経済
2020年03月19日
日本株の歪みと日銀
日本の株式市場が底堅い動きを示します。アジア株が急落して、日経平均は下がるもののTOPIXは上昇する。今日は日銀がTOPIX型ETFを2004億円購入と、これまでの1204億円からさらに増額してきました。その結果か、TOPIX先物の買い方にはずらっと日系証券会社が並び、日の丸TOPIX防衛隊、といった様相です。
そうする事情もあり、元々、日銀がETFを購入しはじめたのは2010年12月。そのころは上限4500億円でした。黒田総裁就任で13年4月に残高を年間1兆円増加、14年10月に3兆円、16年7月に6兆円と年間買入額をふやし、16日には12兆円にすることが決定しています。TOPIX連動型ETFの比率が高く、大体7割近くがそうだとされる。単純に、13年4月時点の日経平均は12500円程度、TOPIXは1180pt辺り。つまり日経平均なら、まだ4000円程度余裕もありますが、TOPIXだと100pt下がってしまうと、黒田バズーカで買った分はすべて損、という形になります。つまり損益分岐点どころか、日銀の努力がすべて水泡に帰す水準に近づいてきたのです。
米国ではトランプ大統領就任以来の株上昇分が吹き飛んだ、と話題ですが、日銀も同じです。安倍首相の就任が12年12月、黒田総裁の就任が13年3月で、日本ではまず黒田バズーカが吹き飛ぶのが先。特にトランプ氏は株価操作をしていませんが、黒田氏はETF購入という直接的な手段で市場に介入しており、そのインパクトは比ではありません。そうさせないため、日系に協力させてTOPIX防衛網を布いているのでしょう。
ただそのとばっちりを受けたのがソフトバンク(SBG)です。株価は急落、直近高値の半分になりました。日経225の指数寄与度が高く、TOPIXが上がるので個別株は下がりにくい一方、日経225先物売りがでるとSBG株が売られる。確かに悪材料はてんこ盛りですが、すでに破綻を意識するレベルまで売りこまれるのは、こうした歪みの影響があるのです。投資運用会社、という実態のみえにくさ、それが日経平均を支えてきた。こうした異常事態になると、それも歪みと意識され、フリーフォールに陥ってしまったのです。
しかし日本株売りが少ない一因には、悪の象徴とされた内部留保もあります。日本企業は内部留保が多く、突然死しにくい。資金繰りの問題は生じにくいからです。私はPBR1倍割れ、なんて数字に大した下支え効果があると思っておらず、会社法の改正により自社株買いを行える現状、株価下落は純資産を目減りさせます。つまりPBRの分母を小さくするので、再計算すればPBRは跳ね上がるでしょう。米国がすでにPBRを重視しなくなったように、大量の金庫株を抱える企業は苦しいのです。ただし日本はそれこそ内部留保、現金です。流動性を喪失しようと、日本企業は生き残る可能性が高い、ということになります。
ただし、だから日本株は買い、ということではない。市場の歪みを日銀、日系証券がうみだしている現状では、不測の事態を生じやすい。むしろ最大の不安材料は、日銀にあるのです。今はマネーの量によって市場が落ち着くものではないのに、供給すればいい、というECBの7500億€投入でも同じ、むしろ市場は現金化を急ぐ状況をひきおこし、原油、金、米国債などが投げ売られている状況になってしまっています。大量にETFを買えば市場が落ち着く、と思っていたら、丸々含み損となりそうな日銀も同じ。ダメ政権のダメな対応と同時に、ダメ中央銀行のダメ金融政策もまた、株価下落の要因となってしまっています。今は冷静に、世界経済の壊れ具合を確認し、それから動くということでもよいのでしょう。これからの流れは、不動産市場に波及、債務問題の破裂、信用不安、金融機関の破綻ということになります。当然、よい政策が打たれ、その途中で改善に向かうことを期待したいところですが、その期待が生まれるまでは様子見するぐらいで十分なのでしょうね。
そうする事情もあり、元々、日銀がETFを購入しはじめたのは2010年12月。そのころは上限4500億円でした。黒田総裁就任で13年4月に残高を年間1兆円増加、14年10月に3兆円、16年7月に6兆円と年間買入額をふやし、16日には12兆円にすることが決定しています。TOPIX連動型ETFの比率が高く、大体7割近くがそうだとされる。単純に、13年4月時点の日経平均は12500円程度、TOPIXは1180pt辺り。つまり日経平均なら、まだ4000円程度余裕もありますが、TOPIXだと100pt下がってしまうと、黒田バズーカで買った分はすべて損、という形になります。つまり損益分岐点どころか、日銀の努力がすべて水泡に帰す水準に近づいてきたのです。
米国ではトランプ大統領就任以来の株上昇分が吹き飛んだ、と話題ですが、日銀も同じです。安倍首相の就任が12年12月、黒田総裁の就任が13年3月で、日本ではまず黒田バズーカが吹き飛ぶのが先。特にトランプ氏は株価操作をしていませんが、黒田氏はETF購入という直接的な手段で市場に介入しており、そのインパクトは比ではありません。そうさせないため、日系に協力させてTOPIX防衛網を布いているのでしょう。
ただそのとばっちりを受けたのがソフトバンク(SBG)です。株価は急落、直近高値の半分になりました。日経225の指数寄与度が高く、TOPIXが上がるので個別株は下がりにくい一方、日経225先物売りがでるとSBG株が売られる。確かに悪材料はてんこ盛りですが、すでに破綻を意識するレベルまで売りこまれるのは、こうした歪みの影響があるのです。投資運用会社、という実態のみえにくさ、それが日経平均を支えてきた。こうした異常事態になると、それも歪みと意識され、フリーフォールに陥ってしまったのです。
しかし日本株売りが少ない一因には、悪の象徴とされた内部留保もあります。日本企業は内部留保が多く、突然死しにくい。資金繰りの問題は生じにくいからです。私はPBR1倍割れ、なんて数字に大した下支え効果があると思っておらず、会社法の改正により自社株買いを行える現状、株価下落は純資産を目減りさせます。つまりPBRの分母を小さくするので、再計算すればPBRは跳ね上がるでしょう。米国がすでにPBRを重視しなくなったように、大量の金庫株を抱える企業は苦しいのです。ただし日本はそれこそ内部留保、現金です。流動性を喪失しようと、日本企業は生き残る可能性が高い、ということになります。
ただし、だから日本株は買い、ということではない。市場の歪みを日銀、日系証券がうみだしている現状では、不測の事態を生じやすい。むしろ最大の不安材料は、日銀にあるのです。今はマネーの量によって市場が落ち着くものではないのに、供給すればいい、というECBの7500億€投入でも同じ、むしろ市場は現金化を急ぐ状況をひきおこし、原油、金、米国債などが投げ売られている状況になってしまっています。大量にETFを買えば市場が落ち着く、と思っていたら、丸々含み損となりそうな日銀も同じ。ダメ政権のダメな対応と同時に、ダメ中央銀行のダメ金融政策もまた、株価下落の要因となってしまっています。今は冷静に、世界経済の壊れ具合を確認し、それから動くということでもよいのでしょう。これからの流れは、不動産市場に波及、債務問題の破裂、信用不安、金融機関の破綻ということになります。当然、よい政策が打たれ、その途中で改善に向かうことを期待したいところですが、その期待が生まれるまでは様子見するぐらいで十分なのでしょうね。
2020年03月18日
雑感。世界は新たなブロック経済か?
米大統領予備選、民主党はバイデン元副大統領が左派のサンダース氏を引き離して優勢です。新型コロナウィルス感染症で景気後退懸念、といってもまだ経済は壊れておらず、国民は安定を求めがち。逆に、経済が壊れてからだと安定より現状の変化を求めるため、サンダース氏のような急進左派的な主張が勢いをもちます。管理経済、国家関与を強めた方がうまくいくことも多いからで、逆に今はそこまでの政策にはNOという意見が、バイデン氏を強くします。サンダース氏は経済が安定していても不満があるか、経済が壊れるほどの事態になれば強い。この予備選でみえるのは、米国が壊れて欲しくない、という米国民の願望です。
しかし気になるのは、FRBの連日の大量の資金供給です。そこまで資金需要が逼迫している印象はないのですが、実はそうした事態なのか? VIX指数は上昇して株式市場は壊れ気味ですが、CDS市場はそこまで壊れていないのに…ナゾです。そのダウは2万$割れ寸前です。トランプ大統領がボーイング支援をうちだし、企業破綻の頻出する恐れを強めました。警戒すべきは、ウーバーを始めとする配車サービスも同じです。外出禁止や移動制限ばかりでなく、消毒などの対策がどこまで徹底されているか? 配車サービスだと個々のドライバーが対応するので消毒薬がない、マスクがない、などの事情で徹底されない可能性が高い。管理・規制をゆるくして安価に利用できるようになったサービスは、その分不安感が増しやすい業態でもあるのです。
ソフトバンク(SBG)がウィーカンパニー(WeC)への支援見送りか、と報じられましたが、これはシェアオフィス産業も同じ。一人の感染で、違う会社にまで影響する。感染症下ではシェアオフィスは事実上、無価値になりかねません。不動産事業へ業態転換をはかっている、ともされますが、各市場で現金化がすすむように、不動産市場もその波に晒されたら、価値は急減です。昨日、SBGが5000億円の自社株買いを発表。WeCへの支援をする、として5000億円調達したのは昨年末、ちぐはぐな対応も市場の懸念を高め、SBGはついに携帯電話子会社であるソフトバンク(SB)と、時価総額が逆転しました。しかもそのSB株は、資金調達のために一部担保としており、SBG本体が傷むとSBも急落する可能性もある、極めて危うい状況にあります。
感染症の影響は一体いつまでつづくか分かりません。ただ単純な株安、というに留まらぬ不安が漂うのは、各国中銀にしろ、SBGにしろ、何をそんなに焦っているのか? です。それは経済が破綻するかもしれない、という前提で動いているようであり、確かに昨日の記事でも『助走』としたように、まだまだ何が起きるか分かりませんが、一番悲観しているのは経済のど真ん中にいる人たち、というのが不安を助長します。実は、まだ市場の方が楽観し過ぎているのではないか? それがさらに現金化を進める要因となっています。
各国が人とモノの移動を制限し始めた。新たなブロック経済の形にもみえ、世界恐慌前夜のようでもある。そんな中で、お金だけは動いているので市場は乱高下する。それはこれまで成長の牽引役だった業種、業態でさえ壊れ、新たな形がみえない中でお金が右往左往している姿にみえますが、そのお金の動きさえ止まってしまったら…。もし各国中銀がそれを恐れているのだとしたら、それを阻むのは肥大化し過ぎた世界経済全体、となるのかもしれません。経済が壊れて欲しくない、とは誰もが思いますが、壊れることは往々にして起こり得る。その条件を整えたのが、これまで政権を担当してきた各国の為政者たちであり、景気後退が政権交代、体制転換の機運を高めるのだとしたら、こちらもその前夜、ということになるのかもしれませんね。
しかし気になるのは、FRBの連日の大量の資金供給です。そこまで資金需要が逼迫している印象はないのですが、実はそうした事態なのか? VIX指数は上昇して株式市場は壊れ気味ですが、CDS市場はそこまで壊れていないのに…ナゾです。そのダウは2万$割れ寸前です。トランプ大統領がボーイング支援をうちだし、企業破綻の頻出する恐れを強めました。警戒すべきは、ウーバーを始めとする配車サービスも同じです。外出禁止や移動制限ばかりでなく、消毒などの対策がどこまで徹底されているか? 配車サービスだと個々のドライバーが対応するので消毒薬がない、マスクがない、などの事情で徹底されない可能性が高い。管理・規制をゆるくして安価に利用できるようになったサービスは、その分不安感が増しやすい業態でもあるのです。
ソフトバンク(SBG)がウィーカンパニー(WeC)への支援見送りか、と報じられましたが、これはシェアオフィス産業も同じ。一人の感染で、違う会社にまで影響する。感染症下ではシェアオフィスは事実上、無価値になりかねません。不動産事業へ業態転換をはかっている、ともされますが、各市場で現金化がすすむように、不動産市場もその波に晒されたら、価値は急減です。昨日、SBGが5000億円の自社株買いを発表。WeCへの支援をする、として5000億円調達したのは昨年末、ちぐはぐな対応も市場の懸念を高め、SBGはついに携帯電話子会社であるソフトバンク(SB)と、時価総額が逆転しました。しかもそのSB株は、資金調達のために一部担保としており、SBG本体が傷むとSBも急落する可能性もある、極めて危うい状況にあります。
感染症の影響は一体いつまでつづくか分かりません。ただ単純な株安、というに留まらぬ不安が漂うのは、各国中銀にしろ、SBGにしろ、何をそんなに焦っているのか? です。それは経済が破綻するかもしれない、という前提で動いているようであり、確かに昨日の記事でも『助走』としたように、まだまだ何が起きるか分かりませんが、一番悲観しているのは経済のど真ん中にいる人たち、というのが不安を助長します。実は、まだ市場の方が楽観し過ぎているのではないか? それがさらに現金化を進める要因となっています。
各国が人とモノの移動を制限し始めた。新たなブロック経済の形にもみえ、世界恐慌前夜のようでもある。そんな中で、お金だけは動いているので市場は乱高下する。それはこれまで成長の牽引役だった業種、業態でさえ壊れ、新たな形がみえない中でお金が右往左往している姿にみえますが、そのお金の動きさえ止まってしまったら…。もし各国中銀がそれを恐れているのだとしたら、それを阻むのは肥大化し過ぎた世界経済全体、となるのかもしれません。経済が壊れて欲しくない、とは誰もが思いますが、壊れることは往々にして起こり得る。その条件を整えたのが、これまで政権を担当してきた各国の為政者たちであり、景気後退が政権交代、体制転換の機運を高めるのだとしたら、こちらもその前夜、ということになるのかもしれませんね。
2020年03月17日
日銀の追加緩和の成否
安倍首相が東京五輪について「完全な形で」と述べました。予選、選考の実施や観客のことも考えると「完全な形」になるのは早くて秋なので、これは延期を明言したものです。そもそもG7首脳が五輪開催について明言したら逸脱行為であり、その決定はIOCにしかありません。なのでG7の場でその話をだしたなら、世界の趨勢を中止ではなく延期という方向で、ということ。IOCは臨時会合でも何の決断もしませんでしたが、むしろ早く決めた方が準備をふくめ、有難いのです。世界のトップの物事の決め方は遅い、と言わざるを得ません。
WHOのテドロス事務局業が「検査、検査、疑わしきはとにかく検査」と述べました。中国をもちあげたり、日本がWHOに資金拠出を決めると「日本はよくやっている」と言ったり、とかく評判も悪いですが、WHOのこの方針は日本と真逆です。果たして日本は「疑わしきは検査」とできるのかどうか。またそうなったとき、日本の感染者数がどう推移するのか。五輪延期もふくめ、日本が試される場面がつづきそうです。
昨日、臨時会合で追加の量的緩和を決めた日銀が、さっそくETFを1204億円購入、302億$のドル資金を国債を担保に3ヶ月貸し出しました。今、世界的に起きているのは信用収縮ではなく、ドル調達懸念です。なので、その部分の調整があったのはよいことです。ただし、今回起きていることをリーマンショック級と例える人もいますが、リーマンショックはあくまでクライマックス。だから対策し、それに成功したので経済は元にもどしましたが、今回はまだ助走段階。リーマンショックなんて大したことない、と後世の評価が変わるようなことがこれから起こるかもしれず、今回はクライマックスが見えないから不安が尽きないのです。
ドル調達懸念が起きるのも、外貨建て債務や外貨の決済で必要だから。止まってしまえば流動性を失い、市場は大混乱しますが、すでに中央銀行が注視しているのでこの問題が発端になる可能性は小さい。ジャンク債市場も、分かっていることですから対処できないのは手腕がない証拠。リーマンショックとて、リーマンブラザースを潰しても影響は小さい、と軽視した当局によって引き起こされました。問題は当局、もしくは市場が軽視していた、そんなこと起きないと思っていたことが起こったときのパニック、ということです。
例えばG7加盟国の破綻。日本に限ってみれば指数寄与度の高い、Bigネーム企業の破綻。そういうことが起きたとき、市場機能が壊れるのです。そしてそのとき、日銀にしろ各国の中央銀行がリーマンショック前より余裕を失った状態にある、ということを踏まえる必要があります。今の市場は、リーマンショック前とは比べ物にならないほど複雑化し、資金調達方法やヘッジの掛け方、保険に至るまで手練手管をつかっているので、むしろ突然死をおこしやすく、またそれに気づきにくい状況が生まれてしまっています。今回のクライマックスに何が起きるか? 恐らくそれは「完全な形で」コロナショック前の状況にもどることはない、という認識をもち、市場との距離感を間違えないようにしないと…ということになるのでしょうね。
WHOのテドロス事務局業が「検査、検査、疑わしきはとにかく検査」と述べました。中国をもちあげたり、日本がWHOに資金拠出を決めると「日本はよくやっている」と言ったり、とかく評判も悪いですが、WHOのこの方針は日本と真逆です。果たして日本は「疑わしきは検査」とできるのかどうか。またそうなったとき、日本の感染者数がどう推移するのか。五輪延期もふくめ、日本が試される場面がつづきそうです。
昨日、臨時会合で追加の量的緩和を決めた日銀が、さっそくETFを1204億円購入、302億$のドル資金を国債を担保に3ヶ月貸し出しました。今、世界的に起きているのは信用収縮ではなく、ドル調達懸念です。なので、その部分の調整があったのはよいことです。ただし、今回起きていることをリーマンショック級と例える人もいますが、リーマンショックはあくまでクライマックス。だから対策し、それに成功したので経済は元にもどしましたが、今回はまだ助走段階。リーマンショックなんて大したことない、と後世の評価が変わるようなことがこれから起こるかもしれず、今回はクライマックスが見えないから不安が尽きないのです。
ドル調達懸念が起きるのも、外貨建て債務や外貨の決済で必要だから。止まってしまえば流動性を失い、市場は大混乱しますが、すでに中央銀行が注視しているのでこの問題が発端になる可能性は小さい。ジャンク債市場も、分かっていることですから対処できないのは手腕がない証拠。リーマンショックとて、リーマンブラザースを潰しても影響は小さい、と軽視した当局によって引き起こされました。問題は当局、もしくは市場が軽視していた、そんなこと起きないと思っていたことが起こったときのパニック、ということです。
例えばG7加盟国の破綻。日本に限ってみれば指数寄与度の高い、Bigネーム企業の破綻。そういうことが起きたとき、市場機能が壊れるのです。そしてそのとき、日銀にしろ各国の中央銀行がリーマンショック前より余裕を失った状態にある、ということを踏まえる必要があります。今の市場は、リーマンショック前とは比べ物にならないほど複雑化し、資金調達方法やヘッジの掛け方、保険に至るまで手練手管をつかっているので、むしろ突然死をおこしやすく、またそれに気づきにくい状況が生まれてしまっています。今回のクライマックスに何が起きるか? 恐らくそれは「完全な形で」コロナショック前の状況にもどることはない、という認識をもち、市場との距離感を間違えないようにしないと…ということになるのでしょうね。
2020年03月16日
日米中央銀行の動き
15日の夕刻、米国では緊急のFOMCが開かれて1.0%の利下げで、政策金利を0〜0.25%のゼロ金利に。米国債を少なくとも5000億$、住宅ローン担保証券(MBS)を2000億$購入する量的緩和(QE4)を決めました。また各国中銀によるドル資金の供給など、打てる手はすべて打った、という印象です。16日になると、日本では日銀が午後から緊急の金融政策決定会合を開く、と発表され、決定されたのは上場投資信託(ETF)の購入を6兆円→12兆円に。不動産投資信託(REIT)の購入を900億円→1800億円に。CP・社債をそれぞれ2.2兆円、3.2兆円保有していますが、さらに2兆円の買入枠を追加。また金利ゼロで金融機関が中小企業に融資できる枠を8兆円用意、といいます。
日米がそろって週半ばの会合を前倒ししたのは、米国のトランプ大統領がよびかけた、G7電話会談を成功に導くためだったのでしょう。FRBを批判していたトランプ氏が、この決断を称賛して「市場も歓迎すべき」などと述べているように、自分がリーダーシップをとって解決した、と言いたかった。しかし米株先物市場は急反落、日本市場は何とか国内勢と欧州CTAスジに支えられましたが、始まった欧州株は急落。むしろ材料出尽くし、金融政策に期待できない、という意識が広がりました。市場では多くが「今は金融政策が効かない」と認識しており、それなのに余裕を失ってしまった中銀の愚かさを、市場があざ笑うかのような展開です。
例えば先に金融緩和を発表したECBは、-0.5%の政策金利に対して、金融機関が企業に融資する場合、-0.75%で資金調達できる仕組みをつくりました。つまり融資をするとECBから0.25%付利される、というおいしい条件であるにも関わらず、不十分と市場は判断しました。金利が低くても、条件がよくても、企業の経営環境が悪化していく状況では融資はできない。不良債権比率が高まる中では融資に回らない。金融政策にも限界があるのです。それなのに、これまでの成功体験が染みつき、金融政策で何とかなる、と勘違いした結果、余裕を失ってしまった。日本のバブル崩壊以後の失敗を世界がきれいになぞってしまいました。
日銀のETF購入は、すでに「枠にこだわらない」と黒田総裁が発言しており、ただ金額がはっきりしただけ。規模を大きく見せることでバズーカ、としてきた手法が裏目にでた。市場が日銀のダメさ加減を再認識しただけ、曖昧の方がよかったのです。中央銀行としては『やっている感』をだして、仕事をした気分になりたかったのでしょうが、タイミングを間違えた。米国はマイナス金利政策、という裏技の手は残されますが、事実上の金融政策打ち止め気分が蔓延し、先行きに失望したことが大きな失敗、ということになるのです。
世界はマイナス成長の時代に突入していく、これが市場の織りこみ始めたシナリオです。ドイツ銀など、早くも破綻を囁かれ始めた金融機関もありますが、世界全体に金融不安が蔓延することもあるでしょう。そのとき、金融政策で打つ手がない。これは長期戦になるのに、短期決戦のつもりで作戦を展開した。「協調」という言葉が「消耗戦」という言葉に置き換わってしまった。各国が緩和、緩和とすすんで弾を撃ち尽くした。さて、これからどう戦おう、と思ったときに各国とも余裕のない財政政策に頼らざるを得ない。戦時には特例債などをだして資金調達をするものですが、そうなると中銀の金利調節機能すら壊れるかもしれません。「枠にこだわらない」と言っていた人が、「枠をはめてしまった」。そのことで市場のワクワク感を奪った代償は、今後大きくでてくるのかもしれませんね。
