします。未だに隠れトランプ支持者がいる、などとされますが、実は隠れトランプ嫌いもいる。家族が熱狂的なトランプ支持者だから、表立ってはいわないけれど、バイデンに投票しようと思っている。特にそれが、共和党支持者の中に増えているように見えます。議員の中にもトランプ氏と距離を置こうとする者もおり、こうなると末期症状ということも言えるのでしょう。
そして金融部門でも、明らかにトランプ離れが起きている。それは寄付の額に顕著であり、バイデン氏に圧倒的な差をつけられ、最終版の大事な時期に枯渇が危惧されている。それは高級車を乗り回し、プライベートジェットで飛び回り、あまつさえ意味不明な動画を乱発し、これまでのムダ遣いが祟った結果です。大口の寄付は金融、もしくは富裕層ですが、それがトランプ氏にNOを突きつけるようになったら、それこそ陰の政府の思惑は、完全にトランプ氏から離れているとみなすことができます。恐らくネックは、残り4年の任期となったトランプ氏が、何をしでかすか分からないことが、そうした層の離反を招くのでしょう。

ただ一点、バイデン氏になると日本が核兵器禁止条約を批准できる可能性がでてきます。安倍政権で唯一の成果、とも揶揄されるオバマ前大統領による広島訪問。元々、原爆に懐疑的で、訪問したがっていたオバマ氏を焚きつけて成功しましたが、バイデン氏にもその思想の継承があれば、核に関する行動で日本が理解を得られる可能性があります。ただし、菅政権にそれをする能力と気概があるかどうか、そこがカギです。
ただ残念ながら、菅氏に被爆者に関する思い入れがある、という話は聞いたことがありません。拉致被害者には関心がある、ということは伝わりますが、かといって行動をとってきたようには見えない。ということは、核兵器の問題なんて興味もないのかもしれません。米国は大きな転換期を迎えますが、菅氏がどういう形で臨もうとしているかも分からない。明日から臨時国会が始まりますが、そこでどんな外交方針が示されるのか? もしかしたら、日本は安倍政権でまったく主体性を失ってしまいましたが、それも踏襲するといいだすかもしれない。核兵器の問題、米大統領、世界が動く中で日本がどんな立ち位置をとらなければいけないか。とっていくのか。愈々、菅政権の本質が試されるといえるのでしょうね。

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2020年10月24日

満足な人と不満足な人

立民の統一会派から国民民主が離脱です。独自色をだしたい、などといいますが、会派ごとに質問時間や委員の数もちがってくる。小さな会派になると独自にはなりますが、色は出しにくくなるのです。しかも合流を蹴って残った層であり、もう立民としても気をつかう必要がなくなり、選挙協力も機能しない場面がでてくるでしょう。むしろ国民民主はそこが狙いとも読めます。選挙協力をしたままだと、野党の2番手は変わらない。野党第一党になるのは夢のまた夢。野心をもった状態を維持しないと、党も維持できないのでしょう。ただし、これは賭けであり、滅びに一直線という可能性も高い。選挙区で勝てる議員もいますが、この賭けに失敗するとほとんど議員も残らない、といった結果をもたらすことも考えられます。
社民も、立民への合流か存続か、で分裂気配です。新人を擁立しても勝てない。今の政治家が引退したら終わり、というぐらいの窮地ですが、一時的に勢力を拡大したときにつくった組織、基礎票をもつ分だけ強い。そこに依拠し、社民を残そうという福島氏と、変わらないと…という他の議員との間で、差が生じているのです。政権をとる気があるなら合流ですが、果たして土井たか子氏から託された社民を残す、という選択がどれだけ重いのか? それが年内に試されてくるのでしょう。

とある記事で、安倍政権、菅政権で不満足な人間だけが騒いでいるが、野党はここ最近の選挙で勝てていない。満足な人間は文句をいわないだけで、それが多数なのだから、そういう不満足な人間からの支持をうけても野党は勝てない、という論調がありました。しかしこの論調の不備は、最近の選挙は投票率が下がっていること。さらに、政権の意に従っているような層は、声高に主張することは少ないものの、政権批判をする人間を寄って集って攻撃する、という点においては大騒ぎです。
つまり不満足な人間、というのは政策にしろ、カウンターとして一次発信者になるので騒いでいるように見えるだけで、実際にはネットの世界などでは勢力は拮抗する。自民支持にはお金で結びつく人、宗教的なもので支持をせざるを得ない人がいて、その基礎票の多さで投票において差がつく、というだけです。しかし国民の大多数は、仕方ないから、現状で特に自分にとって不利益がないから、選挙にもいかないのです。満足、という言葉とは大きな乖離があるでしょう。そんな満足する国民が多かったら、得票率でもっと差がついてもおかしくない。日本の選挙制度では、少数の得票差でも議席に大きな差がでるだけです。

しかし現状の菅首相の行動をみると、不満が増えるのかもしれません。それは菅氏が首相秘書官室の女性二人を突然交代した件があります。今井前政務秘書官との繋がりを嫌った、とされますが、菅氏はどうも猜疑心の強さが目立つ。首相としての度量の広さより、神経質さが目につきます。それは日本学術会議の任命拒否問題も同様、自分と意見の合う人でないと、周りにおかない傾向が強いのです。そうなると、不満を溜めるのが周囲にいる人たちで、そういう人たちの離反を招きやすくなるのでしょう。言葉は悪いですが、菅氏の官房長官時代は黒歴史、官僚からみればいくつでも醜聞ネタを握っているのと同じです。果たして、不満足な人間が増えることが菅政権にとってどういう運命を招くのか? そこもよく考えておく必要があるのでしょうね。


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2020年10月23日

雑感。数字の見方

農水省の高収益作物次期作支援交付金、8月までに「これまでに出荷」と「次期作への投資」を条件に、補助金を配るとして応募をかけたものの、想定を上回る募集があり、10月にコロナで売り上げ高が減った作物に限定し、しかも減収証明までだすよう応募条件を変えてきました。事前の条件なら、全農家が補助金をうけとれますが、事後の条件だと減収証明が大きなネックになります。JAや特定の流通に卸しているなら別ですが、道の駅にできた分だけ出火したり、個人向けに販売していると、紙で減収を証明するものがないからです。またもコロナ禍の政府の無能、対策の拙さを露呈する事態ですが、さらに深刻な問題もあります。
来年は1月4日が月曜日になることもあって、政府は企業に対して1月10日まで休日を延長するよう『要請』する、とします。年始休暇を伸ばす企業がでてくると、業務に支障をきたすとして、他の企業も追随し、日本全体が休日ムードとなるでしょう。問題はそうなると1月のGDPが急落です。特にGoToなどで感染を促進しているのに、年末年始だけ注意する意味が分かりません。しかも年末のカウントダウンイベントや、初詣も禁止なのか? GoToで観光地に人が集まるのと、何の違いがあるのか? 政府はきちんとした説明が必要なのでしょう。

特に、日本は10月から昨年の消費税増税による景気の落ち込みから、経済指標で『前年同月比』でだすものは、低い水準と合わせる形になります。つまり小幅に悪化しているだけで、経済の打撃は大きい。逆に一見、改善しているようにみえる数字もでてくるでしょう。これからはきちんと見ていかないと、読み間違える。いい加減な市場アナリストが「菅ノミクスの成果…」などといいだすことも多くなるはずで、それはGoToの効果などを過度にアピールしてくるはずです。例えば9月の百貨店売上高は33.6%減でしたが、これは増税前の駆け込み効果からの反落。ただ10月は反動減に対する数字となり、横這いから増加かもしれない。しかし見出しで「増加」と書かれると、経済が回復したように感じてしまう人もでてくるでしょう。
例えばもう一つ、タワマンが衰退どころか絶好調、という記事もありますが、これも投機の取引が活発だから。投機は一戸建てには向かわず、あくまで投資目的のタワマンに資金が向かいます。今は金余りだから、タワマンにも需要がありますが、需要があっても住民となるわけではない。需要がある限り上昇する、金余りの中で上昇する、という構図が崩れると、一気に売られるかもしれない。これからの数字は、状況次第でがらりと変わったり、意味を変えたりするので、よくよくその意味を抑える必要があるのでしょう。

もう一ついえば、米大統領選の最後の討論会が開かれましたが、メディアの世論調査で意見が真っ二つです。バイデン氏勝利、とするところもあれば、トランプ氏勝利、とするところも。しかも大差をつけているので、世論調査のはずがそのメディアの思惑通りの結果となってしまっている。数字をつかって、様々な思惑、誘導を行おうとしているのは間違いありません。今後、こうした動きがより顕著に、様々な場面でみられることでしょう。政治の世界も、メディアも同じようにコロナ禍で苦境に陥っており、正しい情報のあり様には警戒しておかないといけないのでしょうね。

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2020年10月22日

雑感。政治家の不祥事

菅政権は72時間の滞在で行動計画などをだせば、陰性証明をしなくても入国できる、とする方針を示しました。決定事項でない、としますが、報道された点をみても事実上決定でしょう。最近、気になるのは米国などで研究が始まったコロナ感染で糖尿病発症、韓国ではインフルエンザのワクチン接種で死亡、の2つです。
米国では新型の糖尿病との指摘もあり、遺伝的要因も大きいとされる糖尿病で、これまで素因なしと思われた人が糖尿病を発症している。また韓国では既往歴あり、という指摘があるものの、インフルとコロナの同時感染で重症化、という報道と重ねてみると、無症状でコロナに感染したままインフルエンザのワクチンを入れると、危険となるかもしれません。正直、日本でもインフルエンザのワクチン接種が本格的にはじまりますが、重症化が増えることにならないか? この辺りはしっかりと経緯を追わないといけないのでしょう。

