年金

2007年12月14日

年金問題への対応について

今日、越年国会が正式決定されました。来年の1月15日まで、60日規定で参院否決後にも再可決できるギリギリの日程を組みましたが、世論調査では衆院での3分の2で可決する手法については否定的であり、福田氏の本音も調整により参院可決に持ち込みたい、というところでしょう。
何より今国会が失言から年金国会の様相を呈しそうな、そんな気配が漂います。「縮めた」や「公約違反というほど大げさなことか」との発言が、この内閣で年金問題の解決は無理との認識を国民に広めました。年金問題には継続性があり、単発で熱気が冷める問題ではありません。それは受給者にとっても、納付者にとっても切実な問題であり、いい加減な答弁をされると国民の怒りの導火線に火がつくからです。

企業が労働者から年金を預かり、それを納めていなかった事例は別として、この問題はそのほとんどが国に過失責任があります。それなのに行政のトップにいる人間が自ら解決の意思を示さないことは、国民に対する背信としか思えず、居直りのようにも感じられ、盗人猛々しいとの印象を抱いてしまいます。
公約は安倍内閣のことで自分たちはそんな約束をしていない、という感覚で問題に対応するとしっぺ返しを喰らうでしょう。これは与党・自民党の問題と認識されており、長年社保庁の監視を怠り続けたことが問題を拡大させたのですから、与党党首である福田氏も逃れることはできないのです。

しかもこれが官僚らしい、ショックを緩和するため最初は甘い数値を示し、徐々に不明件数を拡大させるのではないか?との懸念は問題に継続性を生みます。危機管理において最重要のことは、現状を把握し、それを速やかに公表し、拡大を防止する対応策を打つことなのですが、官僚の対応はこれと逆です。国民感情を逆撫でしないよう、情報は後出しにしようとするのです。
薬害肝炎の問題も同様、こうした問題には政治決断が必要です。政治が判断しない限り、官僚は自分たちの立場、思惑を反映して対応を考えようとしますが、それは決して国民の意にはそぐわない内容です。誰もが感じる、悪いことをした人間が罰せられず、何の罪もない人間が被害を受けたり、苦労しなければならない構図は官僚の怠慢の温床にもなりうる問題なのです。

ここで官僚を庇えば自身の人気は確実に落ちます。また問題解決に時間がかかれば、リーダーシップの欠如を問われることになるでしょう。リーダーは時に非情と思える決断が必要です。それが国民に向くのか、官僚と対峙する方に向くのかで、今回の厚労省に関する二つの問題への対応、その評価は変わるといえるでしょう。新テロ特措法ではなく、この二つの問題が福田氏の真価を問うべきものなのかもしれませんね。

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2007年12月11日

年金記録の1900万件以上が統合困難

舛添厚労相がが5000万件の消えた年金のうち、1975万件が特定困難と認めました。作業はエンドレスで行うとも述べていましたが、紙台帳とのつき合わせでも判明しない年金は、永久的に解読不可能であり、期間をかければ済むというものでもありませんし、そんなことをすればまた人件費が余計にかかることにもなります。
本人が切れ者であるだけに、「これだけヒドイとは思わなかった」との説明が虚しく聞こえますが、むしろヒドイことは民主党の長妻氏の理路整然とした説明で、初めから分かっていたことです。プログラムで解決する程度の問題であれば、最初からこれだけの騒ぎになっていません。自民党が選挙前に述べていたことは、全て虚構であって具体性がなかった、との事実がこの時点で明らかになったことは、衆院解散の時期は更に遠退いたと思って間違いのないところです。

