2019年06月05日

市場の反発と予測する世界

カリタス学園が再開されましたが、それに触発されて息子が他人に危害を加えることを恐れ、元農水事務次官の父親が息子を殺害した事件。この父親のことを、事件を未然に防いだとして英雄視する向きもありますが、そう主張する者は覚悟しておいた方がよい。それは事件を未然に防ぐ、という予測逮捕を認めた主張であり、かつ殺人容認主義者とみなされるからです。つまり殺人を容認する主張をする者はチェックされ、次に予測逮捕によって拘束されるのは自分たちです。日本ではまだ未導入ですが、中国や英国ではすでに一部実施されており、予測逮捕は現実的になりつつあります。こいつは罪を犯しそうだから逮捕、そんな時代がくるのです。殺人容認だったり、過激な暴力論を唱える人間は予測逮捕の対象となってしまうのです。
罪を犯しそうだから…といって社会から排除するのはある意味簡単です。しかしそう主張する人間に限って、自分がその対象になるとは考えていない。ネットで他者を攻撃する者も、決まって「捕まるとは思わなかった」とするのと同じです。自分の身に実害が及んでから、それに気づくのでは遅いのです。予測逮捕であったり、予測排除などが始まったら何が起きるか、その想像力をもつことが肝要なのでしょう。

米国でパウエルFRB議長が「適切な」金融政策をとる、と講演で発言して米株が大幅高、日本株も6日ぶりに反発しています。低金利、流動性供給はもはや「非伝統的な」政策ではない、とし、金融緩和を匂わせたことで、すでに年内3回の利下げ確率が最も高く、2回の利下げはほぼ確実といった債券市場の動きをみせます。しかし米国の景気は決して悪いわけではなく、指数でも景気判断の分かれ目とされる50を割るようなものはほとんどありません。割りそう、割るかもしれない、といった判断で金融緩和を始めるとしたら、それこそ非伝統的な手法であり、その予測が正しいのかどうか、が問われることになります。
しかし現在のダウ25000$台は、決して緩和が必要な水準ではない。景気指標も決して悪化とは言えない。年3回の緩和をするとしたら、6月は難しいとするとほぼ毎回のFOMCで利下げするしかありませんが、それはもう景気後退期のようです。つまり債券市場が狂っているとしか思えない。利回りの低下が景気を下支えすることもない。ナゼなら、行き場のない資金が債券市場に流れこんでいるように、流動性そのものを狂わすのは資金不足ではなく、信用棄損となるからです。利回りが低下してお金が借り易くなっても、借りられない企業は信用がないから。そういう状況が今後、訪れることになるのでしょう。

つまり今後、各国の中央銀行の低金利が常態化する、というのは世界全体が低成長に陥る、ということなのです。そのニューノーマルにおいて、年金や保険など運用を前提とするシステムは軒並み苦境に陥ることでしょう。それがこれからの「非伝統的な」流れであり、低成長型世界の「適切な」金融政策です。
これから世界は、AIを活用した未来予測に基づく様々な施策が行われるでしょう。予測逮捕もその一つです。株価などもAIの予測に基づき、取引されることになる。今はアルゴリズム取引といっても、短期の流れをつかんで上下動させますが、今後は中長期の予想まで踏まえた形で、様々な戦略を駆使するようになっていくでしょう。それはもう時代の流れであり、どれほど否定しても遠からず訪れる未来です。そのとき金融緩和と称し、低金利でお金をじゃぶじゃぶと流すような手法を、AIがどう判断するのか? それこそそんな政策を行う人間を、早めに排除するよう予測逮捕してしまう、などという未来がくるのかもしれませんね。

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2019年06月01日

米国によるメキシコへの制裁関税

昨日、トランプ米大統領がメキシコへの制裁関税として6月10日から全輸入品に5%の関税、と発表し、世界的に景気後退懸念が襲いました。今回は移民問題という、経済と全く関係ない問題での制裁関税であり、今後も同様のことが起こるかもしれない。トランプ氏が自らをタリフマンと呼び、制裁関税により問題解決に前のめりになっていることもあるでしょう。中国への制裁関税が、国民に意外と支持されていることもあり、米国の暴走が止まらない可能性があり、あらゆる市場がそれを敏感にうけとめたのです。
日本株は、日経225先物で一斉に日系が売りをだして総崩れです。TOPIX先物には、最近の定番となっている日系の4000枚買いが入り、支えになりましたが、アジア株式市場はそこまで落ち込んでいないのに日本が大きな動きになったのは、日米貿易協議を抱えているためです。まさに制裁関税をうけかねない。経済への打撃が大きくなる、そんな不安に怯えたのです。ただ原油市場をはじめとする商品市場まで景気後退をおりこみだしたので、来週のアジア市場にも、一周遅れで嵐が襲うかもしれません。中国の景気対策期待もありますが、前回のリーマンショック後の4兆元の景気対策を打ったときとは環境が大きく違うのです。

欧米もあのときは中国の景気対策を好感し、応援もした。しかし今回、少なくとも米国は協力しない。むしろ効果を無効とするように動くでしょう。対中強硬派が幅を利かせ、中国をどこまでも追い込もうとするからです。米国は、自身が景気後退に陥るまでこの愚策に気づくことはないでしょう。まさにトランプ政権は究極のポピュリズム政権であり、ショー化された政治をすることで国民が喜べば、さらにのめりこみ、国民がそっぽを向けば政策を改める。だから景気後退に陥ったり、インフレが加速したりして、国民に不満が溜まるようでないと政策は見直さないのです。それは人気番組なら放送がつづくメディアと同じです。
ただし困るのは中国より、日本が大きい。内需がからっきしで、米中に頼ってきただけにダメージが大きい。しかも金融も財政も吹かす余裕がない。これまでが円安で救われてきただけに、円高が襲うと企業業績にも悪影響を与える。米国の為替報告書をみても、今介入などしたら絶好の口実を与えるだけで八方塞がりです。そもそも五輪特需の剥落、増税、失敗した安倍ノミクスの継続と、この国には何の買う材料もない。国内の金融機関が、運用先がないから海外に資金を逃避する、などという時点で異常です。さらに、そのヘッジのつもりなのか、国内では株を買いポジションに大きく傾けており、株が下がり、円高になれば海外で運用した分も損失となって襲ってくる。ヘッジどころか、ダブルインパクトとなって、日本の金融機関を襲うかもしれない。不良債権問題、ふたたびといった不安も日本を買えない理由となります。

しかも相場の循環的にいうと、3ヶ月の下落の後、4ヶ月の上昇を果たし、そして1ヶ月弱の下落ですから、まだ2ヶ月は下落局面がつづく可能性がある。今回の局面はトランプ氏の行動一つでひっくり返る可能性もありますが、残念ながら2ヶ月ほどで米景気に変調が確認され、国民がそれを実感するとも思えないので、この循環がつづいてしまうと考えた方がいい。つまり8月ぐらいまでは継続するとみた方が方がよいのです。
しかもそのタイミングで、衆参ダブル選挙があるのか? そして8月といえばトランプ氏から「大きな数を期待」ともされる米中貿易協議が決着するのか? いずれにしろ、そうした材料が相場反転のきっかけではなく、むしろ悪材料となって襲う可能性があるのですから、やっぱり日本株には期待できない、となるのです。トランプ氏のやり方は安倍氏そっくり、と指摘したこともありますが、まさに北朝鮮を追いこんで、自分たちの条件を押し付けようとしていたことと同じ、どころかスケールアップしてトランプ氏は実践しています。しかし日米とも、そんな手法の間違いを自覚したころには時すでに遅し、自分たちの為政者がタリフマンどころか、(知恵が)足りぬマンのせいで景気が大変なことになっている、となるのでしょうね。

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2019年05月23日

株式先物市場の先細り感

菅官房長官が「韓国は(日韓請求権)協定上、仲裁に応じる義務を負っている。日本政府は仲裁に応じるよう強く求める」と語りました。しかし義務なら強く求めずとも、韓国が果たさなかったときにペナルティもありそうですが、生憎とそんな文言は見出せません。日韓請求権協定3条の3で『いずれか一方の締約国の政府が当該期間内に仲裁委員を任命しなかったとき…仲裁委員会は、両締約国政府のそれぞれが三十日の期間内に選定する国の政府が指名する各一人の仲裁委員とそれらの政府が協議により決定する第三国の政府が指名する第三の仲裁委員をもつて構成される』とあります。簡単にいえば、韓国が仲裁委員を任命しないときは、30日以内に第3国を指名してその国から仲裁委員をだす、と述べているだけです。つまり韓国が仲裁委員もださず、第3国も指名しない場合は想定されておらず、それについての罰則もないのです。
『義務』としても、それは道義的なもの。言葉は悪いですが、借用書もなく金の貸し借りをしてすっとぼけられるのと同じ、押し問答になるだけです。まずは『外交上の経路を通じて解決』としているのですから、仲裁委員より外交上の圧力をかけた方が、よほど解決の道に近づくといえるでしょう。むしろ安倍政権がやっている感をだすため、やっている感だけ出して時間稼ぎをするために、仲裁委員をもちだしているように感じます。それだけ『外交上の経路を通じて解決』ということに手詰まりなのでしょう。外交の安倍、またしても形無しの図です。むしろ仲裁委員の安倍、WTOにもイチャモンの安倍、と改名した方が、名は体を表すとなるでしょう。英語表記を姓・名の順にするより、よほど相手に伝わるというものです。

日経平均が21000円台前半でもみ合っています。最近、話題なのが先物市場で売り買い合計、2000枚を超える証券会社がほとんどいない、ということです。欧州系の先物ぶん回しを特徴とする2社が健在なので、売買自体はできていますが、このままだと日本市場はじり貧とすら囁かれます。現物株の売買代金が2兆円かつかつですが、まだ多少はできていますが、先物市場の先細り、はいずれ現物株の商いすら低下させるでしょう。
原因はファンドからの資金流出。株式市場から資金が逃避し、REITなどに流れこんでいます。運用を委託されたファンドなどの場合、先物やオプション市場でヘッジをかけながら、現物株などを商います。そのファンドが動けなくなり、ヘッジの売買も細る。今、個人が現物株を動かしているのは信用取引が低水準であり、余裕がるためでしょう。ただし資金流出がつづき、上値を追いにくくなることが鮮明となれば、個人の商いも細ってくるでしょう。実は今、株式市場は年後半にむけ、正念場にさしかかっているのです。

上昇にベットする層は、売られ過ぎや信用取引の少なさから「上がるサイン」と言いますが、ここから相場が崩れると、それは相場の先細りサインとなります。売られ過ぎも、横這いをつづけると解消され、信用取引の少なさも先行きの不安を映した、となるからです。ここ数週間で22000円に乗せるのか、それとも20000円台前半に落ち込むのか、それは微妙にして繊細な影響を、年後半の市場に与えるでしょう。
Sell in Mayが直撃した今年、問題はさらに米中貿易戦争が長引き、年後半の経済状況すら不透明な中で、Sell in Longtermになるのかどうか。米国の金融相場も、今回に限っては長続きしそうにはありません。相場が下がらなければ金融緩和は発動されませんし、金融緩和が発動するぐらい相場が下がったら、他の問題が生じてくるからです。そして米国が崩れれば、日本を焼け野原にすることにもなるでしょう。むしろFire Sale in Reiwa、日本にはそんな時代の到来も予感させるほど、先物市場の先細りが与える影響、それは市場の低迷となるので心配されるところなのでしょうね。

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2019年05月18日

雑感。市場の動き

厚労省がBSE問題以来、米国産牛肉の月齢30ヶ月以下としていた規制を17日付で撤廃、と発表しました。これもおもてなし、トランプ氏への忖度なのでしょう。対中輸出ができず、苦しむ農畜産業に対する配慮が働いた結果でしょう。交渉の道具にするため、いつでも解除できたはずなのにここまで引っ張ってきた。それを解除する理由が、自動車の数量制限への見返りだった、ということになるのかもしれません。

令和相場がはじまってから、2週連続の下落です。下げ幅は日経平均で100円弱とちぢまりましたが、まだ底が見えない状況です。一方で米国では金融プレイ、15日は経済指標が悪くて利下げ期待、16日は経済指標がよくて素直に上昇、といった状況です。ただし、米国でもここで金融緩和をしたとて、大して効果がないと予想できます。金融緩和の効果があるのは、金融市場に問題が生じている場合です。景気が悪いのに金利が高すぎる、などが一つの例ですが、今の米国に金融の不安はなく、資金繰りに何の問題もないのです。
日本でもそうだったように、金融政策による景気が悪化するときに行うべきであり、デフレ脱却を目的に始めた日本では景気浮揚も、インフレにもなっていない。ただ米国ではインフレが昂進するでしょう。資金が逃げる日本と、引き付ける米国、特に今は他に投資先もなく、米国に資金が滞留することになります。これまでの金融緩和では、先進国から新興国へと資金が流れ、それが新興国経済を押し上げてきました。しかし米国が緩和を停止した途端、新興国の不安がただよう。その不安の大きさから、もう投資先としてふさわしくなくなり、米国内では資金が滞ってしまう。米国はインフレに向かいやすい国といえます。

しかし市場は、利下げ期待がある間だけは下がりにくい。5月までの指標が良好であることも下支えとなるはずです。ただし、それが日本株へと波及することはほとんどありません。来週には1-3月期GDPがでてきますが、よくて横這い、悪くすればマイナス成長。景気後退まっしぐらです。特に、米中との貿易量が多く、金融に不安のある国ですから、尚のこと株式市場への期待は皆無と言えるのでしょう。
むしろ日本こそ、今は金融緩和すべきタイミングなのですが、それができない。金融に不安があるのに緩和できない国だからこそ、期待もできなくなります。急速に下げるタイミングではありませんが、緩やかには2万円われをめざしていくでしょう。6月のG20で米中首脳会談の期待もありますが、以前も指摘したように中国は不都合な合意をむすぶ気はない。一方で、トランプ氏は自分たちの要求が通らないと席を立つ傾向もあります。今のところ、米中ともに慌てて合意する気もないのですから、その期待は空しいばかりとなるのでしょう。日本株への期待、それは安倍政権お得意の忖度でも好転させることは難しい。むしろ『忖度』の蔓延した日本では、市場の下落で『損たくさん』となり、さらに景気を下押しする悪循環が予想されてしまう点で、厳しいといえるのでしょうね。