自民の石崎氏が秘書に暴行を働いた件で略式起訴をうけたことで、離党を発表しました。ただそれ以上に、記者からの質問をうけた後ろにあった、菅首相のポスターがジョーカーに見えて仕方なかった。バットマンで、ジャック・ニコルソン氏が演じたジョーカーが、ゴッサムシティで自身のポスターを掲げたら、こんな感じだったでしょう。ナゼか影を強く残し、うっすらと浮かべる笑みなど、どうみても悪役顔でしかなかった。
立民を離党していた初鹿議員が、議員辞職を発表しましたが、こちらは起訴されていない。女性問題で色々やらかし、維新からも立候補するなど、紆余曲折のあった人ですが、比例当選だったこともあって最後に党の意向に沿う形となったのでしょう。立民はクリーンさを売りとし、離党するだけの自民との違いをうちだすようです。実際、自民党からは議員のまま裁判をうける者が3人おり、IR汚職の秋元氏と公選法違反の河井夫妻、と離党はしても議員はつづけたままです。恐らく、起訴されて議員辞職の流れをつくると、困る人が山ほどいるのでしょう。しかし立民の取り組みは、今のところ評価されるに至っていないようです。

それは、国民の多くに『政治家は悪いことをするもの』との諦観があるためでしょう。モリカケ問題や桜を見る会があっても、安倍政権の支持率が『悪いことをする』<『よい政治をする』と定義された場合、不問に付すという心の動きが影響するようです。ただし、その分過度に潔癖さを求められているのが芸能人やスポーツ選手であり、上級国民への嫉妬と同時に、よいイメージを売りにしてきた者の凋落、転落というのが国民の憂さ晴らしになっている。政治家に対して抱く悪いイメージ、そこから多少の悪事は赦される、というハードルの低さとは真逆といえ、本来は多少の毒や問題があっても芸で魅せる芸能人、能力で評価されるスポーツ選手と、清廉潔白さが求められるはずの政治家との評価が、この国では完全にひっくり返っているのです。
米国でも、多少ではない毒と問題があっても支持をうけるトランプ大統領と、清廉潔白さで売るバイデン候補と。バイデン氏は息子の問題が直撃、と報じられる一方で、トランプ氏が中国との緊密さを報じられても、あぁそんなものか、という感じ方になってしまう。こうした漫然とした価値観の倒錯に気づかぬまま、物事を評価することの危険を今一度、考えた方がよいのかもしれません。ジョーカーに支配された国、そうした想像力を常にもって、物事をみていくことも必要となるのでしょうね。

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2020年10月21日

菅首相のインドネシアでの会見

総務省が、携帯各社に割り当てた4G電波に、5Gを転用することを認めました。これで名実ともに、5Gスマホの普及期でないことになります。5Gといっても速度はでず、4G並みにとどまること。電波の利用が4Gと5Gに分散されるので、その分の混雑具合は緩和されるかもしれませんが、その程度のことなのでしょう。結局、5Gに出遅れたために対応端末はでても、国内ではほとんど使える地域がない。その苦肉の策なのでしょうが、5Gサービスなんてまだ3年以上先にならないと、まともなものが始まらないことをこれは意味します。

菅首相によるインドネシアでの記者会見。「法の支配が貫徹されて初めて地域の平和と繁栄が実現」としますが、これは間違いです。国際的にみると、強力な国によって地域一帯を支配された方が、平和と繁栄が実現しやすい。これまでは米国がその任を担ってきた、というだけです。そこに中国がでてきて緊張と対立が生まれた。しかも中国は自国の論理で押し通してくる。本来は米国が抑えこみにいかないといけませんが、それができない、しないという選択をとっているため、緊張と対立が長期化する要因となっているのです。
国際法とて万能でなく、それを執行するための機関がないといけない。そこに米軍ばかりか、中国軍も入っているので、実際には抑止効果が働かない。原理原則を叫んだところで、既成事実化されてしまえば、法はそれを追認するでしょう。しかも「インド太平洋版NATOをつくる気はない」など、その能力も実力もない日本がわざわざ口にする必要もない。むしろ口にしたことで余計な火種をつくった、口にすることで何らかのアピールを狙ったつもりかもしれませんが、まず日本は尖閣や大和堆の中国の無法を効果的にとりしまってから、そのやり方を諸外国に輸出する、という形でないと言葉だけ踊っていることになるのです。

「サプライチェーンの脆弱性…日本企業の生産拠点の多元化」としますが、なぜ工場の国内回帰でないでないのか? トランプ氏のように「国内で雇用を増やす」と言わず、海外の別の国に移転、なのか? 「第一弾としてASEAN諸国で30件」ということは第二、第三とつづくのか? 結局、菅氏の中には中国からASEANへ、という頭しかなく、国内経済がそれで成長できるはずがなく、企業本位の考え方が染みついているようです。
臨時国会について「演説でしっかり示したい」とするデジタル庁、不妊治療の保険適用、クリーン社会の実現、などとしますが、それを高々1ヶ月で、どれぐらい前にすすめるつもりなのか? 就任からこれまで、準備する期間が長かったのですから、すぐに法律を提出して採決までめざすのでない限り、やる気がない、とみられるだけでしょう。演説で示すのは、他にも学術会議の任命拒否問題や、指摘されているパーティーでの不透明な資金集めなど、いくつもあるはずです。しかし実際の政策については、「示す」だけでなく、形にしないといけないのです。それができるかどうか? インドネシアでは「いくら上手に包み隠しても、腐ったものは匂う」という諺があります。菅氏から漂う独裁臭さと、安倍政権と同じ「やっている感」「やろうとしているだけ感」。国会がはじまると、そういうものにより注目が集まっていくことになるのでしょうね。

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2020年10月20日

菅政権の東南アジア歴訪

菅首相の著書『政治家の覚悟 官僚を動かせ』で、「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然」としていた記述を、改訂版で削除しました。こうした者は本人が直接書いているケースは稀ですが、一政治家のころはもっていた覚悟を、首相になったら取り下げた、とも受け止められます。むしろ『首相の覚悟』という本を書いたら、「政府があらゆる記録や公文書を改竄するのは当然」とでもいいだすのかもしれません。

インドネシアを訪問する菅氏は、500億円の円借款を約束しました。お金をばら撒いて歓心を買う、安倍外交の踏襲です。注意すべきは、安倍前首相は米国に膝を屈し、その靴を舐めると約束したから第二次政権時、東南アジア歴訪を外交の第一歩にできた。菅氏が同じようにアジア外交をトップにもってきた、ということは媚米も踏襲する、ということです。米国の息のかかった人物らを、すでに委員などで採用していることからもそうなるでしょう。安倍政権の悪いところばかり踏襲する、むしろ安倍政権でダークな部分、人事やらそういったもので官僚を牛耳っていた構図と、こうした点でも符号する流れといえるのでしょう。
しかも、南シナ海で中国からの圧力をうけるベトナムとインドネシアと協力…といったところで、足元の日本海大和堆の辺りで違法操業する中国漁船を取り締まれず、日本漁船に近づかないよう通達をだすなど、まったく海洋権益を守れていない。北朝鮮に出し抜かれ、中国にはやりたい放題される。南シナ海を抑制できれば、日本海も抑制できるとでもいうのか? それとも、こちらは民間の漁船だから放置するとでもいうのか? いずれにしろ、500億円も円借款する余裕があれば、海保の能力を増強すべきといえそうです。

しかも、インドネシアはコロナ禍に苦しんでいる。そんな中、菅氏はSPに囲まれながらも朝、街中を散歩していた。ホテルの敷地内なのかもしれませんが、感染症対策を徹底するから、帰国後の隔離などの制限を免除、といっていたはず。散歩などをしていたら、徹底したとはとても言えないでしょう。堀江貴文氏によると「マスクは感染の確率を高めている」そうです。もしそれが事実なら、マスクをして散歩をした菅氏は、帰国後に隔離しないといけませんし、マスクが感染を防ぐものだというなら、国内に戻ってきた後、マスクを拒絶して『畜群』呼ばわりする人物らに向けて、マスクの効能について説明しないといけません。
実は、安倍支持層とマスクを拒絶する層は重なる。しかしこの時期はインフルエンザの流行期に入っているはずなのに、今年は少ないことでも分かる通り、飛沫感染するものには効くのです。政府はきちんとその見解を示して、国民の分断を避けるよう行動しないといけません。ただし、日本学術会議の任命拒否にみられるように、御用学者しか周りにおかない菅氏に、正しい判断ができるかどうかも不透明です。しかしコロナ禍の激しいインドネシアで、マスク姿で散歩した菅氏は、その説明が求められることになるのでしょう。果たして、菅氏がその説明をしたとき、とりこみたい安倍支持層を繋ぎとめておけるのか? ただ「政府があらゆる方針を説明するのは当然」とも思っていない菅政権では、これもスルーするのかもしれませんね。

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2020年10月18日

雑感。米大統領選後

共同通信の世論調査で、菅内閣の支持率が60.5%と前回より5.9pt減となりました。不支持率は21.9%と5.7pt増でした。しかし日本学術会議の任命拒否問題で、菅首相の説明が「不十分」が72.7%に達するなど、政権の何を支持しているのかはよく分からない結果です。問題は、最初に「人柄」を評価されてしまった点。これで国会を開いて、「人柄が悪い」となったら一気に支持率が下がるかもしれません。悪い、から良い、に切り替わると比較的長く好感度が維持されますが、良い、から悪い、に切り替わると失望が上乗せされるためです。
そんな菅氏がベトナム、インドネシアに外遊です。国会で所信表明も経ていないので、一体この政権がどんな外交方針なのか? 誰も分かりません。穿った見方をすれば、国内ではすぐに成果を出すのが難しいから、先に外交で結果を残したいのかもしれません。安倍政権など、それこそ海外に行って支援を約束してくるだけで、外交の安倍、などという称号を与える人がいたぐらいです。それがどんな国益に寄与したか? が重要なはずで、果たして菅氏がどんな結果を残すか? それを判断基準とすることが重要です。