舛添氏は頭の良い方ですから、大臣になって浮かれて花火をぶち上げただけではないのでしょう。社保庁の記録管理がかなり杜撰との想定もあったはずです。読み間違えたのは、舛添氏が官僚出身ではなく、また政治の場での折衝も経験は浅く、省庁の抵抗に後ろ盾のない戦いを挑むことがどんなに大変か、ということなのでしょう。
小泉時代は少なくとも官僚の協力が得られました。トップダウンでも中身を官僚が考えることが出来る、そこに対立構造はなく、調整作業のみとなります。舛添氏はこの頃に政治家となり、本気で官僚と対決する経験はこれまで皆無だったはずです。組織防衛に傾いた官僚機構ほど厄介な手合いはいません。情報を渡さず、嘘の説明をし、更には政治家の醜聞をメディアに流すこともします。厄介な大臣は消されるのです。

官僚は全てが無能な訳ではありません。しかし上司から正論を否定され、良心に反する行為を命じられ、組織の色に染められていくにつれて無能で怠惰な存在へと成り下がるのです。ですから天下り容認論者の中にいる、『国家のために尽くした』と『有能な人材は民間も欲しがる』は、相反するところにあり、二十代、三十代までが道徳心を保てる年齢であって、それより上は組織的な思考が染み付いた存在となってしまうということになります。
年金は共済年金と厚生年金の統合、消えた厚生年金への税金への投入など、まだまだ解決すべき問題は山積みです。しかも今回で明らかになったように、人的作業を幾らこなしてもオールクリアにはならない問題なのです。それを踏まえて3、4年で破綻する100年安心プランではない、本当の年金議論を展開していって欲しいと思いますね。

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2007年10月08日

年金問題で与党が加算制度の拡充を検討

社会保険庁が4日、年金保険料の使途を公表しました。非常勤国家公務員やアルバイトの人件費、会合費、非常勤職員の保険料が保険事業の運営に直接関わるものであれば可、その他は社保事務所の建設費、施設整備費、年金広報・教育用のビラやイベント開催などに年金保険料は使われているようです。
これらは年金事務費として、98年度から流用が行われていたものです。また今年6月の社保庁改革関連法の中で、恒久的な使用が認められました。そして今、民主党からは年金保険料流用禁止法案が参院で提出され、審議に入ろうとする段階になっていますが、会期の関係でどうなるか分かりません。

まず広報や教育、イベント開催などに関しては、公的機関のこうした活動が有意義でないことはいうまでもありません。実質的な監査もしない監査料や、パンフレットが配布されずに事務所に山積み、ということがありました。広報や相談、その他のこうした活動は年金が複雑化した末、発生している費用であり、本来は削減できるはずの費用なのです。
また人件費にしても、今回の年金問題が拡大したことで、多くの人間を投入して社保庁は対応に当たっています。ということはこうした費用に年金保険が流用されている可能性もあり、これらも原資を食い潰す原因になっているのかもしれません。まだ詳細は明らかになっていませんが、この使途の金額が判明する段階では、6月に強行採決された社保庁改革関連法の是非も問われることになりそうです。

一方で、与党は加算制度の拡充を図り、最低年金額を66000円から83000円とし、生活保護との差を埋める方向で協議を進めるようです。加算制度の国庫負担率は6割程度、この加算制度で生活保護費が削減されることから、約5000億円の財源が必要との見方があります。
しかしこれが保険料未納の解決策であるか、というとそんなことはありません。一方で年金保険の流用を認め、一方で税金を投入する。本来は必要な支出を国家監視の中で議論し、無駄遣いを極力減らさなければいけないところ、逆の展開を政府はしてきたのです。税負担を3分の1から2分の1へ引き上げる財源の議論とともに、政府は収入と支出に跨る概算を示さなければなりません。

最後に、舛添厚労相と地方との差ですが、地方自治体が処分を下す際に社保庁に相談して決めたものであれば、まず処分はその不作為を生んだ社保庁の幹部から、でしょう。それは刑事事件ではありませんが、民事や内部処分を下し、範を示すこともまた必要だと考えています。何より、立件が出来る犯罪だと舛添氏が述べるたびに、では誰が立件しないと判断したのか、その追及もしなければならないと考えています。