日米がそろって週半ばの会合を前倒ししたのは、米国のトランプ大統領がよびかけた、G7電話会談を成功に導くためだったのでしょう。FRBを批判していたトランプ氏が、この決断を称賛して「市場も歓迎すべき」などと述べているように、自分がリーダーシップをとって解決した、と言いたかった。しかし米株先物市場は急反落、日本市場は何とか国内勢と欧州CTAスジに支えられましたが、始まった欧州株は急落。むしろ材料出尽くし、金融政策に期待できない、という意識が広がりました。市場では多くが「今は金融政策が効かない」と認識しており、それなのに余裕を失ってしまった中銀の愚かさを、市場があざ笑うかのような展開です。
例えば先に金融緩和を発表したECBは、-0.5%の政策金利に対して、金融機関が企業に融資する場合、-0.75%で資金調達できる仕組みをつくりました。つまり融資をするとECBから0.25%付利される、というおいしい条件であるにも関わらず、不十分と市場は判断しました。金利が低くても、条件がよくても、企業の経営環境が悪化していく状況では融資はできない。不良債権比率が高まる中では融資に回らない。金融政策にも限界があるのです。それなのに、これまでの成功体験が染みつき、金融政策で何とかなる、と勘違いした結果、余裕を失ってしまった。日本のバブル崩壊以後の失敗を世界がきれいになぞってしまいました。
日銀のETF購入は、すでに「枠にこだわらない」と黒田総裁が発言しており、ただ金額がはっきりしただけ。規模を大きく見せることでバズーカ、としてきた手法が裏目にでた。市場が日銀のダメさ加減を再認識しただけ、曖昧の方がよかったのです。中央銀行としては『やっている感』をだして、仕事をした気分になりたかったのでしょうが、タイミングを間違えた。米国はマイナス金利政策、という裏技の手は残されますが、事実上の金融政策打ち止め気分が蔓延し、先行きに失望したことが大きな失敗、ということになるのです。
世界はマイナス成長の時代に突入していく、これが市場の織りこみ始めたシナリオです。ドイツ銀など、早くも破綻を囁かれ始めた金融機関もありますが、世界全体に金融不安が蔓延することもあるでしょう。そのとき、金融政策で打つ手がない。これは長期戦になるのに、短期決戦のつもりで作戦を展開した。「協調」という言葉が「消耗戦」という言葉に置き換わってしまった。各国が緩和、緩和とすすんで弾を撃ち尽くした。さて、これからどう戦おう、と思ったときに各国とも余裕のない財政政策に頼らざるを得ない。戦時には特例債などをだして資金調達をするものですが、そうなると中銀の金利調節機能すら壊れるかもしれません。「枠にこだわらない」と言っていた人が、「枠をはめてしまった」。そのことで市場のワクワク感を奪った代償は、今後大きくでてくるのかもしれませんね。
2020年03月15日
経済面で4月頃に起こりそうなこと
新型コロナウィルス感染症で、相場の上下動が激しくなっています。AI取引なので、未知の取引については楽観にも、悲観にも捉えますし、それが人間の判断とはちがうことも多々あるでしょう。これまでも通常なら悲観、と捉えそうな問題でも「楽観」と判断し、買い上げてきたようにAI取引はまだまだ拙い。その拙い分、落ち着きどころを失って漂流するのが今です。なので予想は非常に難しく、明日の相場がどうなるかは予断を許しません。ただ、実体経済の流れは読み解くことができるものです。
日本に限定してみれば、10-12、1-3月期と連続のマイナス成長が確実で、景気後退に陥ります。問題は4-6月期、恐らく安倍政権はこのタイミングで、自粛要請などを外して経済を通常運転にもどす可能性が高い。それは感染症が沈静化していなくても、です。つまりある程度、感染症の特徴が分かった、対策できるとして通常運転にもどそうとするでしょう。1-3月期は中国の減速と、3月の自粛要請で大打撃をうけましたが、4月初めから通常運転にもどせば、4-6月期はプラス圏にできる。また休業対策や中小企業への支援が膨らめば、財政上の問題が生じます。五輪を開催するためにも、日本は通常運転ですという必要があります。安倍政権はあらゆる面で、4月を転換点にしないと困る、そうせざるを得ない事情がある、ということです。
ただしそれで経済が復調できる可能性は、現時点ではありません。米国の渡航制限は残り、中国も経済を抑制的にせざるを得ない。ただし米国は、経済対策ばかりでなく、ある秘策があります。それは対中制裁関税を、非常事態だとして撤廃、もしくは範囲を縮小する可能性です。中国経済を復調させ、そのカンフル剤で米経済も復調させよう、という案。中国が異例なほどの対応をとって、感染を封じ込めたのも、結果的にいち早く立ち直った国ほど、経済をすばやく復調できると知っているから。そしてそれに乗っかる国がでてくることも、予想できること。まさに4月以後、その流れがいつ出てくるかによって、一時的な楽観相場に帰還することもまたあり得ることでもあります。
ただし中国経済だけで、世界経済は復権できない可能性が高い。日米欧が同時に景気後退になる、今回をリーマンショック級と並べられることもありますが、中国が人口ボーナスという余裕をもった状態と今では、下支え役という意味では役不足。中国も債務問題に苦しむ国です。また中国とて経済を再び吹かせば、感染症の波に襲われるでしょう。一時的な楽観、としたのも実態としての押し上げ効果が薄いからです。
警戒すべきは、矢継ぎ早にうちだされた中央銀行の施策により、もう余裕はほとんどない。恐らく今週のFOMC、日銀会合でもその傾向がつづくでしょう。そして4月になったとき、金融政策ではダメで財政政策がないと…となったとき、果たして安倍政権が期待に見合うものを打ち出せるか? 今のところ自粛要請を撤回し、通常速度にもどすぐらいでは株価のもどりは心許ないところです。ただ世界経済の動き、特に米中で何がだされるかには市場を上にも下にも、大きく動かす要因となりかねません。それでも今回のコロナ禍における対策は、極めて厄介といえるものです。AIはすぐに判断を下して上下にふりますが、人間であるからこそ冷静に判断し、長期に亘る影響を考えるべきタイミングにある、といえるのでしょうね。
日本に限定してみれば、10-12、1-3月期と連続のマイナス成長が確実で、景気後退に陥ります。問題は4-6月期、恐らく安倍政権はこのタイミングで、自粛要請などを外して経済を通常運転にもどす可能性が高い。それは感染症が沈静化していなくても、です。つまりある程度、感染症の特徴が分かった、対策できるとして通常運転にもどそうとするでしょう。1-3月期は中国の減速と、3月の自粛要請で大打撃をうけましたが、4月初めから通常運転にもどせば、4-6月期はプラス圏にできる。また休業対策や中小企業への支援が膨らめば、財政上の問題が生じます。五輪を開催するためにも、日本は通常運転ですという必要があります。安倍政権はあらゆる面で、4月を転換点にしないと困る、そうせざるを得ない事情がある、ということです。
ただしそれで経済が復調できる可能性は、現時点ではありません。米国の渡航制限は残り、中国も経済を抑制的にせざるを得ない。ただし米国は、経済対策ばかりでなく、ある秘策があります。それは対中制裁関税を、非常事態だとして撤廃、もしくは範囲を縮小する可能性です。中国経済を復調させ、そのカンフル剤で米経済も復調させよう、という案。中国が異例なほどの対応をとって、感染を封じ込めたのも、結果的にいち早く立ち直った国ほど、経済をすばやく復調できると知っているから。そしてそれに乗っかる国がでてくることも、予想できること。まさに4月以後、その流れがいつ出てくるかによって、一時的な楽観相場に帰還することもまたあり得ることでもあります。
ただし中国経済だけで、世界経済は復権できない可能性が高い。日米欧が同時に景気後退になる、今回をリーマンショック級と並べられることもありますが、中国が人口ボーナスという余裕をもった状態と今では、下支え役という意味では役不足。中国も債務問題に苦しむ国です。また中国とて経済を再び吹かせば、感染症の波に襲われるでしょう。一時的な楽観、としたのも実態としての押し上げ効果が薄いからです。
警戒すべきは、矢継ぎ早にうちだされた中央銀行の施策により、もう余裕はほとんどない。恐らく今週のFOMC、日銀会合でもその傾向がつづくでしょう。そして4月になったとき、金融政策ではダメで財政政策がないと…となったとき、果たして安倍政権が期待に見合うものを打ち出せるか? 今のところ自粛要請を撤回し、通常速度にもどすぐらいでは株価のもどりは心許ないところです。ただ世界経済の動き、特に米中で何がだされるかには市場を上にも下にも、大きく動かす要因となりかねません。それでも今回のコロナ禍における対策は、極めて厄介といえるものです。AIはすぐに判断を下して上下にふりますが、人間であるからこそ冷静に判断し、長期に亘る影響を考えるべきタイミングにある、といえるのでしょうね。
2020年03月13日
世界同時株安と、今回の教訓
世界同時株安です。日銀、FRB、ECBが矢継ぎ早に打つ策が否定され、政策の逐次投入でさらに余力を失う、という最悪の展開。米国が財政出動をうちだせば金利が上昇。自民党有志が消費税を一時0%という案をもちだしても金利上昇。小さな、実現しそうにない案でも値動きが大きく、実際に対策をうちだしても失望される。では、巨額財政支出で景気下支え、で市場が納得するかといえば、そんなことをすれば新型コロナウィルス禍がさらに深刻となり、それもまた悲観を誘う可能性が高い。つまり中央銀行に余裕なく、政府が景気対策を打とうとすれば感染症を拡大を意識させ、国債増発懸念もあって市場が弱含む。これが現状です。
株式市場の下げ幅が過去最大、といったところで下げる前の水準が、リーマンショック前にはすでにサブプライムショックがあって、それほど高くなかった。今回は楽観、楽観でとにかく高くなっていたところからの急落で、大きくなったというだけです。幅も率もそれほど意味がない。問題は期間と、収束するタイミングで何が起きているか? です。その間は、悲観にふれることもあるでしょうし、楽観が支配することもある。ただその先に経済が低成長、もしくはリセッションとなるなら戻りは鈍い、ということになります。
注目は年金です。巨額の運用をするところほど、打撃が大きい。単純計算でGPIFは10兆円を大きく越える損を抱えます。累積ではプラス、黒字、というのは意味がない。3%リターンで100兆円の運用なら+3兆円、90兆円の運用なら+2.7兆円。つまり規模が変わると、実績も変わる。一度大きく減らしてしまうと、その後の運用リターンも大きく変わってくるのです。今回、外国株が円高、株安で大きく傷んでいるので、国内株の下支えもできない。運用割合を守るために、むしろ国内株の売り主体ともいえます。そして世界的に年金基金の痛みが明らかになってくると、さらに個人マインドを大きく冷やすでしょう。日本型将来不安からの消費手控え傾向、といった要因すら警戒するレベルまで、株価は大きく下がってしまっているのです。
中国が「(感染症の)ピークを過ぎた」といっても、再び景気を吹かせば、再拡大となるでしょう。中国株の下落は小さい、といっても事前に大きく下げていて、景気減速を織りこんでいたからで、あまり意味のない話です。日米は景気実態に関わらず、大きく上げていたから下げがきつい。実態を伴わないものは、仮面が剥落するときは脆い。それが今回はっきりしたこと。もう一つの教訓は、感染症は経済政策すら破綻させるほどの破壊力をもつ、ということです。極めて対策が打ちにくい。感染の拡大を防ぎたいなら景気を犠牲にしなければいけない。どのタイミングで景気対策を打てばいいのかも分からない。その順序、タイミングを間違えたらさらに景気を冷やす、という困難な現実を、まざまざとみせつけているのが、今回なのです。
だから政治が真の実力を試される、中央銀行もそうですが、そのときダメリーダーばかりなので、今のところ期待も抱けない、となります。来週はFOMC、日銀会合もありますが、期待値も低い。低いけれど、でてくる対策の規模だけは大きいものを望む、という極めて厄介な状況でもある。セリングクライマックスを期待する向きもありますが、今のAI取引でそういった事態が起こり得るのか? よくよく考えて、過去と今が対比できるのか? 過去に起こったことが今回も起こるのか? を考えておく必要もあります。「(下落の流れの)ピークを過ぎた」というのは、まだだいぶ先。今大切なことは、感染症というこれまでのと経済の教科書に載っていないことを、これからしばらくは実践していくことになる、と理解すること。その実践をするのがダメリーダーばかりである、と理解すること。「(政権支持率の)ピークを過ぎた」ことだけは、今判明しているいることなのでしょうね。
株式市場の下げ幅が過去最大、といったところで下げる前の水準が、リーマンショック前にはすでにサブプライムショックがあって、それほど高くなかった。今回は楽観、楽観でとにかく高くなっていたところからの急落で、大きくなったというだけです。幅も率もそれほど意味がない。問題は期間と、収束するタイミングで何が起きているか? です。その間は、悲観にふれることもあるでしょうし、楽観が支配することもある。ただその先に経済が低成長、もしくはリセッションとなるなら戻りは鈍い、ということになります。
注目は年金です。巨額の運用をするところほど、打撃が大きい。単純計算でGPIFは10兆円を大きく越える損を抱えます。累積ではプラス、黒字、というのは意味がない。3%リターンで100兆円の運用なら+3兆円、90兆円の運用なら+2.7兆円。つまり規模が変わると、実績も変わる。一度大きく減らしてしまうと、その後の運用リターンも大きく変わってくるのです。今回、外国株が円高、株安で大きく傷んでいるので、国内株の下支えもできない。運用割合を守るために、むしろ国内株の売り主体ともいえます。そして世界的に年金基金の痛みが明らかになってくると、さらに個人マインドを大きく冷やすでしょう。日本型将来不安からの消費手控え傾向、といった要因すら警戒するレベルまで、株価は大きく下がってしまっているのです。
中国が「(感染症の)ピークを過ぎた」といっても、再び景気を吹かせば、再拡大となるでしょう。中国株の下落は小さい、といっても事前に大きく下げていて、景気減速を織りこんでいたからで、あまり意味のない話です。日米は景気実態に関わらず、大きく上げていたから下げがきつい。実態を伴わないものは、仮面が剥落するときは脆い。それが今回はっきりしたこと。もう一つの教訓は、感染症は経済政策すら破綻させるほどの破壊力をもつ、ということです。極めて対策が打ちにくい。感染の拡大を防ぎたいなら景気を犠牲にしなければいけない。どのタイミングで景気対策を打てばいいのかも分からない。その順序、タイミングを間違えたらさらに景気を冷やす、という困難な現実を、まざまざとみせつけているのが、今回なのです。
だから政治が真の実力を試される、中央銀行もそうですが、そのときダメリーダーばかりなので、今のところ期待も抱けない、となります。来週はFOMC、日銀会合もありますが、期待値も低い。低いけれど、でてくる対策の規模だけは大きいものを望む、という極めて厄介な状況でもある。セリングクライマックスを期待する向きもありますが、今のAI取引でそういった事態が起こり得るのか? よくよく考えて、過去と今が対比できるのか? 過去に起こったことが今回も起こるのか? を考えておく必要もあります。「(下落の流れの)ピークを過ぎた」というのは、まだだいぶ先。今大切なことは、感染症というこれまでのと経済の教科書に載っていないことを、これからしばらくは実践していくことになる、と理解すること。その実践をするのがダメリーダーばかりである、と理解すること。「(政権支持率の)ピークを過ぎた」ことだけは、今判明しているいることなのでしょうね。
2020年03月11日
4月の緊急経済対策と、春の甲子園の中止
東日本大震災から9年、安倍政権は復興、復興といいますが、防潮堤が浸水被害をおこすなど、負の状況もみえてきた。双葉町の一部で非難区域解除といっても、元にもどるわけではありません。福島原発の廃炉措置でさえ道半ば、というか、計画遅れが目立ちます。汚染水の処理方法を決められないのなら、原発の使用済み燃料の処置でさえ、どうするのか決められないでしょう。廃炉をすれば高レベルに汚染された瓦礫もでるので、その処分場も必要です。その議論を恐れたのか、福島で汚染土を道路の敷設に再利用する案もでてきていますが、姑息すぎます。まず経産省と環境省の敷地内に汚染土をはこび、そこでしばらく置いても人体に影響がない、となれば再利用をすればよいのであり、いきなりどこかに「人体実験場になれ」という前に、まず自分たちが安全性を確認する、ぐらいの覚悟がないと誰も納得はしてくれないでしょう。
そんな中、森法相が唐突に「検察官はいわき市から国民、市民が非難していない中で真っ先に逃げた」と発言。後に撤回しています。黒川東京高検検事長の定年延長の具体的説明を求められてのものだけに、意図も不明です。原発事故時、自民は野党でヒマだったので、ネット情報でも仕入れていたのかもしれません。
トランプ大統領が給与税減税をふくむ景気対策をうちだしました。ただし、すでに行ったトランプ減税により歳入に1兆$の穴が開いており、すんなりこの要求が議会を通る見込みは、現時点でありません。貧困層や失業者への目くばせが先で、広範な減税措置はその後。そもそも今回難しいのは、対策を打つ時期を間違えると感染を拡大させ、さらに景気を冷やす。この対策が議会を通過して、実施されるのが半年後だとすると、そのタイミングで感染が止まっている可能性もありますが、そうなると大統領選には間に合いません。
安倍首相が4月にも緊急の景気対策を打つ、としますが、補正予算、予算編成とつづく国会で何度もそれを変更するタイミングがありながら、4月に後ずれさせる。しかも対策次第では感染拡大も覚悟しないといけません。ただ政府がこのタイミングでうちだす意図は、『もう五輪に期待できない』ということなのでしょう。日本だと議会を通さずに打てる景気対策もあります。規模は小さくなりますが、その効果がでるのは早くて3ヶ月後、ずばり五輪開会のときです。五輪が延期、若しくは中止になったときのインパクトを和らげるためにも、景気対策を打つしかない。欧米にも拡大して今後、ピークを迎える以上、五輪は諦めるしかありません。
そもそももし日本で感染が抑制できても、五輪で大量の人間が流入してくるのに、今の検査体制では対応しきれませんし、病床の問題もある。指定感染症なので指定医療機関でないと対応できず、大量発生は致命的です。国内事情からも五輪は開くどころでない。ただ一部の利権者が、未練を捨てきれずにのたうち回るので明確にはうちだせませんが、実際にはもう不可能です。その事情を反映したのが選抜甲子園の中止にも現れます。
春の選抜が開催できたのに、五輪はできないのか? との指摘を回避するため、圧力をかけて潰したことが想像される。国民に、何となくそんな大きな大会の開催は難しいんだよ、と印象づけたのです。どちらか一方だけ開催しても遺恨がのこる。高校球児を泣かせても、五輪も開けないなら…と納得させる効果がある。ただそうなると、夏の甲子園ですら開催できるかどうか不明。その前に、自粛要請がつづくのであれば予選すら開けません。高校生のスポーツの機会すら奪ってしまう、といったことが今回の一連の動きには含まれるのでしょう。安倍政権が水際対策に失敗したツケを、国民全体で払っていくことになる。その代償に、国民が支払った税金からその一部を返す、といった緊急経済対策をだされても、国民はすっきりできないのでしょうね。
そんな中、森法相が唐突に「検察官はいわき市から国民、市民が非難していない中で真っ先に逃げた」と発言。後に撤回しています。黒川東京高検検事長の定年延長の具体的説明を求められてのものだけに、意図も不明です。原発事故時、自民は野党でヒマだったので、ネット情報でも仕入れていたのかもしれません。
トランプ大統領が給与税減税をふくむ景気対策をうちだしました。ただし、すでに行ったトランプ減税により歳入に1兆$の穴が開いており、すんなりこの要求が議会を通る見込みは、現時点でありません。貧困層や失業者への目くばせが先で、広範な減税措置はその後。そもそも今回難しいのは、対策を打つ時期を間違えると感染を拡大させ、さらに景気を冷やす。この対策が議会を通過して、実施されるのが半年後だとすると、そのタイミングで感染が止まっている可能性もありますが、そうなると大統領選には間に合いません。
安倍首相が4月にも緊急の景気対策を打つ、としますが、補正予算、予算編成とつづく国会で何度もそれを変更するタイミングがありながら、4月に後ずれさせる。しかも対策次第では感染拡大も覚悟しないといけません。ただ政府がこのタイミングでうちだす意図は、『もう五輪に期待できない』ということなのでしょう。日本だと議会を通さずに打てる景気対策もあります。規模は小さくなりますが、その効果がでるのは早くて3ヶ月後、ずばり五輪開会のときです。五輪が延期、若しくは中止になったときのインパクトを和らげるためにも、景気対策を打つしかない。欧米にも拡大して今後、ピークを迎える以上、五輪は諦めるしかありません。
そもそももし日本で感染が抑制できても、五輪で大量の人間が流入してくるのに、今の検査体制では対応しきれませんし、病床の問題もある。指定感染症なので指定医療機関でないと対応できず、大量発生は致命的です。国内事情からも五輪は開くどころでない。ただ一部の利権者が、未練を捨てきれずにのたうち回るので明確にはうちだせませんが、実際にはもう不可能です。その事情を反映したのが選抜甲子園の中止にも現れます。
春の選抜が開催できたのに、五輪はできないのか? との指摘を回避するため、圧力をかけて潰したことが想像される。国民に、何となくそんな大きな大会の開催は難しいんだよ、と印象づけたのです。どちらか一方だけ開催しても遺恨がのこる。高校球児を泣かせても、五輪も開けないなら…と納得させる効果がある。ただそうなると、夏の甲子園ですら開催できるかどうか不明。その前に、自粛要請がつづくのであれば予選すら開けません。高校生のスポーツの機会すら奪ってしまう、といったことが今回の一連の動きには含まれるのでしょう。安倍政権が水際対策に失敗したツケを、国民全体で払っていくことになる。その代償に、国民が支払った税金からその一部を返す、といった緊急経済対策をだされても、国民はすっきりできないのでしょうね。
2020年03月10日
感染症と信用不安と
水際対策に失敗し、瀬戸際とされた1〜2週間を過ぎ、安倍首相は「正念場」といいだしました。専門家会議は「もちこたえている」としましたが、だとしたらもっと厳しい体制をとらないと、収束はみえないことになります。しかも影響は「半年、年を超えるかも…」とするので、正念場がそれだけ続いたら景気はガタガタです。「10日程度は(イベント自粛など)継続を…」としますが、それだけ我慢したとて、その後に再開できるかどうか不明。それこそ半年かかったら、中小零細のイベント関連会社はバタバタ潰れるでしょう。
安倍氏は「325人は回復」と述べ、治る病気だとアピールしましたが、欧米や中東では致死率が上がっているように感じられ、凶暴化しているのか、もしくはアジア系だと軽症で済むのか、まだよく分かりません。そもそも1日のPCR検査の数が900件だと、都道府県単位では1つの県で20人ほど。その数では全数を調べていないことは確実で、日本はずっと全体像がみえないまま、今に至っています。海外からも批判され、入国制限を課されているように、安倍政権の信用はもはやガタガタ、いや、日本の信用がガタガタとなっているのです。