米大統領選が2週間と少し後には行われます。現職のトランプ氏苦戦、が伝わりますが、すでにトランプ以外で米国民の大勢は決している。問題は、どれぐらいの差になるか? それによって、いくらトランプ氏が不正を訴えて裁判にもちこんだとしても、裁定が早くでる可能性もあります。つまり多少の不正があっても結果がひっくり返らない。今の米国は、そういう結論を得ようとして動いている、そう感じます。
ただ問題は、バイデン氏勝利でメデタシ、メデタシにはならない。トランプ支持者が暴徒化、犯罪組織化していく可能性があるためです。州知事の誘拐や、拘束を主張する今のトランプ支持者はかなり危ない。ほら、バイデン政権で治安悪化、という主張をするためにも自分たちがその片棒を担ぐ可能性が、捨てきれないのです。これまでも、大統領を下りると詐欺罪で告訴される、脱税で告訴される、などと囁かれますが、そうなったら民主党による陰謀を訴え、トランプ氏の神格化がすすんでしまうことにもなるのでしょう。

トランプ氏が大統領から下りても、それで終わりではない。トランプ政権はその後も米国を痛めつけることになります。大半は目を覚ますでしょうが、白人至上主義者はこれまでもKKK団のように、犯罪組織化してきた。米国は陰謀論が大好きな国であり、ケネディ元大統領の暗殺が未だに話題になるぐらいです。トランプ氏もそういう形で国の歴史に残っていく。そして一部の過激主義者を刺激し続ける存在となるのでしょう。
残念ながら、米国経済は堅調というのは、こうした傾向との裏腹なのかもしれません。本当に治安が悪化するようになれば、現状の個人消費の底堅さなど吹っ飛ぶかもしれない。今でも夜間は外出できないほど、治安が悪化している地域もでてきている。米国の治安状況だけをみれば、90年代ごろの米国が凋落していたころと似る、都とも見えるのです。安倍後の日本は、安倍継承路線を訴える菅政権により、何となく収まっているように見えますが、それは問題のある政権が長期化している、というだけのことで、それが真に終わりを告げるときも、同様に危険な動きがでてくることになるかもしれない。米国の大統領選後、よくよくみておいた方がよく、そこから学べることを探しておかないといけないのでしょうね。

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2020年10月17日

雑感。成長戦略どころか…

AppleがiPhone12を発表、これをうけ「5G時代が…」と報じるところもありますが、5Gには繋がり易いけれど遅い電波と、高速だけど繋がりにくい電波があり、今発売されている5G端末は前者しかありません。つまり5Gの性能を100%ひきだせない。今の販売されている端末だと、4Gよりやや速い、ぐらいの効果です。それで数万円は高い端末を買うのか? 極めて微妙でしょう。5G通信がはじまっても、すぐに4Gがなくなるわけではないのに…。購買意欲を喚起させよう、というのは分かりますが、嘘をついてはいけません。

日本ではGoTo迷惑、GoTo詐欺が横行しています。思えば小泉改革のとき、堀江氏がでてきて「儲けた者勝ち、上手くやった者勝ち」の風潮をつくった。その結果、制度の抜け穴をさがして少しでもお金を儲ければいい。他人の迷惑などお構いなし、という者が増えたのです。今、GoToという行政の不手際や準備不足、マヌケな制度設計があり、つけこむ隙が多いにある。上手くやった者勝ち、と考える者にとって、誰がどんな不幸に陥ってもそれは負け組にしか映らない。気にならないから笑っていられる。その延長線上に、堀江氏のモンスタークレーマー化と、それに乗っかった自分本位主義者たちによる餃子店とのトラブルがあります。
そのGoToは、国の振り込みが遅れたり、GoToトラベルでは大手の代理店に集中してしまって、中小に恩恵がなかったり、本来はその大手の振り分けがなくなったら、今度は中小に予約が移るので、地域でも偏りがないように…という制度設計だったものが、追加追加となって、やはり大手だけが得をする制度になっています。事業者ファーストでも、利用者ファーストでもない。大手代理店ファーストの制度であり、こうしたものもこの国の歪な構造をつくる原因となるのでしょう。

株式市場は一見、堅調で日経500がバブル後最高値、などの報道もあります。しかし日経500は売買が多い銘柄などを扱うもの。一部の銘柄がバブル化していることを意味します。その傾向は今、マザーズ市場で顕著であり、米国のNASDAQより高いパフォーマンスを示します。ただこれは、日経225が日銀により硬直化してしまったため、個人投資家も外国人投資家もマザーズ市場に流れこむ、という需給状況によりそうなっているので、決して褒められた話ではありません。今は大量の金余りにより需給が狂っている。全世界的におきていることが、日本では東証一部ではなく、マザーズ市場で起きていることがすでに歪なのです。
昨日、政府の成長戦略会議が立ち上がりました。アトキンソン氏ばかりが目立って報じられますが、最近危険な主張をする竹中氏や、金丸フューチャー会長や南場DeNA会長では、成長戦略がだせるとは到底思えません。それこそ菅氏のオトモダチ・オールスターズといった印象で、もし有効な成長戦略をもっていたら、これまでだって提案できたでしょう。官房長官なのですから。安倍政権のころはそれをださなかった、隠していた、なんて言われて誰が信じられるか? 結局、安倍政権で失敗した経済政策、それもまた継承するとしか思えないのです。これまでと違う道を模索するのでもない、今までと同じことをくり返す。そこに、まともでない主張をする一部が組み込まれている。菅政権、日本をGoToヘルにしようとしているとしか思えないのですね。

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2020年10月16日

福島第一原発の汚染水を海洋放出か?

新型コロナウィルス感染症の治療薬として、アビガンがやっと承認申請です。正直、伝え聞く効果からすると、WHOから「効果がほとんどない、か全くない」とされたレムデシビルと同等にしか思えない。数日、治癒が早くなる程度で、それは元々治癒する能力をもった患者だけ。結局いくつかある手段の一つで、決定打ではありません。しかも副作用があって使いにくい。安倍前首相が「5月中に承認をめざす」などとして、一部で盛り上がった経緯もありますが、残念ながら今はただの三面記事にしかならないのでしょう。

福島第一原発ででた汚染水処理を、今月中に決定。しかも海洋放出、と菅政権がだしてきました。これも安倍政権が8年近くも何の答えもだせなかった、ださなかった宿題です。22年8月に満杯になるから認可を含めてこのタイミングがギリギリ、というのですが、本当に満杯になるなら特例対応ですぐに認可するので、安倍政権は何もしなかった…が事実でしょう。恐らく菅政権の支持率が高いうちに通してしまおう、が本筋です。
法令の基準値以下の濃度に下げるから大丈夫、などというのは論外です。その薄める水は、水道水なのか地下水なのかは分かりませんが、元々海に流れこむ水です。希釈しようと放出される量は同じ。最終的にどれぐらいが拡散され、滞留し、どこで濃度が高まるかをきちんと検証しないといけません。例えば沿岸部で滞留するなら、沿岸部の魚介類は高い濃度のトリチウム水に晒されることになる。半減期が短い、といってもそれは放射線をだすトリチウムが半分になる量です。つまり半分は残る。もしその説明が正しいなら、半減期を迎えるまで貯蔵しておけばトリチウムを放出する量が半分になるのですから、環境への影響は軽微です。

世界中の原発でも海洋放出している、といっても海流、その他の条件はまったく異なります。しかも原発はずっと稼働するわけではなく、半年近くは止まります。つまりトリチウムの算出も少ない。福島第一原発はすでに溜まっているので、ずっと放出する形でしょう。つまり年間、通常稼働する原発はどれぐらいで、福島第一原発はその何倍になるのか? こうした様々なことが詳らかにされないと本来おかしいのです。
NHKのクローズアップ現代が『核燃料サイクル』を昨日取り上げたのは、予定調和だったのか、それとも予想外だったのか。いずれにしろ、すでに原発は巨大な金食い虫、維持するだけでも、稼働させても割高です。しかも続ければ続けるほど、後の国民負担が大きくなる、という構図なのです。そんなものを、一体いつまで誤魔化して存続させつづけるのか? 地下埋蔵施設の文献調査に手を上げるだけで20億円もばらまいていたら、国民の懐は痛むだけで、結果割高になっていくのです。多様な発電方式が開発、実用化された現代、原発がもつ意味は軍事的なものしかありません。しかももう何百発もの核爆弾をつくれるプルトニウムを保有する日本が、今後も原発を動かすとさらに国際的な監視の目が厳しくなる。原発はお荷物でしかなくなったのであり、原発の失敗を水に流したい、だからトリチウムも海に流したい、では地元の納得どころか、国民の理解も得られないのでしょうね。

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2020年10月15日

東京五輪招致で電通が不正?

マイナンバーカードと運転免許証を統合、というトンデモ案がでてきました。個人証明で運転免許を提示すると、マイナも晒すことになり、余計に詐欺に利用され易くなる。メディアは一体だとこんな利点が…という報道にかまびすしいですが、一体だとデメリットもあるのです。警察官も容易に犯罪者になる現状で、むやみに免許証提示を求める警察官も現れるかもしれない。番号を読み取って、それを売られても気づかない。本気で免許の提示は最低限にしよう、という呼びかけが必要となるのかもしれません。
例えば、メディアが大きな声で語らないのが「固定電話は常に留守電。携帯電話も知らない番号からかかってきたらとらない」です。もしそれが常態化したら、世論調査が壊滅します。しかし詐欺師たちは、電話にとる、という情報も共有して連絡をかけてくる。固定電話や携帯電話も、ほいほいとるのはそれだけで詐欺師に狙われるのです。なので、本来はメディアが啓発、告知を大々的にすべきなのに、それをしない。国民が詐欺に騙されても構わない、そういう態度でいるメディアが、マイナと運転免許の統合でメリットを語る現状は、極めてそれに似るのでしょう。国民がどう行動すべきかを、メディアが伝えないのですから。

ロイターが、電通が東京五輪招致に関して巨額の寄付とロビイ活動で、IOC規定に抵触も、と報じています。そうしたことがあるから安倍政権はこそこそ電通に恩恵を与え、借りを返していた、ということなのでしょう。東京五輪の贈収賄事件は、未だに捜査が継続されており、決着がついたときに日本がどういう立場におかれるか、分かりません。下手をすれば懲罰的なことが与えられるかもしれない。それは電通も同様です。
東京五輪そのものの開催も危うくなっています。欧州でコロナ禍が再燃、今年も夏場にも感染拡大することが証明されており、来夏も感染拡大が懸念されます。ワクチン開発も、米国では続々と治験中止が伝わる。一筋縄ではいかないことが想定されます。露国のように、副作用を無視して認可してしまえば別ですが、来夏にぎりぎりワクチンが開発されても、もうそのころには中止の決定が下されていることでしょう。

企業でも、今日のFリテがそうでしたが、来期はコロナ禍が収束して高い収益が見込める、としますが、本当か? と感じます。ネアンデルタール人由来の遺伝子がコロナで重症化を招く、といった研究もありますが、偶々東アジアにはほとんどいない。だから日本では影響が軽微、といったところで世界的に蔓延していたら、国際大会どころではありません。ウィルスは国際的に考えると一筋縄でいかない、それはグローバル企業でも、国際的なイベントでも同様です。来年は、コロナ収束? 米大統領は誰か? そして日本では五輪がどういう形で開催されるか? または開催されないか? など非常に見通しにくい状況です。
もしかしたら、日本の五輪招致不正が確実視されるようになると、懲罰的に五輪中止という可能性だってある。ナゼなら一罰百戒、今後の招致活動にも楔を打てるのですから。来年のことを語ると鬼が笑う、といいますが、来年は笑っていられない状況かもしれず、笑っていられるならその方がマシなのかもしれませんね。

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2020年10月14日

中曽根合同葬は弔旗?