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2019年05月15日

動かない日銀とデフレ圧力

俳優の佐藤浩市氏が映画「空母いぶき」で首相役を演じた際「すぐにお腹を下す設定にしてもらった」と発言、安倍支持層が猛反発しています。フィクションが現実を模倣するなど、よくあることですが、それすら認めないようです。彼らにとっては完治不能の病に罹っても頑張る首相、というのは美化の対象であり、少しでも抵触するのは許せないのでしょう。しかしそれ以前に、退位礼正殿の儀において国民代表の挨拶として安倍首相が「天皇、皇后両陛下には末永くお健やかにあらせられますよう願っていません」の方が、よほど驚きです。これは「已みません」の誤読とされますが、いくら原稿を読むだけと言っても内容を斟酌しつつ語るはずで、よほど心が籠っていないから、そんな誤読をしてしまうのでしょう。
神道系をバックにもつ日本会議がこれに言及しないのも些か不自然と言えますが、「やみません」と言っているように聞こえる、と強硬に主張する人もいます。私は耳がいい方ではありませんが、私には「いません」としか聞こえませんでした。少なくともフィクションに文句をつけるより、現実の問題に目を向けられないようだと、現実の生活は悪くなるばかり、ということだけは間違いないのでしょう。

日経平均が令和になって初の上昇です。千円以上下がっての120円の反発ですから、あまりに弱い。日経平均先物の買いには日系証券会社がずらりと並ぶなど、今日は上げたかった、が本音でしょう。この下落相場でも日銀が動かない、と話題ですが、明らかに長期戦をにらんでこの水準では買えない、とにらんでのことです。日銀の決戦は、2万円及び1.9万円の辺りでしょう。2万円はマインド悪化を恐れる意味合いですが、1.9万円は日銀の損益分岐点の防衛線です。そこを割れてくると日銀の保有するETFが負の資産になってくる。それは黒田日銀総裁の解任や、委員の解雇といった問題すら引き起こしかねなくなってきます。
米株より日本株の方が下げが大きいから、日本は買い、などという人もいますが、米国は利下げ期待で支えられているのであり、金融政策の手段がない日本はいの一番に売られて当然です。しかしその米国も制裁関税による物価上昇は金融政策に影響を与えない、とする意見もありますが、困るのは便乗値上げです。米国も人件費高騰で製造業は苦しんでいる。競争相手の中国製品が関税で価格が上昇したら、これ幸いと値上げに動くでしょう。しかも、この制裁関税がいつまでつづくのか分からないので、生産体制の再構築や、調達先の変更などもままならない。またこれ幸いとシェア拡大を図っても、関税が元通りになれば苦境に陥るので、そうすることもないでしょう。干天の慈雨とばかりに値上げして収益確保を優先する。それが米国全体の物価を上昇させるので、結局は利下げできないことにもなってくるのです。

しかも、中国への販売が滞った国の農畜産品が日本に流れてきており、デフレを促してしまう。円高も同様、デフレへと一直線です。企業収益も落ち、賃金も低落傾向となる中ですから、デフレスパイラルの懸念すら漂いだしている。それでも、日銀にはもう余力がない。何とか一番効果的なところでその手段をつかおう、という思惑がそれを示してしまっているのです。実は、日銀は4月もほとんど動いていない。市場からも日銀の動きは怖くない、とみなされ、ますます動けなくなっているのが現状と言えます。
日本経済は「已みません」どころか、すでに「病みました」という状況です。日銀がカンフル剤を打てなくなり、完治不能の病に罹ってしまいました。それは金融政策が正常化できないまま、景気後退を迎えるという深刻な事態です。日本を不治の病に陥らせた、安倍政権と黒田日銀は未来におけるフィクションでは、稀代の大悪党として描かれることが、ほぼ確実といえるのでしょうね。

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2019年05月09日

連休明けの株価続落

4月消費動向調査で、消費者態度指数は40.4と前月比0.1pt低下で、基調判断は「弱まっている」で据え置きしました。暮らし向き、雇用環境、資産価値が上向きとなり、明るい兆しも…と報じるところもありますが、4月はGW10連休が少しかぶっており、その影響もうかがえる。連休前に気分が上向いたこと、また連休の労働力確保で雇用が改善した。それが5月に入ったとき、どうなるかは予断をゆるしません。そもそもほとんどの指数が分かれ目である50を大きく下回る、40前後で推移しており、また資産価値に至っては、5月に入って株価が急落しており、不動産価格の情報はまだありませんが、それもどうなっているか分からない。世界的な資産圧縮の流れが起きるかもしれず、5月は悪化が予想される状況なのです。

そんな株価、連休明けから3日続落で21500円も割れてきました。実は昨日、日経225先物で日系の買いが目立ったので、21500円を前にPKO(Price Keeping Operation)が入ったか? と囁かれ、昨晩の米株も高く始まったことから買い方の勝利か? と思われたものの、米ダウが引け間際の急落で値を消したために、失敗という形になりました。7、8日は引け間際で急騰しており、これはヘッジファンドなどの買い需要が強いことを意味します。しかし昨晩の米株が引けで急落したことで、楽観マインドまで後退した形です。
売り急ぐ人が増えてきた。翌日の上昇に期待できない、といった認識が広がってきたのです。それは今週末まで米中協議の結果が分からないからで、分からないのに10日には制裁関税が発動されてしまう。トランプ氏が支持者向けの演説で「中国が裏切った」と発言していますが、ディールの天才なら相手を交渉のテーブルにつけたまま、自分たちに有利な合意を得るものです。しかしトランプ氏はまず制裁、圧力があり、そこから話し合いにもちこもうとする。それではディール(取引)の天才どころか、デブースト(減速)の天才といえるでしょう。取引が上手くいかないとき、どんどん世界経済を減速させてしまうからです。

米中貿易戦争が懸念された昨年12月、ダウは22000$割れ、日経平均は20000円割れを試す水準までいきました。正直、今回の関税発動が長期化すると、その水準で留まることは難しい。関税の規模が拡大しているのみならず、投資家にとって反発の兆しを見出すのも難しくなるからです。そして市場が催促しにいくでしょう。あくまで週末の結果次第ですが、短期的にはダウ20000$割れも覚悟した方がよいのかもしれません。それは今回の関税が、米インフレを間違いなく昂進させるからで、部品なら在庫や調達先の一部変更で何とかなっても、最終製品まで関税がかかると耐性がつけられないので、金融政策がしばられることにもなるからです。トランプ氏は株安なら金利を引き下げればいい、と安易に考えているフシもあり、その安直さを修正、転換させるためにも催促相場となれば、確実に昨年末の水準は割れてきます。
深刻なのは日本で、安倍ノミクスという愚かな経済政策もあり、日本で大きな顔をしているのはオールドエコノミー、公共工事で延命されてきた建設と、手厚く保護されてきた自動車関連です。公共工事を減らせば建設は死に体となり、消費が蒸発すると真っ先に打撃をうけるのが自動車であり、世界の景気敏感株、という以上に構造的な問題があるのです。月額制など、米企業は安定収入に舵を切っているところも多いのに、日本は完全に出遅れ、収益構造にも問題があるのです。2万円を割れるようだと、ふたたびPKOの出動なのでしょうが、日系はすでにポジションを買いに傾けており、下げ相場の反発力を著しく失っているのが心配です。世界は自称dealの天才によって、deathが蔓延するのだとしたら、やはりトランプ氏の切り札はJOKERであり、世界中がマインド悪化に苦しむことになるのかもしれませんね。

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2019年04月25日

日銀がフォワードガイダンスを変更

韓国の1-3月期実質GDPが0.3%減と、マイナス成長に沈みました。輸出が4割を占める、極めて輸出に依存した経済の韓国は、隠れ世界の景気敏感という側面をもちます。ただし、今回はスマホなどが中国との競争に負けた側面も大きく、輸出の柱となる産業を失いつつある韓国のこれからは非常に暗い、といえます。
特に、今が金融相場なのがネックで、未だ不動産バブルの崩壊から立ち直っていない韓国では金融を吹かすのも憚られる。韓国では緊急閣僚会議を開き、6.7兆ウォン(約6500億円)の補正予算を提出する、としますが、明らかにこれでは足りません。しかし個人負債の肩代わりなどを始めとする文政権のバラマキのせいで、財政に余裕もない。日中韓とASEANが、危機時に円や人民元を融通し合う仕組みづくりに入った、としますが、それらも韓国経済の危機的状況を察知し、アジア通貨危機の二の舞を避けるためかもしれません。

MMT(現代金融理論)の成功例ともされる安倍ノミクス、黒田バズーカですが、その日銀が今日の金融政策決定会合でフォワードガイダンスを変更し、「当分の間」としていた金融緩和を「少なくとも2020年春ごろまで」としました。バズーカを撃ってから6年、また10連休を前に何かしないと…と焦ったのか、市場にインパクトを与えるという意味では6年前とほぼ同じでも、その規模はバズーカから水鉄砲に代わった印象です。
成長率見通しも引き下げ、物価も2021年度でも目標の2%のとどかないとし、金融緩和が長期化すると鮮明にしたのです。しかしFRBやECBの次の一手がまだ見えない中、日銀が先んじて動いたことで、やっぱり日本には引き締め効果が生まれてしまうのでしょう。今回とて、時間軸は伸びても内容は同じ。欧米が緩和に動くと、日銀の限界が鮮明になってしまいます。新たな緩和がありそう…と勘ぐる人もいますが、むしろ物価目標の旗を下ろして景気面に配慮した政策に移行する、という人もおり、市場関係者の間でも見方は分かれます。個人的には、政策の固定化は避けなければいけないので何らかの緩和策を打つ、とはみていますが、だからといってそれが成功するということでもない、と考えています。

今後、日銀が所有するETFを貸し株として融通、という話もでてきていますが、株を買い漁った結果として流動性を失い、貸し株にするなど言語道断といえます。まるで日銀が配当などの儲けを中抜きし、抜け殻となったETFを流通させてお茶を濁しているようにしか見えない。2020年ではまだ市場から株式が枯渇することもないでしょうが、ETFをただ一方的に買うことによっておこる弊害は、日本株の流動性を低下させ、ますます外国人投資家の逃避といった副作用を生むことにもなるでしょう。
日銀が放った水鉄砲、市場に冷や水を浴びせなかったのは幸いですが、日経225先物を日系の2社が大量買いしており、まるで日銀と歩調を合わせて市場が好感している、というムードを演出したかったかのようです。しかしここで多少手直しをしたところで、これまでの日銀がしてきたことを水に流せるわけでもない。水の低きにつくが如し、日銀の金融政策によってイールドカーブがフラット化し、
それが『低』成長を促している、ともされますが、黒田水鉄砲の効果としては日本経済をいつまでも水面のように平らとし、息苦しさを与え、そのうち溺れて窒息するのを待っている、となるのかもしれませんね。

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2019年04月20日

市場の動きとついていけない日本

安倍政権がいきなり農協をやり玉に挙げ、改革を訴えたのは2年半前。それが今になって政府と農協が一丸となって、アジア地域で農協型の共同組織づくりを支援、という話がもち上がってきました。日本では改革が必要なのに、それを輸出? というより、農協が安倍政権に完全敗北し、協力を約束したからその恩典として、アジア進出という道を準備した、とみるべきなのでしょう。農協型の仕組みをつくれば、農薬や肥料などを組織立って融通することが可能となる。日本でつくったものを輸出するのもそうですし、海外でつくられた安価なものを輸入して農家に販売することもできる。高齢の農家が増え、先細りが懸念される農協にとって、安倍政権に協力して海外進出が生き残りの道。ただし、それが農家のためではなく、あくまで農協という組織の存続のためだけに利用されそうな点が、残念に感じる部分といえるのでしょう。

萩生田自民幹事長代行が言及した「消費税増税の再々々延期」、しかし市場は全くの無視をきめこみ、ムニューシン米財務長官が言及した「日米貿易協議で為替条項」という話でさえ、ガン無視でした。つまり今、市場はまったく政治のことを見ていない、気にしていないが現状です。萩生田氏は「日銀短観で…」と景気の弱さの確認方法を示しましたが、米株は最高値をうかがう勢いで、景気の弱さなど微塵も感じられない。日本株は弱い、出遅れといっても22000円を回復しており、市場からはまったく景気の悪さを感じさせるものがありません。さらにトランプ政権、安倍政権とも異常なほど株価の推移を気にしており、市場に悪材料となるような合意はしないだろう、と市場からはその思惑を見透かされていることになります。
しかし実際の経済指標には、絶好調とされる米国でさえ斑模様。日本に至っては悪いものの方が目立つほどです。政治家が抱く危機感の方が正しいのか、市場が抱く楽観の方が正しいのか、実はこれが同義なのが現状です。つまり、政治が危機感を抱く→景気対策を打つ→株価を押し上げ、というのが現状の支配的なシナリオであり、その引き金をひいたのは中国といえるでしょう。中国政府の公共投資、減税により景気に期待できる、として上海株が上昇した。その流れが世界的に波及、経済が悪いから株が上げる、という現在の状況が生まれたのです。しかしこのシナリオの最大の弱点は、政府が景気対策を打ったからといって、必ずしも経済が回復するわけではない。その視点が完全に抜け落ちてしまっていることなのでしょう。