今日の日本株は切り返しました。ただ多くの市場関係者も語らないのは、まだ信用市場が崩壊するとの不安だけでここまで下がったのであり、崩壊はしていない。実際に崩壊したときは、もっと市場は下げることになります。つまり今は、過剰流動性相場の『過剰』部分が剥落したことで今の水準まで下がっただけなのです。何百兆円が吹き飛んだ、とするように『過剰』の部分が消失しましたが、まだ流動性相場がつづいています。
米国が壊れるのは、ジャンク債市場からなのか、サブプライムショック前以上に膨らんだ家計債務からなのか、は分かりません。ただ米国が壊れたら、流動性すら止まります。そんな中、トランプ大統領が減税をふくむ景気対策を議会と協議、と伝わり、市場はもどしましたが、SQ週の水曜日で値幅がでやすいところに、日系がロールオーバーで売りを少なく、買いを多くして下支えした。そうせざるを得ない事情もありました。
黒田日銀総裁が国会で、購入したETFの損益分岐点は「19500円程度」としました。それ以下になったら日銀は損を抱え、引当金の取り崩しモードに入ります。それを過ぎると、日銀が損失を抱える形となり、信用を毀損する可能性がでてくる。すぐに起きるものではありませんが、日銀の経営不安を引き起こさないためにも、株価維持が条件となってきて、日系も支えざるを得ません。しかし外国人投資家が7割、とされる日本株市場で日系の下支えがいつまで利くかも分からない。日本の株式市場が罹っている病は、かなり深刻です。
安倍政権から、感染症対策の第二弾も発表されましたが、相変わらず中途半端です。感染を止めたいなら徹底的に、景気のことを考えるなら「罹っても治る」と安倍政権が言い張るのであれば「要請」などやめて、自由に活動させた方がいい。どっちつかずで長期化するのが最悪なのです。そんな最悪なことをしているから、一時19000円割れも試す水準まで株式も下落した、ということです。ダウが史上最大の下げ幅、という逆風もありますが、今日のもどした要因も米国発。日本は何もできない、何の影響も与えない、無為無策のまま株価崩落を放置している状況となってしまった。水際、瀬戸際で失敗し、日本を今わの際に追いこんでいる安倍政権の信用はすでに失墜しており、安倍政権は正念場どころか、土壇場に追い詰められてきたのでしょうね。
安倍氏は「325人は回復」と述べ、治る病気だとアピールしましたが、欧米や中東では致死率が上がっているように感じられ、凶暴化しているのか、もしくはアジア系だと軽症で済むのか、まだよく分かりません。そもそも1日のPCR検査の数が900件だと、都道府県単位では1つの県で20人ほど。その数では全数を調べていないことは確実で、日本はずっと全体像がみえないまま、今に至っています。海外からも批判され、入国制限を課されているように、安倍政権の信用はもはやガタガタ、いや、日本の信用がガタガタとなっているのです。
今日の日本株は切り返しました。ただ多くの市場関係者も語らないのは、まだ信用市場が崩壊するとの不安だけでここまで下がったのであり、崩壊はしていない。実際に崩壊したときは、もっと市場は下げることになります。つまり今は、過剰流動性相場の『過剰』部分が剥落したことで今の水準まで下がっただけなのです。何百兆円が吹き飛んだ、とするように『過剰』の部分が消失しましたが、まだ流動性相場がつづいています。
米国が壊れるのは、ジャンク債市場からなのか、サブプライムショック前以上に膨らんだ家計債務からなのか、は分かりません。ただ米国が壊れたら、流動性すら止まります。そんな中、トランプ大統領が減税をふくむ景気対策を議会と協議、と伝わり、市場はもどしましたが、SQ週の水曜日で値幅がでやすいところに、日系がロールオーバーで売りを少なく、買いを多くして下支えした。そうせざるを得ない事情もありました。
黒田日銀総裁が国会で、購入したETFの損益分岐点は「19500円程度」としました。それ以下になったら日銀は損を抱え、引当金の取り崩しモードに入ります。それを過ぎると、日銀が損失を抱える形となり、信用を毀損する可能性がでてくる。すぐに起きるものではありませんが、日銀の経営不安を引き起こさないためにも、株価維持が条件となってきて、日系も支えざるを得ません。しかし外国人投資家が7割、とされる日本株市場で日系の下支えがいつまで利くかも分からない。日本の株式市場が罹っている病は、かなり深刻です。
安倍政権から、感染症対策の第二弾も発表されましたが、相変わらず中途半端です。感染を止めたいなら徹底的に、景気のことを考えるなら「罹っても治る」と安倍政権が言い張るのであれば「要請」などやめて、自由に活動させた方がいい。どっちつかずで長期化するのが最悪なのです。そんな最悪なことをしているから、一時19000円割れも試す水準まで株式も下落した、ということです。ダウが史上最大の下げ幅、という逆風もありますが、今日のもどした要因も米国発。日本は何もできない、何の影響も与えない、無為無策のまま株価崩落を放置している状況となってしまった。水際、瀬戸際で失敗し、日本を今わの際に追いこんでいる安倍政権の信用はすでに失墜しており、安倍政権は正念場どころか、土壇場に追い詰められてきたのでしょうね。
2020年03月09日
世界経済の大混乱
日本の株式市場が急落です。きっかけは露国がOPECプラスの減産合意を拒否、サウジが増産との報道で原油市場が大混乱。米国のハイイールド債市場はシェールオイル関連企業が多く、そこから信用不安が起きる、との懸念が広がったことです。露国は米国による制裁から、ずっとこのタイミングを狙っていました。自分たちが減産すると、米シェールオイルが増産してその穴を埋める。コストの高いシェールオイルは、価格が下がればすぐに破綻するはずで、米国が国内消費のみならず、輸出をはじめたことでパイを奪われる、との危機感がありました。しかし自分たちだけが動いて米国に敵対するのはよろしくない。サウジを巻きこんで減産合意を破棄するタイミング、露国としては千載一遇のチャンスを得たのです。
サウジにとっては、原油相場の下落で国営サウジアラムコの公開価格割れ、という以上に政府系ファンド(PIF)が、このところの世界的な株価下落でダメージを負った点が大きい。今日、日本のソフトバンク(SBG)株が大きく売られたように、ビジョンファンド(SVF)もサウジなどの産油国からの出資が多くて、資金引き上げ懸念がでてきたためです。サウジが焦って資金回収に動けば、さらにダメージが広がってSBGも困ったことになります。いみじくもレバノンが今日デフォルトし、出稼ぎの還流中心で産油国でないレバノンと言えど、中東でおきている危機について意識された。米国のご機嫌とりばかりでは、サウジも生き残れない。シェールオイル企業を潰す、そうすれば一時的には原油安で苦しくなっても、市場が回復するときにはコストの低い自分たちが生き残り、シェアを回復することができます。露国がサウジと手をにぎってシェールオイル潰しをはかり、投資ではなく原油からの収益回復をはかったタイミングが、今日です。
通常、こういうときは巨大資本が中小のシェールオイル企業を買収、巨大産業が出来上がりますが、今回そうならないのは世界的にみてコスト面で不利だから。サウジの協力がないと成り立たないことが自明だから、です。世界経済が減速し、需要が減退するのにシェールオイルは増産をつづける。経営が危ないからですが、サウジが反発すれば崩壊する、危うい産業がシェールオイルだった、ということになります。
10-12月期GDP改定値は、前期比-7.1%に悪化。2月景気ウォッチャー調査は現状判断DIが27.4と、14.5pt悪化。先行き判断DIが24.6と、17.2pt悪化。今日、安倍首相は国会で感染症について「歴史的緊急事態」に指定する方針を示しました。しかしこの景気悪化も「歴史的緊急事態」です。前回の増税時、駆け込み需要の反動減からの7.4%減ならまだしも、前期がほぼゼロ成長の後で7.1%も悪化するのは、異常事態と呼べるものです。
米国の自国第一主義が、回り回って米国のシェールオイルを潰すかもしれない。トルコが移民政策でEUに圧力をかけるのもそう、自国の利を追及する考え方が、世界を大混乱に陥れ始めたといえ、米国発のこちらのウィルスが世界経済をさらに悪化させているのです。日本だけでも時価総額が120兆円ふきとび、1年間の一般会計より大きい金額が失われました。そしてまだまだ株価が下落し、より大きな金額が失われるかもしれない。財務省・金融庁・日銀の三者会合の口先介入でも下げ止まらないのは、どこも余力がないと見透かされているからです。逆に、動けば米国の制裁対象となりかねず、日本は米国の自国第一主義に委縮している、とみなされる点も大きいのでしょう。経済的な「歴史的緊急事態」、それを起こしてしまった安倍政権の責任。通常時に、緊急時のような政策を打った安倍ノミクス、その失敗のツケはこんな政権を7年も存続させた国民が支払うことになるのであり、歴史的な記録とその考察が必要なことだけは確かなのでしょうね。
サウジにとっては、原油相場の下落で国営サウジアラムコの公開価格割れ、という以上に政府系ファンド(PIF)が、このところの世界的な株価下落でダメージを負った点が大きい。今日、日本のソフトバンク(SBG)株が大きく売られたように、ビジョンファンド(SVF)もサウジなどの産油国からの出資が多くて、資金引き上げ懸念がでてきたためです。サウジが焦って資金回収に動けば、さらにダメージが広がってSBGも困ったことになります。いみじくもレバノンが今日デフォルトし、出稼ぎの還流中心で産油国でないレバノンと言えど、中東でおきている危機について意識された。米国のご機嫌とりばかりでは、サウジも生き残れない。シェールオイル企業を潰す、そうすれば一時的には原油安で苦しくなっても、市場が回復するときにはコストの低い自分たちが生き残り、シェアを回復することができます。露国がサウジと手をにぎってシェールオイル潰しをはかり、投資ではなく原油からの収益回復をはかったタイミングが、今日です。
通常、こういうときは巨大資本が中小のシェールオイル企業を買収、巨大産業が出来上がりますが、今回そうならないのは世界的にみてコスト面で不利だから。サウジの協力がないと成り立たないことが自明だから、です。世界経済が減速し、需要が減退するのにシェールオイルは増産をつづける。経営が危ないからですが、サウジが反発すれば崩壊する、危うい産業がシェールオイルだった、ということになります。
10-12月期GDP改定値は、前期比-7.1%に悪化。2月景気ウォッチャー調査は現状判断DIが27.4と、14.5pt悪化。先行き判断DIが24.6と、17.2pt悪化。今日、安倍首相は国会で感染症について「歴史的緊急事態」に指定する方針を示しました。しかしこの景気悪化も「歴史的緊急事態」です。前回の増税時、駆け込み需要の反動減からの7.4%減ならまだしも、前期がほぼゼロ成長の後で7.1%も悪化するのは、異常事態と呼べるものです。
米国の自国第一主義が、回り回って米国のシェールオイルを潰すかもしれない。トルコが移民政策でEUに圧力をかけるのもそう、自国の利を追及する考え方が、世界を大混乱に陥れ始めたといえ、米国発のこちらのウィルスが世界経済をさらに悪化させているのです。日本だけでも時価総額が120兆円ふきとび、1年間の一般会計より大きい金額が失われました。そしてまだまだ株価が下落し、より大きな金額が失われるかもしれない。財務省・金融庁・日銀の三者会合の口先介入でも下げ止まらないのは、どこも余力がないと見透かされているからです。逆に、動けば米国の制裁対象となりかねず、日本は米国の自国第一主義に委縮している、とみなされる点も大きいのでしょう。経済的な「歴史的緊急事態」、それを起こしてしまった安倍政権の責任。通常時に、緊急時のような政策を打った安倍ノミクス、その失敗のツケはこんな政権を7年も存続させた国民が支払うことになるのであり、歴史的な記録とその考察が必要なことだけは確かなのでしょうね。
2020年03月08日
雑感。危機を煽るとは?
2月25日に新型コロナウィルス感染症対策本部が「ここ1、2週間が極めて重要」として、山場としてから今週の10日でその2週間となります。山場どころか、日本の感染症対策は道半ば、まだ五合目にも達していない印象です。やっと中韓の渡航制限が明日から。経済対策をふくめた2700億円の全体がでてくるのは10日以降、政治の対策の方もまだまだ序の口です。間違いなく山場はこれから数ヶ月先、となるのでしょう。
最近、メディアの報道に「危機を煽るな」という意見があります。危険性を殊更に主張し、手を洗う、うがいをする、といった対策しかしないからです。もう一つ、安倍首相が一斉休校にしたのは、国民の危機意識を喚起するため、という意見もある。メディアは危機を煽ったらダメで、政府ならよいのか? むしろ政府が煽るからメディアもそうしているのでは? と感じます。今のメディアなら、政府が規制をかけたらすぐに他愛もない情報で、時間を埋めるでしょう。そもそも日本が陥っている経済危機に関する報道は、まだほとんど報じられません。2四半期連続のマイナス成長、景気後退が与えるインパクトは、インバウンド消費の消失、消費が蒸発したというばかりでない、未曽有の危機を日本に与えるものです。
今、参院で審議中の予算案は、来年の成長率を高くみこみ、税収も増えるが前提です。しかし感染症の影響で成長率は低下、五輪もなくなるかもしれない。そうなったときは数兆円、下手をすれば十兆円以上の欠損を生じるかもしれません。今をリーマンショック級と例える人もいますが、リーマンショック級の出来事が起こるのは、これから。要するに、信用不安が直撃するのはまだ先です。当時もサブプライムショックの発生から、半年以上経ってのリーマンショックです。今回も、コロナショックの発生からまだ数ヶ月。信用不安がでるのは早ければ春、遅くなると秋。そのころに経済危機に直結する何かがでてくることになります。
その前にコロナショックが収束し、解決に向かえば吉。焦って日銀が利下げなどして、中小金融機関がバタバタ倒れだすと、まるで米国のサブプライムショックを綺麗になぞるような出来事が、日本で発生する。次の危機を発生するのは、日本かもしれない。成長率の急落、圧倒的なまでの経済鈍化、すでに始まっている金融機関の経営不安、ハイイールド債投資などのリスク投資の拡大。日本が信用不安を起こす要因は、それこそ山のように転がっているのです。その危機について正しく報じるところがないのも、処方箋がないから。できれば起こって欲しくないから、であって、こんなことを大手紙が報じたらバッシングの嵐でしょう。
しかし現実に起こる危機。可能性の高い危機になってきました。コロナショックは、今が山場どころか世界中に拡散、世界景気の鈍化もすすみます。間違いなく、このコロナショックが半年に達したら危険水準と思ってよいでしょう。それまで「危機を煽るな」といって報道を控えるのか、それとも気づかないふりを決めこむのか? しかし政治は、間違いなく見て見ぬふりを決めこむのでしょう。対策を打とうとすれば危機がバレるから。今もそうであるように、感染拡大の山場と言っていたものが、いつの間にか長期戦となり、こっそりとそちらの対策に移行するように、です。
危機とは一体何なのか? 知らず知らずのうちに迫っているもの、気づかぬうちにそれが身に及ぶもの、それが危機です。それが起こる、起こりそうだと分かっていることなら、対策をとらなかったことが問題視されるだけです。感染症も、誰にでも起こりそうだから、それをメディアが報じるのは「危機を煽る」ことにならないのでしょう。起こりそうだけれど、それを報じないことで身構える暇もなく訪れるもの。これからはそういったものに警戒する、そんなタイミングが近づきつつあるのであり、山場は先、日本は夏に何がおこるかをじっくりとみておく必要があるのでしょうね。
最近、メディアの報道に「危機を煽るな」という意見があります。危険性を殊更に主張し、手を洗う、うがいをする、といった対策しかしないからです。もう一つ、安倍首相が一斉休校にしたのは、国民の危機意識を喚起するため、という意見もある。メディアは危機を煽ったらダメで、政府ならよいのか? むしろ政府が煽るからメディアもそうしているのでは? と感じます。今のメディアなら、政府が規制をかけたらすぐに他愛もない情報で、時間を埋めるでしょう。そもそも日本が陥っている経済危機に関する報道は、まだほとんど報じられません。2四半期連続のマイナス成長、景気後退が与えるインパクトは、インバウンド消費の消失、消費が蒸発したというばかりでない、未曽有の危機を日本に与えるものです。
今、参院で審議中の予算案は、来年の成長率を高くみこみ、税収も増えるが前提です。しかし感染症の影響で成長率は低下、五輪もなくなるかもしれない。そうなったときは数兆円、下手をすれば十兆円以上の欠損を生じるかもしれません。今をリーマンショック級と例える人もいますが、リーマンショック級の出来事が起こるのは、これから。要するに、信用不安が直撃するのはまだ先です。当時もサブプライムショックの発生から、半年以上経ってのリーマンショックです。今回も、コロナショックの発生からまだ数ヶ月。信用不安がでるのは早ければ春、遅くなると秋。そのころに経済危機に直結する何かがでてくることになります。
その前にコロナショックが収束し、解決に向かえば吉。焦って日銀が利下げなどして、中小金融機関がバタバタ倒れだすと、まるで米国のサブプライムショックを綺麗になぞるような出来事が、日本で発生する。次の危機を発生するのは、日本かもしれない。成長率の急落、圧倒的なまでの経済鈍化、すでに始まっている金融機関の経営不安、ハイイールド債投資などのリスク投資の拡大。日本が信用不安を起こす要因は、それこそ山のように転がっているのです。その危機について正しく報じるところがないのも、処方箋がないから。できれば起こって欲しくないから、であって、こんなことを大手紙が報じたらバッシングの嵐でしょう。
しかし現実に起こる危機。可能性の高い危機になってきました。コロナショックは、今が山場どころか世界中に拡散、世界景気の鈍化もすすみます。間違いなく、このコロナショックが半年に達したら危険水準と思ってよいでしょう。それまで「危機を煽るな」といって報道を控えるのか、それとも気づかないふりを決めこむのか? しかし政治は、間違いなく見て見ぬふりを決めこむのでしょう。対策を打とうとすれば危機がバレるから。今もそうであるように、感染拡大の山場と言っていたものが、いつの間にか長期戦となり、こっそりとそちらの対策に移行するように、です。
危機とは一体何なのか? 知らず知らずのうちに迫っているもの、気づかぬうちにそれが身に及ぶもの、それが危機です。それが起こる、起こりそうだと分かっていることなら、対策をとらなかったことが問題視されるだけです。感染症も、誰にでも起こりそうだから、それをメディアが報じるのは「危機を煽る」ことにならないのでしょう。起こりそうだけれど、それを報じないことで身構える暇もなく訪れるもの。これからはそういったものに警戒する、そんなタイミングが近づきつつあるのであり、山場は先、日本は夏に何がおこるかをじっくりとみておく必要があるのでしょうね。
2020年03月07日
雑感。企業の動きと景気と安倍政権
安倍首相が新型コロナウィルス感染症対策本部会合で、影響をうけた中小企業に「実質無利子、無担保で融資」「一斉休校に伴う学童保育や学校教室の活用などの取り組みで、全額国費支援」と発言しました。まず企業に対しては「融資」なので、返済義務があります。この影響が1年つづけば、その間の損失を返すことさえ困難となるでしょう。借りられる間は存続できても、通常営業にもどれば倍の稼ぎがないと厳しい。世界経済の落ちこみは業績回復を遅らせる要因ともなり、返済が前提では非常に使い勝手が悪いといえます。
学童保育や教室の活用、IT授業などの費用にしても、一体どこまで面倒みるのか? それだけの予算があるのか? 10日前後とされる対策で、どれだけの規模になるのか? すでに各国では数兆円規模の対策がうちだされる中、これも日本は後手後手であり、すでにこれだけ経済的落ち込みが顕著な中で、遅れた分のまともな対策がでてくるのか? ただこの発言を見る限り、その期待値はかなり下がってしまうと言えそうです。
ここ最近の企業の動きについて、まとめて語りたいと思います。ソフトバンクが5Gの利用はプラス千円と打ち出しました。ただ5G提供エリアは少なく、また現行端末は5Gの能力を使い切っていない、とされる。お試しにしろ、2年間の制限つきで、2年後でさえまともにエリア提供される保証もありません。楽天が2980円で無制限、といった報道も、楽天回線だけの話で拍子抜けしたように、通信事業のやる気のなさが気がかりです。
同じことはトヨタのサブスク、KINTOにも言えます。金額を若干下げて、CMで「なくもない」と後退した発言になったのも、まったく広がっていないから。そもそもサブスクなのに、新車からの価値の低下まで利用者に負担させる、サブスクのメリットがありません。ホンダは中古車のサブスクを打ち上げましたが、レンタカーと比べて割安感を打ち出せるのか? 駐車場の確保まで必要なため、車のサブスクは難しい。さらに、ここ最近のガソリン価格の動向をみても、車の保有に前向きになれる人も少ないでしょう。米WTI価格は1バレル40$割れも見えてきましたが、かつてならガソリン価格はリッター120円を割ったでしょう。安いイラン産原油が入ってこず、高い米産シェールオイルを輸入することになっているから、価格が下がりにくい。自動車産業への逆風、KINTOは豊田社長の肝入りともされますが、筋斗雲に乗る気分には当分なれそうもありません。
安倍政権のうちだす対策は、あくまで中小企業向け。しかし世界経済が減速すれば、自動車販売が落ちこむことはすでに中国をみても明らか。下請けの中小企業がダメージをうけるのは確実です。5G通信とて、基地局設置の速度を落とさざるを得なくなる。コンテンツがないのに焦る必要もないからで、経済が好調との前提ですすむ予定は見直しも必要でしょう。そうなると半導体や電設などにも影響がでてくる。今回、影響という点では一体どれぐらいに広がるか、まだ予断を許さないのです。安倍氏が人気とりのために「国が全て…」や「全額…」など、ほいほい言ってしまう点には、もう不安しか感じません。安倍政権はこれまでも『今を充足させて未来を壊す』ことをしてきました。ここ最近、焦っているのか急にうちだす策がすべて裏目、今回の中小支援や一斉休校支援も、金額がでてきたら急に言っていることが変わる、となりそうです。予算案編成中にだす景気対策、規模と中身を同時に充足させなければ、むしろ景気不安を加速させそうですが、筋斗雲どころか如意棒すらもたない安倍政権では、伸ばすものは何もないので墜落するばかりとなるのでしょうね。
学童保育や教室の活用、IT授業などの費用にしても、一体どこまで面倒みるのか? それだけの予算があるのか? 10日前後とされる対策で、どれだけの規模になるのか? すでに各国では数兆円規模の対策がうちだされる中、これも日本は後手後手であり、すでにこれだけ経済的落ち込みが顕著な中で、遅れた分のまともな対策がでてくるのか? ただこの発言を見る限り、その期待値はかなり下がってしまうと言えそうです。