中曽根元首相の合同葬の際、文科省が全国の国立大などに弔旗の掲揚や黙とうなどを求める、といった異常な要請をしていたことが分かりました。加藤官房長官名で教育関連の独法や事業団に対する要請通知であり、いわば恫喝です。何しろ教育機関には政府予算や補助金などが入っており、その要請を断り切れないと分かった上で、だしているからです。しかし一政治家を教育機関がそれだけもち上げたら、それは政党や選挙区での優遇、と受け止められる。むしろあえてそれをしろ、と言っているのですから悪質性は極まりない。自民党は一体、いつからこんなに悪質な政党に変質したのか? というぐらいの酷さです。
むしろ、その流れの渦中に菅政権がある、というのが正解かもしれません。日本学術会議の任命拒否問題でも、菅政権や自民党は日本学術会議のありようを問題視するかのように、すり替えを行っていますが、菅首相は99人はその直前に『任命』したのですから、日本学術会議自体に対して問題ない、と示した形です。その後で「改革が必要」というなら、99人でさえ任命せず、その議論を始めないといけなかった。つまりそれが後付け、と自ら露呈しているのです。そして政権の意に沿わないとこうした組織の中に手をつっこまれ、ガタガタにされる、という恐怖心を他の団体にも植え付けようとしている。言葉は悪いですが、本当にゲスの手法です。

しかもこの問題で、甘利自民政調会長や平井フジテレビ上席解説員、そしてそれを信じた自民党の細野議員、長島議員など、平気でフェイクを流す人が多数いる。これはトランプの手法で、嘘をついて、後でこっそり訂正、撤回してもその嘘がすでに独り歩きをしており、それを信じこんでいる者が拡散してくれる、というSNS時代の世論誘導には有効な手法です。みたい情報しかみない、そういった人物らはフェイクを真実と思いこむ。思いこんだら、誤りを指摘されても攻撃されたように感じ、頑なになるばかりです。
つまり現代は、嘘をついてでも極端なことを言っていた方が、伝播力などを考えても政治家が有利。そこに自民の杉田水脈議員などもいます。政治家になるにはネオ保守層がつかえる、という浅はかさでその主張をとりこんだだけで、理屈も通っていない中で暴言を吐く。「女性は嘘をつく」発言は、自民を支持するそうしたネオ保守層を意識し、普段からそうした主張をするので公の会議の場でも口をついてしまう。でも、そうしたことに抗議の声が集まっても、ネオ保守層は拍手喝采、といった状況なので真の反省もありません。

今の自民は、日本を北朝鮮化しようとしているようにしか見えない。つまり、誰もが金正恩書記長を礼賛し、批判もできない国。自分たちのお仲間だけが反映する国、反抗する者は排除し、冷遇し、貶めるような国。そうしたことを目指しているようにしかみえない。それが今、自民に感じる最大の気持ち悪さです。日本学術会議の問題ばかりでなく、合同葬でも右に倣え、を支持してくる。北朝鮮で金日成氏や金正日氏が亡くなったときのような、国民全員が哀しみに暮れないといけない、といったことを、この日本でも強いる自民。本当に気持ち悪い政党になってしまった、としかいえないのでしょうね。

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2020年10月13日

内閣官房参与の顔ぶれ

自民の新ポスターが『国民のために働く』の文言と、菅首相の笑顔の写真に変わるそうです。しかし言葉を足すと『国民の(中にいる)タメに(都合よい国にするため)働く』とも読み解ける。何しろ、学術会議の任命拒否問題でも分かる通り、菅氏にとって国民の中には敵と味方がいるようで、敵は排除するのですから。
内閣官房参与に立命館大の客員教授・宮家邦彦氏、嘉悦大教授・高橋洋一氏、大和総研チーフエコノミスト・熊谷亮丸氏、経団連顧問・中村芳夫氏など、6名を任命しました。高橋氏など、安倍ノミクスを礼賛してすぐにでもインフレ、と喧伝していた御仁ですし、残りのメンバーをみても毒にも薬にも、印象にも残らないことを穏やかな口調で語る、政府の流れには抵抗しないタイプです。参与といえば、安倍政権のときはネームバリューだけの人物ばかりでしたが、菅氏は周辺をイエスマンで固める傾向がありそうです。

高橋氏の問題は以前も語りましたが、問題は熊谷氏です。これまでも安倍政権に提言をしてきた、ということは、安倍ノミクスの失敗にも手を貸してきた人物です。また、強烈な消費税増税の推進者でもある。菅氏は否定しましたが、これは消費税増税シフトにも見えるのです。それに、消費税引き上げへの忌避感が強いのは日本の民度が低いためで、民度を上げて消費税増税を推進しよう、と主張をする御仁でもあります。
要するに日本の富裕層、財界の代弁者、広告塔ともいえる人物であり、だから出世してきた人物です。経済学者というより、時宜をみて財界の意を汲んだ発言をしてきた。政治家など、相手が欲しいことを欲しいタイミングで言う能力には長けていますが、実は中身がない。昔風な言い方をすれば雄弁家、弁舌の冴えだけで地位を得てきた。こういう人物が政権の中にいると、毒にはなっても益になることは何もありません。

菅氏は自分の周りを、美辞麗句だけで飾りたいのかもしれません。耳の痛いことを言ってくれるような、真の友人もいない。どれだけ人柄を謳われても、腹を割って話をするといった人物が現れないのも、菅氏の猜疑心の強さの表れなのかもしれません。もしくは素の自分をだすのが苦手なのか。だからチヤホヤされないと落ち着かない、日本学術会議にも自分に反対する者はいれたくない、というのもこの辺りからなのでしょう。
菅政権で株高、というのは益々見えなくなった。参与に経済に関して首を傾げる人物が、2人も入ってしまったのですから。今は、先物ぶん回しの欧州CTAスジが上がるときは売り、下がるときは買い、の反対売買を入れることで、値動きも小さく方向感もでにくくなっている。一部、国内勢が今の流れで買いポジションを減らして軽くなる一方、海外勢の売りポジションも減っているので、余計に方向感をつかみにくくなっています。ただ失敗したリフレ派と、消費税増税論者が肩書つきで菅政権に協力する体制となったことで、一時的にしろ景気には不透明感もただようことになるのでしょう。菅政権の経済政策の大方針がみえない中、金融緩和と増税という、安倍政権と同じ方向性はみえてきた。年末にかけて、上値追いを煽るエコノミストも増えてくる昨今、菅氏の『(上級)国民のために働く』内閣が、そうした主張を潰して回っている構図となってくるのでしょうね。

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2020年10月12日

菅政権の脱判子

大阪都構想の住民投票が告示です。ただ維新が汚いのは、政令市である大阪市をなくすとコストが減る、というのなら、職員をどれだけ減らして…と言わなければいけない。しかしそれをいうと、大阪市に勤める職員の支持が得られない。なので、それを言わない。人件費削減のないコストカットなど微々たるもの。そして、もしこんなときに人手減らしのコストカットなんて始めたら、大阪は失業者があふれることになるでしょう。そうでなく、職員は抱えたままだというなら、維新のいうコストカットなど大した効果もないことになります。一言でいえば、大阪都構想はすでに時宜を外した、愚策だということになります。

加藤官房長官が、また訳の分からない説明です。日本学術会議の任命拒否問題で、決裁文書に推薦名簿は参考資料として添付され、菅首相の「みていない」はその「参考資料をみていない」ということだ、というのです。ならば内閣の方で作成した決裁文書には、99名が記載されていた? それだと学術会議から推薦されたかどうか、どうやって判断していたのか? 多分そう…のやっつけ仕事なら、それも問題です。学術会議の推薦名簿があって、初めて推薦されたかどうかが分かるのであり、それを省くと法文上の「推薦に基づいて」を無視したことになります。仕事人内閣の本質は、右から左に決裁文書を流すだけのお仕事のようです。
そんな中、河野行革担当相の鼻息が荒いのは、判子の廃止です。ただこの流れ、注意しないととんでもないことになる可能性もあります。判子はそれを確認した、自分が決裁したことを意味します。なので、判子を廃止しても、それに変わる何らかの証明が必要でしょう。例えば自筆のサイン、それだと判子と何ら変わりありません。電子署名もありますが、省庁ごとにちがうシステムをつかう現状、電子データが壊れて読み取れない、などが出てくる可能性がある。もしくはサーバーが止まって、文書が読めない、確認できないといったこともある。そうした諸々の問題を考慮した結果、誰が署名したか分からないまま、決裁されたかのように通ってしまう文書もでてくるでしょう。結果、責任が曖昧なまま指示、命令書が流れてしまう可能性があります。