またFRBが市場フレンドリーになったことも、市場の楽観ムードにつながった。政府、中央銀行が株安を防ぐために対策を打つ、というのが安心感となって、株高につながる。つまり今の世界は市場本位制という状況に陥り、市場の価格が経済の好不調を映す、という誤った認識が広がってしまい、政治も市場もそれに毒されている、というのが現状なのです。しかしバブルがそうであるように、株価など決して実体を映していない。どんなに企業業績や経済指標をみて、市場がそれを反映するとしても、結局のところ株価は人のマインドです。ITを導入してもそれは同じ。儲かるか、儲からないか、で価値が決まるものを景気のバロメーターにした時点で、すでに政策判断を誤っており、バブルを生む要因をつくっているといえます。
安倍政権の発足当初、『甘利越え』なる言葉を生み、やたら株価を意識した政策をとっていたのは安倍政権です。誤った認識や、誤った手法を輸出するのは、ある意味安倍政権の得意技ともいえるのでしょう。そんな誤った認識に従い、市場本位制をとっている米中の株価が、今や一時期の下落をとりもどすほどに上昇し、片や日本株が弱い、出遅れという状況なのは示唆的です。安倍ノミクスなどといい、日銀も黒田バズーカなどと異次元緩和を行い、株価対策をうちつづけたことで、すでに出涸らしとなっている日本。米中が市場フレンドリーになって株価が上昇しても、日本だけ市場閑古鳥が鳴くのは致し方ないといえるのですね。

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2019年04月08日

景気ウォッチャー調査と株式市場

安倍首相が沖縄泡盛組合の表敬をうけ、琉球泡盛を贈られ「私も円熟さを増したわけではないが、まろやかさは多少増した」と語りました。現状でまろやかさを増した、というのなら、若いころは狂犬とされるほどの敵とみなすと誰でも噛みつく、暴れん坊だったのでしょう。自ら円熟味は増していないとするので、人間としての深みはないということなのでしょうが、せっかく沖縄の泡盛なのですから、辺野古について何らかの言及をしてもよいはずなのに、記事からは読みとれなかった。円やかではあっても、物事を円滑にすすめる、ということはできない。それは『多少』という点に、よく表れているのかもしれません。

内閣府が発表した3月の景気ウォッチャー調査、現状判断DIが44.8と前月比2.7pt低下、先行き判断DIが48.6と前月比0.3%低下。先行きでは小売り関連が令和煽りと消費税増税前の駆け込みをみこんだプラスである一方、家計も企業も軒並み悪化する、との予想が並びました。これをうけ、内閣府も基調判断を「緩やかな回復基調がつづいている」から「このところ回復に弱さがみられる」へと下方修正しました。同じ日、発表された消費動向調査も6ヶ月連続減少で、消費マインドの落ち込みが顕著となっています。
判断理由の概要では、GWで高額な旅行に申し込んでいた人が安いプランに移行、3月値上げで商品の伸びが非常に鈍化、新年度の広告予算を削減、中国経済の減速で製造業に生産調整、等々。ほとんどいい話がありません。中国が減税などの景気対策を打つことで回復、という予想が市場では多いですが、国内の肌感覚としては実感できていない。個人もそんな空気を感じ取り、消費を抑制し始めていることがうかがえます。

相変わらず市場では「出遅れの日本株を見直し買い」などとする意見も多いですが、増税を控える日本を買う要因は一つもありません。では、増税を止めたところで歳出の大幅な組み直しが必要で、そうなると景気対策費の捻出にも難儀するでしょう。増税をみこんだ予算を通してしまったことで、日本への期待はもう皆無なのです。日本株を買えるとしたら、米中の景気が回復して、その恩恵が日本も潤すとの確証が得られたときだけでしょう。そして、こんな景気の弱いときに増税をするのは自殺行為だ、と誰もが分かっている。さらに日本発で景気を浮揚するような材料がでてこない、だから買ってこないのです。
世界的には相変わらず楽観シナリオが主流で株高傾向ですが、中国ではすでにバブルが深刻化、米国も斑模様の経済指標を都合よく解釈し、景気が良いのにFRBが利下げする、というあり得ないストーリーが蔓延しています。新興国株もカネ余りで復活、現状では債券高、株高、という驚くような好環境であり、逆にいえばこんな状況がそう長くつづくはずもない、といえるほどです。しかし日本はそうではない。首相は円熟でもなければ、円やかさも多少、というぐらいのものでしょうが、日本の円は今や危険水域というぐらいになっている。リスクオフで円売り、という動きも起きていません。これまで国内勢がヘッジなしの円売りを入れ、海外の高金利債券を買い漁ってきたため、いざとなれば強烈な円買いがおきることでしょう。やはり安倍ノミクスの最後は、円満ではいられない。だから市場も警戒心がとれない、ということなのでしょうね。

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2019年03月18日

2月貿易統計について

2月貿易統計がでて、5ヶ月ぶりの3390億円の黒字でした。しかし黒字の要因は輸出が1.2%減、輸入が6.7%減と国内がみるも無残な急落ぶりであり、海外より国内の景気悪化が深刻、という結果です。対中向け輸出が5.5%増で、これが安心感を誘ったともされますが、半導体等製造装置が金額ベースで22.6%の伸びと米半導体企業のブロードコムの決算と整合しそうですが、自動車が17.3%の伸びであり、こちらはナゾです。ただ半導体等電子部品は19.5%の減なので、中国は半導体を内製する方針に転換したのかもしれない。需要が減退している今だからこそ、政府の景気対策をつかって製造装置の輸入を増やしたなら、今後は日本からの電子部品の輸出は減る方向であり、実はとても悪い内容だということが分かります。
しかも中国は春節が輸出入の大きな変動要因となりますが、昨年は2月15(木)〜21(水)日、今年は2月4(月)〜10(日)日、真ん中がすっぽり抜けた昨年より、今年の方が条件はよかったとみられ、その影響で押し上げられた可能性が高い。内容は思っている以上に悪いかもしれません。さらに米国からの輸入が4.9%の伸びで、輸入の落ち込みをカバーしましたが、航空機類が249.8%の伸びなので、偶々飛行機の納入があったことで押し上げられたのです。内需の深刻度は、EPAを結んだEUからの輸入が0.5%増という点にも表れています。

先週末の黒田日銀総裁の会見で、生産や輸出、海外経済の判断を下方修正しながら「景気拡大の基本メカニズムに変化は生じていない」として「緩やかに拡大」とする総括判断を据え置きました。しかし上記の貿易統計やその他の経済指標をみても、明らかに国内景気は悪化している。確かに、昨年の2月に比べて原油が10$近く下げており、その影響があったとしても、輸入がこれだけ落ちてしまうのは内需の弱さが深刻ということなのです。明日の政府の月例経済報告でも、景気見通しを下方修正しない、などとみられますが、そのせいで景気対策への目配せが遅れ、日本の景気は深刻度を増していく、ということなのかもしれません。
全人代が終わった後の、中国の株価に注目していましたが、上海市場は2.5%近い上昇をみせました。大した景気対策がでなかったばかりか、米中首脳会談は6月? とも報じられる中で、何を根拠に上昇しているのか? 誰にも説明できない状況に陥っています。むしろ中国政府の景気対策とは、公的マネーによる株価の下支えによるマインド好転ではないか? とまで噂されます。それぐらい上海株の上昇は世界的にみても突出しており、また経済指標は悪化の一途をたどっているので、まったく説明がつかない状況です。

しかし中国がそうした株価対策をしたとて、日本が非難できる立場にありません。日銀がすでに大量の株価操縦をしているからで、むしろ日銀は中国に感謝しているかもしれない。最近の日本株は、上海市場とペッグされたような動きであり、下支えされているのですから。ただ、最近の日本株は引け間際に大量の商いが成立することがつづいており、投信などの影響もありますが、より日銀のETF購入などの思惑が強まる展開であり、決して正常とはいえない状況です。それは日銀や政府の景気の見方すら正常でないのですから、株式市場とて正常な動きをしなくて当然かもしれません。景気が底打ちする期待をもちつつ、上昇をつづける株式市場。ただ今や最大の資金の出し手である政府や中央銀行の財布が底をつく前に景気が反転しないと、その後は大変なことになるのだけは確実なのでしょうね。

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2019年03月08日

株価下落といくつかの統計と

ソーシャルレンディングと呼ばれる投資仲介業者が、利用した投資家から提訴されました。そもそも5〜8%ほどの利回りを約束するこうした事業は、ほとんどが金融機関から事業性が薄い、運営組織の信用がない、として融資をうけられなかったものです。言葉は悪いですが、ほとんど博打のようなもの。ごく稀に成功する事業もあるでしょうが、成功確率からみてもリターンは低く、手をだす価値はほとんどありません。さらに問題は、投資家が事業内容を精査できない点、及び仲介業者も正しく精査している形跡がない、という点です。金融機関以上に厳しい審査をしていたら、人件費でかなり投資家への還元が圧縮されているでしょう。あくまで仲介するだけ、ということですから、ますますこの仕組みにはリスクしか感じられないものとなっています。

今週に入り、世界経済の減速を嫌気して株価が軟調、昨晩のECBで年内の利上げ見送りとTLTRO靴発表され、さらに減速を意識する流れなりました。TLTRO自体は6月から資金繰りの悪化するイタリアやスペインの金融機関を救済するため、策が講じられると予想されていましたが、9月から実施と何とも中途半端。昨年12月で緩和を停止した、その判断も正しかったのか? そして実際の景気悪化を確認してから手を打つのも遅きに失した、との評価もある。これまでドラギマジックともされてきましたが、ECBへの評価が一気に下がった印象です。
2月の景気ウォッチャー調査は、現状判断DIが47.5と3ヶ月ぶりに前月比1.9pt改善しましたが、先行き判断DIは48.9と前月比0.5pt悪化です。ただ中身は少し信じられない面もあります。『春物衣料が好調』としますが、いくら暖かくてもまだ2月、春物衣料の品ぞろえは2月後半から本格化するので、2月前半の冬物バーゲンの低調を補うほど強かったのか? また『バレンタイン商戦が好調』というのも、今年は義理チョコを止める動きもあり、何か腑に落ちない。当然、地域差もあるので一概には言えませんが、最近の統計不正の問題もあり、アンケート調査である景気ウォッチャー調査でさえ、きちんと調査されたのか? 疑問が残ります。

統計不正の大元である毎月勤労統計の1月分速報がでてきました。実質賃金が1.1%増ですが、不思議なのは総実労働時間が2.4%減となり、パートタイム労働者の給与が下がるのは理解できても、それなのに一般労働者への特別に支払われた給与が13.2%増。つまりボーナスが拡大したことです。10-12月期に株価も悪化し、マインドも悪く、中国需要の大幅減に見舞われていた企業がボーナス拡大? どうにも解せません。ボーナスを業績連動型にする企業も多く、12月まではそこそこ好調だったからなのか? しかし10-12月期の決算をみても、業績悪化を表明する企業が多いことからも、ここからは逆に一時金の目減りが賃金押し下げ要因となりそうです。
毎勤について、厚労省政策統括官により『賃金データの見方』という資料があります。18年1月でどのような変更を行ったか? という説明の資料ですが、毎回2%程度の段差が生じていたので、部分入れ替え方式を採用したといいますが、前回の総入れ替えを行った15年1月に段差は起きていない。また18年1月に採用した後に段差が生じた、という図を提示しており、明らかに段差とは関係ない結果となっています。しかも、15年1月に調査対象とされた企業のうち、3分の1が6年間も協力しなければならない一方、18年1月で半数が変更され、そのうち調査対象となった企業の3分の2が2年1ヶ月で調査対象から外れる、というのです。当初、何の説明もなく行われたときからは透明度が増しましたが、こんなおかしな変更をしていたのか? と驚くばかりの内容です。

今日の株価の下げは大きかったですが、配当権利落ちはすでに21000円割れ。周期からみると、3ヶ月下落し、2ヶ月の上昇を演じた後、ふたたび下落局面に転じたなら、これは長期では下落局面の波に入っている、ということ。ここでマインド面がさらに悪化すると、長い景気後退局面に入ることも予感させます。そんなタイミングで、未だに統計資料に不信感がぬぐえない日本。この国の仕組み全体にリスクしか感じない時点で、日本への投資はソーシャルペンディング状態にあるのかもしれませんね。

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2019年03月02日

週末の株の動き

週末も株価が上昇し、これで2ヶ月上昇をつづけたことになります。3月末までもてば、下降と上昇の期間が同じとなり、大きなレンジ相場となるのでしょうが、そこまでもつかどうか。まず週末の上昇は中国の財新が発表した2月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が49.9と前回の48.3からは上昇し、市場予想も上回ったことです。節目の50は下回りましたが、上昇したことで底打ち期待が広がり、中国株が上昇しました。
米国ではBloombergが米中貿易協議がまとまる方向と報じ、楽観が広がった。この辺りが上昇の要因ですが、もうほとんど3週間ぐらいはこのネタで上昇を演じている、と言えます。恐らくは中国が急速にマネーサプライを拡大させており、この辺りの資金が米中の株価に流れ込んでいるのが、最大の要因でしょう。なので、反応するのが米中ネタであり、かつ使い古された材料でも楽観であれば上げる、という根拠に乏しい上昇になっている。以前なら、中国マネーは不動産が主流でしたが、各国の不動産が変調しているため、株に集中していることが今回の株高の要因です。要するに株の需給関係が極めて良好になっている、ということです。

日本は一昨日から急激に円安へ向かいました。タイミングからすると米GDPなのですが、市場予想を上回ったとはいえ、米GDPの上振れが円安にはつながらないはずです。多少、米金利も上昇していますが、金利差拡大を意識するほどではない。米株も上昇しなかった。リスクオフの円安というわけでもありません。
昨日は金価格が急落して1トロイオンス辺り1300$を切り、急にリスクオン的ムードが広がりましたが、どうもタイミングがちぐはぐです。これも不慣れな中国系マネーの所作だから、かもしれません。そもそも2月ISM製造業景気指数54.2に低下、予想も下回ったタイミングでリスクオン、というのも不自然です。今週のドル押し上げの主因は「円安」と指摘されるように、もしかしたら円安が先でドル高とし、それが人民元安を促すという仕組みが働いたか。その結果としてリスクオン的な動きがつづいた、と考えることもできそうです。

ECBが昨年末で機械的に緩和を止め、FRBが引き締めをつづける中、日本単独がマネーサプライをつづけても世界からマネーが減る。それを食い止めたのが、中国の緩和。しかもマネーサプライの拡大は過剰投資をさらに助長する恐れもありましたが、そのマネーが海外に向かい、市場が落ち着いた、というのが現状なのでしょう。なので反応するのが中国関連のみ、という事態になっている。恐らくですが、Bloombergはかつて中国当局ともめ、その後で手を組んだ。その辺りも昨日の記事にはつながるのでしょう。他紙がトランプ氏の交渉能力に疑問をつきつける中で、米中貿易協議の進展とする記事をうちだしたのもそんな背景がありそうです。
なので、この上昇局面の継続度合いは、中国の思惑次第なのかもしれません。中国のマネーサプライが一体いつまでつづくのか? 米株はすでに下落前までもどり、米中貿易協議も決着すれば、金融引き締めを再開せざるを得なくなるでしょう。そうなると、ふたたびマネーサプライは中国の緩和を上回って減少をはじめるでしょう。世界の資金供給量、その動向がいつ反転するのか? マネーの供給をつづけても資産価格が減少するケースだってある。そのときは、とても困った問題が発生することになるでしょう。むしろ命運を握っているのは、各国ともマネーを供給しつづけられる体力だとするなら、世界はすでに困った問題が発生している、というのが現状なのでしょうね。

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2019年02月26日

今の相場はトランププット?