ここ最近の企業の動きについて、まとめて語りたいと思います。ソフトバンクが5Gの利用はプラス千円と打ち出しました。ただ5G提供エリアは少なく、また現行端末は5Gの能力を使い切っていない、とされる。お試しにしろ、2年間の制限つきで、2年後でさえまともにエリア提供される保証もありません。楽天が2980円で無制限、といった報道も、楽天回線だけの話で拍子抜けしたように、通信事業のやる気のなさが気がかりです。
同じことはトヨタのサブスク、KINTOにも言えます。金額を若干下げて、CMで「なくもない」と後退した発言になったのも、まったく広がっていないから。そもそもサブスクなのに、新車からの価値の低下まで利用者に負担させる、サブスクのメリットがありません。ホンダは中古車のサブスクを打ち上げましたが、レンタカーと比べて割安感を打ち出せるのか? 駐車場の確保まで必要なため、車のサブスクは難しい。さらに、ここ最近のガソリン価格の動向をみても、車の保有に前向きになれる人も少ないでしょう。米WTI価格は1バレル40$割れも見えてきましたが、かつてならガソリン価格はリッター120円を割ったでしょう。安いイラン産原油が入ってこず、高い米産シェールオイルを輸入することになっているから、価格が下がりにくい。自動車産業への逆風、KINTOは豊田社長の肝入りともされますが、筋斗雲に乗る気分には当分なれそうもありません。
安倍政権のうちだす対策は、あくまで中小企業向け。しかし世界経済が減速すれば、自動車販売が落ちこむことはすでに中国をみても明らか。下請けの中小企業がダメージをうけるのは確実です。5G通信とて、基地局設置の速度を落とさざるを得なくなる。コンテンツがないのに焦る必要もないからで、経済が好調との前提ですすむ予定は見直しも必要でしょう。そうなると半導体や電設などにも影響がでてくる。今回、影響という点では一体どれぐらいに広がるか、まだ予断を許さないのです。安倍氏が人気とりのために「国が全て…」や「全額…」など、ほいほい言ってしまう点には、もう不安しか感じません。安倍政権はこれまでも『今を充足させて未来を壊す』ことをしてきました。ここ最近、焦っているのか急にうちだす策がすべて裏目、今回の中小支援や一斉休校支援も、金額がでてきたら急に言っていることが変わる、となりそうです。予算案編成中にだす景気対策、規模と中身を同時に充足させなければ、むしろ景気不安を加速させそうですが、筋斗雲どころか如意棒すらもたない安倍政権では、伸ばすものは何もないので墜落するばかりとなるのでしょうね。
2020年03月05日
雑感。FRBの動きと日銀と
NHKが新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正案について、『緊急事態宣言法』と報じました。しかし現行法でも32条で緊急事態宣言はだせるので、NHKのこの報じ方は明らかにおかしい。犬HKの面目躍如といったところ。公明からは「今さら現行法で適用できます、では対策遅れを説明できず、安倍首相の面目丸潰れだから改正する」との声も聞こえてくる。いずれにしろ、この改正案はろくでもない、噴飯ものです。
気になるのは、病理解剖などの所見からこの新型コロナウィルス感染症は腎臓、肝臓ばかりでなく、脳にまで入りこむとされます。脳に入られたら抗体が届かない。再発の原因はその辺りにもあるかもしれません。脳細胞も増殖することが分かっており、脳内で増殖、体にもどって免疫が弱まると再発、との経路もみえてくるからです。まだ断定はできませんが、やっと中韓の入国制限をうちだし、緊急事態宣言に向けた準備をはじめたとはいえ、イランは? 欧米でも感染が広がっており、遅きに失した上に、相変わらず中途半端です。
米FRBが臨時会合を開き、政策金利を0.5%下げました。未だに「金利を下げると企業が資金を調達しやすくなる…」と語る人もいますが、低すぎる金利はリスクのとり難さにつながり、金融機関は貸さなくなる。つまり貸し難くなる、が上回って資金需要が満たされることはありません。では、この利下げの理由は? というとドル調達をし易くさせ、ドル不足による不意のクラッシュを防ぐため、との見方がでています。
日本でも、金融庁や日銀が感染症やインバウンド需要の喪失で苦境の企業の資金需要を満たすよう、地銀に要請する方針と伝わります。しかしその地銀は低金利で経営体力を落としており、その要請に応えられる状況にありません。すでにマイナス金利に突入しており、金利を下げるとさらに金融機関は体力を削る。結局、リスクをとるには保証が必要で、日銀や政府がそれをつけられるかどうか、がカギになります。オペでも札割れを起こしており、決して金融機関にお金がないわけではない。でも保証がないと貸せない。なぜなら、これから世界で起きるのは信用不安、それを先んじて毀損するわけにはいかないからで、金融機関もキャッシュを保有しておく必要性がある。感染を恐れて家からでないことを『巣ごもり』などともされますが、お金も巣ごもり状態になりつつあり、だからFRBも緊急利下げで緩和せざるを得なくなったのです。
米株はFRBの利下げでも下落、昨晩はバイデン躍進で急騰しましたが、落ち着きどころを失っているのも、次に世界で何が起きるかを誰も想像できていないから。どの水準が均衡かが分からないからです。それは日本株も同じ、PBR1倍割れが下支え、という人もいますが、過去何度もその水準は割れています。PERやBPSにしろ、どこまで落ちるか分からない。誰も水準感をつかみきれていないうちは乱高下がつづきます。
日本の問題は、年金2000万円不足問題で多くの一般人が運用の必要性を感じた後で、相場が急落する事態に直面したこと。相場下落で、総投資家ともされる米国人のダメージは計り知れませんが、日本はそれ以上にバブル崩壊後の痛手を想起させ、ますます投資家を委縮させることになるかもしれません。それは安倍政権が推進した、個人を投資に誘導しようとする仕組み、例えばNISAなども政策の失敗とみなされる可能性が高い、ということになります。『巣ごもり』を始めたお金、金融政策では動かせない今、それこそ緊急事態宣言でもだしたい…むしろ『金給付したい宣言』でもだして、無理やり金融機関にお金を押し付けて、市場に回すということぐらいしないと、マインド面の好転は難しくなってきたのかもしれませんね。
気になるのは、病理解剖などの所見からこの新型コロナウィルス感染症は腎臓、肝臓ばかりでなく、脳にまで入りこむとされます。脳に入られたら抗体が届かない。再発の原因はその辺りにもあるかもしれません。脳細胞も増殖することが分かっており、脳内で増殖、体にもどって免疫が弱まると再発、との経路もみえてくるからです。まだ断定はできませんが、やっと中韓の入国制限をうちだし、緊急事態宣言に向けた準備をはじめたとはいえ、イランは? 欧米でも感染が広がっており、遅きに失した上に、相変わらず中途半端です。
米FRBが臨時会合を開き、政策金利を0.5%下げました。未だに「金利を下げると企業が資金を調達しやすくなる…」と語る人もいますが、低すぎる金利はリスクのとり難さにつながり、金融機関は貸さなくなる。つまり貸し難くなる、が上回って資金需要が満たされることはありません。では、この利下げの理由は? というとドル調達をし易くさせ、ドル不足による不意のクラッシュを防ぐため、との見方がでています。
日本でも、金融庁や日銀が感染症やインバウンド需要の喪失で苦境の企業の資金需要を満たすよう、地銀に要請する方針と伝わります。しかしその地銀は低金利で経営体力を落としており、その要請に応えられる状況にありません。すでにマイナス金利に突入しており、金利を下げるとさらに金融機関は体力を削る。結局、リスクをとるには保証が必要で、日銀や政府がそれをつけられるかどうか、がカギになります。オペでも札割れを起こしており、決して金融機関にお金がないわけではない。でも保証がないと貸せない。なぜなら、これから世界で起きるのは信用不安、それを先んじて毀損するわけにはいかないからで、金融機関もキャッシュを保有しておく必要性がある。感染を恐れて家からでないことを『巣ごもり』などともされますが、お金も巣ごもり状態になりつつあり、だからFRBも緊急利下げで緩和せざるを得なくなったのです。
米株はFRBの利下げでも下落、昨晩はバイデン躍進で急騰しましたが、落ち着きどころを失っているのも、次に世界で何が起きるかを誰も想像できていないから。どの水準が均衡かが分からないからです。それは日本株も同じ、PBR1倍割れが下支え、という人もいますが、過去何度もその水準は割れています。PERやBPSにしろ、どこまで落ちるか分からない。誰も水準感をつかみきれていないうちは乱高下がつづきます。
日本の問題は、年金2000万円不足問題で多くの一般人が運用の必要性を感じた後で、相場が急落する事態に直面したこと。相場下落で、総投資家ともされる米国人のダメージは計り知れませんが、日本はそれ以上にバブル崩壊後の痛手を想起させ、ますます投資家を委縮させることになるかもしれません。それは安倍政権が推進した、個人を投資に誘導しようとする仕組み、例えばNISAなども政策の失敗とみなされる可能性が高い、ということになります。『巣ごもり』を始めたお金、金融政策では動かせない今、それこそ緊急事態宣言でもだしたい…むしろ『金給付したい宣言』でもだして、無理やり金融機関にお金を押し付けて、市場に回すということぐらいしないと、マインド面の好転は難しくなってきたのかもしれませんね。
2020年03月03日
G7による緊急電話会談
河井克行前法相と妻の河井案里参院議員の秘書らが、公選法違反の疑いで逮捕されました。隣のトトロ風にいえば、真っ黒くろすけですから、逮捕は確実としても問題はこのタイミングです。情報を矮小化したければ金曜、もしくは週末が考えられたのに火曜日。いくら新型コロナウィルス感染症の報道が多いといっても、連座制で政治家二人が同時に失職する事案であり、嫌も応もなくメディアもとり上げざるを得ないものです。
安倍政権の力が衰え、検察が力をとりもどしつつあるのか。黒川東京高検検事長の定年延長問題で、これまで自民党議員の醜聞をもみ消してくれていた黒川氏が動けなくなり、タイミングすらコントロールが効かなくなったのか。その両方か。いずれにしろ安倍氏の最側近ともされる河井氏を犠牲にしてでも安倍政権が逃げ切りをはかり、少しでも感染症報道を減らそうと考えたなら、もう安倍政権は終わっていると言えそうです。
G7(財務相・中央銀行総裁会議)による電話会議が開かれています。昨日、日米欧の中央銀行による協調行動がでてきて、相場が一旦もどしていますが、具体的には何もでないとされて日本株は急落、ルメール仏経済・財政相「(G7で)強力かつ協調した対応を望む」と発言し、相場がもどすなど荒い動きをつづけます。ここから見えるのは、相場は「協調」という言葉にセンシティブに反応する、ということ。ただし現時点で、「協調」を行える土壌になく、相場が実効性という点に疑問をもつと、再び急落の波が襲ってきます。
協調できない事情は、まず現時点でまったく状況が異なる点。すでに実体経済が影響をうけている日本と、これからの欧州、そしてさらに遅れて米国に影響がでます。しかもここで財政政策など打てば、むしろ感染を広げるだけ。日中のように経済を犠牲にして、人とモノの動きを制限し、人の接触を絶たない限りは蔓延を後押しするのです。財政を吹かすのは現時点で不可能。公的補助や企業の損失補填に回すのが精いっぱい、逆に言えばそれ以外のことはできません。金融政策は日欧にすでに余裕なく、米国に若干の余裕もありますが、4-6月までの短期債の購入まで踏みこんでいる今の米国には利下げか、資産購入の微調整しかできないのです。これは日欧も同じ、資産購入の微調整という『協調』が、現時点の限界ということになります。
市場がそれに過大な期待を抱くのも、まだ上昇相場を主体としたAI取引が多いから。特に、日本で欧州CTAスジの動きをみると、この下落局面でほぼ一貫して買い。元々、買いが多い主体がさらに買うので、ここが崩れたときのインパクトは巨大。だからそれをださせないため、買い方がまだ元気なうちに対策を打とう、というのがG7の思惑ですが、ハッキリ言ってタイミングが悪い。各国の状況が異なるのに、足並みがそろうはずがありません。底を打ったタイミングでかっちりした対策をだすなら戻りが期待できますが、こういうことを小刻みにくり返せば、市場がそれに慣れ、次には失望を生んでしまうケースだってでてくるでしょう。
今、声明がでましたが、「あらゆる政策手段」を講じる、とこれまたいつもと同じ文言。具体策がありません。今はまず感染を食い止めるのが先決で、その対策を打ちだして各国の足並みをそろえるべきでした。景気対策に関して『先んじて動く』でこれまでは成功し、落ち込みを防いできましたが、今回は事情が異なる。日銀が2日連続でオペを実施しましたが、今日は大きく札割れを起こしました。資金需要が高まっていないときに、無理やり供給しようとしても齟齬がでる。今『先んじて動く』べきだったのは、感染症対策のはずです。『協調』を『強調』しようとするあまり、『凶兆』を呼ぶ。経済は次の危機を予想するしかなく、米国で感染が広がったりすると、この『協調』が裏目にでることも覚悟するしかないのでしょうね。
安倍政権の力が衰え、検察が力をとりもどしつつあるのか。黒川東京高検検事長の定年延長問題で、これまで自民党議員の醜聞をもみ消してくれていた黒川氏が動けなくなり、タイミングすらコントロールが効かなくなったのか。その両方か。いずれにしろ安倍氏の最側近ともされる河井氏を犠牲にしてでも安倍政権が逃げ切りをはかり、少しでも感染症報道を減らそうと考えたなら、もう安倍政権は終わっていると言えそうです。
G7(財務相・中央銀行総裁会議)による電話会議が開かれています。昨日、日米欧の中央銀行による協調行動がでてきて、相場が一旦もどしていますが、具体的には何もでないとされて日本株は急落、ルメール仏経済・財政相「(G7で)強力かつ協調した対応を望む」と発言し、相場がもどすなど荒い動きをつづけます。ここから見えるのは、相場は「協調」という言葉にセンシティブに反応する、ということ。ただし現時点で、「協調」を行える土壌になく、相場が実効性という点に疑問をもつと、再び急落の波が襲ってきます。
協調できない事情は、まず現時点でまったく状況が異なる点。すでに実体経済が影響をうけている日本と、これからの欧州、そしてさらに遅れて米国に影響がでます。しかもここで財政政策など打てば、むしろ感染を広げるだけ。日中のように経済を犠牲にして、人とモノの動きを制限し、人の接触を絶たない限りは蔓延を後押しするのです。財政を吹かすのは現時点で不可能。公的補助や企業の損失補填に回すのが精いっぱい、逆に言えばそれ以外のことはできません。金融政策は日欧にすでに余裕なく、米国に若干の余裕もありますが、4-6月までの短期債の購入まで踏みこんでいる今の米国には利下げか、資産購入の微調整しかできないのです。これは日欧も同じ、資産購入の微調整という『協調』が、現時点の限界ということになります。
市場がそれに過大な期待を抱くのも、まだ上昇相場を主体としたAI取引が多いから。特に、日本で欧州CTAスジの動きをみると、この下落局面でほぼ一貫して買い。元々、買いが多い主体がさらに買うので、ここが崩れたときのインパクトは巨大。だからそれをださせないため、買い方がまだ元気なうちに対策を打とう、というのがG7の思惑ですが、ハッキリ言ってタイミングが悪い。各国の状況が異なるのに、足並みがそろうはずがありません。底を打ったタイミングでかっちりした対策をだすなら戻りが期待できますが、こういうことを小刻みにくり返せば、市場がそれに慣れ、次には失望を生んでしまうケースだってでてくるでしょう。
今、声明がでましたが、「あらゆる政策手段」を講じる、とこれまたいつもと同じ文言。具体策がありません。今はまず感染を食い止めるのが先決で、その対策を打ちだして各国の足並みをそろえるべきでした。景気対策に関して『先んじて動く』でこれまでは成功し、落ち込みを防いできましたが、今回は事情が異なる。日銀が2日連続でオペを実施しましたが、今日は大きく札割れを起こしました。資金需要が高まっていないときに、無理やり供給しようとしても齟齬がでる。今『先んじて動く』べきだったのは、感染症対策のはずです。『協調』を『強調』しようとするあまり、『凶兆』を呼ぶ。経済は次の危機を予想するしかなく、米国で感染が広がったりすると、この『協調』が裏目にでることも覚悟するしかないのでしょうね。
2020年02月27日
株価の下落要因はAI?
安倍政権がとんでもないことを『要請』しました。来週から学校を休みに、というのです。当然、学校側の授業計画は破綻、期末試験もうけさせられず、成績もつけられない。学校を休んでも、学童保育や塾に行けば感染する可能性があります。塾まで規制したら破産する人続出でしょうから、それもできない。やることが中途半端で、やっている感だけの演出に過ぎません。中国が共産主義国の面目躍如、あれだけの規制をして、1ヶ月経っても拡大を抑制できても未だ影響が止まらないように、1ヶ月封鎖しても改善する見込みはありません。もし4月に入っても感染が広がっていたらどうするのか? 事態が読めていないとしか思えません。
日本株は3連休をはさんで4日続落、日経平均の下げ幅は1500円に迫り、22000円を割れました。米ダウは2400$下がっているので、日本の下げは限定的とも言えますが、今回の急落について分かっていることを、憶測も含めて分析してみます。最大の問題は、アルゴリズム取引、AI取引ともされますが、その最も苦手とする状態に今はある、ということです。過去の事例を参照し、そのパターンに照らして投資を決めることをAI取引は得意とします。だから2003年のSARSを例に、感染症対応としてこれまでは買いのポジションをとってきた。しかしパンデミックとなれば話は変わります。そもそも中国経済がこれだけ重要度を増した後であり、2003年を参照すること自体、現実的ではないのですが、パンデミックはAI取引にとって未知なのです。
過去、大きく下げてもすぐに相場は戻した。その事例を学習したAI取引は、悪材料でも『もどす』を前提に買う。だから相場が必要以上に『強い』状態をつづけてきました。しかし前例のない今回、買いに動けない。いつかは株が戻すとしても、それが2年も先だったら、違うアラートがでます。AI取引はパンデミックが苦手、だから今回は下げに対して買い出動できずにいる。人間が教育できないことは、AIでも無理なのです。これが今までとは違う状況を生んでおり、買戻しの動きが起きにくい要因となってしまっているのです。
では、今の株価は割安なのか? よく株投資の収益率をみて、債券利回りが下がった結果、株が割安となった、という人がいます。しかし株の収益率は遅効性があります。配当の引き下げなどは先々起こること、今の経済状態の悪化を織りこみにいく債券の収益率と比べても、後に株の方が債券の収益性にサヤ寄せする可能性がある。そもそも米企業は、今回の新型コロナウィルス感染症に関する業績の悪化を、ほぼ織り込まない業績見通しをだしており、株式の収益性が下がる要因はいくつも存在します。それこそ配当性向の高い企業ほど、業績悪化となれば配当引き下げが起こり易く、収益性からみた今の株価は決して割安とはいえません。
ただでなくともPERが高すぎた米株は、その分下げる。という以上にAI取引の多さも今回の下落に影響します。AI取引が押し上げた相場、それが崩れたのが今です。よく「自信をとりもどす」という言い方をする人もいますが、AI取引の予測可能性が高まるまでは、買いの動きは弱いといえます。しかしこれがパンデミック→世界同時景気後退、そんな事態となれば、AI取引にとってもさらに未知の領域に踏み込むことになります。日本はまだAI取引自体が多くなく、米株ほどには下げていませんが、景気後退だけははっきりしてきました。新型コロナウィルス感染症で、日中はその感染を広げてきた経緯もありますが、今度は景気後退の『陽性』反応まで示しており、安倍政権の対応はまさに景気後退を後押しする、『要請』反応といえるのでしょう。これからの株価を予想する上でも、日中の景気後退、その感染拡大がポイントになるのかもしれませんね。
日本株は3連休をはさんで4日続落、日経平均の下げ幅は1500円に迫り、22000円を割れました。米ダウは2400$下がっているので、日本の下げは限定的とも言えますが、今回の急落について分かっていることを、憶測も含めて分析してみます。最大の問題は、アルゴリズム取引、AI取引ともされますが、その最も苦手とする状態に今はある、ということです。過去の事例を参照し、そのパターンに照らして投資を決めることをAI取引は得意とします。だから2003年のSARSを例に、感染症対応としてこれまでは買いのポジションをとってきた。しかしパンデミックとなれば話は変わります。そもそも中国経済がこれだけ重要度を増した後であり、2003年を参照すること自体、現実的ではないのですが、パンデミックはAI取引にとって未知なのです。
過去、大きく下げてもすぐに相場は戻した。その事例を学習したAI取引は、悪材料でも『もどす』を前提に買う。だから相場が必要以上に『強い』状態をつづけてきました。しかし前例のない今回、買いに動けない。いつかは株が戻すとしても、それが2年も先だったら、違うアラートがでます。AI取引はパンデミックが苦手、だから今回は下げに対して買い出動できずにいる。人間が教育できないことは、AIでも無理なのです。これが今までとは違う状況を生んでおり、買戻しの動きが起きにくい要因となってしまっているのです。
では、今の株価は割安なのか? よく株投資の収益率をみて、債券利回りが下がった結果、株が割安となった、という人がいます。しかし株の収益率は遅効性があります。配当の引き下げなどは先々起こること、今の経済状態の悪化を織りこみにいく債券の収益率と比べても、後に株の方が債券の収益性にサヤ寄せする可能性がある。そもそも米企業は、今回の新型コロナウィルス感染症に関する業績の悪化を、ほぼ織り込まない業績見通しをだしており、株式の収益性が下がる要因はいくつも存在します。それこそ配当性向の高い企業ほど、業績悪化となれば配当引き下げが起こり易く、収益性からみた今の株価は決して割安とはいえません。
ただでなくともPERが高すぎた米株は、その分下げる。という以上にAI取引の多さも今回の下落に影響します。AI取引が押し上げた相場、それが崩れたのが今です。よく「自信をとりもどす」という言い方をする人もいますが、AI取引の予測可能性が高まるまでは、買いの動きは弱いといえます。しかしこれがパンデミック→世界同時景気後退、そんな事態となれば、AI取引にとってもさらに未知の領域に踏み込むことになります。日本はまだAI取引自体が多くなく、米株ほどには下げていませんが、景気後退だけははっきりしてきました。新型コロナウィルス感染症で、日中はその感染を広げてきた経緯もありますが、今度は景気後退の『陽性』反応まで示しており、安倍政権の対応はまさに景気後退を後押しする、『要請』反応といえるのでしょう。これからの株価を予想する上でも、日中の景気後退、その感染拡大がポイントになるのかもしれませんね。
2020年02月25日
感染症の影響で株安?