むしろ公官庁が狙っているのはそこ。例えば文書の頭に『内閣総理大臣 菅義偉』とあったら、それがそのまま命令、指示として通ってしまう。しかし後で、菅氏が「そんなものは知らない」と言い出す。そうして誰の仕儀か分からず、その命令、指示で動いていたのは単なる勘違い、で済まされてしまう恐れが高いのです。
官僚にとって一番嫌なことは、責任をとらされること、詰め腹を切らされることです。それが脱判子の裏側で推進される公算が強い。そして河野氏では、それを見抜く目もありません。やってみて、失敗して、慌てて修正することをくり返すでしょう。行政にとってもっとも大事なことは過程をきちんと残す、ということ。何でもかんでもコストカットで解決していいわけではなく、誰がどのタイミングで、どんな判断をしたかを詳らかにできなければいけないのです。しかし、すでに学術会議の任命拒否問題で、その誰がいつ、どうやって判断しているかの説明責任を、菅政権は放棄している。この政権で叫ばれる「改革」は、すべて「改悪」としかならないことがこの一事からでも明らかで、脱判子どころか脱犯行、犯罪をしても誰がやったか分からない、という形にしかならないことが確実なのでしょうね。

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2020年10月10日

加藤官房長官の沖縄訪問

菅首相が、日本学術会議の6人の任命拒否問題に関して、今度は「名簿をみていない」発言です。自身がみたときにはすでに黒塗り、というのですが、本当に姑息というか、狡い真似をする政権です。もし黒塗りの名簿がでてきて、そのままサインするような人なら総理総裁に相応しくない。それはチェック能力の欠如を示すからです。一方で、黒塗りにしたのは誰か? という問題にも説明責任が生じる。それは任命権者である首相を差し置いて、そうした判断を下したことになり、法律違反にも問えるからです。
もし菅氏が全権委任した相手がいる、というのならその人物に除外の説明をさせないといけないのであり、それをしない、させないことが問題です。恐らく菅氏が「自分で」といったことで、収拾がつかなくなりそうになり、そういった「誰か」をつくり上げたのでしょう。しかし杉田補佐官にしろ、誰をだしても説明がつかないことが明らかで、誰を充てても『生贄』となる。菅氏が強弁しつづけると、支持率を落とすから官僚にそれを委ねてしまうのか? 菅政権の今後の対応次第では、官僚からの造反が連鎖する可能性もあります。ただでなくとも今の官僚たちは面従腹背、菅政権を快く思わない者が多いのですから。

加藤官房長官が沖縄を訪問しながら、「唯一の解決策は辺野古移設」とする従来の方針を変えませんでした。一方で、菅氏が就任前、「辺野古移設と沖縄振興策をリンク」と言及したことをうけ、加藤氏は「跡地を利用して振興」だと語りました。しかし普天間基地は、所有者のいる土地です。基地がなくなったからといって、政府がどうにかできる場所ではない。それとも国で買い取るつもりか? もしくは今のように賃借料を払って、使いつづけるのか? どちらにしろ、加藤氏がよく分かっているとは思えない発言です。
菅政権は、自ら「仕事人内閣」といっていますが、仕事をする上で大切な知識が足りないように見える。加藤氏は前厚労相、官房長官のようなオールマイティな仕事に適するわけではない。これまでの仕事ぶりでも、目立った成果のない人です。例えば肩書だけ一部列記すると、一億総活躍、女性活躍、再チャレンジ、拉致問題、国土強靭化、働き方改革、どれもこれも安倍政権で失敗した、中身がなかったと評されるものばかり。そう、何の仕事もしていない人なのです。重要な仕事を任されたのに、成果のない人です。

だから加藤氏は、内閣の問題なのに学術会議の問題にはでてこない。官僚が準備した文書を読むだけにとどまっている。逆にいえば、官僚の書いた文書を読むだけの仕事をしているのです。仕事人内閣が、早くも「説明責任」という仕事を放棄しはじめている。国会の開会も後回しにして、立法府の仕事さえ止めている。辺野古移設にしろ、学術会議にしろ、論点のすり替えばかりが目立つ菅政権。その仕事ぶりに、早くも疑問符がつきはじめている。何しろ名簿もみずにサインだけしてしまう仕事ぶりでは、誰でもできるのですからね。

明日は一日、お休みします。

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2020年10月09日

家計調査と毎月勤労統計

8月家計調査で、実質の消費支出が前年同月比6.9%減となりました。外食を控えた影響で食糧が少なく、被服及び履物、教養娯楽が壊滅的、出かけない分、交通通信も低いといった形がみえます。さらに2人以上の勤労者世帯の実収入が前年同月比で実質1.2%増。実は6、7月に大幅な上昇の要因となった特別収入がここにきて急減、要するに10万円給付の効果が切れてきて、世帯主収入が2.2%減になっていることからも、家計が防衛的になってきている様子がうかがえます。日本でも貯蓄が増えているように、10万円給付の効果はほぼなし、7月からはじまったGo Toトラベルの効果も、この統計上はほとんど効果がみられていません。
8月毎月勤労統計では、現金給与総額は実質で1.4%減。家計調査では増えている配偶者の収入も、こちらではパートタイム労働者も減少です。5月に大きく落ち込んだ後、徐々に戻りつつはありますが、まだ以前の水準にはもどらない。安倍政権下で、すでに賃金のマイナス推移は始まっており、その水準でさえ取り戻していないのです。10万円給付はこの穴埋めで終わった、という形が鮮明であり、家計調査のように特別収入がない分、こちらの数字から透けてみえるのは、家計が余力をなくしつつある、という構図です。

しかし菅政権は、以前も指摘した通りトリクルダウンの信奉者。ふるさと納税も、GoToも富裕層の方が得をするシステムです。一方で、少額や安価なサービスを提供するところはメリットもない。メリットがないどころか、高額なサービスをするところに客を吸いとられ、もっと苦しくなるシステムです。気づいたら、日本は高額サービスばかりとなり、消費意欲はがた落ち、ということになるでしょう。要するに補助金頼み、国の支援に甘える、甘えざるをえない企業ばかりとなり、政治が献金を受けやすい構図ができ上がりです。
北海道では寿都町と、神恵内村が、核のゴミの文献調査を受け入れ、といいます。これも地方の衰退を招き、こうした負の要素を受け入れざるを得ないところをつくってきた。国の施策の結果というのもあるでしょう。一度、文献調査がはじまったら後戻りできない。恐らくもうこの辺りに最終処分場をつくることで動くでしょう。それは辺野古移設と同じ、地元が止めてくれ、といっても止まるものではありません。日本学術会議の10億円でごたごたいっている菅政権が、最大20億円も渡して「やっぱり止めます」など聞く耳ももたない。辺野古推進も菅氏の仕事であったように、同じことが今度は北海道で起こるだけです。

菅政権の発想は、国が補助金をばら撒いて、言うことを聞く団体、企業だけを残し、それ以外は国に縋りついてくるまで苦しめて、苦しめて、それで言うことを聞かせよう、ということです。なぜならトリクルダウンの発想とは、そういうものだから。国のコントロールの効く富裕層を厚遇し、コントロールの効かない貧困層には、さらに苦しみを与える。家計における賃金と支出の関係をみると、そうした日本の未来しか見えてこないのですね。

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2020年10月07日

雑感。菅政権が分かっていないこと

日本学術会議の任命拒否問題、衆院内閣委で三ツ林副大臣と大塚官房長は、決まりきった同じ答弁に終始しました。やはりまともな説明がつくものではないようです。ただ、黒川前検事長の就任問題のように、菅首相が当時、官房長官で関わった人事案件は比較的しつこく、長くひきずる傾向もあります。この辺りは、菅氏の性格に起因するところも大きく、独裁的気質のある人は周りの意見や、批判が耳に入らないことが影響するのでしょう。黒川氏のときは、結果的に本人の致命的な問題が発覚、辞職させて幕引きをはかりましたが、恐らくそこには安倍氏の弱気が関わっていた。今回は、安倍氏の重しがない分、菅氏は突っ張り通す可能性がたかく、支持率に影響しだすと二階氏辺りが注進して撤回、というシナリオが想定できます。
ただ、この問題で解散はしにくくなった。学術会議自体だけでなく、言論の自由を訴えて映画界などからも声が上がる。解散したら、そうした業界からの反菅運動が起きかねません。黒川氏問題の時と同じように、それが社会運動に発展する可能性もある。菅氏は、自らの性質により解散の幅を狭めてしまったといえ、こうしたことも自民党内では反菅勢力が力をもち得る。安倍政権の二番煎じを狙ったつもりが、追いこまれ解散をした上、政権交代を招いた麻生政権の二の舞を演じそうで、自民党内は戦々恐々としているところでしょう。

日本の航空業界が大変なことになっています。希望退職や一時金ゼロ、格安航空のエアアジアが日本撤退を決めるなど、コロナ禍の逆風にさらされている。米国では、追加景気対策を停止する、と発表したトランプ米大統領でさえ航空会社支援の協議は継続する、という。しかし日本ではそうした議論さえ行われない。破綻させて、その後産業再生機構により復活、という方が政治がコントロールし易い面があるのでしょう。まさに菅政権ではそういう判断を下しやすく、学術会議と同じでコントロールしたい人なのです。
菅政権が経済オンチであることがこうした点にも見え隠れしますが、GoToイートでもGoToトリキなどという言葉があるように、格安の一品だけ頼んで帰る。もしくは予約して店に行っても、何も頼まず帰る、といった形で稼ごうとする動きがあります。こうしたことも、事前にきちんと何が起きるかを想定できていない。だから悪用する輩が蔓延する。彼らにとって、安倍政権や菅政権のようなマヌケな政権が続く方が、自分たちがメリットをうけるのですから、有難いこともないのでしょう。支持率が高いことも頷けます。

菅氏は「行政手続きをすべて見直す」と息巻いていますが、概算要求が105兆円を越え、さらにコロナ対策の予算が上乗せされる可能性があるなど、歳出が天井なしになりそうな昨今、まずやるべきはムダの削減、行政コストの低減です。そして必要なところに集中投資する。まずはコロナ対策かもしれませんが、そうでないと日本は持続性のない構造、最近の言葉をつかえばSDGsに反する構造に陥る恐れすらあります。お金をつかえる余裕のある上級国民を喜ばす政策ばかりでなく、悪いことを考えて一儲けしようと考える輩も喜ばす政策。そんなものにお金を使うばかりで、まじめに、つつましく生きている人間がバカを見る国、安倍政権を継承した菅政権にとって、ここだけは二番煎じといってもよいのかもしれませんね。

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2020年10月06日

秘密のルール変更用内部文書?