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2007年07月11日

雑感。年金検証委員会の中間報告

嬉しいニュースがありました。米国のメジャーリーグでイチロー選手が、オールスターでランニングホームランを放ち、MVPを獲得しました。長嶋茂雄氏がかつて、野球の醍醐味はランニングホームランだと述べたことがあります。選手がベース一周を全力疾走する間に歓声が続き、観客もその間一緒に盛り上がることができる。
そんな最高のプレイをオールスターで史上初めて達成し、表彰される。イチロー選手は日本でも米国でも、記録にも記憶にも残る選手として後世まで語り継がれていくのでしょう。久し振りに喜ばしいニュースでしたね。

年金記録問題検証委員会の中間報告が出されました。この中の組織上の問題で、ガバナンスの欠如、コンプライアンス意識の低さ、などが挙げられ、これらを労働組合との関係や、『親方日の丸体質』による問題としています。
この中間報告はあくまで中間ですから、意見をするようなものではないかもしれませんが、ここまで政府答弁に沿った内容だと違和感があります。組合との関係でも体質の問題にしても、それらを許容してきたのは社保庁長官であり、厚労相です。組織のトップが組織内の問題を改善できない、または認識すらしていないのであれば、その責任に言及するべきでしょう。
更に横領や着服があるのであれば、それらは刑事事件として警察権の介入も視野に入れるべきでしょう。分限免職だけではなく、また賞与の自主返納だけでもなく、遡ってでも犯罪行為を検挙するという、すでに引退した人間まで含めて責任をどうとらせるのかが公務員を律する一つのやり方です。公務員制度改革はこの点に不備がありますが、国に多大な損害を与えた人間に対してもきちんとその責任を追求して欲しいと思います。

明日に参院選の公示ですが、票読みの段階では自民党がやや過半数割れから、40議席程度まで落ち込むとするものもあるようです。ただ自民党にとって最悪のタイミングで「政治とカネ」の問題が再浮上したことで、票読みは更に難しくなっています。
政治資金規正法の見直しが早くも示唆されていますが、内規にしろ資金管理団体だけに限定してしまった領収書添付が、結果的に言い訳の材料にされている時点で、この法律はザルと証明しています。このザル法に最後まで抵抗し、領収書添付すら拒み続けた自民党に対して、国民は更に厳しい眼を向けることでしょう。

自民党の中川幹事長が「やっぱりダメだ民主党」「だけどやっぱり自民党」とのフレーズを、選挙戦で使っていこうと提案したそうです。そんな国民の目を逸らすものではなく、政策で訴える点がないだけに、自民党の窮地が垣間見えているのでしょうね。

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2007年06月29日

年金関連二法案が今晩参院で可決の見通し

社保庁改革関連法案、年金時効撤廃法案が参院厚生労働委員会で可決され、今晩未明には参院本会議で可決される見通しです。年金問題では政府対応が後手後手とも言われますが、そんな中で経団連と商工会議所が、加盟企業などに相談窓口を設置すると伝わってきました。

経団連にしろ、日商にしろ、どちらも民間企業なのですから、経費のかかることをする必要はありません。社会的責任とは言え、この年金問題は政府の怠慢でもあるのですし、民間企業は年金徴収に協力している側であって、何ら無償対応を申し出る場面でもありません。
経団連の御手洗会長は、悪い人物ではありませんが、親しくなると身内感覚で相手を庇ってしまう側面を持つようです。今回にしても、経済財政諮問会議に出席する一人として、安倍氏の苦悩に自ら立ち上がったといったところでしょうか。それにしてもこの対応を無償で企業側が行うだとすれば、経済界は随分と政治に対して脇が甘くなりましたね。

年金問題に対する今回の政府対応について、危機管理が出来ていないことは以前述べました。全員に納付記録を送付ということについても、対応で幾ら予算がつぎ込まれるのか、政府は明示しようともしません。予算には枠があるのですから、無駄遣いはそれこそ控えるべきでしょう。
社保庁の職員に自主返納を求めることを示唆しましたが、これが懲罰的な意味合いであるとすれば、それは既に退職した人間についても求められるはずです。むしろそちらの方が強まらなければなりません。公務員制度改革の壁とは、国家が公務員の怠慢で受けた損失を、どのようにして補償に結び付けるのかが重要であり、過去の不作為を許さない姿勢が求められるのです。