世界同時株安です。米株はダウが1000$以上下げるなど、歴史的な日となりました。ただアジア全体でみれば、昨日大きく下がった国で今日は切り返す国もあり、一方的に下がっていく状況ではありません。ただ短期的に、この問題の影響をまったく織りこまないどころか、何事もなかったかの如く上昇していく、という幻想は打ち破られた。影響がどこまで広がるか、その確認をしてみないと動けなくなったのが現状です。
ただ今回、円が不規則な動きをしており、先週は円安に傾いたものの、今週になって円高がすすむ。米国債の金利低下などもありましたが、真相は不明です。まだ110円台ですが、円が落ち着きどころを失って、右往左往している印象をうけます。それは金融政策の不透明感、「(躊躇なく緩和を)やるやる」と言って何もしない黒田日銀に対する不信も、その一端にはありそうです。米国では利下げ確率が上昇しており、こちらは確度が高い。日本の景気後退と、動かない日銀と、金利差縮小という連立方程式の解を求めているところです。
安倍政権から新型コロナウィルス感染症に対する基本方針がでてきました。全体的にふわっとしていて、国民の基本知識と大差ない印象です。集団(クラスター)を拡大させないため最善を、といったところで、数週間は集団行動を避ければ収まるわけではありません。約12日間を経ればそれで解決、というものでもない。それは韓国、イタリアなどで感染拡大が広がるように、これからは中国以外からの渡航でも危険度が拡大する可能性があるからです。いつ、どういう形で流入、拡大するかも分からず、対策が長期化する恐れが高い。
日本ではテレワークや時差出勤の奨励もありますが、そうなると公共交通機関の経営不振も顕著になりそうです。また商業用不動産の下落も伴うでしょう。事務所をもつ必要がなくなるからで、この流れが東京五輪以降もつづけば、東京一極集中の解消にもなりそうです。そしてこれが起きると、日本のGDPが急落する可能性が高い。不動産価格の上昇もGDP増に寄与するからで、世界に比べて日本の価格上昇幅は小さいとはいえ、そこに頼った面があったのも確かです。五輪後の経済に不安もありましたが、これもその一つです。
もう一つ、影響しそうなのが在日米軍です。恐らくそろそろ基地からの外出禁止などとなりそうですが、そうなると地域経済にも打撃です。米軍の退避措置まですすむ可能性は低いですが、そうなると安全保障上米軍の存在は必要、といっていた安倍政権にとっては大打撃となる。米軍がいないと国が守れないのですから、無防備な状態になるからです。それを「大丈夫」といえば、これまでの説明は何だったの? と言う話になるでしょう。米韓演習の規模縮小の話もでるように、軍事面への影響も計り知れません。
そもそも高い成長率見通しで組んだ来年度予算でさえ、達成見通しが低下する。そうなると赤字国債の乱発で、日銀のステルステーパリングと呼ばれる緩和縮小も、今後どうなるかわかりません。日本は不透明感の強いところで、まさに安倍政権であることで感染症への問題を大きくし、その不透明さを強くするのが現状です。経済面、政治面、軍事面、そして健康面、四面楚歌どころか四面悪化の日本では、株が売られても已む無しです。昨年とて株を買ったのは日銀と企業の自社株買い、今後もこの傾向はつづいてしまうのでしょうね。
ただ今回、円が不規則な動きをしており、先週は円安に傾いたものの、今週になって円高がすすむ。米国債の金利低下などもありましたが、真相は不明です。まだ110円台ですが、円が落ち着きどころを失って、右往左往している印象をうけます。それは金融政策の不透明感、「(躊躇なく緩和を)やるやる」と言って何もしない黒田日銀に対する不信も、その一端にはありそうです。米国では利下げ確率が上昇しており、こちらは確度が高い。日本の景気後退と、動かない日銀と、金利差縮小という連立方程式の解を求めているところです。
安倍政権から新型コロナウィルス感染症に対する基本方針がでてきました。全体的にふわっとしていて、国民の基本知識と大差ない印象です。集団(クラスター)を拡大させないため最善を、といったところで、数週間は集団行動を避ければ収まるわけではありません。約12日間を経ればそれで解決、というものでもない。それは韓国、イタリアなどで感染拡大が広がるように、これからは中国以外からの渡航でも危険度が拡大する可能性があるからです。いつ、どういう形で流入、拡大するかも分からず、対策が長期化する恐れが高い。
日本ではテレワークや時差出勤の奨励もありますが、そうなると公共交通機関の経営不振も顕著になりそうです。また商業用不動産の下落も伴うでしょう。事務所をもつ必要がなくなるからで、この流れが東京五輪以降もつづけば、東京一極集中の解消にもなりそうです。そしてこれが起きると、日本のGDPが急落する可能性が高い。不動産価格の上昇もGDP増に寄与するからで、世界に比べて日本の価格上昇幅は小さいとはいえ、そこに頼った面があったのも確かです。五輪後の経済に不安もありましたが、これもその一つです。
もう一つ、影響しそうなのが在日米軍です。恐らくそろそろ基地からの外出禁止などとなりそうですが、そうなると地域経済にも打撃です。米軍の退避措置まですすむ可能性は低いですが、そうなると安全保障上米軍の存在は必要、といっていた安倍政権にとっては大打撃となる。米軍がいないと国が守れないのですから、無防備な状態になるからです。それを「大丈夫」といえば、これまでの説明は何だったの? と言う話になるでしょう。米韓演習の規模縮小の話もでるように、軍事面への影響も計り知れません。
そもそも高い成長率見通しで組んだ来年度予算でさえ、達成見通しが低下する。そうなると赤字国債の乱発で、日銀のステルステーパリングと呼ばれる緩和縮小も、今後どうなるかわかりません。日本は不透明感の強いところで、まさに安倍政権であることで感染症への問題を大きくし、その不透明さを強くするのが現状です。経済面、政治面、軍事面、そして健康面、四面楚歌どころか四面悪化の日本では、株が売られても已む無しです。昨年とて株を買ったのは日銀と企業の自社株買い、今後もこの傾向はつづいてしまうのでしょうね。
2020年02月24日
雑感。失敗する安倍政権
G20財務相・中央銀行総裁会議が閉幕し、新型コロナウィルス感染症に対してリスク管理の強化、さらなる行動をとる用意、などと表明しました。いつも通りの何もしないけれど、我々が見ているから大丈夫、という程度のものです。財政を吹かす余裕のある国は少なく、金融政策でも量的緩和まで踏みこんでいる各国に、これ以上の余裕はあまり多くありません。そもそも今回の感染症は感染率が高く、財政政策も金融政策も効きにくい。操業停止やイベント中止などに伴う経済的損失は、見かけ以上に深刻であり、業績低迷、収入悪化、モノ不足によるインフレなど、影響次第でどこまで拡大するか予断をゆるさず、そのすべてにおいて政策が逆効果にすらなりかねない。どのタイミングで、何をするかによっても正解が変わる難しさです。
安倍政権から自然と「水際」の声が聞かれなくなりました。日韓で感染も広がりますが、まさに中国に配慮した国で被害が拡大する形であり、今さら安倍首相が「対策基本方針策定を指示」などと言い出す始末です。安倍氏の動静をみると22日は約1時間、23日は2時間弱、官邸で報告をうけた形になっています。安倍氏は打って響くようなタイプでなく、この程度の時間ではまさに報告をうけただけで、そのとき指示をしたということなのでしょう。専門家会議では1〜2週間がカギ、などとされますが、当の対策をする本人にはそんな危機感、切迫感もないのかもしれません。何せこの段階になっても尚「WHOは日本を評価」などと自民議員に言っているのですから、自分が間違っている、失敗したという認識すらもてずにいるのです。
問題は、その官邸に集まったメンバーはいつもの通りオトモダチであり、失敗しつづけてきた人たちだということ。これまでが失敗なのだから、新しい知恵を入れよう、というのでもない。安倍政権の最大の問題は、この失敗しつづけても顔ぶれが変わらず、改善の期待すら抱けない点です。厚労省職員や検疫官に感染がおこれば、それは対策した側の失敗であり、誰かが責任をとらなければいけないぐらいの重大事例です。しかし安倍政権では失敗をみとめないので、責任をとらされることもない。それこそ不倫、出張問題の大坪審議官が当初、国会対応をしたように責任者が安倍トモだから、なのか? 水際での食い止めに失敗する、という前提での検討もしていない。だからこの期に及んで「指示」なのです。とっくに案を策定しておいて、次の段階にすすんだらすぐに公表する、ということもできません。それは自分たちが『失敗しない』と思いこんで、最悪の想定をしていないのですから、当然といえば当然のダメ対応にしかならないのです。
日経平均の先物は海外市場で急落しており、週明けの日本株はかなり下落して取引がすすみそうです。感染症が世界に拡散する影響を、これまで無視してきたのが異常なので、1ヶ月もまともに中国の経済活動が止まっている影響は、大なり小なり出てくるのですから当然の下げですが、問題はある日突然、急に悪材料に思いいたる点です。人間の正しい判断に基づくものではなく、よく分からない水準や、材料によって相場が弱含む。つまりそれは、政府が何らかの対応をしても評価されないこともある、ということであり、効果を減殺される恐れが強いのです。まさにタイミングと内容を間違えたら、逆に売り飛ばされる可能性すらあります。
ここから数年、まさに『1〜2年がカギ』であり、失敗できないはずですが、そのときに対応するのが失敗続きで、間違いをみとめない安倍政権、というのが最大の不安でもあるのでしょう。もし世界同時株安などに陥れば、世界最大の公的投資機関、年金積立金管理運用独立法人(GPIF)も損失が拡大し、生活への不安が日本を直撃します。まさに日本は、今このタイミングで、安倍政権でいることが最大のリスクになってきました。『失敗しない』と思っているから『失敗から学ぶこともできない』人たち。「私、失敗しないので」は某ドラマの有名な台詞ですが、周りが「失敗した」と思っていても、「失敗していない」と言い張るドラマの主人公は、勘弁願いたいところなのですけれどね。
安倍政権から自然と「水際」の声が聞かれなくなりました。日韓で感染も広がりますが、まさに中国に配慮した国で被害が拡大する形であり、今さら安倍首相が「対策基本方針策定を指示」などと言い出す始末です。安倍氏の動静をみると22日は約1時間、23日は2時間弱、官邸で報告をうけた形になっています。安倍氏は打って響くようなタイプでなく、この程度の時間ではまさに報告をうけただけで、そのとき指示をしたということなのでしょう。専門家会議では1〜2週間がカギ、などとされますが、当の対策をする本人にはそんな危機感、切迫感もないのかもしれません。何せこの段階になっても尚「WHOは日本を評価」などと自民議員に言っているのですから、自分が間違っている、失敗したという認識すらもてずにいるのです。
問題は、その官邸に集まったメンバーはいつもの通りオトモダチであり、失敗しつづけてきた人たちだということ。これまでが失敗なのだから、新しい知恵を入れよう、というのでもない。安倍政権の最大の問題は、この失敗しつづけても顔ぶれが変わらず、改善の期待すら抱けない点です。厚労省職員や検疫官に感染がおこれば、それは対策した側の失敗であり、誰かが責任をとらなければいけないぐらいの重大事例です。しかし安倍政権では失敗をみとめないので、責任をとらされることもない。それこそ不倫、出張問題の大坪審議官が当初、国会対応をしたように責任者が安倍トモだから、なのか? 水際での食い止めに失敗する、という前提での検討もしていない。だからこの期に及んで「指示」なのです。とっくに案を策定しておいて、次の段階にすすんだらすぐに公表する、ということもできません。それは自分たちが『失敗しない』と思いこんで、最悪の想定をしていないのですから、当然といえば当然のダメ対応にしかならないのです。
日経平均の先物は海外市場で急落しており、週明けの日本株はかなり下落して取引がすすみそうです。感染症が世界に拡散する影響を、これまで無視してきたのが異常なので、1ヶ月もまともに中国の経済活動が止まっている影響は、大なり小なり出てくるのですから当然の下げですが、問題はある日突然、急に悪材料に思いいたる点です。人間の正しい判断に基づくものではなく、よく分からない水準や、材料によって相場が弱含む。つまりそれは、政府が何らかの対応をしても評価されないこともある、ということであり、効果を減殺される恐れが強いのです。まさにタイミングと内容を間違えたら、逆に売り飛ばされる可能性すらあります。
ここから数年、まさに『1〜2年がカギ』であり、失敗できないはずですが、そのときに対応するのが失敗続きで、間違いをみとめない安倍政権、というのが最大の不安でもあるのでしょう。もし世界同時株安などに陥れば、世界最大の公的投資機関、年金積立金管理運用独立法人(GPIF)も損失が拡大し、生活への不安が日本を直撃します。まさに日本は、今このタイミングで、安倍政権でいることが最大のリスクになってきました。『失敗しない』と思っているから『失敗から学ぶこともできない』人たち。「私、失敗しないので」は某ドラマの有名な台詞ですが、周りが「失敗した」と思っていても、「失敗していない」と言い張るドラマの主人公は、勘弁願いたいところなのですけれどね。
2020年02月22日
政権批判をできない国の対応
米国で2月購買担当者景気指数(PMI)が発表され、動揺が広がります。サービス業PMIが49.4で13年10月以来の低さ。製造業PMIは50.8と19年8月以来の低さ。どちらも市場予想に遠く届かず、景気判断の分かれ目となる50を割ったサービス業など、景気後退懸念すら漂わす。市場が抱く楽観と、現場の担当者との意識の乖離が顕著となったことで、米国にも不透明感が漂いはじめました。それは中国で製造が止まれば、制裁関税どころの騒ぎでなく米国はモノ不足に陥ります。ただでなくとも制裁関税の一部解除前で、輸入を控えていた。そこで新型コロナウィルス感染症で、中国でモノがつくられなくなった。担当者としては寝耳に水のことで、市場関係者にとっては地球の反対側でも、担当者にとっては切実であることが明らかです。
米経済紙ウォールストリートジャーナル(WSJ)が、社説で安倍政権が行った10月の消費税増税を「大失敗」と酷評しました。日本では台風19号の影響、という意見が多いですが、悪いことを言えば大雨被害は毎年のことで、関東で被害がでたといっても実害は西日本でのそれと大きな差はありません。やはり増税の影響が大きくて10-12月期GDPが下がった、と考えるのが妥当で、日本のメディアの語ることはどこかおかしい。それは安倍政権になってから、顕著なメディアがまともな批評もできない事例の一つ、ともいえそうです。
同じことは、新型コロナウィルス感染症で安倍政権を批判しない、メディアの態度にもいえます。各国メディアは辛辣な批評を加えますが、日本のメディアはそれを紹介する形でしか批判はしない。それは直接批判などすれば、キャスターやプロデューサーなどが飛ばされる恐れもあり、怖くて批判できない面もあります。安倍政権は自分を守るために、他人の人生を台無しにしている。海外からの批判に耐えきれなくなり、下船後に帰宅させたら再度のウィルス検査をしていなかった、陰性だった患者が下船後に陽性と確認された、などもう対応が滅茶苦茶になりました。こうなると、国内で批判させない理由がよく分かります。元々、対応がなっていない人たちなので、焦ってコトをすすめると必ず失敗するから、批判して欲しくないのです。
しかしもうこれで、国内感染を広げた原因は安倍政権ということで確定しました。中国人観光客を湖北省にしか制限しなかったこと、それだけでも原因をつくったのは安倍政権なのですが、杜撰な検査をしていたことが明白になった。国内感染でも、濃厚接触者を追いかけるばかりで、それ以外に目が向いていない。安倍政権はこの『濃厚接触者』に拘り過ぎて、本当にそれが感染の原因かも疑わしくなっているのです。
景気悪化の原因も、安倍政権ということで確実です。景気が減速気味のときは減税、もしくは財政出動して景気を吹かす、これが経済の教科書の鉄板です。しかし安倍政権では増税をしてしまった。「緩やかな回復」と言い続け、ゴマカシきれなくなったのです。回復しているなら増税しないと、財政に責任をもてない、との批判をうける。しかし本当は減速しているから、増税はご法度。その禁を破ったのですから、『増税は大失敗』と評されても当然です。批判をうけたくないぐらいの心の弱さがついた嘘、それで「緩やかな回復」と言い続け、最悪の結果をまねいてしまいました。感染症も批判されたくない、という浅はかな考えで感染を広げてしまいました。そしてその結果、さらに景気の悪化を招くことでしょう。他人の真摯な批判、指摘をまともにうけられない人間が、正しい判断なんてできるはずもありません。そんな当たり前のことが、一気に現実となってしまったのでしょう。むしろ安倍政権が日本に感染、蔓延させている新型オロカウィルス感染症、安倍政権との『濃厚接触者』がオロカさをまき散らす以上、日本は中々現状を脱却することができないのでしょうね。
明日はお休みしたいと思います。
米経済紙ウォールストリートジャーナル(WSJ)が、社説で安倍政権が行った10月の消費税増税を「大失敗」と酷評しました。日本では台風19号の影響、という意見が多いですが、悪いことを言えば大雨被害は毎年のことで、関東で被害がでたといっても実害は西日本でのそれと大きな差はありません。やはり増税の影響が大きくて10-12月期GDPが下がった、と考えるのが妥当で、日本のメディアの語ることはどこかおかしい。それは安倍政権になってから、顕著なメディアがまともな批評もできない事例の一つ、ともいえそうです。
同じことは、新型コロナウィルス感染症で安倍政権を批判しない、メディアの態度にもいえます。各国メディアは辛辣な批評を加えますが、日本のメディアはそれを紹介する形でしか批判はしない。それは直接批判などすれば、キャスターやプロデューサーなどが飛ばされる恐れもあり、怖くて批判できない面もあります。安倍政権は自分を守るために、他人の人生を台無しにしている。海外からの批判に耐えきれなくなり、下船後に帰宅させたら再度のウィルス検査をしていなかった、陰性だった患者が下船後に陽性と確認された、などもう対応が滅茶苦茶になりました。こうなると、国内で批判させない理由がよく分かります。元々、対応がなっていない人たちなので、焦ってコトをすすめると必ず失敗するから、批判して欲しくないのです。
しかしもうこれで、国内感染を広げた原因は安倍政権ということで確定しました。中国人観光客を湖北省にしか制限しなかったこと、それだけでも原因をつくったのは安倍政権なのですが、杜撰な検査をしていたことが明白になった。国内感染でも、濃厚接触者を追いかけるばかりで、それ以外に目が向いていない。安倍政権はこの『濃厚接触者』に拘り過ぎて、本当にそれが感染の原因かも疑わしくなっているのです。
景気悪化の原因も、安倍政権ということで確実です。景気が減速気味のときは減税、もしくは財政出動して景気を吹かす、これが経済の教科書の鉄板です。しかし安倍政権では増税をしてしまった。「緩やかな回復」と言い続け、ゴマカシきれなくなったのです。回復しているなら増税しないと、財政に責任をもてない、との批判をうける。しかし本当は減速しているから、増税はご法度。その禁を破ったのですから、『増税は大失敗』と評されても当然です。批判をうけたくないぐらいの心の弱さがついた嘘、それで「緩やかな回復」と言い続け、最悪の結果をまねいてしまいました。感染症も批判されたくない、という浅はかな考えで感染を広げてしまいました。そしてその結果、さらに景気の悪化を招くことでしょう。他人の真摯な批判、指摘をまともにうけられない人間が、正しい判断なんてできるはずもありません。そんな当たり前のことが、一気に現実となってしまったのでしょう。むしろ安倍政権が日本に感染、蔓延させている新型オロカウィルス感染症、安倍政権との『濃厚接触者』がオロカさをまき散らす以上、日本は中々現状を脱却することができないのでしょうね。
明日はお休みしたいと思います。
2020年02月21日
雑感。安倍政権のおかしな解釈
1月百貨店売上高が前年同月比3.1%減と4ヶ月連続の減少。1月は駆け込みの中国訪日客が多かった、とされたので多少は効果がある予想もありましたが、インバウンド消費にももう期待できそうにありません。サンリオピューロランドは臨時閉館、飲食店も営業停止をするところや、中国からの食材の輸入が滞り、コスト高に苦しむ。本当は景気対策を打ちたいところですが、つい先月に来年度まで含めた補正予算を国会で可決したばかりで、また補正予算の話をするのはおかしいですが、安倍政権にはそうできない事情があります。
昨日の2月月例経済報告で、日本の景気は「緩やかに回復」とした。つまり「回復」しているのに、補正予算を連発するのは明らかに矛盾です。しかも、新型コロナウィルス感染症が先行きのリスク、としながら国内感染をみとめていない。あくまで中国に渡航した、もしくは感染した中国人観光客と濃厚接触した人の一次感染、または二次感染までとするので景気対策を打つ段ではない、としかできません。つまり安倍政権のおかしな解釈によって、日本がどんどん悪い状態になっていくのを、指を銜えてみていかないといけません。
同じように解釈がおかしい問題が、黒川東京高検検事長の定年延長問題です。13日に安倍首相が「法解釈の変更を経た上で閣議決定」と答弁し、それに辻褄を合わせるため、大混乱中です。法解釈の変更が1月31日の閣議決定後だった場合、定年延長は違法。そのため法務省は経緯に関する文書を提出したものの、日付がなく時間軸の検証ができない。人事院は「内部決裁を経ずに解釈変更を容認」と答弁し、真偽も不明なことをいいだしました。法解釈を勝手に、適当に変更することは行政機関としてあり得ないことで、それは自分のやっている仕事の根拠が揺らぐ、ということを意味します。誰も知らない、そう思っていなくても明日には「違法だよ」と言われ、逮捕される恐れだってでてくるからで、そんな仕事のやり方は通常行いません。
すべては立民の山尾議員が、81年解釈の存在を問い質したことで、安倍氏がキレてよく調べもせずに適当な答弁をしたことが原因です。すべては『安倍晋三は完全な人間である』ため、嘘をついたり、間違ったことをしない、という壮大な虚構を現実にするため、辻褄を合わせようとすることで、逆に安倍氏が非常に怪しく、胡散臭い人間にしかみえない、という形になっている。ひいては安倍政権全体も嘘つき集団にみえます。
安倍氏が自民議員との会食で、感染症対応の稚拙さへの反論で「WHOも評価」と語った、と明らかになりました。感染拡大を招いた中国を称賛するWHOのことを、安倍支持層は毛嫌いしていたはずですが、もはやそんな認識すらなく、ただただ権威にすがりたくなったのかもしれません。日本も中国と同じように封じ込めに失敗し、感染拡大を招いている、これから国内で広がる、という意味で自虐的にとらえるなら当たりでしょう。
安倍政権の認識、解釈がおかしいことで、日本がどんどん悪い方向にすすんでいく。早く感染症でも国内感染をみとめ、緊急の封じ込め策をとれば東京五輪までには封じ込めに間に合うかもしれませんが、だらだら今の状態をつづけたら、終わりがみえない事態にも陥る。むしろ、経済にしろ感染症対策にしろ、もうそうなっているのかもしれません。安倍政権はもはや「WHO(誰が)評価するの?」というレベルになってきたのでしょうね。
昨日の2月月例経済報告で、日本の景気は「緩やかに回復」とした。つまり「回復」しているのに、補正予算を連発するのは明らかに矛盾です。しかも、新型コロナウィルス感染症が先行きのリスク、としながら国内感染をみとめていない。あくまで中国に渡航した、もしくは感染した中国人観光客と濃厚接触した人の一次感染、または二次感染までとするので景気対策を打つ段ではない、としかできません。つまり安倍政権のおかしな解釈によって、日本がどんどん悪い状態になっていくのを、指を銜えてみていかないといけません。
同じように解釈がおかしい問題が、黒川東京高検検事長の定年延長問題です。13日に安倍首相が「法解釈の変更を経た上で閣議決定」と答弁し、それに辻褄を合わせるため、大混乱中です。法解釈の変更が1月31日の閣議決定後だった場合、定年延長は違法。そのため法務省は経緯に関する文書を提出したものの、日付がなく時間軸の検証ができない。人事院は「内部決裁を経ずに解釈変更を容認」と答弁し、真偽も不明なことをいいだしました。法解釈を勝手に、適当に変更することは行政機関としてあり得ないことで、それは自分のやっている仕事の根拠が揺らぐ、ということを意味します。誰も知らない、そう思っていなくても明日には「違法だよ」と言われ、逮捕される恐れだってでてくるからで、そんな仕事のやり方は通常行いません。
すべては立民の山尾議員が、81年解釈の存在を問い質したことで、安倍氏がキレてよく調べもせずに適当な答弁をしたことが原因です。すべては『安倍晋三は完全な人間である』ため、嘘をついたり、間違ったことをしない、という壮大な虚構を現実にするため、辻褄を合わせようとすることで、逆に安倍氏が非常に怪しく、胡散臭い人間にしかみえない、という形になっている。ひいては安倍政権全体も嘘つき集団にみえます。
安倍氏が自民議員との会食で、感染症対応の稚拙さへの反論で「WHOも評価」と語った、と明らかになりました。感染拡大を招いた中国を称賛するWHOのことを、安倍支持層は毛嫌いしていたはずですが、もはやそんな認識すらなく、ただただ権威にすがりたくなったのかもしれません。日本も中国と同じように封じ込めに失敗し、感染拡大を招いている、これから国内で広がる、という意味で自虐的にとらえるなら当たりでしょう。
安倍政権の認識、解釈がおかしいことで、日本がどんどん悪い方向にすすんでいく。早く感染症でも国内感染をみとめ、緊急の封じ込め策をとれば東京五輪までには封じ込めに間に合うかもしれませんが、だらだら今の状態をつづけたら、終わりがみえない事態にも陥る。むしろ、経済にしろ感染症対策にしろ、もうそうなっているのかもしれません。安倍政権はもはや「WHO(誰が)評価するの?」というレベルになってきたのでしょうね。
2020年02月20日
円安と感染症
昨晩の欧州市場から急速に円安がすすみます。一部で円キャリー取引の巻き戻し、などという意見もありますが、寡聞にして円キャリーが増えていた話は知らず、一部で債券とのリンクで円を売り持ちしていた話を聞く程度です。私の周りでも「タイミングが最悪」との声が多く、19日に10-12月期GDP速報値、19日に貿易統計がそれぞれ発表され、日本の景気が深刻なレベルにあること。新型コロナウィルス感染症の拡大が確認されること。以上から欧州勢が日本売りを始めたのでは? と囁かれるのです。怖いのは、かつては有事の円買いで円高がすすみましたが、有事に外国人投資家が債券売り、株売り、円売りで日本から逃避していってしまうこと。実際、それが起きつつあるのが今の動きでは? とされるのです。
昨日の1月貿易統計は、金額ベースで輸出が2.6%減、輸入が3.6%減。それぞれ14ヶ月、9ヶ月連続の減少です。輸出は中国の春節の影響があるとはいえ、中国が落ちこんだのと同時に、米国も急落する。輸入は日本の景気悪化を顕著に示す。どちらも日本経済が苦境であることを示す。年末には景気回復、などという楽観論、業績回復期待は現状、否定される。そこに感染症が長引く気配がでてきて、極めて日本の景気が怪しくなったのです。今日の日経平均は上昇した、といっても値下がりが6割を占める。この円安は要警戒ということです。
厚労省と内閣官房の職員が、クルーズ船での対応中に感染、と発表されました。専門家がいるのに対応職員が感染するなんて、恥もいいところです。しかも一度ならず二度までも。要するに対応が杜撰でコントロールしきれていないから、こうなります。ゾーニングできていない、との指摘に厚労省は「対応している」としますが、橋本厚労副大臣のTweetを見る限り、ゾーニングできていませんし、下船した人の日本政府の対応をみても、汚染区域と安全区域を別けていたとはとても思えない。汚染区域に一瞬でも入った人は、その時から発症のリミットとされる2週間は隔離、監視する必要があり、それがゾーニングの考えなのです。
しかし今は陰性ならすぐ帰宅、とする。ずっと私は安全区域にいました、というのは発症者の数をみる限り、あり得ない。つまり船内はほぼ汚染区域、感染した人が一度も立ち入っていない区域、というのがない状況です。それこそ対応する職員が感染している以上、その場所も汚染区域ですから安全区域がどんどん狭められていないと、本来おかしい。しかし安倍政権は『濃厚接触でないと感染しない』との考えに凝り固まるから、感染者がいた区域も『安全区域』としてしまう。拭けば済む、消毒すればいい、そういった一番やってはいけない『甘い考えで対応』の典型的なものです。結果、日本全体を汚染国にしてしまったのです。
自民の森山国対が「ANAIHGの幹部が挨拶…」と語り、ANAIHG側が回答しなくなった事例と、見事にリンクさせてみせました。一昨日も指摘したように、IHG側は英企業ですからコンプライアンスを大切にし、ANA側は日本政府に頼りたいから、という事情で対応を変えたのでしょう。もしかしたら、こういう事情も外国人投資家が日本売りに傾いた要因かもしれません。日本では企業がコンプライアンスを守るのが難しい。政府や企業が裏でどんなことをしているか、分かったものではない、と連想させるからです。