地銀の融資上限を緩和、という話がでています。ナゼか後継者不足で廃業、という問題と重ねて語られますが、恐らくそんなことをすれば、優良な企業への融資は増える一方、後継者不足のような企業はリスクが高いので、資金は回りにくい。むしろ廃業を促進するはずです。地銀が地方行政機関からの指定銀行の契約をうけない形が増えているのも、契約条件を厳しくしなければいけないほど、収益性が悪化しているから。また地銀再編ともなれば、地元との密着も薄れるので、ますます利益の薄い事業をする意味がない。安倍政権の行うものは、いつもどこか的外れで、本来の対策と逆行するものばかりだというのが今回も、なのでしょう。

米中の株価が堅調ですが、その原因として語られる理由、あくまで噂の類ですが、個人的に確度が高いと思われるものは、世界的な不動産市場の変調により、引き上げられたマネーが株に向かっている、とするもの。もう一つは『トランププット』が起きているのでは? という話です。これまでパウエルFRB議長がハト派に転じ、パウエルプットなどとも呼ばれてきましたが、FOMC議事録の公表をうけても大した反応はしなかった。中身が想定通りだったのはその通りですが、パウエルプットにしては市場は冷淡です。なのに、毎回ほとんど中身が同じトランプ氏のTweetに対しては、やけに好感して上昇する。それが米中貿易協議に関するものなので、反応しやすい側面があるにしても、あまりに楽観しすぎなほどの動きをみせます。
これはトランプ氏のTweetをネガ・ポジに別け、それでアルゴリズムを働かせる主体があるのでは? とみられるのです。それにトランプ氏が気をよくし、同じことをくり返しTweetする。株価が上がる、この循環が働いている。こうした動きがおきたのは一般教書演説以降であり、トランプ氏の支持率急上昇と重なる。一般教書演説が好感されたことで、そんな取引が起きたのでしょう。中国紙が米中貿易協議に新たな障壁、と報じたり、米紙が紙媒体で合意したものは何もなく、だから何の材料も出てこない、と報じても関係ない。トランプ氏が「進展している」と書けば、それだけで上昇させてきたのがこれまでです。

日本では日経ダブルインバースETFの取引が急拡大、と報じられます。つまり株価が下がるとみている投資家が多い。それはいくら米FRBがハト派になったとはいえ、まだ年内は流動性吸収がつづき、また株価がここまでもどった以上、利上げを再開する材料が整っている。楽観シナリオが崩れただけでフラッシュクラッシュを起こしかねない今の相場では、ヘッジの意味でも急落に備えておく必要がある、といえます。
米中の動きに追随していないから、これから日本株は上がる、という人もますが、世界が成長だけを享受できなくなった今、優勝劣敗になるのであり、米株が上昇すれば日本株が上がる、という単純な動きにはなりにくい。以前も指摘した通り、中国が対米輸入に切り替えるのなら、もっとも打撃をうけるのは日本になるかもしれない。株価は本来、企業業績をみるものであり、有利な業種、そうでない業種の見極めが必要となります。トランプ氏の「進展」、誰に「親展」されたのか、中身もわからぬまま上げるような今の相場は、米中が突き上げた株価は、バブルどころかバベルの塔のような混乱の象徴でもあるのでしょうね。

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2019年02月19日

米中貿易協議は週末までに何か決まるか?

中国商務省が劉鶴副首相が21、22日と訪米し、ライトハイザー米通商代表部と協議する、と発表しました。これで今週は米中貿易協議進展への期待をつないだ形ですが、カウンターパートが対中強硬派のライトハイザー氏、というのが肝です。ここで合意ができれば来月にでも米中首脳会談で…となるのでしょうが、強硬派を納得させる材料に乏しい。中国が10年は雌伏することになる条件を容認するとは、とても思えません。
米中貿易協議で、中国側が妥協すれば合意できる、と考える人もいますが、逆でしょう。米国側が中国の提案でどこまで妥協するか? 米国側が妥協しない限り、解決の道のりは遠い。そのとき強硬派のライトハイザー氏が当たるのですから、米国側はまだ妥協する段階にない、と考えているのでしょう。中国側の方が早く影響がでており、中国はもっと譲歩してくる、と読んでいるのかもしれません。その結果、制裁関税の発動が伸ばされるのなら、現状の景気減速がつづくことになり、決して楽観は許されない、となってしまいます。

市場は楽観が支配しており、週内はつづきそうですが、問題はもし仮に米中貿易協議が成立したら、米FRBは利上げを再開するでしょうし、資産縮小の規模を変えることはないでしょう。今の市場はパウエルプットと呼ばれるように、今年に入ってのFRB議長の態度豹変を好感した側面がありますが、その見直しを迫られます。今の市場は引き締め停止どころか、緩和まで織り込んでいたので、その影響は免れません。
しかも合意内容次第では、もっと悪い状況になります。中国が大きな譲歩を迫られた場合、これは中国経済の減速がさらに加速する可能性があり、世界経済の低成長が促進されるでしょう。言葉は悪いですが、中国からあふれるマネーが世界中で株、不動産などの資産バブルを生んできたのであり、その縮小を余儀なくされるからです。特に新興国の破綻が相次ぎ、マネーフローが大きく変化することでしょう。

米国が妥協して合意した場合、中国の減速は抑制され、米国がその代わり減速します。ただこのケースでは世界経済全体にとって、ペース調整はあっても減速は緩やかになります。市場は本来、こちらを望むはずですが、なぜか前者のケースで語られることも多く、さらにそれで楽観だというのですから、それは難しいのです。すでに中国が海外資産への監視を厳しくし、米不動産市場にも変調がみられますが、前者であればそれが崖になる。後者であればそれが下り坂で済む、という形にしかならないのです。
日本の株式市場では外国人投資家が先物を買う一方、現物株は売っている、と話題です。しかし一言でいえば、これは日本から資金を引き上げているのです。先物を売っていたヘッジファンドが買い戻し、現物株を買っていた年金などの長期投資家が売る。日本のポジションを落とすのも、以前から指摘しているように安倍ノミクスではもう買えない。統計不正で信用失墜。中国減速の影響は日本が大きくうける、そして日本経済が減速しても日銀に余裕がない、経済を支えるべき金融機関が死に体、諸々の状況がそうさせるのです。

日系大手の動きに言及することも多いですが、最近気になるのは他の日系の証券会社がTOPIX先物を買うケースが多いことです。リスクヘッジのために持っていたTOPIX先物の売りポジションを解消する。その先に何が待つか? 不安を覚えざるを得ません。米中貿易協議、今はナゼか協議は成功するし、FRBは緩和に転じたまま、世界経済はもう一度成長軌道にもどる、というシナリオで上昇していますが、次に下落に転じたとき一体誰が買い支えるのか? 今日も日銀の黒田総裁が追加緩和に言及していますが、安倍首相、黒田氏と、日本経済を考えるトップの名前の一字目が『安い』『黒い』とナゼか経済的によい印象がない言葉。実はこれが日本の先行きを暗示している、といえるのかもしれませんね。

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2019年02月16日

週末の米株大幅高と嘘つき

独国で日韓外相会談が行われました。河野外相は慰安婦問題で天皇陛下の謝罪を求めた文韓国国会議長への抗議を5回した、として改めて日本の立場を伝えるも、康外相から発言はない、と発表しましたが、韓国側からは河野外相は言及しなかった、と発表しました。言葉は悪いですが、嘘つき同士が言った、言わないと争う様はほほえましいというか、同類相憐れむ、という感じです。そもそも文氏の発言を3日間も放置した日本の外相が5回抗議、という話を押すこと自体がすでに怪しくて仕方ありません。5回も抗議したことが大切なのではなく、すぐに抗議し、適切な対応をとらせたのか、が大切です。もし日本が即応して抗議していたら、韓国も何らか反応したはずで、それすらなかった両国が世論を気にして嘘をつく構図にしか見えないのです。

米株は大幅高です。米中貿易協議の進展に期待、ということですが、来週ワシントンで協議継続が決まりましたが、それ以外は何も分かりません。そもそもBloombergが制裁関税の発動を60日延長、と報じますが、それは60日間は何も決まらない、という話の裏返しでもあります。恐らく今月17日にも、3月1日の制裁関税発動についての詳細がトランプ大統領から発表される、とされていたものが延期されるぐらいのことが週末に決まったことです。それなのに米株は大幅高、不自然な上昇が起きているということになります。
しかし先週ぐらいから、円ドル相場でも不自然な動きがありました。金利差が拡大していないにも関わらず円安がすすみ、111円をつけました。リスクオフで円安、としても100円台後半でさえ実効為替レートでは円安気味なのに、裏付けもなく円安に動くのは、明らかに不自然です。金利差が拡大していないのは、今がリスクに対してどちらかと言えば、まだオンだから。金価格も1300$台を維持しており、リスク警戒がつづいているのに、株価だけが不自然に『期待』だけで上昇をつづけている、というのが現状なのです。

日本は週末、先週もそうだったように日系大手が週末に日経225先物を売っていますから、週初は一気に買い戻して21000円台を回復するでしょう。ただワシントンでの協議次第で、相場の流れが一変してしまう点には注意も必要です。本当に60日、制裁発動が延期されたとしても現状の中国経済の悪化がさらにつづく。米国経済へも打撃となって跳ね返る。本当の意味で解決しないと何の意味もないのですが、その道のりはまだ遠い。深刻な中国経済を何とかしたい習主席と、株価下落が支持率にはねかえるトランプ氏、やたらと前進をアピールしますが、両者ともすすんだ先にゴールがあるとは限りません。むしろ両者が解決と考える水準の差がそれを難しくする、ともいえ、来週の米中協議延長戦はそれを計るものとなるのでしょう。
トランプ氏が安倍首相からノーベル賞に推薦された、と満更でもない様子で語っています。推薦状5枚のコピーをもらった、とするのでほぼ事実でしょう。北朝鮮対応を巡って、とのことですが、米朝会談を実現させただけで、未だ朝鮮戦争も終結させられていないのに、なぜ? と素朴に感じます。韓国の文在寅大統領が口頭で「トランプ氏をノーベル平和賞に」と述べたことはあり、韓国の間違いでは? ともされますが、安倍氏の提灯もちぶりからみても、安倍氏の可能性は捨てきれません。残念ながら、安倍氏の提灯で照らされる世界経済は、先行きの見通しさえ立たずに迷走をはじめている、ということかもしれません。『期待』による相場が『奇態』にしかみえず、いずれ『危殆』に瀕するかもしれないのも、世界のリーダーが嘘つきばかりになり、何が真実かもわからなくなっているようでは仕方ないのかもしれませんね。

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2019年02月13日

NISAの日

桜田五輪担当相が水泳の池江選手が白血病と発表されたことをうけ「がっかり。盛り上がりが若干下火にならないか心配」と述べ、今日になり撤回、謝罪しました。野党は政争の具にするな、とする人もいますが、政争の具になるような愚昧な人物を任命しているのは安倍政権です。もし桜田氏が適任、桜田氏しかいない、というなら自民党の人材払底は深刻です。労働力不足の前に、能力ある閣僚の不足を政権は何とかする方が先なのでしょう。そうでないと国民は安心して生活もできないのですから。
ただメディアが白血病から回復した人物をとり上げたり、五輪のスケジュールと合わせて紹介したりするのにはうんざりします。まだ詳しいことが分からないうちに、そうした報道をみて本人が何を感じるか? もし希望を抱いてそれが覆されたり、東京五輪に間に合わなせなければと焦ったりすれば、治療にも影響するでしょう。今は温かく見守ってあげる、といったことが大切なのでしょう。

2月13日はNISAの日です。今日の日経平均は2日つづきの大幅高で、21000円台を回復してきましたが、相場付きはやや不自然だった印象です。朝方はシカゴ日経平均先物よりもかなり上の21000円台で始まり、8時台から円安に動かすいつもの日系大手の手口でしたが、後場に勢いを失うなど、日系大手とは少し異なるものだった。引け後に発表された手口をみても、売買は大きいもののやや売りで終えるなど、傾きは小さかったので、恐らく日系大手が前場に相場を引き上げ、後場は売っていたのではと推測されます。
21000円が上値抵抗となっていたため、何とかしてそれを抜きたかったのでしょう。ただ不自然なのは米市場も同様です。超党派で合意した予算案、国境に何らかの構造物、として13億$が盛りこまれましたが、トランプ大統領の要求は57億$と1/4以下です。トランプ氏が署名を明らかにしていないように、政府機関の閉鎖による悪影響と壁建設ができないことによる支持層離れと、今は天秤にかかているのでしょう。それなのにすでに予算案が通ったかのような上昇ぶりです。米中協議進展への期待もありますが、ここまでの上昇ですでに織りこんでいるいるはずであり、大幅高には力不足のはず。なのに米株も大幅上昇をみせました。