社保庁の賞与の自主返納を求めるより、まず政府がやらなければならないのは、厚労省の予算枠内で今回の対応をする、と宣言することです。監督官庁の責任として国庫に負荷をかけない形で一省庁の枠内の影響に限定する、それが年金問題で国民が自分の年金が別に使われる懸念を払拭する、最も良い宣言の形なのです。今こそ官僚が予算獲得で必死になったものを、不作為があれば根底から覆してしまうという、政治主導の場面が求められているのです。
まるで民主党の主張を受け売りしたかのような、政府の小出しの対応にも違和感を持ちます。更に言えば、システムの作り直しも議論に挙がっていますが、再びNTTデータを使うことになれば、それこそ国民感情は許さないでしょう。何しろそこは社保庁の天下り先企業なのですから。

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2007年06月22日

雑感的に、年金問題と政局について

ヒル国務次官補が北朝鮮から戻りました。この動きでうがった見方をすると、今回の国会会期延長、安倍氏の思惑としては、六カ国協議再開を待つ姿勢もあるのではないかと推測されます。安倍氏が朝鮮半島とパイプを持つとは常に噂されることですが、再開されれば何らかの成果が出る、そうした観測があるのではないかと思われます。
ただ次に六カ国協議が再開されても、核問題が主で、拉致問題は取り残される公算が大きくなっています。それに向けて、日本政府が動けない限り六カ国協議の進展も、特に政府の功績ではないので、その点は見誤らないようにしたいですね。

年金問題で、昨年12月には安倍氏が認識していたことが判明しました。情報の隠蔽ではなく、今年初めには社保庁に調査を、2月には対策を指示していた。対応の遅れは社保庁に問題がある、との認識を示しました。ただ国民に情報を隠していたことは事実であり、また対策も秋口に法案を提出することで調整していたので、自民党の対応は随分とゆっくりしたものになっています。
更に、安倍氏は「問題を正確に把握することが大事だ」との認識を述べました。その割りに、社保庁から出てくる数字はいい加減なものばかりで、半年の猶予があっても正確に把握は出来ていないことにもなります。逆に考えると、社保庁はその程度の組織なので、公務員の身分を剥奪しても給与が税金から払われると言う今回の社保庁改革に、疑問すら持ってしまいます。

すでに廃棄した手書きデータが83万件に上る、ということが明らかになりました。そんな中で、新たに手書き台帳からデータを入れ直し、再構築する作業も検討されているようです。この作業で注意しなければいけないのは、すでに社保庁に入力されているデータは、元データから変更が進んでいる点です。突合を行う上で、どちらを正としても可笑しな話であり、これで分かるのは入力時にどの程度のミスがあったのか、ということぐらいです。
一部で、今回の会期延長は年金問題を国民から忘れさせるため、というものもありますが、それであれば長期の延長に踏み込むでしょう。夏祭りが集中し、選挙管理委員会や役所が大迷惑をしても、この日に参院選を持ってきた理由は、やはりそれなりの思惑があると見た方が良いでしょう。そうなると六カ国協議再開の時期が、大きな焦点になるのでしょうね。

自民党内では、すでに次期安倍内閣として、麻生内閣の成立に動き出していると見ています。自民党がボーダーラインからマイナス3で、国民新党との連携も噂されていますが、麻生氏は『自由と繁栄の弧』や『とてつもない日本』を著し、次期政権へ向けて着々と動いています。
前回の総裁選でも、最終的な国民の支持は安倍氏よりも高かったのでは?とも言われていますし、安倍氏の後任で一時的な人気回復には、顔が売れている人物の登用が欠かせないところでもあります。麻生氏の自民党総裁選、最終トライが上手くいくか?参院選の行方次第では、その可能性も高まってきたのだと思います。