とてもではないけれど、そんな国に投資はできないし、むしろ売り建てたいと考えるでしょう。今回の諸々の材料だけで、日本を破綻させるほど売りを加速させるか、といえばそれは疑問ですが、シミュレーションとして今回の円安は、日本の将来に暗雲をもたらすものとなりそうです。むしろ、安倍政権が日本全体を『安全区域』から『汚染区域』にし、不正で悪質なことが蔓延する国にしてしまったことで、今回のことが起こったとするならさらに円安がすすむ可能性があり、これを『円安』ではなく『円安が倍=円アベ』と呼んでもよいのかもしれませんね。
昨日の1月貿易統計は、金額ベースで輸出が2.6%減、輸入が3.6%減。それぞれ14ヶ月、9ヶ月連続の減少です。輸出は中国の春節の影響があるとはいえ、中国が落ちこんだのと同時に、米国も急落する。輸入は日本の景気悪化を顕著に示す。どちらも日本経済が苦境であることを示す。年末には景気回復、などという楽観論、業績回復期待は現状、否定される。そこに感染症が長引く気配がでてきて、極めて日本の景気が怪しくなったのです。今日の日経平均は上昇した、といっても値下がりが6割を占める。この円安は要警戒ということです。
厚労省と内閣官房の職員が、クルーズ船での対応中に感染、と発表されました。専門家がいるのに対応職員が感染するなんて、恥もいいところです。しかも一度ならず二度までも。要するに対応が杜撰でコントロールしきれていないから、こうなります。ゾーニングできていない、との指摘に厚労省は「対応している」としますが、橋本厚労副大臣のTweetを見る限り、ゾーニングできていませんし、下船した人の日本政府の対応をみても、汚染区域と安全区域を別けていたとはとても思えない。汚染区域に一瞬でも入った人は、その時から発症のリミットとされる2週間は隔離、監視する必要があり、それがゾーニングの考えなのです。
しかし今は陰性ならすぐ帰宅、とする。ずっと私は安全区域にいました、というのは発症者の数をみる限り、あり得ない。つまり船内はほぼ汚染区域、感染した人が一度も立ち入っていない区域、というのがない状況です。それこそ対応する職員が感染している以上、その場所も汚染区域ですから安全区域がどんどん狭められていないと、本来おかしい。しかし安倍政権は『濃厚接触でないと感染しない』との考えに凝り固まるから、感染者がいた区域も『安全区域』としてしまう。拭けば済む、消毒すればいい、そういった一番やってはいけない『甘い考えで対応』の典型的なものです。結果、日本全体を汚染国にしてしまったのです。
自民の森山国対が「ANAIHGの幹部が挨拶…」と語り、ANAIHG側が回答しなくなった事例と、見事にリンクさせてみせました。一昨日も指摘したように、IHG側は英企業ですからコンプライアンスを大切にし、ANA側は日本政府に頼りたいから、という事情で対応を変えたのでしょう。もしかしたら、こういう事情も外国人投資家が日本売りに傾いた要因かもしれません。日本では企業がコンプライアンスを守るのが難しい。政府や企業が裏でどんなことをしているか、分かったものではない、と連想させるからです。
とてもではないけれど、そんな国に投資はできないし、むしろ売り建てたいと考えるでしょう。今回の諸々の材料だけで、日本を破綻させるほど売りを加速させるか、といえばそれは疑問ですが、シミュレーションとして今回の円安は、日本の将来に暗雲をもたらすものとなりそうです。むしろ、安倍政権が日本全体を『安全区域』から『汚染区域』にし、不正で悪質なことが蔓延する国にしてしまったことで、今回のことが起こったとするならさらに円安がすすむ可能性があり、これを『円安』ではなく『円安が倍=円アベ』と呼んでもよいのかもしれませんね。
2020年02月17日
10-12月期GDP速報値
新型コロナウィルス感染症に対する受診の目安、なるものが公開されましたが、重症化したら診察してやる、的な上から目線が気になります。今、感染が明らかになった人の周辺を調べて、感染拡大などと報じられますが、逆にいえばそれ以外の人を調べていないから判明していないだけ。実際にはクルーズ船の感染が拡大したように、それほどの接触がなくともこの感染症はうつるのです。だから周囲で重症化した人が現れないと、まともな検査もしてもらえない、というのが厚労省の『目安』なのです。「不要不急の外出を…」なんて、数十年に一度の台風並みの対応が必要なのか? 安倍首相は「人ごみを避けて…」などと言いますが、戦時のように集団疎開しろ、とでもいうのか? 滅茶苦茶すぎて、話にもなりません。徹底するなら徹底する、安倍政権からでてくるのはすべて中途半端で、いい加減で、明確な目的が何かも分からない、国民を迷わせるものとしかいいようがないものです。
10-12月期国内総生産(GDP)速報値が発表されました。実質で1.6%減、年率換算6.3%減、名目で1.2%減、年率換算4.9%減。家計支出が実質で3.0%減となったことを、安倍氏は「消費税増税の反動減」などと言いますが、7-9月期の家計支出は0.4%増なので、反動減ではありません。ただ「増税後に消費が減った」というだけです。しかも「前回の増税時より落ち込みが少ない」としますが、前回は一律3%の増税、今回は2%で軽減税率にキャッシュレス決済減税つき、比べること自体ナンセンスで、それを理由とするのは誤りです。
設備投資が実質で3.7%減はかなり怪しい。個人消費の落ち込みを「台風の影響」などとしますが、もしそれが真実なら、逆に企業は壊れた設備の更新などで投資を増やす動きにならないとおかしいからです。つまり台風の影響なんてないか、今回は設備投資を低くしておいて、1-3月期に高く見積もって「回復」というために一気にすべての数字を低くした、とさえ思われるものです。企業も増税の影響をうけますが、補助金などで救われる面があり、また年間計画などがあるので影響が軽微なはずでもあるのです。
輸出が0.1%減、輸入が2.6%減と、内需の低迷で輸入が大きく減ったので外需の寄与度はプラス。米経済が堅調といったところで中国経済の落ちこみで、輸出が減っているのが深刻で、しかもこれにはインバウンド消費が乗った上でのこと。それがなくなる1-3月期はもっと輸出が落ちこむことになり、2期連続のマイナス成長が見えてきて、さらに年度を通してもマイナスとなる公算が高い。政府発表は2019年暦年で0.7%増としますが、企業は年度決算が多いので、国全体がマイナスにおちこめば当然その影響を強く受けることになります。
安倍政権は「一時的な減少だが回復基調に変化ない」などとします。しかし安倍政権は絶対に景気悪化をみとめない、と断言できます。恐らく国民が飢えて死んでも、日本は幸福な国といいつづけるつもりでしょう。今、感染症のリスクにさらされ、不安を抱える人のように、重症化しないと安倍政権は何もしてくれないのです。ナゼなら、安倍政権のキャパを越えているから。どういう対応を、どのタイミングで打っていいか、まるで分かっていない。だから景気の悪いときに増税して落ち込みを大きくする、という愚策を平気でできてしまうのです。物事の判断、診察がおかしな安倍政権が、いくら「目安」を説いたところで、誰も納得しない。感染症への対策でも、経済でも、まず「安心の目安」を安倍政権が説明できない限り、悪化傾向に歯止めはかけられないのでしょうね。
10-12月期国内総生産(GDP)速報値が発表されました。実質で1.6%減、年率換算6.3%減、名目で1.2%減、年率換算4.9%減。家計支出が実質で3.0%減となったことを、安倍氏は「消費税増税の反動減」などと言いますが、7-9月期の家計支出は0.4%増なので、反動減ではありません。ただ「増税後に消費が減った」というだけです。しかも「前回の増税時より落ち込みが少ない」としますが、前回は一律3%の増税、今回は2%で軽減税率にキャッシュレス決済減税つき、比べること自体ナンセンスで、それを理由とするのは誤りです。
設備投資が実質で3.7%減はかなり怪しい。個人消費の落ち込みを「台風の影響」などとしますが、もしそれが真実なら、逆に企業は壊れた設備の更新などで投資を増やす動きにならないとおかしいからです。つまり台風の影響なんてないか、今回は設備投資を低くしておいて、1-3月期に高く見積もって「回復」というために一気にすべての数字を低くした、とさえ思われるものです。企業も増税の影響をうけますが、補助金などで救われる面があり、また年間計画などがあるので影響が軽微なはずでもあるのです。
輸出が0.1%減、輸入が2.6%減と、内需の低迷で輸入が大きく減ったので外需の寄与度はプラス。米経済が堅調といったところで中国経済の落ちこみで、輸出が減っているのが深刻で、しかもこれにはインバウンド消費が乗った上でのこと。それがなくなる1-3月期はもっと輸出が落ちこむことになり、2期連続のマイナス成長が見えてきて、さらに年度を通してもマイナスとなる公算が高い。政府発表は2019年暦年で0.7%増としますが、企業は年度決算が多いので、国全体がマイナスにおちこめば当然その影響を強く受けることになります。
安倍政権は「一時的な減少だが回復基調に変化ない」などとします。しかし安倍政権は絶対に景気悪化をみとめない、と断言できます。恐らく国民が飢えて死んでも、日本は幸福な国といいつづけるつもりでしょう。今、感染症のリスクにさらされ、不安を抱える人のように、重症化しないと安倍政権は何もしてくれないのです。ナゼなら、安倍政権のキャパを越えているから。どういう対応を、どのタイミングで打っていいか、まるで分かっていない。だから景気の悪いときに増税して落ち込みを大きくする、という愚策を平気でできてしまうのです。物事の判断、診察がおかしな安倍政権が、いくら「目安」を説いたところで、誰も納得しない。感染症への対策でも、経済でも、まず「安心の目安」を安倍政権が説明できない限り、悪化傾向に歯止めはかけられないのでしょうね。
2020年02月12日
SBGの決算発表
安倍首相が衆院予算委で、立民の辻元議員が質疑を終えた後で「意味のない質問だよ」とヤジをとばし、委員会席が騒然となりました。その後、安倍氏は「質問ではなく罵詈雑言の連続。反論の機会を与えられずに終えられた。こんなやり取りでは無意味」と説明しました。しかし「意味のない質疑(応答)」だったらこの説明でも十分ですが、質問に限定して「意味のない」としているので、もし「罵詈雑言の連続」なら「意味のない」どころか「悪質」です。かといって、その「罵詈雑言の連続」であるかどうかは自ら証明していない。恐らく「鯛は頭から腐る」という言葉に反応したものでしょうが、言葉を並べ替えて説明した気になっていても、そこで矛盾を起こしているのなら、やはり「頭から腐る」そのものだと言えそうです。
ソフトバンクグループの決算発表、NY州が提訴していた裁判の判決が出た後のタイミングを狙い、かつ昨晩のうちにシカゴ日経平均先物が上がっているなど、何だか予定調和くさい。今回の判決で、スプリントとTモバイルUSの合併見通しとなりましたが、スプリントの株価が70%上昇したのも、何だか怪しい。そもそも財務体質の悪いスプリントは、合併で株式割り当てになるとかなり低い評価になる、とされていました。それを今回の株価上昇で埋めた。つまり低い評価ではなく、高い評価で交換できるように操縦した、ともみなせる動きなのです。実態は分かりませんが、うまくコトを運び過ぎて、きな臭さ満載というところです。
ここ数日の株価上昇で5兆円も株主価値があがった、としますが、売れない保有株式をとやかく言ったところであまり意味を感じません。以前も指摘した通り、ビジョンファンド第2弾は頓挫が確実、ほとんど自己調達資金のみとなりそうです。IT投資でも新規資金の先細り観測は、かなりマイナスといえます。しかもNTTドコモがMVO事業者と、通話料の値下げで合意したことも逆風です。これまでデータ通信はレンタル料を値下げしてきましたが、通話は一貫して高止まりしてきた。引き下げとなれば、虎の子の携帯通信でも逆風です。すでに新規契約を増やす段でなく、楽天の参入で競争激化の中で、収益性には疑義を生じます。だから「営業利益はみないで」という言葉につながる。評価益というみせかけの数字にこだわることになります。
今日の株式も、ほぼSBG株の上昇で日経225は上昇しましたが、TOPIXはほぼ横ばい。むしろ値下がりの方が多いほどです。直近では、原油価格の下落も意識され、下手をすればこれが世界経済クラッシュの引き金になりかねない。米国でジャンク債市場を占めるのはシェールオイル関連企業が多く、原油安でそこが破綻する恐れがでてくるからです。これまでは原油が値下がりしたらOPECが減産して価格を維持する。米-サウジの密約ともされる形で価格が維持されてきましたが、結局それをしているとOPEC、非OPECがいくら減産してもシェールオイル関連企業が増産し、その穴を埋めるだけでパイが奪われるのと同じです。それに気づいたのか、露国が減産に応じない動きがでて、需要減退に対して減産がおいついていないのです。
経済は間違いなく大きくスローダウンしたのに、株価だけは堅調。これが今の世界の構図です。そしてその恩恵にもっとも浴しているうちの一つが、SBGと言えるのでしょう。投資部門の結果が悪かったように、まさに「潮目が変わった」のが昨年から今年にかけて、なのかもしれません。それはバブルすら意識される現在の株価におんぶにだっこでは、先が思いやられるという懸念であり、SBGの意思決定方法だと、「鯛は頭から腐る」となっては大問題になることだけは確実なのでしょうね。
ソフトバンクグループの決算発表、NY州が提訴していた裁判の判決が出た後のタイミングを狙い、かつ昨晩のうちにシカゴ日経平均先物が上がっているなど、何だか予定調和くさい。今回の判決で、スプリントとTモバイルUSの合併見通しとなりましたが、スプリントの株価が70%上昇したのも、何だか怪しい。そもそも財務体質の悪いスプリントは、合併で株式割り当てになるとかなり低い評価になる、とされていました。それを今回の株価上昇で埋めた。つまり低い評価ではなく、高い評価で交換できるように操縦した、ともみなせる動きなのです。実態は分かりませんが、うまくコトを運び過ぎて、きな臭さ満載というところです。
ここ数日の株価上昇で5兆円も株主価値があがった、としますが、売れない保有株式をとやかく言ったところであまり意味を感じません。以前も指摘した通り、ビジョンファンド第2弾は頓挫が確実、ほとんど自己調達資金のみとなりそうです。IT投資でも新規資金の先細り観測は、かなりマイナスといえます。しかもNTTドコモがMVO事業者と、通話料の値下げで合意したことも逆風です。これまでデータ通信はレンタル料を値下げしてきましたが、通話は一貫して高止まりしてきた。引き下げとなれば、虎の子の携帯通信でも逆風です。すでに新規契約を増やす段でなく、楽天の参入で競争激化の中で、収益性には疑義を生じます。だから「営業利益はみないで」という言葉につながる。評価益というみせかけの数字にこだわることになります。
今日の株式も、ほぼSBG株の上昇で日経225は上昇しましたが、TOPIXはほぼ横ばい。むしろ値下がりの方が多いほどです。直近では、原油価格の下落も意識され、下手をすればこれが世界経済クラッシュの引き金になりかねない。米国でジャンク債市場を占めるのはシェールオイル関連企業が多く、原油安でそこが破綻する恐れがでてくるからです。これまでは原油が値下がりしたらOPECが減産して価格を維持する。米-サウジの密約ともされる形で価格が維持されてきましたが、結局それをしているとOPEC、非OPECがいくら減産してもシェールオイル関連企業が増産し、その穴を埋めるだけでパイが奪われるのと同じです。それに気づいたのか、露国が減産に応じない動きがでて、需要減退に対して減産がおいついていないのです。
経済は間違いなく大きくスローダウンしたのに、株価だけは堅調。これが今の世界の構図です。そしてその恩恵にもっとも浴しているうちの一つが、SBGと言えるのでしょう。投資部門の結果が悪かったように、まさに「潮目が変わった」のが昨年から今年にかけて、なのかもしれません。それはバブルすら意識される現在の株価におんぶにだっこでは、先が思いやられるという懸念であり、SBGの意思決定方法だと、「鯛は頭から腐る」となっては大問題になることだけは確実なのでしょうね。
2020年02月10日
雑感。景気ウォッチャー調査と株式市場
1月景気ウォッチャー調査で、現状判断DIが41.9と前月比2.2ptの上昇。先行き判断DIが41.8と前月比3.7ptの下落。調査期間は1月25〜31日なので、すでに新型肺炎の影響がでていたはずの現状判断が改善しているのは、かなり意外です。増税時の落ちこみから回復、暖冬で暖房費や衣料費に回らなかった分が回ってくるかも…、といった意見もありますが、中国からの春節の旅行客がキャンセルになるなど、本当の現場にきちんと調査していたら、明らかにネガティブな意見がでてきそうですが、寡聞にして見当たりません。
延長されていた春節明けの中国では、未だに製造業などの操業がもどっておらず、深刻な景気の落ち込みも予想されます。1つの四半期で13週あるうちの1週を余計に休んだ上、それが完全回復までまだ遠いのですから。例えば震災クラスの事態が起こっても、国全体がストップすることはまずありません。被災地は限定され、そこが数ヶ月のダメージを負っても他の地域でカバーできます。しかし今回、中国は国全体で経済活動をストップさせてしまった。その影響がまだつづく、というのですから、如何に深刻かは分かるでしょう。
株価は2日連続下落ですが、これは先週が売り方の買戻し、という特殊要因であり得ない水準までもどしたことで、割高感が増したことが原因です。新型肺炎の影響はゼロ、という水準の株価ですから、これから本格的に織り込んでいくことになります。つまり今は、まず短期の値幅取りで先物などの動きがでますが、買い方は政府がバックにつくので狼狽売りをださない。なのでそこが買い戻して一旦は値を戻すものの、その後で実需の売りがでて相場が弱含んでいく。日本からの米株投資が活発で、米株だけはそうした動きを免れますが、日本株は買い上げようとする主体がいないため、こうした値動きになり易いのです。
また日本では未だに信用の取り組みで買い需要が…といった話をする人もいますが、今は先物、信用、それにETFまで含めて相場の動きを説明しないと、中々全体を説明することになりません。つまりもう他市場をみて、信用買いが増えそうだから、その前に先物を買っておこう、などといった取引が裏で行われていて、実際に信用買いがでてきても相殺されるケースが増えているからです。AI取引のよいところは、参考にする数値がいくら多くても構わない、機械的にすべてを組みこんで判断してくれる、ということです。つまりもう「〇〇だから上がる」などという、市場関係者が語っている段階で、それに対応するシステムが構築されてしまっている、ということ。そうした説明には何の意味もない、ということになるのです。
「都市の空気は人を自由にする」これは中世の欧州において、荘園による自給自足経済が行われていたころ、当時発展し始めた『都市』が領主から自治権を獲得するなどし、そこに逃げ込んだ荘園で働いていた農奴も、一定期間領主にみつからないと自由になれた、ということを言った言葉です。今では、「都市の空気は感染病を自由にする」といった方が、的を射ているのかもしれません。人が集まれば、そこで病気が発生すると一気に蔓延することになる。中国も日本も、人口の密集度が高く、感染病が蔓延しやすい環境にあることは同じです。経済にとって非常にリスクの高い国が、世界経済をけん引する立場だったことが、今回における最大のリスクなのでしょう。市場はまだそのリスクに気づいていないか、気づいていても見て見ぬふりを決めこんでいますが、『都市の空気』ばかり読んでいたら、バブルがはじけて市場が自由落下するような事態にもなりかねません。今は「都市の空気は人を(お金の)奴隷にする」ということなのかもしれませんね。
延長されていた春節明けの中国では、未だに製造業などの操業がもどっておらず、深刻な景気の落ち込みも予想されます。1つの四半期で13週あるうちの1週を余計に休んだ上、それが完全回復までまだ遠いのですから。例えば震災クラスの事態が起こっても、国全体がストップすることはまずありません。被災地は限定され、そこが数ヶ月のダメージを負っても他の地域でカバーできます。しかし今回、中国は国全体で経済活動をストップさせてしまった。その影響がまだつづく、というのですから、如何に深刻かは分かるでしょう。
株価は2日連続下落ですが、これは先週が売り方の買戻し、という特殊要因であり得ない水準までもどしたことで、割高感が増したことが原因です。新型肺炎の影響はゼロ、という水準の株価ですから、これから本格的に織り込んでいくことになります。つまり今は、まず短期の値幅取りで先物などの動きがでますが、買い方は政府がバックにつくので狼狽売りをださない。なのでそこが買い戻して一旦は値を戻すものの、その後で実需の売りがでて相場が弱含んでいく。日本からの米株投資が活発で、米株だけはそうした動きを免れますが、日本株は買い上げようとする主体がいないため、こうした値動きになり易いのです。
また日本では未だに信用の取り組みで買い需要が…といった話をする人もいますが、今は先物、信用、それにETFまで含めて相場の動きを説明しないと、中々全体を説明することになりません。つまりもう他市場をみて、信用買いが増えそうだから、その前に先物を買っておこう、などといった取引が裏で行われていて、実際に信用買いがでてきても相殺されるケースが増えているからです。AI取引のよいところは、参考にする数値がいくら多くても構わない、機械的にすべてを組みこんで判断してくれる、ということです。つまりもう「〇〇だから上がる」などという、市場関係者が語っている段階で、それに対応するシステムが構築されてしまっている、ということ。そうした説明には何の意味もない、ということになるのです。
「都市の空気は人を自由にする」これは中世の欧州において、荘園による自給自足経済が行われていたころ、当時発展し始めた『都市』が領主から自治権を獲得するなどし、そこに逃げ込んだ荘園で働いていた農奴も、一定期間領主にみつからないと自由になれた、ということを言った言葉です。今では、「都市の空気は感染病を自由にする」といった方が、的を射ているのかもしれません。人が集まれば、そこで病気が発生すると一気に蔓延することになる。中国も日本も、人口の密集度が高く、感染病が蔓延しやすい環境にあることは同じです。経済にとって非常にリスクの高い国が、世界経済をけん引する立場だったことが、今回における最大のリスクなのでしょう。市場はまだそのリスクに気づいていないか、気づいていても見て見ぬふりを決めこんでいますが、『都市の空気』ばかり読んでいたら、バブルがはじけて市場が自由落下するような事態にもなりかねません。今は「都市の空気は人を(お金の)奴隷にする」ということなのかもしれませんね。
2020年02月09日
SBG株を投資ファンドが買い進め
ソフトバンクグループ(SBG)の株を、米投資ファンドのエリオット・マネジメント(EM)が25億$分買い進めていることが、明らかとなりました。アクティビストとされ、経営にも口をだしてくる株主を、SBGは「歓迎」としますが、内心は腸煮えくり返る想いをしていることでしょう。SBGは当初こそやや強引な買収をすすめることもありましたが、近年は海外に軸足を移したこともあり、相手に受け入れられて投資をすすめてきた。経営権を握れるほどの規模の額を投下しても、人に投資するので経営は任せてきた側面もあるからです。
それがWeWorkで大失敗、経営者を交替させ、増資を迫られたのは記憶に新しいところです。そんな失敗が他にもある、との噂も祟り、ヴィジョンファンド第2弾はほとんど資金が集まっていない、という。そこにアクティビストが入りこんでいるとなったら、ますます資金は集まりにくい。短期の株主価値の向上を訴え、自社株買いや配当の増額を迫るため、不透明な投資先を嫌う傾向があり、そうなると孫会長の目利きなんて一本釣りのような投資は、極めてやりにくくなるからです。今はEMも、SBGの保有資産の価値を低く見積もり過ぎ、などと株高になりそうな発言をしていますが、財務体質の実態を知ったら、EMも逃げだすかもしれない。SBGとしてはすぐにでもEMを追いだしたい、でもすぐ逃げたら、それこそ経営危機を疑われ、株価が暴落する恐れすらでてきます。株を上場している以上、起こるべきことでしたが、最悪のタイミングで厄介な相手と対することとなった、というのが現状です。
しかもこの話は、日本の金融機関も直撃します。SBGに多額の貸付を行ってきたのは日本の金融機関です。通常なら、株主に還元する前に借金を返すか、健全経営をめざすよう促す必要があります。SBGが自社株買いなど始めたら、株主には還元も大きいですが、貸し付けを行う金融機関にとってはうれしいことなどありません。そもそも赤字だから税負担を逃れてきたのに、自社株買いをするほど余裕があるのなら、税負担が生じる恐れも強い。それがそのまま株高に繋がりにくい可能性もあり、手放しで喜べないのです。
すでに多くの投資で、多額の損失を抱えるのではないか? とされるSBG。以前もとり上げたように米通信事業でも怪しくなり、ここに来てPayPayでも不穏な話が囁かれます。大盤振る舞いで顧客増の効果を狙うも、思ったほど効果がでていないので、今年に入ってさらにキャンペーンを実施した。一時的にそれで利用者が増えても、すぐにキャッシュレス決済を使わなくなる、というのです。現金の方が便利だし、最終的にはキャッシュレス決済を一切導入していない小売りの方が、負担が少ないので安くできる。利用者を獲得してスケール効果を狙っても、キャンペーンや政府支援が終わったら、またみんな現金にもどるとされるのです。
IT投資も、すぐにでもバーチャル世界が訪れる、とされてきましたが、実際はもっとずっと遅いのでは? ともされます。つまりSBGの投資が花開くのはずっと先、ということ。この観測の最大の肝は、火星移住計画なども同じですが、経済が好調で資金が活発に集まるのなら加速度的にすすむのですが、実際は今の状況がそれほど経済環境がよくない。資金が集まりにくくなり、実現性が遠のいている、ということです。そう、それはまさにヴィジョンファンド第2弾に資金が集まらないように。経済が好調、株高などと浮かれていたら、実際の金勘定がシビアになってきて、綻びがいたるところに見えてきた。ソフトでない対応をSBGも迫られる状況が、近々訪れるのかもしれませんね。
それがWeWorkで大失敗、経営者を交替させ、増資を迫られたのは記憶に新しいところです。そんな失敗が他にもある、との噂も祟り、ヴィジョンファンド第2弾はほとんど資金が集まっていない、という。そこにアクティビストが入りこんでいるとなったら、ますます資金は集まりにくい。短期の株主価値の向上を訴え、自社株買いや配当の増額を迫るため、不透明な投資先を嫌う傾向があり、そうなると孫会長の目利きなんて一本釣りのような投資は、極めてやりにくくなるからです。今はEMも、SBGの保有資産の価値を低く見積もり過ぎ、などと株高になりそうな発言をしていますが、財務体質の実態を知ったら、EMも逃げだすかもしれない。SBGとしてはすぐにでもEMを追いだしたい、でもすぐ逃げたら、それこそ経営危機を疑われ、株価が暴落する恐れすらでてきます。株を上場している以上、起こるべきことでしたが、最悪のタイミングで厄介な相手と対することとなった、というのが現状です。
しかもこの話は、日本の金融機関も直撃します。SBGに多額の貸付を行ってきたのは日本の金融機関です。通常なら、株主に還元する前に借金を返すか、健全経営をめざすよう促す必要があります。SBGが自社株買いなど始めたら、株主には還元も大きいですが、貸し付けを行う金融機関にとってはうれしいことなどありません。そもそも赤字だから税負担を逃れてきたのに、自社株買いをするほど余裕があるのなら、税負担が生じる恐れも強い。それがそのまま株高に繋がりにくい可能性もあり、手放しで喜べないのです。
すでに多くの投資で、多額の損失を抱えるのではないか? とされるSBG。以前もとり上げたように米通信事業でも怪しくなり、ここに来てPayPayでも不穏な話が囁かれます。大盤振る舞いで顧客増の効果を狙うも、思ったほど効果がでていないので、今年に入ってさらにキャンペーンを実施した。一時的にそれで利用者が増えても、すぐにキャッシュレス決済を使わなくなる、というのです。現金の方が便利だし、最終的にはキャッシュレス決済を一切導入していない小売りの方が、負担が少ないので安くできる。利用者を獲得してスケール効果を狙っても、キャンペーンや政府支援が終わったら、またみんな現金にもどるとされるのです。
IT投資も、すぐにでもバーチャル世界が訪れる、とされてきましたが、実際はもっとずっと遅いのでは? ともされます。つまりSBGの投資が花開くのはずっと先、ということ。この観測の最大の肝は、火星移住計画なども同じですが、経済が好調で資金が活発に集まるのなら加速度的にすすむのですが、実際は今の状況がそれほど経済環境がよくない。資金が集まりにくくなり、実現性が遠のいている、ということです。そう、それはまさにヴィジョンファンド第2弾に資金が集まらないように。経済が好調、株高などと浮かれていたら、実際の金勘定がシビアになってきて、綻びがいたるところに見えてきた。ソフトでない対応をSBGも迫られる状況が、近々訪れるのかもしれませんね。
2020年02月07日
ミニ経済白書?