最近、報じられるのが日本の対外証券投資の多さです。そこには年金の投資比率の変更の影響もありますが、日本の金融機関が海外のハイイールド債を買い漁っている、という話も同様、要するに国内で収益がだせず、海外の金融商品を買うことで何とかしよう、と考えてのことです。国内では個人に株を買え、株は上がるといっているのに年金や金融機関は海外の株を買う。これが日本の現状ということなのでしょう。
言葉は悪いですが、日系の投資でも米株をある程度動かせるだけの力をもった、といえます。ただ昨年買った分はあまり好成績ではなかったでしょう。それを取り戻すため、何か今はムリをしているような印象もあります。世界と戦うのに秀逸な分析や読みではなく、先物の操作で何とかしようとしている分、勝ち目は薄いのかもしれません。むしろ日本勢が引き始めると、海外の大きな変動要因になりかねず、世界経済の足を引っ張ったとして犯人扱いされかねない。引くに引けず、行くも地獄とすら感じてしまいます。下落局面での本格的な下落が始まるとすれば来週辺りからが危ない。それを乗り越える前に大量の買いを抱えてしまったようでもあり、こうした点にも不安を感じてしまいます。

NISAの日、カレンダーでその上にあるのは2月6日、この日は『お風呂の日』と語呂合わせで制定しているところがあるようです。五右衛門風呂ではお釜の下は火が焚かれている。NISAの日、火で焼かれないように、個人は自分の身を守るためにも熱に浮かされずに、冷静な目で見ておく必要があるのでしょうね。

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2019年02月07日

雑感。SBGの決算

北方領土の日、「北方4島が不法に占拠され…」の文言を用いない声明が採択されましたが、むしろ声明が忖度された、といった方がよいのでしょう。安倍政権に任せたら、4島どころか2島返還すら危うい。むしろこうした声明を外交に利用し、日本人は熱望していると露国に迫ることもできない。もう『北方領土の日』と掲げることすら、国内では禁止され、今後は『露国から領土を貸してもらえる日』になるのでしょう。鉢巻の文言さえ変わりましたが、日露平和条約がむすばれても島が返ってこないとき、出席者は何を感じるのでしょう?
安倍首相は「森羅万象すべて担当」と述べました。だとしたら今回の統計不正の問題でも責任をとらなければなりません。担当であり、かつ責任者なのですから。「遺憾」などと他人事で済ますこともできなくなります。安倍氏はナゼか自分を立法府の長と勘違いすることも多いですが、本来は行政の長であり、担当だと言い切ったのなら猶のこと逃げることも許されないのです。本当は「国会で行政のことに関してはすべて質問される立場」というのが本旨なのでしょうが、意味すら踏まえず「森羅万象」と四文字熟語をつかったせいで、おかしなことになった。地震が起きても、町で殺人がおきてもすべて「担当」ということになるのです。

今日の日経平均は、ストップ高したソフトバンクグループ(SBG)が150円以上の押し上げ効果だったにもかかわらず、122円も安くなりました。朝方、9時直前に円安にして日経225先物を買う、といった動きもありましたが、それに失敗したばかりに上値を重くした、そんな印象もあります。先物と実際の日経225の指数に乖離が生まれ、それがしこりとなった。結局そうした動きもSBG期待を織りこみ過ぎた面があるのでしょう。
ただSBG株は6000億円という巨額の自社株買いを囃しますが、決算はかなり怪しいものです。保有するNvidia株は10-12月期に大幅下落したものの、リスクヘッジで損害は軽微。そう説明もありましたが、ヘッジの取引をしているのなら、収益性は格段に落ちていることになる。そもそも半導体株に期待して買った、孫会長の眼力は大丈夫なのか? スマホの販売も陰り、VRやARが今のところ撥ねる兆候もなし、eスポーツなどと言ってもネットゲームをするのはごく一部。スマート家電や自動運転技術などもまだ課題を抱える。半導体株の未来は明るい、といってみたところで、今は過当競争とさえ言える状況もあります。つまり孫氏の投資がITバブルのただの後掴みだったのでは? そしてヘッジをかけたということは、実は孫氏の投資が株安を促した面があるのではないか? 自分が損をしないために、どこかで新規に売り建てたはずだからです。

それはPayPayで再度、100億円のキャンペーンを打つぐらいですから、自社株買いの6000億円ぐらいだせる、との自負もあるのでしょう。しかし自社株買いやグループ企業の保有株は、決算ではその損失を計上する必要がない、としても金融機関との取引では資産や担保として影響する。借金経営のSBGは、グループの株を高くみせかける必要があるのです。携帯会社のSBの上場にも失敗し、一瞬だけ公募価格を上回る、ということもありましたが、ほとんどそれより低い水準で推移している。Nvidiaにしろ、いくら一旦は損失を回避できたとしても、どうしても不安が残ります。世界経済の減速とSBGの戦略が合致しないと分かったとき、改めてその真価が問われてくることになるでしょう。投資会社に転換して本当に大丈夫か? と。
すでに買われ過ぎの日本株、世界全体のもどり基調が終わるようなときは、やっぱり投資会社には厳しい目が向くことになります。SBGの正念場はまだ先かもしれませんが、それこそ「森羅万象すべて」知ることもできない人間が、投資で成功し続けるのは至難の業です。もし富裕層が互いのネットワーク、及び損失を補填し合う仕組みでもって、生き残りをはかっているとしたら、そのときは別の怒りがSBGに向かうこともあるのでしょう。少し前に米国でおきた99%運動、残り1%を罰することができるのは、それこそ「森羅万象を司る存在」しかいなくなってしまうのですからね。

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2019年02月04日

先物市場の動き

千葉県野田市で小学4年生の女子児童が浴室で亡くなった事件、ついに父親につづいて母親も逮捕されました。教育委員会のダメぶりが取り沙汰されますが、高圧的な態度でせまる親は、その子に対してもっと高圧的であると考えた方がいい。なので教育委員会はそれに屈してはダメなのです。またDVがあれば母親はすでに支配下であり、その母親に子供を委ねることは自殺行為です。母親が夜逃げでもして、父親と遠ざかれとでもいうのか? 児童相談所の判断も愚でしょう。未だに父親は「躾けだ」と述べているようですが、「躾け」かどうかを判断するのは本人ではない。社会通念上、ゆるされざる範囲を超えるものは暴力であり、犯罪なのです。教育委員会や児童相談所にその判断ができないなら、早期に警察に委ねた方がよいのかもしれません。

今日の株式市場はかなり特殊でした。9時少し前から円安に誘導、TOPIX先物に大量の買いが入り、それが一服した10時少し前にふたたび円安に誘導、日経225先物に買いを入れたものの動きが鈍いと見て、すぐにTOPIX型に切り替え、結果的にTOPIX先物と日経225先物の商いに、大きな乖離を生むことになりました。
先週、米雇用統計が市場予想を上回ったことで米金利が上昇、円安というのが一般的な見方ですが、個人的には中国の春節の影響もあったと考えています。対ドルの人民元安誘導も、米中貿易協議がはじまってからは人民元高にしたり、方向感がありません。そうした一部のヘッジとして円買いがあったのか、もしくは10-12月期からつづく貿易量の減少で余った円買いを、春節のタイミングで吐き出した。実際、米金利は小幅な動きでしたし、米夜間取引では日経平均はほとんど上昇していなかった。米市場でも円安にすすんだタイミングがかなり特異なものだったことからも、きっかけは金利とは考えにくいのです。

しかもTOPIX先物を大量買いした米系大手は、マレーシア政府系ファンドの資金流用にかかわった件で米司法省から捜査をうけています。しかも10-12月期、株式トレーディング部門で大幅黒字をだして市場を驚かせた。ここで日本で一当て狙ってきた、と考えるのはうがち過ぎかもしれませんが、ここに来て日経大手の日経225先物の爆買いが止まり、どちらかというとこれまで売っていたTOPIX先物を買い戻す流れにもなっている。そうしたものが合わさって、今日のTOPIX先物を大きく押し上げた要因になったことは間違いなく、日米合作だった印象です。ただし、今日の取引では他の追随があまり多くなく、特に日経225型が細ったのは予想外だったかもしれません。日系大手も米系大手も、自分たちが市場動向を左右できると考えて、仕掛けたようにも見えますが、見せ玉をつかってみても動かない投資家が多かったのです。
日本では金融庁が高速取引を監視する方向ですが、こうした技術の進展を妨げたり、敵意をみせたりしても、それは技術が遅れていくことになり、ますます日本市場から資金を遠ざけるでしょう。本来行うべきなのは高速で見せ玉をつかうなど、相場操縦を疑われるものであり、それは今の規制の中でも行うべきことなのです。そして、どちらかに大きく傾きをかけてポジションをつくるなどの行為を監視し、不意な変動をふせぐことが当局には求められるのです。むしろ、金融庁や証券取引等監視委員会が行うべきなのは、高速取引を上回る高速監視によって、相場操縦を防ぐことにあるといえるでしょう。日本では、本来規制や監視すべきところがそれをできていない、それは行政の不祥事を取り締まるべきところができていないのですから、児相や証取だけを指して怠慢ということはできないのかもしれません。日本では行政の怠慢の間に、犠牲になる人が増えてしまう。安倍政権の傲慢さ、行政の欺瞞、国民の不満、株式市場では万がふきとぶ…日本ではマンが飛び交う状況にあり、日本には不正が『蔓』延している以上、こうした問題が次に大きなリスクとなって降りかかったとき、対処のしようもなくなるのでしょうね。

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2019年01月31日

FOMCと上値の重い日本株

経済財政諮問会議で26年度のPB黒字化、との試算がだされました。政府は25年度に達成とするのですが、両者ともかなり楽観的な成長率のシナリオを置きます。安倍政権では統計を操作しているので、無理やりにでも成長率を高くみせかけるでしょうが、税収が伴う可能性は低い。結局のところ、無理にでも成長率を引き上げるため、少子高齢化への対策ではなく移民受け入れのようなことをし始めた、というのが本音でしょう。しかも社会保障費の伸びも徐々に抑制できる、としている。しかし政府が社会保障費を削れば、収入が減る世帯もでてくるのですから、それこそ成長は遠のくのです。世界経済減速が意識される現状で、夢のような成長率を描く、アホノミクスの深刻さが極まれり、というところです。

米株がFOMCを受けて400$上昇…と報じるところもありますが、実際にはAppleとボーイングの好決算で300$以上が上昇しており、FOMCは既報通りであるため、100$も上乗せされていません。またダウは25000$の節目を越えるため、一部の仕掛けもあったとみられます。ではそのFOMC、昨年末から利上げ打ち止めは示唆されていましたが、今回はpatient(我慢強く)今の水準が適切かを見極める、としており、当面の利上げはなくなりました。またバランスシートの縮小を月500億$のペースから「変更する用意」とし、現状4.1兆$とみられる水準を2.5〜3兆$にするとしていた当面の目標には、到達しない見込みとなりました。
日本株の上昇が拙いのは、昨日でApple株の上昇は織り込んでいたこと。ただ、Appleはサービス部門は堅調でしたが、端末の販売は低迷しており、部品供給が多い日本企業が上昇するのは、本来おかしい。また円高になったため、上昇が抑えられた面があります。そもそも日本の証券会社などは、今年FOMCで2回の利上げをコンセンサスとしており、為替も112円ほどを前提として、株価を高めに予想をだす傾向があります。それが0回の利上げとなれば、為替想定も、企業の利益見通しも下がる。予想PERも下がらざるを得ず、今の株価を正当化、もしくは割高にみせてしまうかもしれず、上昇期待を萎ませる結果となりました。

昨日はTOPIX型の銘柄入れ替えや、今日は月末要因で売買高も膨らんでいますが、それを除くと2兆円ほどしか取引がない。それに影響を与えるような話が、いくつか出てきています。金融庁が高速取引するHFT業者への規制を本格化します。株価が急落すると、すぐにアルゴリズムを駆使するHFT業者が悪者にされますが、それも売買を膨らませる要因だったのです。今回の規制はデリバティブなので、現物株の売買高には関係ありませんが、そのうちあらゆる市場も規制、監視の対象になるのであれば、取引は萎むでしょう。
また東証が、東証一部上場基準を厳しくしよう、という動きがあります。今はまだパブコメを集める段階であり、今日で一旦集計、今後も意見を募集としますが、流れとしては東証一部の銘柄が減少して二部、マザーズなどの新興銘柄が増えることになるでしょう。さらに日経225やTOPIXなど、指数算出基準も変わってくる可能性があり、日本の株式市場の風景を一変させかねないとも危惧されます。なぜこれをするか? 東証は優良な企業のみを一部に残し、一部へ上場すること自体のプレミアム感をだすことに期待するのでしょう。しかし景気が悪いときにそんなことをすれば、相場が壊滅的な影響をうけることにもなります。

相変わらず安倍首相は「所得環境は改善」と嘘をつきつづけます。しかし多くの調査ですでに可処分所得は下がっている、つまり社会保障費の負担が増え、生活につかえるお金は減っているのです。そこにもってきて、実は実質賃金が下がっていたとすれば「生活環境は著しく悪化」としかいえないのです。そんな日本で成長率を高くみつもり、将来には借金が返せると試算するのですから、愚かという他ありません。
今、海外の市場はパウエルFRB議長が市場フレンドリーになったことを指して、パウエルプットなどと呼ばれ、上昇を囃しています。しかし日本では統計不正を政権側がさらに誤魔化す、楽観的な見通しでPB黒字化などとのたまう、金融庁も東証も市場のことなどまったく考えてもいない。そうした日本の状況では、オプション市場でいうところの安倍プット、つまり売る権利を取引したくなってしまうのです。日本の株価の上値が重いのは、まさに安倍ノミクスがアホノミクスとばれた結果、なのかもしれませんね。