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2007年06月14日

年金問題で政府の失態が続く

参院での公務員制度改革の審議入りに関して、与党と野党との綱引きが始まっています。事は参議院選挙の投開票日に向け、国会会期の延長が絡みますので、安倍氏がごり押しするこの法案の行方が、後半国会の焦点になってしまうのでしょうね。

衆院特別委で政治資金規正法改正案が通過しましたが、これは完全にザル法です。5万円以上の領収書添付に関して、資金管理団体のみで政治団体への規制がないなど、いずれ再び政治とカネの問題は表面化するでしょう。安倍氏は「私の内閣で先送りされた問題を解決する」と述べていますが、年金、政治資金、そして公務員制度改革まで、それら今国会に提出された法案は、解決ではなく先送りだと国民の誰もが考えています。法案を通すばかりでは『解決』ではない、ということは政治家も強く肝に銘じておくべきでしょう。
そして安倍氏が問題解決の姿勢を示しても国民に訴求力がないのは、年金問題での委員会採決の場での安倍氏の発言の中に、「国民の不安を煽るな」という言葉があったことです。国民が不安視していることに応えるのではなく、議論を封殺しようとしたその態度に、国民の失望感は強まっています。

社保庁の3090件のサンプルデータの問題でも、ミスは4件なのか、23件なのか、で捉え方は大きく異なります。それが支払いに問題がないから良いでしょうと説明されても、国民は誰も納得しません。問題は社保庁のデータ管理、正確性がどう担保されているのかであって、カネさえ払えば文句は無いだろう、と言う姿勢を示してはいけないからです。
更に今回の年金問題に関し、補正予算を組まないと安倍氏が発言していますが、では第三者委員会や対応員の増員などの原資はどうするのか?説明がつけられないことになります。そして時効で受け取れなかった年金を今夏から、請求があれば凡そ950億円の支払いに社保庁は応じるそうです。この時、年金は積み立てられていた分をそのまま支払いに回す形ではありませんから、財務状況次第では今年度の社保庁の収支バランスが非常に悪化することになります。そこにも税金を投入する必要があるのか、これら収支にもしっかりとした議論が必要なところでしょう。

参院選挙まで年金問題が継続するのか?というのが選挙の勝敗に大きく影響しそうです。年金は国民に直結した問題でもあり、また今の政府対応を見る限りでは、短期的に国民の納得を得るのは難しそうです。後は国民の熱が冷めるのかですが、どうやら熱気が冷めそうにもありません。
何故なら、自民党は小泉氏のように問題のすり替えで選挙を戦うのか?とも考えていたのですが、参院選マニフェストの項目に年金問題を載せてきたからです。堂々と打ち合っても自民党は敗北確定ですが、後1ヶ月と少しで逆転の秘策があるのか?今年の夏は暑そうですが、政治の舞台はもっと暑いことになりそうですね。

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2007年06月06日

年金記録で更に未統合、コムスンの問題

今日は年金問題で、新たに1430万件の記録漏れが見つかりました。最も大事な被害範囲の確定、という基本すら出来ていないことになります。社保庁が提出する数字には不透明さが付き纏い、数字遊びではないかとの疑惑すらあります。サンプル数の算出と、そこから割り出される計算により発表される数字というのは、サンプル量にもよりますが、全体把握にどの程度寄与するのか?社保庁にはその考え方を含めて、数字の正当性を提示して欲しいところです。