麻生財務相は新型肺炎で資金繰りに困った事業者への配慮を要請、などとします。しかしじゃぶじゃぶの資金供給状態で、資金繰りで破綻するところは少ない。問題は事業の継続性に疑義が生じ、個人事業主などが廃業してしまうケースです。新型肺炎は下手をすると半年以上影響が残る可能性がある。一時的にしのいでも返済が大変になるだけ、と思えば、それこそ後継不足より明確な廃業の理由となるはずです。
それより気になるのは、クルーズ船への対応やチャーター便、その後の軟禁状態のホテルなど、かなりの予備費が吹き飛んでいると思われる点です。というより、今年は予備費が残っているのか? 豪雨被害などでかなり出費しており、暖冬のために豪雪対策に回さなかった分はあるとしても、足りなくなれば補正予算のときと同じ、赤字国債の発行が懸念されます。予算案の審議中ですが、今は気候変動やこうした不測の事態が起きやすくもあり、本来は予備費を多く確保しなければいけませんが、それができていません。
12月家計調査がでて、消費支出が前年同月比、実質で4.8%減、名目で3.9%減。それもそのはず実収入は実質で1.9%減、名目で1.0%減。配偶者の収入が8.0%増となっていますが、臨時収入が5.9%減となり、ボーナスの大幅減が消費を抑えたのです。これで10-12月期の消費支出は前年同期比、実質で4.0%減、名目で3.4%減。実収入は実質で0.6%減、名目で0.0%減です。2019年通年では消費支出が前年比、実質で0.9%増、名目で1.5%増。実収入は実質で0.5%増、名目で1.1%増。ちなみにすべて2人以上の世帯を取り上げていますが、総世帯に直すと10-12月期と2019年通年の結果は、すべての数字で横ばいか減少となります。
総務省は増税の影響はない、などとしますが、軽減税率やキャッシュレス決済のポイント還元などで「万全の対策」などと安倍政権がしていたので、「ない」としているだけです。14年4-6月期は消費支出が5.7%減で、これより少ないと言っても全て3%上乗せされた前回と、数字だけ比べても意味がありません。むしろ増税幅は小さいのに、これほどの影響が出ていることに驚くべきで、さらに前回は景気はそこそこ好調だったこと。今回は事前に景気が悪くて消費が落ちこんでいたことをみても、今回の落ち込みは深刻といえます。
12月毎月勤労統計は現金給与総額が前年同月比で0.9%減。ちなみに毎月勤労統計は6月から調査方法を変更しており、昨年は令和元年分として変則的に、現金給与総額は前年比0.9%減と、12月と同じでした。
内閣府が『日本経済2019-20』(ミニ経済白書)をだしていますが、こちらも増税の影響は「一時的かつ限定的」とし、消費を抑制しているのは「高齢化が原因」と、何ともお花畑的な見解が並びます。要するに、再増税したいから悪者にしない、と言っているだけで、日本経済を映しているとは思えない。だから経済対策も上手くいかない、という安倍政権の悪循環を象徴するような白書です。2019年は東京五輪に向けて景気押し上げ効果があったはずが、この水準にとどまったことで危機感を抱くべきなのに、経産省主導の「自分たちは上手くやっています」ということを只管喧伝するだけ。安倍政権お得意の「僕たちはうまくやっているもん。高齢化が悪い」と、原因を本来そういう事態を招いた長年の自民党政権といわず、勝手に国民が子供を産まず、長生きするようになったから悪い、とでも言いたげな白書なのです。恐らく白書をとりまとめたときには間に合っていないので、新型肺炎の影響の記載もないので、まさに夢物語、お花畑感の強いものとなっている。安倍政権のだすものは、すべて『弊害白書』と呼んだ方が的を射ているほど、この国とはどこか違う国をみているような、そんなものとなってしまっているのでしょうね。
それより気になるのは、クルーズ船への対応やチャーター便、その後の軟禁状態のホテルなど、かなりの予備費が吹き飛んでいると思われる点です。というより、今年は予備費が残っているのか? 豪雨被害などでかなり出費しており、暖冬のために豪雪対策に回さなかった分はあるとしても、足りなくなれば補正予算のときと同じ、赤字国債の発行が懸念されます。予算案の審議中ですが、今は気候変動やこうした不測の事態が起きやすくもあり、本来は予備費を多く確保しなければいけませんが、それができていません。
12月家計調査がでて、消費支出が前年同月比、実質で4.8%減、名目で3.9%減。それもそのはず実収入は実質で1.9%減、名目で1.0%減。配偶者の収入が8.0%増となっていますが、臨時収入が5.9%減となり、ボーナスの大幅減が消費を抑えたのです。これで10-12月期の消費支出は前年同期比、実質で4.0%減、名目で3.4%減。実収入は実質で0.6%減、名目で0.0%減です。2019年通年では消費支出が前年比、実質で0.9%増、名目で1.5%増。実収入は実質で0.5%増、名目で1.1%増。ちなみにすべて2人以上の世帯を取り上げていますが、総世帯に直すと10-12月期と2019年通年の結果は、すべての数字で横ばいか減少となります。
総務省は増税の影響はない、などとしますが、軽減税率やキャッシュレス決済のポイント還元などで「万全の対策」などと安倍政権がしていたので、「ない」としているだけです。14年4-6月期は消費支出が5.7%減で、これより少ないと言っても全て3%上乗せされた前回と、数字だけ比べても意味がありません。むしろ増税幅は小さいのに、これほどの影響が出ていることに驚くべきで、さらに前回は景気はそこそこ好調だったこと。今回は事前に景気が悪くて消費が落ちこんでいたことをみても、今回の落ち込みは深刻といえます。
12月毎月勤労統計は現金給与総額が前年同月比で0.9%減。ちなみに毎月勤労統計は6月から調査方法を変更しており、昨年は令和元年分として変則的に、現金給与総額は前年比0.9%減と、12月と同じでした。
内閣府が『日本経済2019-20』(ミニ経済白書)をだしていますが、こちらも増税の影響は「一時的かつ限定的」とし、消費を抑制しているのは「高齢化が原因」と、何ともお花畑的な見解が並びます。要するに、再増税したいから悪者にしない、と言っているだけで、日本経済を映しているとは思えない。だから経済対策も上手くいかない、という安倍政権の悪循環を象徴するような白書です。2019年は東京五輪に向けて景気押し上げ効果があったはずが、この水準にとどまったことで危機感を抱くべきなのに、経産省主導の「自分たちは上手くやっています」ということを只管喧伝するだけ。安倍政権お得意の「僕たちはうまくやっているもん。高齢化が悪い」と、原因を本来そういう事態を招いた長年の自民党政権といわず、勝手に国民が子供を産まず、長生きするようになったから悪い、とでも言いたげな白書なのです。恐らく白書をとりまとめたときには間に合っていないので、新型肺炎の影響の記載もないので、まさに夢物語、お花畑感の強いものとなっている。安倍政権のだすものは、すべて『弊害白書』と呼んだ方が的を射ているほど、この国とはどこか違う国をみているような、そんなものとなってしまっているのでしょうね。
2020年02月03日
新型肺炎と世界経済
春節明けの上海株が7.7%の下落。ただこの程度で済むかはまだ不透明です。企業活動が停滞しており、製造業は先んじて悪化していましたが、個人消費というマインド面に新型肺炎の影響がどれだけ拡大するか、分かりません。それは欧米も同じ、今の世界経済が個人消費、というマインドで支えられている以上、そこにどれだけの打撃があるかによって、景気悪化の深さを知ることができます。だから米国はより厳しい水際対策をとった、ということも言えますが、特に米国のマインドが崩れると世界経済が大きく下方に引きずられることになります。なぜなら、米国ぐらいしか世界的にも好調なところがないためです。
春節時の百貨店売上が、免税品で10%以上の悪化をしめすところが相次ぎます。10-12月期はマイナス成長が確実ですが、そうなると1-3月もマイナスとなる可能性が高い。日本は深刻です。また湖北省から出稼ぎに来ていた人が、春節でもどると日本に入国できず、人手不足問題も露呈しています。中国人観光客が多いところには、日本人が寄り付かなくなるかもしれない。観光業にも大打撃で、まだまだ影響は底がみえません。
簡易診断キットの開発、などと安倍政権は対策の一つとして語りますが、渡航者全員にそれをしたとしても、すり抜けられる可能性は十分に高い。体内には入っているけれど、爆発的に増えていない無症状の人は陰性となる可能性が高いからです。薬が効いた、という報告もありますが、治験が少なすぎてそれが薬効なのか、自然治癒力なのかも分かりません。また副作用も分からず、人種差で治療効果が変わるのか? 等々まだ海のものとも山のものともつきません。ただ今はそういう曖昧な情報でも、楽観する動きが強まるので、今日の日本市場は朝安から切り返しました。しかし消費に影響がでてきた、特に米中で…となったときはどうなるか、分かりません。
国内で深刻なのは、インバウンド消費が減退するだけではありません。ここ数年、国内からの外国株投資が増えましたが、危険なのは米株が下がるときに円高がすすむ。国内の投資家は株安と円高の二重の損を被る点です。株高が消費を促しやすいことは論を待ちませんが、逆のことが起これば当然、それは逆に動く。国内は外国株投資の失敗により、消費が一気に消失する可能性が高いのです。これはあくまで悪い観測ですが、今の楽観市場が一体いつまでつづくか分からない。FRBは短期国債買取を延長する気は、今のところない。中国人民銀が19兆円弱の資金供給を発表しましたが、さらに中国は借金漬けの状態が深刻化する。正直、新型肺炎の出口が遅れると、これが負の遺産として中国経済を直撃する可能性すらあります。
もし経済の簡易診断キットがあれば、今の経済は新型肺炎より悪いウィルスが蔓延している、と診断されるでしょう。新型肺炎は飛沫感染、とされますが、新型経済は火祭り感染。火祭り(鎮火祭)は火災のないよう祈るもの、として行われていますが、まさにこれが大火とならないよう『祈り』ながら上昇してきた、ということです。それは裏付けもなく、何の補償もない。お金をばらまけば、一先ず安心できるといった程度ことで押し上げられる経済が、世界全体に広がってしまった、ということです。その感染源は日本。未だに特効薬もなく、症状は徐々に、徐々に重くなってくる。新型肺炎がその実態を浮かび上がらせるとしたら、そのときは世界経済は『沈下』祭となるのであり、その前に抑えられるかどうかがカギとなってくるのでしょうね。
春節時の百貨店売上が、免税品で10%以上の悪化をしめすところが相次ぎます。10-12月期はマイナス成長が確実ですが、そうなると1-3月もマイナスとなる可能性が高い。日本は深刻です。また湖北省から出稼ぎに来ていた人が、春節でもどると日本に入国できず、人手不足問題も露呈しています。中国人観光客が多いところには、日本人が寄り付かなくなるかもしれない。観光業にも大打撃で、まだまだ影響は底がみえません。
簡易診断キットの開発、などと安倍政権は対策の一つとして語りますが、渡航者全員にそれをしたとしても、すり抜けられる可能性は十分に高い。体内には入っているけれど、爆発的に増えていない無症状の人は陰性となる可能性が高いからです。薬が効いた、という報告もありますが、治験が少なすぎてそれが薬効なのか、自然治癒力なのかも分かりません。また副作用も分からず、人種差で治療効果が変わるのか? 等々まだ海のものとも山のものともつきません。ただ今はそういう曖昧な情報でも、楽観する動きが強まるので、今日の日本市場は朝安から切り返しました。しかし消費に影響がでてきた、特に米中で…となったときはどうなるか、分かりません。
国内で深刻なのは、インバウンド消費が減退するだけではありません。ここ数年、国内からの外国株投資が増えましたが、危険なのは米株が下がるときに円高がすすむ。国内の投資家は株安と円高の二重の損を被る点です。株高が消費を促しやすいことは論を待ちませんが、逆のことが起これば当然、それは逆に動く。国内は外国株投資の失敗により、消費が一気に消失する可能性が高いのです。これはあくまで悪い観測ですが、今の楽観市場が一体いつまでつづくか分からない。FRBは短期国債買取を延長する気は、今のところない。中国人民銀が19兆円弱の資金供給を発表しましたが、さらに中国は借金漬けの状態が深刻化する。正直、新型肺炎の出口が遅れると、これが負の遺産として中国経済を直撃する可能性すらあります。
もし経済の簡易診断キットがあれば、今の経済は新型肺炎より悪いウィルスが蔓延している、と診断されるでしょう。新型肺炎は飛沫感染、とされますが、新型経済は火祭り感染。火祭り(鎮火祭)は火災のないよう祈るもの、として行われていますが、まさにこれが大火とならないよう『祈り』ながら上昇してきた、ということです。それは裏付けもなく、何の補償もない。お金をばらまけば、一先ず安心できるといった程度ことで押し上げられる経済が、世界全体に広がってしまった、ということです。その感染源は日本。未だに特効薬もなく、症状は徐々に、徐々に重くなってくる。新型肺炎がその実態を浮かび上がらせるとしたら、そのときは世界経済は『沈下』祭となるのであり、その前に抑えられるかどうかがカギとなってくるのでしょうね。
2020年02月01日
雑感。米株の下げと有効求人倍率
米株が急落です。米国が新型肺炎の緊急事態宣言をうけて、急速に懸念が高まりましたが、高すぎる米株のよい口実にされた印象です。誰もが割高に感じながら、下げないから買う。そんな循環も、実は大統領選の年は上げにくいともされており、上値余地が限られることもあって、実は下げたかった。相場の動きが限られると、さらに金融機関が苦しいので、今年は債券部門の収益で押し上げられた金融機関にとってもとにかく買い、という今の相場からは脱却したい面があります。最近は色々と無視する傾向がさらに強まり、民主党大統領候補がサンダース氏が有力、と報じられても材料視されません。むしろ今年の米株は、様々な思惑が働きやすくなっており、乱高下する場面が増えるのかもしれません。
2019年通年の有効求人倍率が1.60倍と、10年ぶりに前年より低下。0.01ptと小幅ですが、流れが少し変わってきたと感じます。リーマンショックからの復興と、東日本大震災で減った労働人口の分もありましたが、一番大きかったのは就職件数が悪かったこと。つまり求人と求職の間に大きなミスマッチがあったことで求人倍率が高く維持されてきた、とみています。その間、失業率が上がらなかったのも、引退する労働者と、入ってくる若手の労働者の数に差があったから。そう考えると、ここ数年の状況がかなり説明できます。
しかし働き方改革や、再雇用制度により雇用と労働の関係が変わりつつある。年金2000万円不足問題もあって、働きつづける高齢者が増えると、失業率は低く抑えられます。死ぬまで働く時代の到来は、数字のマジックも消すかもしれません。同じ日、発表された12月の数字をみると、新卒を除く求職者数が前年同月比で0.6pt下がっている。辞めないから求職もしない、辞められないから求職しない、どちらも国民にとって不幸なことかもしれません。働き甲斐、などといっていたのも今は昔、体がボロボロになるまで働く時代の到来です。
米株が大きく下がり、日本株にも試練です。指数関連の取引が大きくなるのは月末・月初、そして5・10日などですが、そのタイミングで新型肺炎関連でゴタゴタするので、余計に値動きが大きくなっている印象です。31日に買い戻した連中が、また売らざるを得ない。日系の損ばかりが拡大しているようにも感じる。企業業績の裏付けがないだけに、落ちるのが早く、上げるのに勢いがない。こういうケースでは下げの方が大きくなるのであって、頼みの米株がつぶれると、さらにきつい下げの状況が展開されてしまいます。
昔から相場格言として節分天井、彼岸底などとされますが、実は彼岸というのが春なのか、秋なのか、ははっきりしません。そもそも日本では、3月が年度末でドレッシングの入り易いタイミングであり、また配当取りも活発で、それほど底という印象もないからです。しかし今年、彼岸を過ぎると米大統領選となり、確かにその辺りで相場の気迷いが強まりそうです。節分の前に下げがきつくなってきた日本株、むしろこれが天井となるのなら、今年は厳しい一年ということにもなりそうです。むしろ下げるはずの場面で、ずっと上げを演出されてきた日本株。今は悲願底、本当の底値とは一体? ということを知りたい欲求の方が強まっているのかもしれませんね。
2019年通年の有効求人倍率が1.60倍と、10年ぶりに前年より低下。0.01ptと小幅ですが、流れが少し変わってきたと感じます。リーマンショックからの復興と、東日本大震災で減った労働人口の分もありましたが、一番大きかったのは就職件数が悪かったこと。つまり求人と求職の間に大きなミスマッチがあったことで求人倍率が高く維持されてきた、とみています。その間、失業率が上がらなかったのも、引退する労働者と、入ってくる若手の労働者の数に差があったから。そう考えると、ここ数年の状況がかなり説明できます。
しかし働き方改革や、再雇用制度により雇用と労働の関係が変わりつつある。年金2000万円不足問題もあって、働きつづける高齢者が増えると、失業率は低く抑えられます。死ぬまで働く時代の到来は、数字のマジックも消すかもしれません。同じ日、発表された12月の数字をみると、新卒を除く求職者数が前年同月比で0.6pt下がっている。辞めないから求職もしない、辞められないから求職しない、どちらも国民にとって不幸なことかもしれません。働き甲斐、などといっていたのも今は昔、体がボロボロになるまで働く時代の到来です。
米株が大きく下がり、日本株にも試練です。指数関連の取引が大きくなるのは月末・月初、そして5・10日などですが、そのタイミングで新型肺炎関連でゴタゴタするので、余計に値動きが大きくなっている印象です。31日に買い戻した連中が、また売らざるを得ない。日系の損ばかりが拡大しているようにも感じる。企業業績の裏付けがないだけに、落ちるのが早く、上げるのに勢いがない。こういうケースでは下げの方が大きくなるのであって、頼みの米株がつぶれると、さらにきつい下げの状況が展開されてしまいます。
昔から相場格言として節分天井、彼岸底などとされますが、実は彼岸というのが春なのか、秋なのか、ははっきりしません。そもそも日本では、3月が年度末でドレッシングの入り易いタイミングであり、また配当取りも活発で、それほど底という印象もないからです。しかし今年、彼岸を過ぎると米大統領選となり、確かにその辺りで相場の気迷いが強まりそうです。節分の前に下げがきつくなってきた日本株、むしろこれが天井となるのなら、今年は厳しい一年ということにもなりそうです。むしろ下げるはずの場面で、ずっと上げを演出されてきた日本株。今は悲願底、本当の底値とは一体? ということを知りたい欲求の方が強まっているのかもしれませんね。
2020年01月30日
新型肺炎で相場が下落?