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2019年01月25日

週末の株高

安倍首相がダボス会議で海外の経営者を前に、日本への投資をお願いする場面がありました。これまでもNY証取などで講演した際、「Buy my Abenomics」と発言してきましたが、今や海外の投資家からは公文書偽造、統計不正など安倍政権の評判はガタガタであり、安倍政権への信用は皆無です。外国人投資家は粛々と保有株を売っており、買い戻すこともありません。さらに日産のゴーン前会長の件などもあって、日本で事業をすると政治マターで逮捕されるかも…との評判まで付きまといます。
今日の株高も、9時少し前に、急速に先物買いと円売りが入って相場が200円以上の高騰をみせました。しかしこの手口は日系大手であり、今日も日経225先物の買い筆頭です。今晩の欧米株高に賭けた、ともみなせますが、恐らく週末で短期の売り方が買い戻すだろうから、相場を急騰させてそうした流れを加速させよう、との戦略も見え隠れしました。また東証一部の売買高が久しぶりに2兆円を越えましたが、それも久しぶりに先物の傾きが大きくなったことで、現物株にもその分の売買が入ったものとみられます。

今日はハイテク株が活況でしたが、Windows7のサポート終了で買い替え需要…という話は眉唾です。未だに7を使い続ける人は、10では動作しないソフトを使いたいなどの事情があり、また一度10にアップした後、7に戻しておくといつでも10にアップデートできるため、既存のパソコンを買い替える必要はありません。米国でハイテク企業の好決算が影響しましたが、引け後のインテルは期待外れであり、今日は単純に売り方が一部の売りを買い戻すキッカケにはなりましたが、ハイテク株の本格的な反騰は先でしょう。
そのインテル、問題は微細化技術の遅れであり、プロセスルールが14nmからすすんでおらず、ARMメーカーはもとより、ライバルのAMDからも差をつけられた印象です。しかもコア固有の脆弱性の対策がソフト面にとどまっており、ハード的な対応ができていない。こうしたことがインテルの弱い決算に見え隠れするのであり、またパソコン、スマホが買い替え需要しか期待できない現状で、半導体関連は期待薄なのです。特に中国の景気動向などをみると、贅沢品の伸びが鈍化することはあれ、伸びていくとは思えません。贅沢品とはハイテク製品であり、恐らく10-12月期以降の市場の混乱などをみてもVR、AR、自動運転、スマート家電なども停滞するとみられます。余裕があるときは消費者の目もそうした方に向きますが、生活が厳しくなると必要最低限でよい、という意識に変わってくるのです。つまり半導体需要全般は、期待値が高かっただけに下落幅も大きくなりましたが、まだ下値不安は残ることになります。

アノマリーとして2月初旬を高値に、その後弱含むケースがしばしばあります。年初からの戦略について、改めて見直すタイミングとともに、日本の投資信託などが3月で一旦締めることなどが影響している、とみられます。昨年の10-12月期の大きな下落をみて、途中解約は一旦思いとどまったとしても、ここでどれぐらい出てくるか? それ次第では相場の調整が大きくなる可能性があります。なので、そうした売りを出さないために、未だに相場の先行きを楽観する見通しを示す識者が多い、と考えておくのがよいのでしょう。
来週はFOMC、米中協議など、重要案件が山盛りです。ここまで市場は楽観的要素を多分に盛りこんできており、その期待にそぐわないことがあると、アノマリーを起きやすくもさせるのでしょう。以前、安倍氏がNY証取で講演したことを取り上げ、外国人投資家は「Bye-Bye Abenomics」と指摘したこともありますが、今や安倍氏自ら「Die my Abenomics」と宣言したようなものであり、日銀の物価見通し引き下げなど、失敗した経済政策の日本で買っているのは日系大手だけ、という状況なのです。日本がハイテク産業に強い、というのも裏目となるのでしょう。日本が陥った罠、それは今後、Abe no Bearという形で、より外国人投資家からは強く意識されることにもなるのでしょうね。

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2019年01月23日

ダボス会議の安倍首相と、日銀会合

日露首脳会談、安倍首相は4島と使いましたが、一度も「北方領土」とつかわなかった。交渉の大幅な後退を意識させます。日ソ共同宣言までもどす唯一の利点は歯舞、色丹を「引き渡し」とする点です。引き渡しなら、それは一時預かっていたものも含みますが、「返還」になると今は露国のものだと認めるということ。しかしそれを認めた瞬間、交渉が打ち切られるかもしれません。安倍氏は「戦後70年、解決は難しい」と述べますが、そんなことはハナからわかって分かっていること。交渉を始めた途端にその責任者がいうセリフではありません。まるで小学生が夏休みの自由研究のテーマを決めた後、ネを上げるのに似ます。
次にむかったダボス会議では「成長のエンジンはガソリンではなくデジタルデータだ」として、データの越境を自由に、と訴えますが、意味が分かりません。正直、出遅れた国が先をいく国に自由につかわせて、などという虫のいい話です。特に、そのデータを最大に抱えるのが米中であり、デジタルマネーが一般的になった国です。日本は提供するデータも少なく、取引材料もない。それが経済成長や貧富の解消につながる、などと述べる段に至っては笑ってしまいます。だから日本が低成長で、貧富の格差が広がっているのではないのか? 重要統計のデータでさえ正しく出していない国の首相が、自国の問題を海外で喧伝し、剰え国際社会はそうならないように、と訴える。しかも国家間の関係でみれば、貧富の格差が広がったとて何の不都合もありません。むしろ強い国にとっては国力が増した、と感じるだけの話ですから、解消するはずもないのです。何が問題で、どう解消するべきか? そういう基本がまるでできていない、政治家にとって致命的だから、初めてみたら「解決は難しい」などと言いだすことになる。国際的に恥をかくだけになります。

日銀の金融政策決定会合が開かれ、現状維持が決まりました。しかしここからの現状維持は、同じ状況に留まるのではなく、日日刻刻と情勢が悪化する『現状維持』です。最近、市場ではETF購入をツイストオペにするのでは? とさます。これは日経225型ETFを売り、TOPIX型ETFを買う、という形ですが、もしそうすれば益々このETF購入の意義が希薄化します。市場に資金を投入し、インフレ目標を達成する。その目的が、ツイストオペでは単に浮動株を増やして市場の歪みを減らす、という形になるからで、そうであれば止めるべき、となります。インフレ目標を下げたように、この手法では効果がないこともあります。
さらに、すでに日経平均で18500円が損益分岐点とされ、このまま市場が下落すると日銀が経常損失を計上することになる。株式市場はすでに浮動株が消えてしまう、情勢の悪化。世界経済の悪化をみて市場が下落すると、赤字が拡大する中で日銀が抜けだせなくなる、情勢の悪化。国債の方がイールドカーブコントロールに移行し、年80兆円の購入どころか、今年は20兆円程度の購入になるとみられ、修正が利いている。ETF購入の方が、効果も意味もない中で、修正できないどころか悪化していく最悪の状況なのです。

そして問題は、もし日銀がツイストオペなどを発表すると、日系大手証券の現在のポジションからみても相場の大きな変動要因になりかねない点です。ここは日経225先物を買い、TOPIX先物を売る。しかも最近、外国人投資家が市場を動かすことが少なくなった今、この日系大手が買えば上がり、売れば下がるという展開も多い。つまり相場への影響力が強い。日銀のツイストオペとは真逆の保有状況であり、日銀の動きを市場が吸収しきれなくなると、ここが耐えきれずに日経225などを売り始める可能性が高く、そうなると相場への影響力からみて、一気に市場が弱含んでしまうことにもなりかねないのです。
日本はこれまで、成長のエンジンを日銀の金融緩和としてきた。しかし今や、景気後退のエンジンに日銀がなりかねなくなってきた。本当に世界経済が後退をはじめたら、日本だけが金融政策に打つ手もなく、逆に引き締めるといったおかしなことになりかねない。今や日本はデジタルデータがあるから成長できる、といった類の問題ではないのです。むしろそのデータすら捏造し、虚構の成長を演出する、というのが安倍政権の基本戦略なら『恥たるデータ』が国際社会と共有できることにもなりかねないのでしょうね。

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2019年01月12日

米株と日本株

政府の経済統計に疑問がもち上がる中、内閣府から12月景気ウォッチャー調査が発表されました。現状判断DIは48.0と前月比-3.0pt、先行き判断DIは48.5と前月比-3.7ptとなりました。アンケートをとったのが12月25日からであり、株価が急落して2万円割れになったタイミングもありますが、見るも無残な急落です。地域別でみると現状判断では北海道、甲信越、北陸が高くでていますが、これは冬季のスキーなどの観光が影響するのでしょう。これまで雪が少なく、12月からは増えてくるだろう、という期待を移している。ただそれ以外は大幅な悪化であり、マインドの低下はやがて実経済にも現れるでしょう。

米株は堅調でしたが、一服感もでてきました。来週からは業績相場に移りますが、その前にでてきた米小売りメイシーズは年末商戦前半は良かったものの、後半の失速が顕著でした。株安に代表される資産の目減りにより、小売りにも顕著な影響がでていたことを示します。さらにここから米政府閉鎖の影響がでてくる。無給で働いている職員や、自宅待機にさせられた職員など、不安で消費を減らさざるを得ないでしょう。最長記録更新は間違いありませんが、厄介なことに解決する目処が立ちません。
トランプ大統領は公約でもあった壁を建設しないと、支持層を納得させられない。しかしトランプ氏が移民に厳しい態度をとる、と発言したことで国境警備が厳重になり、今では不法入国が減って、壁を建設するまでもなくなった。皮肉なことに、トランプ氏が壁を建設せずとも不法移民を減らせる、と示してしまったようなものです。しかし公約を果たさないと、念願の再選が遠のくばかりか、下院で主導権をにぎった民主党により刑事訴追の恐れもある。必死さゆえに、トランプ氏も旗を下ろせません。

FRBは利下げには柔軟な姿勢をみせつつあるものの、バランスシートの縮小は堅持する意向を示しており、米株市場はそれを織りこめていません。ここまでは需給が勝ったからで、昨年株価が下がったことで買い場とみた新規資金が多めに入ってきた。機械的に買っていただけであり、ここからFRBの金融政策と、株価下落によるマインド低下、米政府閉鎖などの影響について織り込んでいかないといけません。
日本株の戻りがにぶいのは、新規資金が少ないばかりではない。外国人投資家の買いの手が入らないのは、安倍政権への不審が大きいのです。司法が滅茶苦茶、経済統計でさえ偽造、外交面ではいいところなし。さらに中国の設備投資減少の影響が直撃し、景気が上向く気がしない。国民がそれを感じているのと同様、むしろ外国人投資家はそれ以上に安倍政権、日本に対する期待値が下がっているのです。しかも日本は増税が待つ。いくら9ヶ月は猶予措置があるといっても、経済が大混乱する予兆もある。そんな国には誰も投資しない。だから買わない。ふたたび日系大手が日経225の買いを膨らませており、何とか2万円台はキープしていますが、上値が重い印象なのはここが崩れると、すぐに相場が変調してしまうような状態で買い場とするには心許ないからです。

ピーター・ドラッカーの言葉に「経済的発展において、最大の資源となるのは人間である。経済を発展させるのは人間であって、資本や原料ではない」があります。安倍ノミクス、黒田バズーカで資本をばらまき、働き方改革で労働者を疲弊させ、剰え人が足りないといって外国人労働者に頼る。これでは日本に期待するなど、内外問わずムリでしょう。人間を育ててこなかった、人に投資してこなかった安倍ノミクスの6年間、発展もしなかったのは当然であり、株価だけふわふわ浮上しただけの相場が海外の要因により厳しくなるのも、致し方ないのかもしれませんね。


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2019年01月09日

株価は上昇がつづくも…

米国ではトランプ大統領が国境の壁建設について、大統領執務室から演説を行いました。しかし直後、民主党も反論演説を行い、メディアもそれを報じる。米国民も政府機関の閉鎖は大統領のせい、との認識を強めており、今回も非常事態宣言をだす演説ならまだしも、従来の説明に終始したため国民の理解も得られにくいのでしょう。苦境を察知したのか、やたら米中次官級協議を「うまくいっている」とTweetし、それが市場でも好感された、と報じられます。ただでてきた内容は失望の強いものです。
2日の予定を 1日伸ばした米朝協議、米産品の購入拡大には進展、一方で知財関係では合意に程遠い、とされます。米軍は南シナ海で航行の自由作戦をとり、中国は北朝鮮の金正恩氏を協議に合わせて北京に招くなど、双方の場外戦も激しかった。しかし覇権を狙う両国にとって、安易な妥協はできない。今や新たな冷戦構造とされ、米・中露による知財、情報、規格など無形の分野で争う構図となっています。

株価が堅調です。ただし、巷間語られる米中協議の進展を好感…というのとは、少し異なる感想を抱いています。大体、年初はファンドなどが新たな資金を動かすため、値上がりしやすい。そこに悪い材料がないことから、イベントドリブン勢も買いで応えている。ただ、毎年鏡開きまではこうした動きがもたないので、週内いっぱいもつかどうか、であって来週から米国は業績相場に入ってきます。昨日もNASDAQが一時弱含んだように、業績相場に入ると悪材料もでてくるので、流れも変わってきます。
以前から指摘しているように、今は需給の方が重要です。決して昨年の悲観の行き過ぎで、今が上がっているわけではない。こんな相場でも新規資金が入るので、機械的に買う主体が多い。そうした需給とそれを見越した思惑により、今は上がっているのです。これは原油などの商品市場も同じ。上昇の説明をつけないといけないので、サウジの減産や米中協議の進展で世界景気の減速も回避される、などと語られますが、買い需要が一巡すると、悪材料がでて急落するのは昨年末と同じなので注意も必要です。