菅首相は成果をアピールし、公明は「長くつづけて」などというGoToですが、GoToトラベルとGoToイートが混在し、また地域クーポンなどもあって、一部で混乱がみられるようです。消費喚起などといってみたところで、ネット予約というシステムをかませることで、使いにくいものとなった。結局、宿泊や飲食などの店舗を信用しておらず、売上に対して数割を還元、というシステムであれば、誰がどこに入っても同じように割引のサービスがうけられるのに、そうでない。しかし持続化給付金をみても、詐欺的行為が続々と明らかになっています。何を守って、何を守らないか、よく分からないのが菅政権とも言えそうです。

その顕著な例が、日本学術会議の任命拒否問題。今日になり、18年11月に作成した内部文書を公開し、「解釈の変更ではないので非公表」と、とんでもないことを言いだしました。それで30年以上つづいた任命方法が変わったのは、偶々だというのか? それとも過去の政権は、偶々その解釈をつかってこなかっただけ、とでもいうのか? しかも、これが安倍政権で内部文書の改竄をおこした、その首謀者である菅氏の下で起こったことが、さらに疑念を強めます。実は、18年11月ではなく、慌ててつくった内部文書ではないか? それこそ内部文書作成の電子データでも取り寄せない限り、その疑惑が払しょくできないものとなっています。
しかも、17年の時点で105人の改選定員より多い名簿をもとめ、名簿通りに110人を任命した。今年も多めの名簿をもとめ、学術会議側が定員通りにだすと、6人を任命拒否した。この流れを見る限り、歴代政権が10億円なんて些末な運用資金に拘っていないことは明らかです。しかも人数を多めに、なんてわざわざ政治の側から言い出したのは、本当は何人か任命拒否をするつもりだったけれど、検討した結果難しいと判断した、という展開が考えられます。そこで18年に拒否する材料をつくっておいた。そうだとすると、気持ち悪いほど用意周到に、学者たちへの恨みも深かった、ということが分かります。恐らく、まさに国会で政権の対応を批判したり、メディアで反対意見を表明する学者を懲らしめようと、虎視眈々と狙っていたのでしょう。

閉会中審議で、加藤官房長官の出席を拒否するのも、政権内でもまともな説明ができないことをよく理解しているのでしょう。加藤氏はご飯論法とも指摘されますが、「朝ごはんは食べましたか?」「食べてない(だってパンだから)」と、論点をずらした回答でごまかすことで有名です。しかし、今回は解釈論であり、下手にご飯論法をつかうと地雷を踏む。かといって、まともに論戦をこなせるほど能力も高くない。菅氏のような、決めつけで逃れた方がよほど楽ですが、そういう精神的な強さも持ち合わせていないように感じられます。
菅政権が自ら招いたGoToトラブル、GoToヒート、自ら国会にぼんぼん薪をつっこんでいる、火種をつくっている状況です。しかし国民も油断してはいけません。菅政権では、内部文書をつくって、勝手にこれまで国民がつかっていたシステムを変えてしまうかもしれない。自分たちに都合のいい人と、悪い人の選別を行って、不利益、不自由を与えるようルール変更してくるかもしれないのですから。安倍政権の危うさ、菅政権の悪質性、今回はそうしたものが如実に現れた事例ともいえるのであり、だから反発も強まるのでしょうね。

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2020年10月05日

菅首相による学術会議任命問題の説明

菅首相が、学術会議への任命拒否関与をみとめました。しかも、内閣記者会のインタビューという、読売新聞、北海道新聞、日経新聞という三社のみが質問をし、内閣記者会に属する他の19社はそれを聴取するのみ、という場です。読売と日経といえば、政権べったりの新聞であり、まず突っ込んだ質問をしてこない、という読みもあったでしょう。しかし、このインタビューで早くも菅話術の粗が見え隠れしています。

まず「前例を踏襲していいのか?」としますが、踏襲しないとダメです。もしそれを諮るのなら、こんな記者会見の場ではなく、事前に閣議で決めるなり、それを公にしてから任命拒否をするべきであって、政治がいきなり判断基準を変える、何も言わずに勝手に…となったら、誰も安心して活動できません。それこそ菅政権ではダメ、他の政権ではいい、などとなったら、もう収拾がつかない。統一した見解をつくらないといけないのが、政治、行政の世界の常です。それを外すなんて、論外すぎて話にもなりません。
「年間10億円の予算をつかって活動し…公務員になる」としますが、10億円ぐらい、持続化給付金で電通などが設立したトンネル団体に流さなければ、すぐに捻出できる金額でしょう。これは言ってみれば、自分たちがコントロールする『公務員』に、意に添わない者がいるのが気に食わない、と言っているに過ぎません。官僚なら左遷もできますが、学術会議ではそれができないから、任命拒否した、となるのでしょう。

「学問の自由とはまったく関係ない。6人について色々なことがあったが、そういうことは一切関係ない。総合的、俯瞰的活動を確保する観点から判断した。これに尽きる」としますが、総合的、俯瞰的活動って何? というレベルで、それが説明できないから「尽きる」のです。要するに「活動を確保」とは、自分たちがコントロールする「活動を確保」するため。説明できないこと、説明したくないことの時に、こうした「尽きる」だの、「限る」だの、「そういうことだ」と言い切って終わる、これが菅話法であり、誰も納得しなくとも、そう言い切って質問を打ち切ってしまうことで、官房長官時代もすべて乗り切ってきたのです。
総合的、俯瞰的活動を『確保』と言っているのですから、学問の自由を侵害することが必然です。何しろ、『確保』という恣意的判断が加わっているのですから。誰が、どういう基準で、どうやって『確保』するかによって、判断が変わってくる。しかもそれが『総合的、俯瞰的活動』という、意味不明の内容なのですから、尚更です。そこに任命権者としての、首相の判断が加わったら、そこにはもう自由がありません。そういう恣意的な判断が加わり、不自由な立場におかれる者が加わること、それが今回の最大の問題なのに、それを「尽きる」といって、質問をシャットダウンしてしまう。何度も指摘しますが、菅氏の悪質さはこういうところに、顕著に見えているのですね。

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2020年10月03日

菅首相の敵?

米国ではトランプ・クラスターが発生しています。ホワイトハウスを中心に、議員にも感染が拡大しており、米国の中枢が大混乱です。しかも、トランプ氏には初期症状がでていると報道されており、高齢で巨漢、重症化しやすい条件をそろえており、大統領選の行方どころか、米国のかじ取りさえしばらく危ぶまれる事態です。今は政治もリモートでできるとはいえ、中等症などになったら判断力は低下し、指示もだせません。オクトーバー・サプライズなどともされますが、下手をすればもっと大きなサプライズになりかねない状況です。

菅首相にも、この報道はサプライズとなったでしょう。言っても共和党の方が、自民とは長い付き合いもあって都合いい。しかも米民主が、トランプ流の米国第一主義で日本に迫ってきたら、90年代の日米貿易摩擦を思い起こさせます。しかもバイデン氏は、オバマ政権時代の副大統領だったとはいえ、そのオバマ政権と安倍政権はうまくいかなかった。バイデン氏との交流も少なく、新たな関係構築は難しい面もあります。
しかしそれ以上に、菅政権の頭が痛いのは日本学術会議の任命拒否です。恐らく菅氏は、安倍政権のころと同じことをした、程度の認識で行ったのでしょうが、まったく収束がみえなくなりました。安倍前首相のやることならオールOKだった層が、菅政権では擁護しない。しかもそれは、最近の安倍氏の態度からもそうなっているので、さらに問題の根が深い。囁かれだしたのは、菅氏の孤立状態です。これまでも『安倍政権の継承』で、安倍支持層の取り込みを図ろうとしましたが、逆にその姑息さが鼻につきだした、ともいえます。

それは元共同通信の論説委員である柿崎氏を、首相補佐官に任命した辺りから顕在化した、ともいえる。安倍政権を批判することもあった柿崎氏は、安倍氏にとって仇敵です。立民の枝野氏とも昵懇ということで、野党潰しの側面もあったかもしれませんが、仇敵を重用した。しかも、学術会議は安倍政権に逆らった学者らの任命を拒絶しているので、尚更説明がつきません。柿崎氏も遠ざけて…もっと言えば、嫌がらせをして当然だ、と安倍支持層なら感じるでしょう。むしろ、安倍路線と異なることを次々とうちだす菅政権は、安倍氏の敵に見え始めた。細田派の議員が今回の組閣で冷遇されたことも重なり、菅氏が反安倍に見え始めたのです。
二階氏が、石破氏と会談するなど、菅政権の短命ぶりを見越した動きもでてきた。元々、仲の悪い麻生氏を始め、すぐに反菅に転じそうな議員はごろごろいる。野党を仮想敵だと思っていたら、味方の陣地は敵だらけ、というのが現状の菅氏です。しかも、今回の動きで学術分野も敵に回った。安倍政権なら、自民内がまとまっていたのでそうした動きが潰せた。しかし今は、反菅の自民党の派閥などが協力してくれるので、怖いものがない。いざとなれば、そちらと連携すればいいのですから。今後メディアでさえも、反菅に動くかもしれない。日本学術会議の動きとは、それぐらいの大きなインパクトをもって、今後にも影響しそうです。

堀江氏が批判した餃子店が、営業を休止すると発表しました。安倍政権がつくった流れ、気に食わない相手は攻撃してもいい、徹底的に叩いてつぶしてもいい、という風潮。堀江氏の支持者にも、そういう輩が多いことが、これで分かります。そして安倍支持層がそういう輩だからこそ、次にその攻撃の手が向かうのは、菅氏かもしれない。それが菅氏は怖くて怖くてたまりません。実際、その効果を目にしてきたからこそ、首相なのに出向いて安倍氏に会う、などという態度にでたのでしょう。世襲でない、をアピールし過ぎて世襲議員からの反感も強い。日本では、菅氏との距離を開けるソーシャル・ディスタンスを意識した議員が、与党から続出しそうな気配にもなってきたのでしょうね。

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2020年09月30日

雑感。株式持ち合いを容認か?