新型肺炎で、無症状患者がいると判明。そうなると罹患率は跳ね上がり、重症化率や致死率が低くとも死者数はインフルエンザのそれを越えるかもしれない。そんな不安が漂います。1000人で罹患率40%、致死率10%なら40人が死亡する計算ですが、罹患率80%、致死率5%なら同じ40人となる。まだ正確な数字が分からず、計算するのも早計ですが、今はこの『分からない』という不安が、最大の問題なのでしょう。
株価は大きく下落しました。この新型肺炎のニュースを嫌気、という話もありますが、日本市場に限ってみれば昨日から日経レバ、日経WインバースなどのETF取引が昨日から活発化、要するに指数関連の組み換えが起きた、というのが主因です。昨日は買いでとったものの、今日になってそれが大きな売りにつながった。前場だけで指数関連取引は終了しましたが、その段階で23000円を割れ、後場はもどす力もなかった。そしてこの取引が1日で巻き直った原因は、新型肺炎だけでなく昨晩のFOMCも大きかったとみられます。
物足りないハト、という言われ方もされますが、FOMC後に3月までの利上げ確率が低下、利下げ確率が上昇しています。一見ハトと意識されたようですが、4-6月までつづける、とされる短期国債の買い入れについて『適切に』終了することが意識され、それが嫌気されたのです。今の相場が、10月から始まったFOMCによる短期国債買いで、資金供給がつづくとの安心感が支えています。逆に、それを失ったら今の相場を支え切れない。それでも米経済は堅調、危うい経済の国から順に資金を引き上げるような動きとなり、日本株が売られた。なにしろ日銀が買い支えているので、実体より株価が割高だからで、今のうちに…との意識を想起させてしまった。そこに新型肺炎の影響を強くうけるのですから、尚のこと日本株を買い持ちしている意味を失ってしまい、今日の大幅な下落につながってしまった、ということです。1月の月末で戦略見直しを迫られた影響は大きく、劇的な改善がない限り、しばらく下値模索という形になりそうです。
すでに工場の操業停止や延期など、業績下押し要因は目白押しです。さらにインバウンド消費が減ると内需に打撃となるばかりか、中国経済が悪化すると日本企業にとって大きな業績悪化となる。人だけでなくモノの取引も活発だからで、直接の被害ばかりでなく、中国人のマインド低下による影響も深刻です。結局、この罹患率という問題は自分も感染するかも…との意識を惹起させ、経済活動には悪影響となってしまいます。
安倍政権が「水際対策を…」などというのも虚しい限りです。全員の血液、唾液の検査をするわけでもなく、無症状患者を止めようがないからです。すでに日本に入りこんでしまっている以上、対策は無意味とも言える。むしろ治療費の負担や、検査の無料化などを通じて、病気になってしまった人や懸念のある人への対処に切り替えた方がいい。意味のないことに予算をつぎ込んでいると、必要な対策に回せなくなります。すでに一時帰国者への対応にも問題が散見される。安倍首相による『鶴の一声』で実施が決まった、とされるチャーター機による帰国事業。タンチョウヅルは冬でも冷たい水に入って眠るため、一本足となって冷えを防ぐとされます。タンチョウヅルのように一本スジが通っていれば倒れないかもしれませんが、安倍氏のようにスジの通らない、中途半端なことをしていると、冷たい水の中に体ごと落ちる、ということにもなりかねないのでしょう。鶴の一声が断末魔の悲鳴になりかねない。経済でも対策、対応がほとんどできていない人だけに、新型肺炎の「水際」はとても冷たく、身も凍えるほどとなるのかもしれませんね。
株価は大きく下落しました。この新型肺炎のニュースを嫌気、という話もありますが、日本市場に限ってみれば昨日から日経レバ、日経WインバースなどのETF取引が昨日から活発化、要するに指数関連の組み換えが起きた、というのが主因です。昨日は買いでとったものの、今日になってそれが大きな売りにつながった。前場だけで指数関連取引は終了しましたが、その段階で23000円を割れ、後場はもどす力もなかった。そしてこの取引が1日で巻き直った原因は、新型肺炎だけでなく昨晩のFOMCも大きかったとみられます。
物足りないハト、という言われ方もされますが、FOMC後に3月までの利上げ確率が低下、利下げ確率が上昇しています。一見ハトと意識されたようですが、4-6月までつづける、とされる短期国債の買い入れについて『適切に』終了することが意識され、それが嫌気されたのです。今の相場が、10月から始まったFOMCによる短期国債買いで、資金供給がつづくとの安心感が支えています。逆に、それを失ったら今の相場を支え切れない。それでも米経済は堅調、危うい経済の国から順に資金を引き上げるような動きとなり、日本株が売られた。なにしろ日銀が買い支えているので、実体より株価が割高だからで、今のうちに…との意識を想起させてしまった。そこに新型肺炎の影響を強くうけるのですから、尚のこと日本株を買い持ちしている意味を失ってしまい、今日の大幅な下落につながってしまった、ということです。1月の月末で戦略見直しを迫られた影響は大きく、劇的な改善がない限り、しばらく下値模索という形になりそうです。
すでに工場の操業停止や延期など、業績下押し要因は目白押しです。さらにインバウンド消費が減ると内需に打撃となるばかりか、中国経済が悪化すると日本企業にとって大きな業績悪化となる。人だけでなくモノの取引も活発だからで、直接の被害ばかりでなく、中国人のマインド低下による影響も深刻です。結局、この罹患率という問題は自分も感染するかも…との意識を惹起させ、経済活動には悪影響となってしまいます。
安倍政権が「水際対策を…」などというのも虚しい限りです。全員の血液、唾液の検査をするわけでもなく、無症状患者を止めようがないからです。すでに日本に入りこんでしまっている以上、対策は無意味とも言える。むしろ治療費の負担や、検査の無料化などを通じて、病気になってしまった人や懸念のある人への対処に切り替えた方がいい。意味のないことに予算をつぎ込んでいると、必要な対策に回せなくなります。すでに一時帰国者への対応にも問題が散見される。安倍首相による『鶴の一声』で実施が決まった、とされるチャーター機による帰国事業。タンチョウヅルは冬でも冷たい水に入って眠るため、一本足となって冷えを防ぐとされます。タンチョウヅルのように一本スジが通っていれば倒れないかもしれませんが、安倍氏のようにスジの通らない、中途半端なことをしていると、冷たい水の中に体ごと落ちる、ということにもなりかねないのでしょう。鶴の一声が断末魔の悲鳴になりかねない。経済でも対策、対応がほとんどできていない人だけに、新型肺炎の「水際」はとても冷たく、身も凍えるほどとなるのかもしれませんね。
2020年01月28日
新型肺炎と五輪と株式
安倍首相が、桜を見る会で事務所による事前通知と、夫人による要望も反映、とやっと認めました。つまり招待者の選別など行われておらず、要望をだせば通ってしまったこと、及び私人による税金をつかった接待も可能であることを認めたのです。前者は、ますますジャパンライフ元会長の出席という問題で、安倍氏か自民のいずれかの関与を疑わせる。各省庁の中に推薦が入っていなかったことは、調査すれば判明しますが、そこに入っていないとなると、誰かが推薦したので精査されることもなく、招待状が送られた形となるからです。少しずつ事実が明らかになっていく、フィクションでは盛り上がる形ですが、まさに安倍政権は今回、その『有権者の興味をひく』形で、情報を小出しにしていることになるのでしょう。
新型肺炎の人→人感染が明らかとなりました。もし日本でこの新型肺炎の蔓延が意識されると、インバウンド消費は壊滅的となるかもしれない。そしてテーマパークやコンサートなど、人が集まるイベントなどは規制が必要となるかもしれない。通勤時も混雑した場所を忌避しなければいけなくなるかもしれない。実は、様々な形で悪影響が襲うことが想定されます。そしてもう一つ、五輪にも影響を与えるかもしれません。
コロナウィルスなので、インフルエンザと違って季節性は薄いかもしれませんが、5月ごろまでつづくと事前に日本でトレーニングするなど、そうした計画が頓挫するかもしれない。6月までつづくと、ボランティア集めにも影響してくるでしょう。計画していた人が辞退する、家族が感染していたので、潜伏期間も考えて辞める、などです。7月までつづけば開催自体が危ぶまれるかもしれません。そこまで続くと感染率の高さと、持続性を証明するようなものだからで、日本人は大半が感染し、免疫ができても海外からくる選手や観客は異なる。人が集まる場だからこそ、病気には脆いという逆の作用が意識され易くなってくるのです。
ナゼか株式市場では「中国市場が春節で休場だから、日本で売る投資家がでてくる」といった言い方をする人がいます。これは全く意味不明で、特に中国市場はそれほど外国人投資家が活発に取引できる市場ではない。香港市場ならまだしも、一々資金を動かしてまで商いすることはなく、むしろ中国の変動にふり回されず、日本単独の事情も加味しつつ今回の新型肺炎の問題で動く、というに過ぎません。日本の景気が弱いから、新型肺炎の影響が強く出やすいので売りに傾きやすい、というだけのことで、そこに五輪特需さえ期待できない、となったら壊滅的になるので、特に今回の影響が深刻である、というだけのことです。
五輪イヤーであるだけに、その影響が読みにくい。五輪特需はとっくに織り込み済みの中で、その特需が剥落したときの悪影響は、群を抜いて日本が大きくなることが間違いありません。まだそこまでのシナリオを描くのは早計ですが、五輪への影響は継続次第で、次々とでてくることになるでしょう。それをいつ株式市場が、価格として織りこむのか。今年は世界から注目される日本、東京であるだけに、今回の人→人感染を日本で起こしてしまったことで、不安も拡大します。しかも、来年度の補正予算はそれで足りるのか? 新型肺炎の問題がおきる前に組まれた予算、さらに不安を助長する要因となってきてもいるのでしょうね。
新型肺炎の人→人感染が明らかとなりました。もし日本でこの新型肺炎の蔓延が意識されると、インバウンド消費は壊滅的となるかもしれない。そしてテーマパークやコンサートなど、人が集まるイベントなどは規制が必要となるかもしれない。通勤時も混雑した場所を忌避しなければいけなくなるかもしれない。実は、様々な形で悪影響が襲うことが想定されます。そしてもう一つ、五輪にも影響を与えるかもしれません。
コロナウィルスなので、インフルエンザと違って季節性は薄いかもしれませんが、5月ごろまでつづくと事前に日本でトレーニングするなど、そうした計画が頓挫するかもしれない。6月までつづくと、ボランティア集めにも影響してくるでしょう。計画していた人が辞退する、家族が感染していたので、潜伏期間も考えて辞める、などです。7月までつづけば開催自体が危ぶまれるかもしれません。そこまで続くと感染率の高さと、持続性を証明するようなものだからで、日本人は大半が感染し、免疫ができても海外からくる選手や観客は異なる。人が集まる場だからこそ、病気には脆いという逆の作用が意識され易くなってくるのです。
ナゼか株式市場では「中国市場が春節で休場だから、日本で売る投資家がでてくる」といった言い方をする人がいます。これは全く意味不明で、特に中国市場はそれほど外国人投資家が活発に取引できる市場ではない。香港市場ならまだしも、一々資金を動かしてまで商いすることはなく、むしろ中国の変動にふり回されず、日本単独の事情も加味しつつ今回の新型肺炎の問題で動く、というに過ぎません。日本の景気が弱いから、新型肺炎の影響が強く出やすいので売りに傾きやすい、というだけのことで、そこに五輪特需さえ期待できない、となったら壊滅的になるので、特に今回の影響が深刻である、というだけのことです。
五輪イヤーであるだけに、その影響が読みにくい。五輪特需はとっくに織り込み済みの中で、その特需が剥落したときの悪影響は、群を抜いて日本が大きくなることが間違いありません。まだそこまでのシナリオを描くのは早計ですが、五輪への影響は継続次第で、次々とでてくることになるでしょう。それをいつ株式市場が、価格として織りこむのか。今年は世界から注目される日本、東京であるだけに、今回の人→人感染を日本で起こしてしまったことで、不安も拡大します。しかも、来年度の補正予算はそれで足りるのか? 新型肺炎の問題がおきる前に組まれた予算、さらに不安を助長する要因となってきてもいるのでしょうね。
2020年01月25日
日本の賃金が上がらない理由
産経系の記事で『野党議員は「気楽な商売」』なる記事があります。産経らしい、独特で意味不明な記事ですが、与党議員でも政務官などになると仕事もありますが、まじめに仕事をすると煙たがられ、情報さえ渡されなくなる。下手なことをせず、はいはいと官僚の意見を聞いてサインしていれば、官僚との関係も良好で、後に族議員としてチヤホヤしてくれます。むしろ委員会などに属しても、政権のやることを批判することもないので、自ら調査することもない。与党議員ほどヒマで、無能なほど長生きできる気楽な商売です。
最近、日本の賃金が上がらない、低い水準で留め置かれる理由を解説する記事をよくみかけます。その中で、個人はキャリアを積め、特殊技能を身につけろ、などという人もいますが、良かれと思っても日本の組織ではほとんどそういう人物は厄介者扱いされます。私の経験からいえば、せっかく効率化の手法を提案しても、旧来のやり方の成功体験をもつ管理職には、新しいやり方が理解できず、おかしなことを言いだす奴、和を乱す奴、という扱いです。特殊技能が武器になり始めると、それを疎ましく思う人間が必ず現れてしまう。結局、組織の中で居づらくなるだけで、管理職からの評価も低くなる。それで成功できる人なんてごく一握り、むしろフリーランスなら成功する道もありますが、賃金への反映という点では期待薄となります。
日本の構造に問題をおくものもあります。新卒一括採用からの年功序列、終身雇用、春闘による横並びの賃上げ、など語られます。しかし終身雇用はリストラにより事実上終焉し、今では定年延長などをするぐらいで、終身雇用でないと大変なことになります。年功序列も年齢給による上乗せがないと、生活設計に支障をきたす人も多いでしょう。逆に、それがないから非正規などは家族をもつこともできない、とされます。春闘だって、経営側と組合側が話し合って、双方が折り合っているのですから、文句はないはずです。強いていうなら、こういう表向きの構造問題に責任を帰していると、大元の問題から目を背けておくことができます。
枝野立民代表が「民主党政権時代に賃金が上がった」とすると、安倍首相が「デフレを自慢するようなもの」と切り返しました。また安倍氏は「賃金が上がった」としますが、社会保障費などの上乗せなどにより実質的には目減りしている。ここに最大の構造問題があります。安倍政権では法人税減税をしていますが、社会保障費にしろ税にしろ、国民からとるようにした。その代替として企業の負担を減らし、その分を賃金に回すよう財界に要請した。それが安倍氏による官製春闘の正体です。安倍自民は財界、経営者に近く、旧民主は連合など、労働組合に近い。経営者側が政界とのむすびつきからも、圧倒的に力のある状態が長くつづき、労使関係が壊れている。民主党政権時代に企業が賃上げに前向きとなったのも、経営側が政治とのコネクションのためにも組合の力を借りる必要が生じた。つまり本来の構造問題とは、日本は政治との結びつき、その状態が長くつづいたことにより圧倒的に経営側の力が強くなり、賃金を抑える方向のバイアスがかかり易い、ということなのです。
経営者は社会不安、国民の不満が溜まらない程度に賃金上昇を抑制したい。今は固定費をけずった経営者が評価される時代です。それが政治のバックボーンをうけて、力をもつ。社会保障とて、税として徴収した後、それを分配する形としても何の問題もない。法人税を高くして、そこから配分してもよいのです。国際的な法人税引き下げ競争に対応するため、という口実により、中途半端なことをしたから、賃金に反映されにくくなった。社会全体のシステムがちがうのに、一部だけ国際基準に合わせたとしても、歪みが溜まるだけなのです。
中途採用市場の低迷も大きいのでしょう。転職しようとしても、「あの企業に勤めていた」と、人ではなくキャリアでみる傾向がある。そのため、前の職場より小さな企業に移るケースが多い。またライバル企業に移ると、スパイや裏切り者といったレッテルを貼られ、居づらくなる。キャリアを生かすための転職がしにくい、といったケースもあります。結局、江戸時代はムラ、戦前は隣組など、人を管理するシステムを現代は企業に委ねている。その結果、圧倒的に個人より企業が強い時代となっているのです。そこに政治との関係が加わる。米国のように、エントリーシートには写真も要らない、キャリアも要らない、人と直接会って採用を決めろ、というぐらいの労使関係を築いて、初めて賃金にも反映しなければいけない社会になる、といえるのでしょう。中途半端な論理で、何となくわかったような気になるのではなく、本質をみないといけません。それこそ自民党議員のように、選挙に出るといったら1.5億円もだしてくれるような組織に優遇されるのなら別ですが、組織と個人の関係を考えるときは、背景まで考えないといけないのでしょうね。
最近、日本の賃金が上がらない、低い水準で留め置かれる理由を解説する記事をよくみかけます。その中で、個人はキャリアを積め、特殊技能を身につけろ、などという人もいますが、良かれと思っても日本の組織ではほとんどそういう人物は厄介者扱いされます。私の経験からいえば、せっかく効率化の手法を提案しても、旧来のやり方の成功体験をもつ管理職には、新しいやり方が理解できず、おかしなことを言いだす奴、和を乱す奴、という扱いです。特殊技能が武器になり始めると、それを疎ましく思う人間が必ず現れてしまう。結局、組織の中で居づらくなるだけで、管理職からの評価も低くなる。それで成功できる人なんてごく一握り、むしろフリーランスなら成功する道もありますが、賃金への反映という点では期待薄となります。
日本の構造に問題をおくものもあります。新卒一括採用からの年功序列、終身雇用、春闘による横並びの賃上げ、など語られます。しかし終身雇用はリストラにより事実上終焉し、今では定年延長などをするぐらいで、終身雇用でないと大変なことになります。年功序列も年齢給による上乗せがないと、生活設計に支障をきたす人も多いでしょう。逆に、それがないから非正規などは家族をもつこともできない、とされます。春闘だって、経営側と組合側が話し合って、双方が折り合っているのですから、文句はないはずです。強いていうなら、こういう表向きの構造問題に責任を帰していると、大元の問題から目を背けておくことができます。
枝野立民代表が「民主党政権時代に賃金が上がった」とすると、安倍首相が「デフレを自慢するようなもの」と切り返しました。また安倍氏は「賃金が上がった」としますが、社会保障費などの上乗せなどにより実質的には目減りしている。ここに最大の構造問題があります。安倍政権では法人税減税をしていますが、社会保障費にしろ税にしろ、国民からとるようにした。その代替として企業の負担を減らし、その分を賃金に回すよう財界に要請した。それが安倍氏による官製春闘の正体です。安倍自民は財界、経営者に近く、旧民主は連合など、労働組合に近い。経営者側が政界とのむすびつきからも、圧倒的に力のある状態が長くつづき、労使関係が壊れている。民主党政権時代に企業が賃上げに前向きとなったのも、経営側が政治とのコネクションのためにも組合の力を借りる必要が生じた。つまり本来の構造問題とは、日本は政治との結びつき、その状態が長くつづいたことにより圧倒的に経営側の力が強くなり、賃金を抑える方向のバイアスがかかり易い、ということなのです。
経営者は社会不安、国民の不満が溜まらない程度に賃金上昇を抑制したい。今は固定費をけずった経営者が評価される時代です。それが政治のバックボーンをうけて、力をもつ。社会保障とて、税として徴収した後、それを分配する形としても何の問題もない。法人税を高くして、そこから配分してもよいのです。国際的な法人税引き下げ競争に対応するため、という口実により、中途半端なことをしたから、賃金に反映されにくくなった。社会全体のシステムがちがうのに、一部だけ国際基準に合わせたとしても、歪みが溜まるだけなのです。
中途採用市場の低迷も大きいのでしょう。転職しようとしても、「あの企業に勤めていた」と、人ではなくキャリアでみる傾向がある。そのため、前の職場より小さな企業に移るケースが多い。またライバル企業に移ると、スパイや裏切り者といったレッテルを貼られ、居づらくなる。キャリアを生かすための転職がしにくい、といったケースもあります。結局、江戸時代はムラ、戦前は隣組など、人を管理するシステムを現代は企業に委ねている。その結果、圧倒的に個人より企業が強い時代となっているのです。そこに政治との関係が加わる。米国のように、エントリーシートには写真も要らない、キャリアも要らない、人と直接会って採用を決めろ、というぐらいの労使関係を築いて、初めて賃金にも反映しなければいけない社会になる、といえるのでしょう。中途半端な論理で、何となくわかったような気になるのではなく、本質をみないといけません。それこそ自民党議員のように、選挙に出るといったら1.5億円もだしてくれるような組織に優遇されるのなら別ですが、組織と個人の関係を考えるときは、背景まで考えないといけないのでしょうね。
2020年01月23日
中国の新型コロナウィルス
今日の日経平均株価は下落しましたが、昨日は新型コロナウィルスの早期終息をみこんで買った、日系大手が目論見外れで売った、というだけです。問題はその新型コロナウィルスの最悪状態を、きちんと想定できているか? パンデミックとなれば勿論、しかしそれ以上に別の問題を発生させる可能性があります。
市場では、2003年のSARSのときも株価は上昇した、という意見も多いですが、ITバブル崩壊からの復調時期であったこと、また香港の中で封じ込めに成功したこと、さらに中国経済が今より世界経済に影響を与える存在でなかったこと、などが重なった結果です。今回、発生した武漢は中国のいわば交通の要衝、すでに事態は拡大している可能性があります。さらに春節が重なり、人々の大移動がおこる。不要不急の外出をひかえる、といってみたところで、食料の運搬は必要でしょうし、それ以外の物資だって輸送する必要があります。香港のように小さな行政区画として、封じこめられるような環境でもありません。
最大の問題は、これが社会不安と重なり、中国共産党への討伐運動に発展することです。すでにその萌芽は発生しており、地銀などで取り付け騒動が起きています。地方政府の資金の出し手、財布として扱われていた地銀には、暗黙の政府保証がついている、とされてきたことが、中国で信用収縮を食い止めてきました。しかしその仕組みが崩壊した。地銀が債務不履行をだして、大幅な債務削減か、倒産という憂き目に遭っています。そのため地銀への不安が募り、一部で取り付け騒動が起きているのです。つまり今、中国国民の怒りの導火線に火がつき、新型コロナウィルスによる社会不安が暴動に直結する恐れが高いのです。
それは中国国内が香港化する、ということ。デモが頻発し、商業活動が停滞し、景気減速がはっきりする。世界経済のけん引役となってきた中国が、逆に足をひっぱるということです。その暴動を、人民解放軍などをつかって鎮圧すれば、今度こそ世界中が中国に制裁をかけざるを得なくなるでしょう。それは米国による制裁関税などというレベルではなく、世界各国との物流にすら影響を与える事態となります。
中国共産党も、このシナリオを意識していると思われる。ただし、何もSARSの失敗から学んでいない。結局、目の前の問題を何とかしようとして、もっとも悪手をとっているのです。WHOの異例対応をみても、今回かなりまずいことになっていることが自明であり、中国は必死でここまで数をごまかしてきた。今日になって急に交通封鎖なんて言い出した。すべて後手後手の対応です。そしてそれが国民にバレると、本当に中国国内で急速に不安が増大し、社会不安となり、金融不安と重なってくると危険水準です。まさに中国共産党が、このシナリオを起こさないようにしたことが、その実現を促しているのが現状といえるでしょう。
これはあくまで最悪シナリオであり、その延長戦は世界経済の減速、金融政策も行き詰まった中でのことであり、低迷が長引くというシナリオが想定されます。しかし中国が封じ込めに成功したり、社会不安に陥らないよう督戦部隊が機能したり、といったことがあれば回避も可能です。ただ今はそのシナリオがどう推移するのか、まったく不透明と言わざるを得ないのです。まさにパンデミックどころか、パンドラボックスを開けてしまうのかどうか。予断を許さずに推移を見守っていくしかないのでしょうね。
市場では、2003年のSARSのときも株価は上昇した、という意見も多いですが、ITバブル崩壊からの復調時期であったこと、また香港の中で封じ込めに成功したこと、さらに中国経済が今より世界経済に影響を与える存在でなかったこと、などが重なった結果です。今回、発生した武漢は中国のいわば交通の要衝、すでに事態は拡大している可能性があります。さらに春節が重なり、人々の大移動がおこる。不要不急の外出をひかえる、といってみたところで、食料の運搬は必要でしょうし、それ以外の物資だって輸送する必要があります。香港のように小さな行政区画として、封じこめられるような環境でもありません。
最大の問題は、これが社会不安と重なり、中国共産党への討伐運動に発展することです。すでにその萌芽は発生しており、地銀などで取り付け騒動が起きています。地方政府の資金の出し手、財布として扱われていた地銀には、暗黙の政府保証がついている、とされてきたことが、中国で信用収縮を食い止めてきました。しかしその仕組みが崩壊した。地銀が債務不履行をだして、大幅な債務削減か、倒産という憂き目に遭っています。そのため地銀への不安が募り、一部で取り付け騒動が起きているのです。つまり今、中国国民の怒りの導火線に火がつき、新型コロナウィルスによる社会不安が暴動に直結する恐れが高いのです。
それは中国国内が香港化する、ということ。デモが頻発し、商業活動が停滞し、景気減速がはっきりする。世界経済のけん引役となってきた中国が、逆に足をひっぱるということです。その暴動を、人民解放軍などをつかって鎮圧すれば、今度こそ世界中が中国に制裁をかけざるを得なくなるでしょう。それは米国による制裁関税などというレベルではなく、世界各国との物流にすら影響を与える事態となります。
中国共産党も、このシナリオを意識していると思われる。ただし、何もSARSの失敗から学んでいない。結局、目の前の問題を何とかしようとして、もっとも悪手をとっているのです。WHOの異例対応をみても、今回かなりまずいことになっていることが自明であり、中国は必死でここまで数をごまかしてきた。今日になって急に交通封鎖なんて言い出した。すべて後手後手の対応です。そしてそれが国民にバレると、本当に中国国内で急速に不安が増大し、社会不安となり、金融不安と重なってくると危険水準です。まさに中国共産党が、このシナリオを起こさないようにしたことが、その実現を促しているのが現状といえるでしょう。
これはあくまで最悪シナリオであり、その延長戦は世界経済の減速、金融政策も行き詰まった中でのことであり、低迷が長引くというシナリオが想定されます。しかし中国が封じ込めに成功したり、社会不安に陥らないよう督戦部隊が機能したり、といったことがあれば回避も可能です。ただ今はそのシナリオがどう推移するのか、まったく不透明と言わざるを得ないのです。まさにパンデミックどころか、パンドラボックスを開けてしまうのかどうか。予断を許さずに推移を見守っていくしかないのでしょうね。