そんな中、深刻なのは日本です。円高はもどりが鈍く、株価も指数寄与の大きいSB株をいじって高くみせかけてはいますが、株価が下がる業種の方が多いなど中身は乏しいですし、大幅高というには商いも低調です。昨年、外国人投資家は5.7兆円も売り越しており、今年は買うなどという人もいますが、安いころに買った外国人投資家が、利益のでる間に逃げだしたとするなら、もどりは鈍い。新規資金の入る時期なのに、この低い売買代金という点をみても、外国人投資家による日本パッシングは顕著といえます。
そんな中、毎月勤労統計の不正がじわり重し、という意見もあります。14年もの間、公表されていた統計手法と異なる手法で算出したデータを公表していた。しかも、それがバレないように計算するソフトまで導入していたのですから、組織ぐるみの捏造です。昨年、急に毎月勤労統計の数字が高くでるようになったのも、データを弄ったからでは? と噂されており、尚且つそれまでは失業給付などを低く抑えるため、数字をあえて低くでるよう見せかけていたのでは? など様々な疑惑がもたれています。市場からみれば、日本の統計は信用できない、日本の景気は本当に大丈夫なのか? との疑念がもたれるところです。

さらに12月の日銀による「生活意識に関するアンケート調査」は深刻です。1年後の景況判断指数(DI)は-32と、安倍ノミクスを掲げて以来、最低です。「世界的な株安が影響した可能性」と日銀は分析しますが、調査した11月9日から12月5日は日経平均で22000円前後、米ダウも25000$前後で推移しており、高値からは下落したものの辛抱していた時期です。国民でさえ日本の景気に自信がもてない、嘘をつく政府、行政という問題もあって、本当に日本は大丈夫か? そう考える国民が増えてきたのでしょう。世界では冷戦構造がくすぶりますが、日本では安倍ノミクス失敗による零落構造が、より深刻になってきているのでしょうね。

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2019年01月05日

安倍首相の年頭所感

米12月雇用統計が非農業部門で前月比31.2万人増と、市場予想を大幅に上回り、またパウエルFRB議長が金融政策を「柔軟に見直す」と発言。米株は一気に切り返しました。しかしすでに米債市場などは今年の利上げを0回、利下げまであり得ると織りこんでおり、パウエル氏の発言はそれを追認したに過ぎません。それでもこれだけ上昇したのは、昨年から運用の失敗を繰り返したファンドなどが、今年はイベントドリブン型の運用に切り替えたから、という話もあります。つまり下げも上げも大きくなる、ということです。
事実、為替はそれほど動いていない。米利下げ局面ともなれば、金利差縮小による円高が予想されるとはいえ、為替は実需が多くてイベントドリブンが仕掛けにくい。当面、動かしやすい株をつかって、あまり儲けのでないイベントドリブンの商いを増やしてくるものと思われ、そうした拙い儲けでも出さないといけない、との思惑によって変動幅が大きくなってしまうのでしょう。結果、それが相場から投資家を遠ざけ、さらなる下落を引き起こすことになりますが、それでも利益をだすことだけが至上命題のファンドは、そうした動きをせざるを得ない。究極のエゴイズムが働きだしている、そう予感させる動きと言えます。

安倍首相が年頭記者会見で「猪のようなスピード感としなやかさをもって政権運営にあたる」と述べました。猪より素早く、しなやかな動物など山ほどいますし、何より猪は持久力が不足気味です。海を渡って島に上陸する、ともされますが、全力疾走ではそう長くもたない。だから持久力のある狼には狩られるのです。それ以上に、猪は清潔に保つために泥を体に塗りつけます。安倍氏は、自分で泥をかぶるのを嫌がり、他人にそれを擦り付けてきた。猪に準えるなら、全くその身は汚れまくっている、とも言えます。
安倍氏は『日本の明日を切り開く』1年とする。その先頭に立つ、とも述べましたが、先頭に立っているのが体中が雑菌まみれで、寄生虫がうようよいるようでは困るのです。若者の就職率は過去最高水準、訪日観光客は3000万人を越えた、などとも述べ、きれいごとで糊塗しようとしますが、前者は若年層の労働力が減った少子化の影響ですし、後者は海外がバブルで旅行がブームだから、で説明がつきます。泥をかぶる、とはこういう嘘をつくのではなく、悪い部分を詳らかにし、それを自分が引き受けて改善する術を示すことなのです。今はただ『日本の明日を切り売り』するため、泥を自分から遠ざけているに過ぎません。

日露交渉でも、早くもギブアップ宣言とみられる「ロシア人しか住んでいない島の帰属を日本にすることの困難さを国民は理解している」と、ラジオに出演して訳の分からないことを言いだしました。自分が平和条約締結に前のめりとなり、それと代替であるはずの領土交渉の「困難さ」を理解していなかっただけでは? だったらもう日露平和条約を諦めるべきですが、国民が何を理解しようと、政治家は結果を求められるのであり、領土返還もなく日露平和条約をむすぶことを、国民はまったく理解できないでしょう。
猪はスピード感としなやかさを有していますが、説明するまでもなく害獣です。柵をつくってもそれを掘り、畑に侵入して荒らします。人前にでてくれば恐怖のあまり暴れまわり、人に危害を加えてきます。まさに安倍氏は害獣のごとき弊害の方が、目立ってきているのです。「全世代型の社会保障」? むしろ6年も政権を担ってそれが実現できていない方が問題でしょう。社会保障は誰に対しても平等で、公平でないとおかしい。全世代型? などという言葉のまやかしをしている時点で汚らわしい存在といえます。『切り開く』という言葉には、『開墾して田畑や道路をつくる』という意味もあります。『道路をつくる』まさに寄生虫に栄養を与え、この国を『切り倒す』ことを年頭から宣言してみせた。そういう意味にもうけとれてしまうのでしょうね。

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2019年01月04日

財務省、日銀、金融庁の緊急会合

本年もよろしくお願いします。

大発会の日経平均は3年ぶりの452.81円安の19561.96円となりました。Appleショックなどとされますが、きっかけは中国製造業指数が悪化し、米中貿易戦争が意識されやすくなっていたこと。AppleのCEOによる中国景気は思った以上に悪い、という発言はそれを補完したに過ぎません。今日も一時、切り返す場面では米中で次官級の会議が開催、との情報だった。今の市場は米中の景気鈍化というシナリオに敏感になっているのです。それは金融不安などの二次、三次災害を引き起こすからでもあります。
今日も円安にして株価防衛、という動きが散見されましたが、為替も本邦勢による大量の円売りのマグマが溜まっており、年初に105円割れで為替防衛の動きがでたように、ここを死守しないと不味い、との思惑が働いています。日経新聞などはすぐにアルゴリズム取引を悪役にしたがりますが、今時、ほとんどの相場に携わるファンドなどはプログラムを組んでおり、問題はそうしたファンドの扱える資金量が拡大してしまったこと。それが相場の動きを大きくしているのです。日銀など中央銀行がやってきた流動性供給の徒花でもあって、流動性が減少しない限りアルゴリズム取引は力をもちつづけます。
そして気になるのは、相場が斜陽に入ると『相場で〇億儲けた』などという体験談の記事が増えます。大口の個人投資家も収益を確保できなくなり、そうした形でお金を稼ぐのと、もう一つは素人を相場に誘いこんで株を買わせ、その間に自分たちは売り抜けよう、という両方の思惑が働いてのことです。逆にこういうときはもう一つの相場が終わるときなので、無理せずに休む決断も大切となります。

財務省と日銀、金融庁が円高、株安をうけて緊急の会合を開きました。大発会に麻生財務相が出席したためやっている感をだしただけで、実際に打てる手はありません。為替操作は日米貿易協議を前に恰好の攻撃材料となりますし、TPPが発効してしまった以上、為替を操作すれば貿易が有利となるので相手国からの批判に晒されるでしょう。下手をすればTPPは瓦解、米国から為替操作国認定をうけるだけです。
しかも現状水準でも為替は企業の減益要因になりつつあり、円安だから企業の増益基調が崩れない、という論調を採っていた人は減益要因に変わった、とはっきり伝えるべきですが、そうは言いません。なぜなら彼らは株高論者であり、株高の理由をさがしているだけで本質について伝えようとは思っていないからです。為替に頼った収益計画だったり、経済運営などを考えるから、立場が変わった途端に慌てることになるのは、どちらも同じ。今回の緊急会合は、日本のひ弱さを露呈しただけになりました。

「安倍ノミクスで株が上がったわけではない」そう断言する市場関係者も増えました。それは為替で慌てるぐらいの脆弱さで、安倍ノミクスが成功とはとてもではないが、自慢できたものではありません。しかし株価を成果としてきた安倍政権にとって、株安は死活問題です。株価対策をしてくる、などという人もいますが、増税対策で大盤振る舞いをし、株価対策も…などとなったら、財政が死活問題に陥るでしょう。しかも安倍ノミクスがまともに機能しなかったように、安倍政権の株価対策はすべて的外れだった。だから「安倍ノミクスで株が上がったわけではない」のです。これまでの円安、株高対策はただ金をばらまくことだけに費やされ、実態が伴ってこなかった。ばらまくお金がなくなれば終わり、しかもそのバラマキがアルゴリズム取引に力を与え、円高、株安を促そうとしているのですから皮肉な話です。
むしろ安倍政権では髀肉の嘆といったところかもしれません。ただしそれは活躍の機会がなく、髀肉がついてしまったという嘆きではなく、無為に日をすごしてきてついた髀肉を、今さら自ら活躍をしてそぎ落とそうとしてももう遅い、という逆の意味となるでしょう。世界経済の回復期に政権の座にあったことが幸運だっただけの政権に、為す術もないのが日本にとってもっとも死活問題ということになるのかもしれませんね。

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2018年12月25日

日本株の暴落

日経平均が1000円を超す大幅な下げで、一気に20000円を割れてきました。しかも先物は15時以降の取引で19000円を割れており、配当権利落ちもあって、明朝は19000円すら維持できるかどうか? 微妙なところです。一般に米国の政治不安や、欧州の景気後退、米中貿易戦争などの要因が語られますが、日本独自の要因もあります。まず今日の下げは、先物の取引だけをみると、PKOで先物買いをすすめていた国内勢が一斉に投げを打った形が鮮明です。むしろクリスマス休暇中のはずの外国勢は、先物を買っているのです。
国内勢が買いを積み増してまでPKOに走ったのは、景気見通しに自信をもっていたこともあったでしょう。それが今日、連休明けで米株がその間に1000$以上も下げ、2万円を割れて返ってきた。それでも朝方はPKOなのか、板には大きな枚数の買い注文が入ったものの、みるみる削られて消えてしまった。それをみて売り圧力の強さに失望も広がり、国内勢も耐えきれなくなり、投げ売り状態になったのでしょう。

米国ではムニューシン財務長官が米6大金融機関に流動性確保を確認した、と報じられますが、むしろ逆効果です。金融に悪影響がでるのは第二、第三段階。実際に景気が悪化してからであり、それが起きつつあるのは欧州、米国はまだです。米国はバタバタしない方がよいのにトランプ大統領を始め、FRBを悪者にしたり、中国に責任を転嫁したりするので市場をさらに動揺させる。オイルマネーが逃避し始めたのでは? とも語られ、原油安がそれを促したものですが、それもトランプ氏が求めたことだったはず。つまりトランプ政権の人災は、ここに来て株式市場に深刻な問題を引き起こしているのは、間違いありません。
ただ日本の問題も深刻です。株価は半年先を映しますが、10月の消費税再増税も今回は期限付き、条件付き減税となるため、7-9月期は買い控えが起きることが想定できる。7月参院選で与党大敗も見えてくる。景気が悪化したタイミングで大量の外国人労働者を受け入れようとする愚。金融緩和に拡大の余地がなく、それでも低成長でプラスとマイナスを行ったり来たり。円高が襲えばすぐに景気後退が見えてきます。これまでも「未来を壊して現在を充足させる」が安倍政権の態度だと指摘してきましたが、現在が壊れてしまうと、未来はさらに悪くなる想像しかできない。それが安倍ノリスクとして意識されてしまうのです。

こうなるとテクニカル分析やPER、PBRなどの株価水準を計る試みも、一切通用しないと思った方がいい。株価下落が、逆に株価水準を調整して下落を正当化してしまう可能性があるためです。以前から指摘しているように、今は需給をみるべきです。オイルマネーはまだしばらく売る可能性が高い。国内勢もまだまだ買いポジションが重い。ヘッジファンドなどの一部には、Sellにベットするところがでてきたとの観測もある。需給はまだしばらく悪い状態がつづくのであり、反転の兆しは中々みえないのでしょう。
株安の震源とされる米株はダウ5000$の下げ、日本株も5000円の下げ、でも同じではありません。27000$近くから下がる米株と比べ、24000円強から下げる日本株の方が下げがきついのです。今日はケリー前日産取締役が保釈されましたが、こうしたことも日本株を売る材料にされているのでしょう。異常な国・日本。そんな認識が世界に広がりつつあり、これも需給を悪化させる要因となり得るのでしょう。クリスマス・ドロップ。このプレゼント、蓋を開けたら中から煙がでてきて、日本が何十年も老けこんだ姿をみせるのかもしれません。未来を壊して現在を充足させる、それは竜宮城にいた浦島太郎の体験したことと同じ、その代償を日銀を始め、払っていくことになるのかもしれませんね。

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2018年12月22日

来年の相場予想

米国でつなぎ予算が成立できず、一部の政府機関が閉鎖されました。トランプ大統領が国境の壁建設費用を含むよう要求、民主党が多数派の下院は壁建設をもりこみ、共和党が多数の上院はもりこめなかった。米国のネジレは深刻です。マティス国防長官が2月で退任したら、トランプ氏の暴走が止まらなくなる、ともされますが、早くもパウエルFRB議長の解任を議論している、などと報じられます。
今回の政府機関の閉鎖も、クリスマスや年末休暇をはさみ、国防などの予算は成立しているので影響は軽微、という判断があってそうしたのかもしれませんが、今後も不規則な動きが市場を混乱させるでしょう。今回の決定をうけ、米株は朝高後、一気に大幅なマイナス圏に沈み、NASDAQは弱気相場入りとされる20%の下落幅を越えてきました。世界経済のアンカーとされる米国が一番の不安定要因となっています。