そして今日、衆院厚生労働委員会で柳沢厚労相が「システム構築が重要」として、NTTデータと日立製作所に新たな記録照合プログラムを委託するそうです。老婆心ながら言わせて貰えば、プログラムで出来るのは人間の行える計算の補完や、計算速度を上昇させることです。つまりこのプログラムの発注は、社保庁が「一年で統合なんて無理」と匙を投げ、「新しいプログラムを作れれば」という官僚答弁を鵜呑みにしての発言なのでしょう。
では日本人の名称で難解な当て字を正確に読み取ることや、入力ミスで起こった問題をそのプログラムで補完できるのか、というとそんなこともありませんし、記録の廃棄で完全な名寄せは出来ないと考えるべきです。つまりプログラムの構築で出来ることは、今あるデータを再集計する時に楽になる、という程度の効果だと考えます。
更に社保庁が納付率アップのために、零細企業の厚生年金免除の申請を促した問題もあります。本人は払っていたと思っていたのに、企業は年金を社保庁に納めていなかった。そんな問題も今後明らかになるでしょうね。

今日は訪問介護大手のコムスンに対して、厚生労働省から介護事業所の新規指定と更新を認めないとする記事がありました。以前から指摘されていたことでしたが、コムスンの事業体制に対して、厚生労働省も痺れを切らして厳しい裁定を下したということです。
これは事業主側に問題がありますが、介護という面で見ると、大手の事業所が地域から消えると、壊滅的な打撃を受ける可能性があります。地方では介護施設が少なく、寡占状態を引き起こしていましたから、2086事業所が426事業所にまで縮小すれば、介護が行き届かない地域も出てくるでしょう。

介護保険法の問題は、CMでもやっていますが、産業として成立し難い面があることです。重労働でありながら薄給であり、更に出世の道もほとんどない。看護、介護という優秀な人材が求められる職場で、今その担い手が減ってしまっています。看護ではフィリピンからの受け入れ、と言う話もありますが、待遇について真剣に考えなければいけない時期なのでしょう。
今回の問題は氷山の一角と言われており、介護の世界が大きく震動するかもしれません。利用者に影響が及ばないよう、従業員の雇用を確保するよう、にすることが大事なのは確かですが、もっと事業者としての責任を果たして、しっかりとした介護事業を営んで欲しいものです。

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2007年06月01日

年金問題の政府対応について

社会保険庁改革関連法案と、年金時効撤廃特例法案が未明に衆議院を通過しました。取り上げるのは止めようかと思いましたが、もう一度だけこの問題の記事を取り上げます。
今日になって安倍氏が「これで国民が安心できると確信している」と述べていましたが、残念ながらこうした発言をすると、「政治家は国民のことを分かっていない」という思いを想起させますので、逆効果です。危機管理とも繋がりますが、問題が発生した時にそれを沈静化するには、原因究明と情報発信、それに迅速な対処です。

まずこの問題で最初にしなければならないのは、原因究明です。社保庁がシステム化する時に外部委託し、なぜそれをチェックできなかったのか?また紙媒体の記録の廃棄を命じたのは誰か?それらを明らかにした上で、基礎年金番号制度の統合後から現在に至るまでの、歴代の社会保険庁長官とそれを所管する厚生労働大臣(2001年以前の厚生大臣を含む)の処分と、役職手当の自主的返納を促すことです。
民間の発想で考えれば、社会保険庁職員の給与をカットしても良いのかもしれませんが、そうして集めた原資を今回の年金記録の調査費用に充てると、政府の方から発表し、その上で政府が非を認めて謝罪するのです。これにより、真っ当に年金を納めながら、記録に不備が生じて社保庁の高圧的な対応で傷付いてしまった、国民の溜飲を下げることが出来ます。

一方で、集められた原資で足りない調査費用の分は、税金か年金が補填されることになるので、それらは今後、厚生労働省所管の『ハコモノ』を減らし、できるだけ国庫支出分を減らす努力を示し、それで国民の理解を求めなければいけません。
そこまで来て、今後の年金制度の信頼回復の為に、「国民の信頼を得る新たな年金制度の構築」と、高らかに宣言すれば一定程度の合格が与えられることになります。ところが、上記の対応は全て先送りにされており、これで「安心」と安倍氏が述べると、本当にこの特例法案で年金問題を打ち切り、責任を有耶無耶にするとの印象を国民に与え、マイナス効果しか生まないことになります。