米大統領選における討論会、低調、暴論、ののしり合いなどともされますが、元々トランプ大統領がそういう形式の話し合いしかできない人。それを見越して、バイデン陣営がまともに取り合わない、トランプ氏とは議論しない、との戦略を立てていた。まんまとトランプ氏は攻撃ができずに、空回りする形となりました。バイデン氏のボロ負けが予想された中での善戦で、勝者はいなくとも敗者もいない、という意味ではバイデン氏が祝杯をあげたくなる結果でしょう。この結果に、恐らく次の討論会は視聴率もがくんと下がると予想され、トランプ氏の挽回の機会も少なくなる。トランプ氏の慢心が招いた、マンネリの討論手法にダメだしを食らわされた。脱税疑惑、遺産詐欺、暴露本攻撃などもありますが、戦略の練り直しを迫られたのでしょう。

地銀再編で、失われた10年を再び起こすのでは? と噂される菅政権ですが、金融機関による出資比率の引き上げ、という話がでてきました。バブル時、株式の持ち合いが疑問視されて解消に動いてきましたが、現行の銀行による事業会社への出資比率は5%まで、銀行持ち株会社は15%ですが、それを引き上げるというのです。日銀、年金と株を買わせてきて、愈々手がなくなってきたかと思いましたが、今度は金融機関に株を買わせようという。ただしこれは諸刃の剣で、日本株は買いにくい、と外国人投資家が判断する恐れもありますし、バブルの悪しき因習ともされ、仮に規制を緩めてもどこまで広がるか、効果としては低いとみられます。
持合いはもっとも嫌われる。買収防衛策にもみえるし、質の低い経営が続く、との懸念も強い。株の買い手だけ増やしたところで、企業の質を劣化させれば結局、株価は下落します。特に、地銀再編という裏では疑問符がつくものもすすむ。統合して強みを生かす合併や提携ならいざ知らず、日銀の異次元緩和によって青息吐息の地銀では、弱者連衡にしかならない。仮に、地銀再編ができたところで足腰が強くなるとは限らないのです。むしろ破綻しそうな地銀株を金融機関に買わせるためでは? とまで噂されるほどです。

安倍政権の恒例行事だった、閣僚の身体検査を引き継いだのか、菅政権でも怪しい閣僚がまぎれていたようです。平井デジタル担当相が有権者を招いて、利益を与えていた公選法違反疑惑です。菅首相としては目玉閣僚ですし、交代はさせられませんが、こうした疑惑が次々にでてくると、菅政権の傷が増えていくことになります。安倍政権の恒例行事だった閣僚不祥事、それを起こさないよう、手垢のついた閣僚ばかりを集めた印象もありますが、逆にいえばその結果、党内の結束は揺らぐことになっており、「またあいつか!」とやっかみ、憤懣がこれから更なる不祥事の噴出という問題につながってくるのかもしれません。さらに、柿崎元共同通信編集局論説委員長を、首相補佐官に充てる人事には、メディアコントロールをする気満々、という機運もみられる一方、他のメディアがどう動いてくるかは分からず、情勢は不透明です。
無難な船出、といった報道も多いですが、どうみても経済的には危ない感じが漂う。外交も、日露で「領土問題に終止符」などとしますが、2島返還が軸だという。安倍政権で4島返還を後退させたツケを、さらに肯定するかのような態度ですし、今や露国は2島すら返す気はありません。またまた多額の支援金を分捕られるだけ。船出どころか、海外からの荒波が気になって、気になって仕方ないところでしょう。海外から吹く逆風と、スガ丸の船に乗る船員の質、意外とその船底には大きな穴が開いている、と思った方がよいかもしれませんね。

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2020年09月27日

来年度の概算要求

NHKの日曜討論で、下村自民政調会長が「予備費で景気対策」と述べました。コロナ禍で積んだ予備費の8兆円が余っている、としますが、今冬にコロナが再拡大したときに積んでおくべき予算なので、規模を誇られても困ります。どれぐらいの拡大見通し、景気の落ち込みがあって、そのためにどれだけの予算が必要で、それで余るから…という説明が必要です。しかもそれは、6月に補正予算をたてたときの見通しよりこう変わったから…と言わなければいけません。
予備費を見せ金に解散、それでまた予備費が足りなくなって補正予算、なんてことになったら誰が責任をとるのか? 悪い言葉をつかえばテキトーであり、こんな人間が政調会長なんて、自民もお里が知れます。政務を調査する人が、8兆円という数字を独り歩きさせよう、などというのですから、それは政策の議論が低調な政党となっても当然、というレベルの酷さなのでしょう。

そんな政府の概算要求が7年連続の100兆円越えです。年金や社会保障…なんて前々から分かっていたことなので、そんなものを見出しに掲げているメディアは、仕方ないというムードを醸したいだけです。安倍政権の置き土産である、高額な兵器の購入もあり、また安倍ノミクスの失敗で2年前から景気後退に陥り、その対策も必要。しかも、ここにはコロナ対策は含まれない数字です。そしてこの数字が深刻なのは、景気後退にコロナが重なり、日本は今年度の歳入減少が著しくなりそうだ、という観測が成り立ってしまうことです。
今年度からすでに税収の上振れ、という手が使えなくなり、補正予算を組むことができなくなった。だから先に、予備費をいっぱい積んで、補正予算につかうお金を確保しておいた。ただし、だからといって勝手につかっていいお金ではありません。それこそまた緊急事態宣言となったら、休業補償を準備しておかないといけない。菅政権は入国制限の緩和など、緩和方向をまるで成果のように語りますが、今冬の絵を一体どういう形で描いているのか? コロナなど大した影響がない、とでも考えているようにしか見えません。だから予備費なんて残さなくていい、ということを下村氏が語ったとすれば、確信犯なのでしょう。

しかも菅政権は、相変わらずの富裕層優遇、トリクルダウン論者であることが不安をさらに増す。ふるさと納税、GoToも、お金をつかう余裕のある人に恩恵のあるシステムであり、次に自民党から打ち出される景気対策も、きっと同じ構図になると予想されます。それで日本が本当によい国になるのか? 8兆円の使い道、よくよく見ておくべきなのでしょう。何も、今年度につかい切ってしまう必要はないお金。コロナ禍が、米CDCが語るように来年までワクチン開発は待たねばならない、となるのなら、それまで8兆円を小刻みにつかっていく、というのも予算の趣旨としては決して間違ってはいないはずです。果たして、自利のために8兆円を使い切って、さらに来年もコロナ対策予算を積もうとでもいうのか? そうして行われる『トリクルダウン』をめざす景気対策が『取り組み不十分』となったら、菅政権の終焉は一気に近づくことになるのでしょうね。

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2020年09月26日

菅首相の国連演説

菅首相による国連総会の演説について、考えてみます。日本はコロナ禍において「官民の知恵を集め、国内外の人々の健康と安全のために最善」だそうです。しかしダイヤモンド・プリンセス号の対応で、国際的に非難を浴びたのは半年前のこと。それを「最善」と言い張るのは勝手ですが、嘲笑ものでしょう。
「誰の健康も取り残さない」という目標を掲げるのが重要で、3つの分野で「国際的な取組を積極的に主導」とします。その第一は「治療薬・ワクチン・診断の開発」「途上国を含めた公平なアクセス」を支援、国際機関を後押しとしますが、日本では大した成果がでないから、国際的な協調という名目で、そうしたものを早期に開発したところから貰う、と言っているように聞こえる。特許権プールなんて、まさにその通りです。

第二に「(途上国の)保健医療システム強化を支援」としますが、それこそ余計なお世話。やるならWHOを通じて行うべきで、日本が独自で、勝手に進めるとおかしなことになる。しかも、第一と第二の違いはまったく分からず、強いて違いをだすなら第一がソフト面、第二がハード面となるのか? しかしやはりWHOがやるべきこと、という印象が強く、わざわざ日本がその一々に口をだすのは弊害としか感じません。
第三は「水・衛生や栄養などの環境整備」と、もうこれは途上国支援というだけの話です。日本はこれまで道路や橋など、公共工事関連の支援で円借款の仕組みを多くつかってきましたが、それを生活インフラを増やす、という方面で使うのか? しかしそうではないでしょう。続けて「1700億円を越える医療・保険分野での対外支援」「2年間で最大の5000億円の緊急円借款(で経済支援)」などが出てくるところをみても、資金面での成果を誇りたがり、であることは間違いない事実で、恐らく生活環境インフラを上乗せした上で、海外支援をする。日本の経済も、財政も大変なことになっているというのに…という展開でしょう。

「私の考える重要事項」として、国連と多国間主義の重要性、国連改革、日本は積極的平和主義、法の支配への挑戦は赦さず、とします。この辺りが、安倍政権の継承という形なのでしょうが、日本国憲法を蔑ろにし続けた人物が、法の支配というのは別の意味で感慨深いものがあります。最後に北朝鮮の拉致問題と、核兵器の問題がでてきますが、拉致問題は「平壌宣言に基づき」と言っていることからも、解決不可能です。何度もいいますが、平壌宣言では『拉致問題は解決済み』だからです。やる気がないことが示されます。
しかも、核兵器に関しては不拡散条約の維持、強化であって、核兵器禁止条約ではありません。本気度が疑われるものであり、「条件をつけずに金正恩委員長と会う」というのも、もう米朝で交渉ルートがある以上、条件をださないといけないのは日本。やっぱりやる気が感じられません。安倍政権のやる気のなさ、国際的に何の影響もない、薄っぺらい部分を継承したようにしか感じられない、今回の演説。相変わらず、菅政権が何をめざしているのか、どうしていきたいのかはよく分からない、安倍政権で成果のでていないことをただだらだらと続ける、と言っているだけのものであり、国際的なアピールにはならなかったのでしょうね。