何とか先週末は日経平均で20000円台をキープしましたが、米株安をうけて先物は19000円台に突入しています。日本でもTOPIXはすでに弱気相場入りとされる、高値から20%以上の下落を記録しています。昨年末のTOPIXは1817.56であり、これは日銀が今年買ったTOPIX型のETFは、すべて損失として計上されるということです。日銀は今年6兆円以上、ETFを買っているので、2割とは言いませんが、1割の損失でも6000億円の損失。日銀の保有ETFの損益分岐点は、日経平均で18500円とされますが、それを割れてくると今まで買った分がすべて損失として計上されることになります。
それ以前に、今年度の決算でETFの損失を計上したら国会でも問題視され、日銀が袋叩きになることでしょう。日銀の決算発表は来年の6月ごろですが、国会が要請すればETFの評価損益ぐらい、すぐにでてくるはず。むしろ出せなければそれも日銀を袋叩きにする要因となるでしょう。日銀の本当の損益分岐点は、安倍ノミクスの失敗を如実に示すものになるのかもしれず、それが参院選前に発表されるかどうか、それは非常にセンシティブな問題といえ、日銀は発表を遅らせる可能性が高いともいえるのです。

しかしこれは日銀に限った話ではありません。FRBが利上げを止めた途端、強烈な円高が襲う。市場ではすでにFRBの利上げ停止を織りこみ始め、円高が進みやすくなっていますが、さらに経済が混乱すれば逃避の円高が襲う。そうなれば、海外の持ち分比率を上げた年金も損失を蒙る。米株安、円高のダブルパンチであり、しかも日本株でも損失をだすと、日本国債を売ってバランスをとろうとする、それがさらに金利差縮小で円高を促すかもしれません。しかも円高は、海外投資を増やした金融機関も直撃する。国内では稼げず、海外投資でも失敗すると、日本にも金融不安が襲うかもしれない。日銀、年金、金融機関と、いずれも来年から数年かけて正念場を迎えることになるでしょう。
昨年、私は18年の市場予想として『日経平均はオーバーシュートも含めて上限25000円、しかもつけるなら早い段階でしょう。失敗すると16000円』としました。失敗とは、Brexitを始めとする十大リスクの決着のことですが、今年は失敗とはいえず、先送りしただけでも下限に近付いてきた、といえます。来年は先送りした分が、それ以上の影響を伴った問題となってきます。特に、債務の問題がどこかの国で破裂したときはリーマンショック級の問題が勃発することには要注意です。来年、起きる可能性は高くないですが、株安がそれを加速度的に起こしやすくさせる点には注意が必要です。日本の日銀、年金、金融機関だけではない。金融で肥大化した市場、その恩恵に浴していたところほどリスクが高まることは間違いなく、各国でも年金に直撃すると、社会不安が深刻化する恐れもでてくるのです。

来年の市場は非常に読みにくく、ボラタイルな展開が予想されます。金融で肥大化したのは需給も同じ、それが相場を上にも下にも行き易くさせます。上は21000円、下は14000円ぐらいはあり得るでしょう。むしろ債務問題が破裂したら、1万円割れもみえてきます。これは悲観のし過ぎですが、20000円を超えることが心理的負担になってくることは十分に考えられ、上値が限定的になる一方、下値は叩きやすい。それぐらい世界に漂う問題は深刻であり、かつ解決する術を政治がもっていない、むしろ政治が悪化させる要因であることが問題なのです。亥年は「固まる」などと言いますが、むしろ呆然として硬直するような場面が増えてしまうのでしょう。アルゴリズム取引の冷徹なシステムは、人を凍らせるほどの残酷な現実をみせることもありそうです。努々油断しないことが大切な一年になるのでしょうね。

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2018年12月20日

FRB、日銀の金融政策

ゴーン日産前会長の勾留延長を裁判所はみとめませんでした。恐らくこの逮捕における安倍政権は主導的立場でなく、財界に依頼された与党幹部の仕掛け、とみていましたが、今回は安倍政権が関与して勾留延長をみとめなかったとみられます。それはIWC脱退という、国際社会に批判される行為の代替として、仏国世論に配慮せざるを得ない事情が透けるからです。マル政案件として勾留延長がみとめられる、と考えていた検察は梯子を外され、驚愕したというのが今日の事態でしょう。

米国でFOMCが開催され、政策金利の誘導目標を0.25%引き上げ、年2.25〜2.50%とし、ドットチャートから来年は2回、再来年は1回の利上げを見込みます。市場は来年0回の利上げを織り込み始めていた折、かなりタカ派の印象です。さらに来年3回だった予想を2回に引き下げた理由を景気に懸念、としたために景気減速も意識された。そうして米株が崩れて、日本株も支えを失いました。これまで買い支えてきた日系が総崩れとなり、日経平均20000円割れも見えています。昨年の年末水準どころか、年初来安値を更新し、底値がみえなくなってきました。これには今日の日銀金融政策決定会合も影響します。
日銀は現状維持でした。しかし10年物国債の金利が一時0.01%をつけるなど、長期金利までマイナスに突入する寸前です。日銀は誘導目標が0%で、±0.2%が許容差なので問題ない、としますが、マイナス金利になると日銀の操作が利かなくなる恐れがあります。特に今、日銀は市場に資金を流すのが目的の買いオペが基本であり、売りがだしにくい。金利がマイナスでも値上がり益が狙えるなら、買いが活発化する恐れもあり、それに対抗して日銀が売りを入れれば物価目標の旗を下ろした、とみなされるでしょう。今回、何も言及がなかったことで失望を誘った。打つ手があるかどうか、懐疑的にみられたのです。そして日銀が緩和をつづけ、FRBが利上げ局面だったにもかかわらず、今年の円は世界最強通貨になる恐れもある。もしFRBやECBが、ふたたび緩和にもどったら、円高はさらに加速する恐れもありますが、日銀に打つ手はありません。円高→デフレという構図がふたたび、という認識も広がったのでしょう。

しかし今回の株安の最大の原因は、金融で肥大化した世界経済が、逆資産効果に怯える構図が背景にあります。米国では保有する不動産の価値が上がると、さらにローンが組める仕組みがあったり、中国の個人、企業に溜まった負債など、世界経済が減速するだけで致命傷になりかねない問題が山積する。世界の金融や、投資に精通している者からすれば、現状はかなり危険だと認識できるのですが、日本ではそうした認識をもつ人が少ない。そこがこれまでの相場における、外国人投資家と国内勢との差です。
そしてそれが来年も成長するし、企業業績もいい、という国内のアナリストの主流になっています。しかし今回、逆資産効果による消費の蒸発はリーマンショック級になりかねない、という話も耳にします。最大の問題は、世界経済のけん引役であった米中が、逆資産効果によるもっとも深刻な打撃を受けるためです。今日で今年の経済イベントはほぼ終了です。来年は大変な一年になる、その準備を今年したような印象もうけます。株高はマル政案件だと、高をくくって買いに張っていたら安倍政権が無能で株安を放置し、市場関係者が驚愕。それが今日の動きだったのかもしれませんね。

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2018年12月19日

SB株の上場

ソフトバンクの携帯部門(SB)が新規上場しましたが、初値が公開価格1500円を割れ、終値は1282円と公開価格の15%安、しかもほとんど安値引けと最悪の結果になりました。ただある程度予想されたことです。IPOに参加した証券会社にはかなり厳しいノルマが課せられ、枚数を捌く必要があった。そのため営業をかけてまで売った、という話も流れており、保有する意図のない購入が多かったとされます。
またPERは高くないけれど配当性向が高い、という理由で1500円の値付けとなりましたが、この構図は親子上場をする企業に多く、配当を多めにして資金を親会社に還流する。ただこれも収益が上がっているうちで、上場に合わせて今年度の決算見通しで純利益4200億円、前期比5%増と発表しましたが、場が引けてから通信障害による解約が1~2万件と発表するなど、不誠実な動きも散見される。こういったことも信用を落とすのです。抜本的に成長戦略を練り直さないと、親会社すら窮地に陥らせるかもしれません。インカムゲインよりキャピタルロスが大きくなったら意味がありませんから、下値を叩かない限り投資してももらえないでしょう。これからは株価下落が親会社、ソフトバンクグループ(SBG)の評価損計上に直結する。上場するタイミングに失敗したSBは、親会社にGという重力加速度を付加させて下落に追いこむ可能性もあるのです。

相場環境も悪かった、とされますが、11月貿易収支は2ヶ月連続の赤字、これを原油高で説明するところもありますが、11月はすでに原油は下落しており、問題は輸出の伸びが鈍化したことです。輸出は前年同月比0.1%増、ただその内訳は米国が1.6%増となる一方、中韓が大きく下がっており、明らかに米中貿易戦争の影響で、米国が中国から日本に貿易対象を増やした可能性が見え隠れします。そこに来て半導体製造装置関連にみられるように、スマホ不況が見え隠れする。かねてより持たざる者にいき渡った後が問題、とされていました。そこにAppleが低価格帯スマホをやめたことで、数が捌けなくなっている影響が大きく、またスマホ各社も高価格帯シフトをしたことで数より単価となり、半導体のダブつきを感じさせます。
しかし上場には早くても数ヶ月かかるので、偶々この時期に重なったことは不運、という話でもありません。スマホの情勢や米中貿易戦争など、既知の事実であり、経営者ならそうした諸々の情勢から判断することも必要だからです。これからSBGは投資主体の企業となるようですが、著名投資家がキャッシュ化を急ぎ、世界的に市場がダウントレンドに入っている中で、底値を正しく見極められるかどうか? これまでの孫会長の成功体験がつかえない時代に、これから突入していく。今回の上場における判断も、孫氏の判断が入っている公算が高く、その手腕にも疑問符がつく。最近の孫氏にはケチがつき始めており、サウジ皇太子の一件と言い、こうしたツキは継続しやすく、今回もそれがでてしまった感じです。

個人であれば、一時的に投資を控えてキャッシュに代えておく、という判断もできる。しかしSBGは企業なので、継続して収益を上げ続けなければいけない。ベンチャー投資や研究開発投資では、正直難しい部分にも直面するでしょう。何より今、世界はスマホにつづく世界市場で拡大していける新たな商品を欲していますが、残念ながらめぼしいものが見当たらない一方、世界経済が鈍化すると消費すら減退するかもしれない。経営判断がより重要となってきますが、ツキの落ちた孫氏では覚束ないのかもしれません。
通常、こうした大型上場では証券会社も株価防衛に動いてくれる、という判断もあるのですが、高飛車なSBG側に愛想をつかした、という見方が今回多い。投資主体になった企業が、証券会社から見限られた。個人投資家も裏切った。ツキばかりでなく、このツケも今回、SBGには重くのしかかるのかもしれませんね。

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2018年11月19日

日産会長の逮捕とソフトバンク携帯事業の上場

日産のカルロス・ゴーン会長とグレッグ・ケリー代表取締役が、東京地検特捜部に逮捕されました。有価証券報告書の虚偽記載で、2011〜15年に約50億円もの過少申告をしていた。また私的流用もあったということで、日産側の告発でもあり、ゴーン氏とケリー氏にはかなり厳しい状況です。
この動きがどういう波及をするのか? 今のところ読めません。もしかしたら日産・ルノーの決算の修正になるのか? ストックオプション絡みなら業績には関係しないでしょうが、年間10億円も穴が開いていたので、どこかに歪みも出そうです。ルノー株も急落しているようですが、今後の提携にも影響があるかもしれません。実質的には仏国の国営企業ともされるルノーは、小が大を飲みこむ形で日産を買収しましたが、そこから歪みがあり、日仏の政治問題にまで発展してくるのかもしれません。

株式市場ではソフトバンクの携帯部門の上場が、CMまで打たれて喧伝されています。ただ、ボーダフォンを買収した時点で、ソフトバンク本体とは別建ての株式として資金調達しており、いずれ上場するという話もありました。ただソフトバンクはその後、携帯事業も決算に含めており、違和感があったのも事実です。今後、子会社を上場しても連結で決算を上げるのか? それとも別建てで上場したのなら決算を上げるのか? 現状、前者が市場の主流ですが、それは投資家の目を欺く行為にも映ります。本当の意味で株式の価値を評価されていない可能性もあるからで、今後の動きに注目です。
今年最大の大型上場であり、証券会社がCMまで打つのも、実際には資金が集まるか? 不安もあるためでしょう。何より極めて市場環境が悪い。携帯電話市場は安倍政権が通信量の引き下げを至上命題に掲げる中、収益性の低下が懸念される。さらにMVNOの成長が止まっている、といえど、ここでMVNOへの割り当てに不平等がある、との指摘もあり、もし傘下のMVNOに優先的に割り当てをしているようだと、その見直しも経営の重しです。株式を上場しても、今後の成長がみこめないということでもあり、安定株という以上の価値が見いだせないのは、NTTや日本郵政の上場の時と同じです。

ソフトバンク本体も、サウジ皇太子によるジャーナリスト殺害でサウジの投資ファンド(SWF)の動きが滞り、また多くの投資運用ファンドの成績が軒並み急降下するなど、極めて厳しい状況です。携帯事業の上場も、半年以上前から計画されていたものでしょうが、世界全体の株式市場が停滞する中での上場となったのも不運…むしろそれは、孫会長の手腕に疑問、となるのかもしれません。
ゴーン氏の私的流用の話は、実は数ヶ月前に流れていた話です。株式市場が堅調なときは、そういうものが目立たない。もし流用しても、運用で増やして返却すれば、経理上の穴が開かないためです。しかしそれが運用に失敗すると、途端に崩れてしまう。今回がそう、というつもりはありませんが、株が高いは百難隠す。世界経済が斜陽に入ると、様々な不都合な事情が詳らかにされることにもなります。果たして、どの企業が不都合な事情を抱えているのか? それはこれから徐々に明らかになっていくのかもしれません。ただゴーン氏、イニシャルで書くとGhosnですが、Gone(落ちぶれた)と聞こえてしまう。一つの不祥事で企業が傾くことはよくあることですが、その不祥事に携わった人間の末路は、かなり悲惨なものとなってしまうのは仕方ないことなのでしょうね。

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