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2020年09月25日

竹中氏の語るベーシックインカム制度の危険

河野行革担当相が自身のHPにつくった行政改革目安箱を閉鎖し、規制改革・行政改革ホットライン(縦割り110番)を、内閣府のHPに開設としました。しかも「全部目を通す」とした発言も「必要なもの」にトーンダウン。見通しの甘さ、悪さで後になって立場を変える、河野氏の悪い癖がでてしまいました。勇ましいことを言っていたのに、閣僚になったら前言を簡単に撤回してしまう。河野氏を首相へ、と考えている人もいるようですが、これだけ態度がころころ変わる人は信用が置けず、国民はそのたび振り回されるだけです。

菅政権にもアドバイスをする竹中氏が、ベーシックインカム(BI)制度に言及し、批判を浴びています。相変わらずの薄さと甘さですが、月7万円を所得制限付きで配り、年金と生活保護を止めてその財源にする、という。竹中氏の書籍でも「7万円なら働いて補おう」と述べており、竹中氏の語ることはBI制度ではなく、生活補填制度と呼ぶべきものです。そもそも、BI制度を始めると年金を徴収しなくなる、つまり月7万円の中から集めるなら、最初から抜いた額を渡せばいいので、月7万円とは別に年金や保険料など払う必要がなくなります。今の運用している原資を取り崩す形になるので、いつまでも続けられるはずがありません。
BI制度をとるとき、必ずしなければならないのは行政のスリム化、政治のスリム化、つまりコスト削減です。つまり行政コストを減らし、その分を給付に回す。ざっくり行政は3分の1、政界も同じぐらいの人件費を削って賄うぐらいでないと足りません。それは『小さな政府』ということであり、内政を一律給付という形で業務を減らすから、その分を国民に還元する形でないと成立すらしないものなのです。今はただ、月7万円を配るから企業は正規社員を減らしてもいい。固定費を減らしてもいい。多くの企業は非正規で労働を賄うので、自分の関わる人材派遣会社が儲かる、といっているようにしか聞こえないのです。

こんないい加減で適当な人物が、菅政権に関わっているのですから、経済政策にろくなものがないのは当然でしょう。竹中氏は日本の中間層をつぶし、1億総底流社会をつくった張本人です。今回の提案も、日本をさらに潰す気満々、自分の望む通り、一部の富裕層だけが支配する国をつくりたい、といったところでしょう。そうすれば日本を操り易くなる、というのが竹中氏のめざす国づくりであり、そんな人物と付き合う菅氏も同列ということでもあるのでしょう。残念ながら、竹中BIは愚策であり、そんなものをTVで堂々と発言してしまう人物が、菅氏の側近として暗躍している、という事実だけが今回、残ったことです。
竹中BIの問題点は山のようにあり、失業給付を米国並みにすぐ受けられるようにしたり、国民皆保険といいながら、年金を払っていない人は保険に入っていないのですが、そうした人々もBIにより支払った形となり、国保に入ると保険財政がひっ迫することも予想される。考えれば考えるほど、竹中BIの抜け作ぶりが浮き上がるのであり、経済学者どころか一般人以下、とすら断罪できます。竹中BIとは「竹中バカ言っているんじゃねぇ」の略ではないか? とすら思えるほどなのですね。

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2020年09月24日

菅政権の経済政策は特になし?

菅内閣で閣議決定した基本方針、「復興」の文言が消えたのは、平沢復興相は「偶々」で、加藤官房長官は「『安倍政権の継承』で明らか」だそうです。しかし官僚文学でいえば、書いてないことはやらない、必要ないのであって、加藤氏の言葉通りだとすると「忖度しろ」ということです。一方で、コロナで「感染対策と社会経済活動を両立」としているのに、コロナ担当相はいなくなった。引き続き西村氏が担当、としますが、要するに感染対策は二の次にする、と言っているのと同じです。何だか菅政権、胡散臭くて仕方ありません。
「デジタル化で力強い経済成長を実現」というのも、正直眉唾です。そもそも菅政権では、何をもってデジタル化なのか、よく分からない。通信インフラの整備は、通信料金の値下げによって成し遂げられるものではありません。行政も民間も、基盤ができていない中でマイナンバーの活用などがでてきてしまう。何度も詐欺や悪用など、国民が犯罪に巻き込まれながら突き進んでいく、と言っているようにしか聞こえない。しかも、それ以外の経済成長戦略が何もなく、一方で規制改革という痛みを伴うものが目白押し。それこそ小泉政権でタクシー業界の改革をすすめ、大打撃となり、その後ふたたび規制を強化するに及び、配車サービスなどの国際的に当たり前の事業が、日本では規制されている現状をみても、いい加減な規制緩和は逆効果だと分かります。

株式市場は、4連休明けからかなり厳しい状況です。ただし、昨日は日系の証券会社からTOPIX先物買い3千枚が2社あった。通常、日銀のETF買いに合わせて入るものなので、1社のはず。今日は4千枚の買いが1社、日銀のETF買いも当然ありました。昨日はその大量の先物買いで一時プラス圏に浮上することがあったものの、今日は崩れた。日銀単体の動きでは、すでに市場を支える力はなく、崩れやすい状況となっているのです。
欧米の市場が崩れやすくなっており、それが影響しているとはいえ、当然のように菅政権の経済成長の姿が見えないことも含まれる。「デジタル化に投資」としても、日本はもう5周遅れぐらいなので、単なる投資では追いつくだけ。その頃には欧米からさらに引き離されているでしょう。集中投資をして、世界のトップになるぐらいでないと経済成長なんてとんでもない話で、今はまだ少し効率化がすすむだけ。だから今、日本株は売り易い市場となってしまっています。

しかも、相変わらず外国人観光客の誘致、農産品の輸出促進、などのWithコロナ時代とは思えない文言が並ぶ。担当相がいなくなったように、菅政権はコロナなど解決済み、と言わんばかりなのです。しかし世界の潮流は、ワクチン開発にも懐疑的な見方が増えてきた。それも市場が弱含む要因ではあるのですが、菅政権はここにも逆行しているように見える。トータルすると、菅政権は経済を見る目がない、ということです。
むしろ、菅政権で「復興」が消えたのは、「俺たちは壊すだけ」という規制改革論者であり、次の政権がそのボロボロになった状態から「復興」するためではないか? とすら勘ぐれます。それは株価も同様なのでしょう。ろくな経済政策もなかった安倍政権を継承し、限界を迎えていた株価維持のためのPKOも、もはや日銀による実弾しか残っていない。この冬、コロナ禍が大流行したら、日本株など焦土と化すでしょう。ろくな経済政策もでていないのに菅ノミクスなんて言っていたら、その名前によって菅政権はその身を焦がされることになるのでしょうが、そのとき日本まで道連れにすることだけは、勘弁して欲しいところですね。

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analyst_zaiya777 at 22:59|PermalinkComments(6)

2020年09月23日

コロナと五輪と解散戦術と

コロナの新規感染者が少なくなっていますが、これは4連休で病院や検査機関が休みだったから。むしろちょっと具合が悪くても、出かけてしまう人が増えた、と考えると今後、感染を増やすことにもつながるのでしょう。欧州ではすでに再拡大が始まっているように、日本は来週辺りから再び感染が拡大するかもしれません。
そんな中、IOCが東京五輪に関して、前向きな発言を繰り返しています。一方で、複数の招致委の関係者が「海外に送金したのは11億円超」と暴露しています。すでに判明済みの2億円から、実に5倍以上がつかわれた。そもそも五輪は買収その他は禁止されており、仏政府の捜査で明らかになる前に、ここで暴露したのでは? とみられます。IOCとしても、買収された事実は隠しておきたいはずで、日本と思惑は一致した。欧州で再拡大が意識される中で、殊更にIOCが発言するのは、もっと深い闇がありそうと疑惑を抱くものです。

菅首相が解散をすぐできない理由の一つ、それは臨時国会を開いて、五輪特措法を通して休日を確定させないといけないためです。大体の日程は閣議決定されましたが、通常国会を予定通りに閉じてしまったため、国会を通していない。年内にこの法律を通さないと、来年のスケジュールも立ちません。すでに来年のカレンダーも見かけますが、今はまだ法的な裏付けのない予定です。年内には通しておく必要があるものです。
その臨時国会は来月後半に開会予定ですし、所信表明演説をすることで、自身の政策をアピールする必要もある。その後、五輪特措法を通して解散、という可能性もありますが、気になるのは今日のNHKの世論調査の結果です。菅内閣の支持率は62%でしたが、その理由のトップが「他よりよい」で「人柄がよさそう」は2位に転落した。官房長官時代の会見で、意地悪い受け答えが露見した? というのでもなさそうで、そうなると早くも化けの皮が剥がれつつある、とみられます。安倍政権の継承を訴えることで、安倍支持層をとりこむことに成功したのか? そうでないと、予想外の結果を招く恐れもある。しかし選挙を遅らせると、菅色がでてきて安倍色が薄まるのが必定、だから猶のこと早めに解散したくなる、とみられます。

IOCがここに来て、五輪煽りをするのも菅政権のバックアップを示唆するものです。もしかしたら、またJOCからお金でも流れたのかもしれません。コロナ禍は冬が本番、子供でも分かるその理屈を通さず、五輪煽りをする不可解さの答えは選挙向けとみられるからです。実際、年が明けたら選挙なんてしていられないでしょう。五輪・パラ期間にはすでに国会も閉じ、選挙モードに入らざるを得ない面もあり、逆に五輪が終わった『夢のあと』感がただようと、与党にとっては厳しい戦いを強いられることにもなる。やるなら今です。
それ以前に、コロナ再拡大によって五輪が中止、などとなったらその負の遺産について問題視されかねなくなるでしょう。そしてその頃には、五輪の不正買収の疑惑で紛糾しているかもしれない。コロナと五輪と政治、これが今は密接にからみつき、選択肢を非常にせばめている状況です。菅氏にとっては五輪霧中というより、五輪苦衷であり、日程がみえているだけに決断力を早くも試される場面がくる、ということなのでしょうね。

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analyst_zaiya777 at 22:57|PermalinkComments(6)