しかし、安倍氏にこの対応が酷なのは理解します。何しろ自身が厚生族であり、歴代厚労相の中には小泉氏や津島氏などがおり、これでは責任追及が出来るはずもありません。結局、責任問題は政治の都合で棚上げにされたのが、今回の法案ということですね。
調査費用は民間保険会社の試算で、1000億円以上かかるとするものもあります。未払い分は950億円で済むのか?5000万件より、更に増えるのではないか?社保庁の提示する数字にも不信が集まっています。こうした不信に応えるためにも、透明性のある組織を造り、年金制度を抜本から作り直すべきなのだと思います。

最後に、赤城徳彦氏が農水相に就任します。日本の農業・林業・水産業は今、色々な面で大きな問題にぶつかっています。一つ一つそうした問題を解決し、日本の行く道をしっかりと構築して欲しいと思います。

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2007年05月30日

年金時効撤廃法案が衆院委員会で可決

今日の党首討論、個人的な見解としては四分六で小沢民主党代表の勝利、というところでしょうか。と言うより、年金を議論の俎上に乗せた時点で自民党は敗北であり、安倍氏も年金問題を「政争の愚にしない」と述べていましたが、では今日の衆院厚生労働委員会で、議員立法による一日だけの審議で強行採決するのは、政争の愚ではないのか?という問いも自然に湧き上がります。「国民に一刻も早く安心を…」とも言いますが、まず今回の年金時効撤廃法案で国民が安心を得るのは難しいでしょう。

今回の年金時効撤廃法案ですが、委員会での政府答弁を形にしただけであり、実行性は期待できません。24時間の電話相談にしろ、インターネットでの閲覧にしろ、最終的に年金加入者側に証拠の提示を求められるのは必然であり、それが国の設置する第三者機関で公平に、透明に審議されるのか、という根本的な部分での不信も国民の間には根強いものがあります。
国の負担が950億円増えるなどの話もありました。どんな第三者機関かは分かりませんが、証拠のないものに判定を下す際、何を根拠にそう判断するのかということも明示できず、それを社保庁が素直に応じて支払うのであれば、これほど無意味なこともありません。950億円の使途、それが不透明のままで右往左往するようなことがあってはいけないのです。

以前、私はこの問題で社保庁が『能動的』に動かなければダメだ、と述べました。安倍氏も討論の最中、「民主党はどうするのですか?」と、小沢氏に問うていました。ではどうすれば良いのか?それは簡単です。社保庁側の年金記録の管理体制に瑕疵があるのは明らかなのですから、受益者が年金を納めていない、という具体的証明を社保庁側が出来ない限り、請求に対しては全額支払う、という文言を法案に盛らなければならないのです。
これは極論ではなく、瑕疵のある側が弁済の責任を負わなければならない、というごく当たり前のことです。年金記録がすでに証拠能力を失していることは明らかです。なので、この問題での立証責任とは、納付があったことを受益者が証明するのではなく、納付が無かったことを社保庁側で明示し、それが出来なければ支払うということです。社保庁側の不払いの理由立てを簡素にしては、絶対にいけないのです。

安倍氏の主張するように、「親方日の丸の身分を剥奪すれば…」社保庁が変わるかと言えば、そんなことはありません。むしろ国会の検閲を逃れ、組織的な腐敗を引き摺った状態での機構への移行も想定されます。厚生労働省の所管組織を一つ増やしても、年金制度の安心には繋がりません。
2004年の年金制度改革から、年金制度への不信が国民には根強く残っています。今回にしても、5000件という件数の多さに、国民が身近なことと認識してこの問題が大きくなりました。そして今回の救済法案でも、国民の安心は得られないでしょう。拙速な議論は、結果的に説明不足の感も否めないものとなります。まずは国が自らの非を認め、自身の責任において保障する制度の構築が重要なのだと思います。

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2007年05月25日

社会保険庁改革法案が委員会を通過

今日は衆院厚生労働委員会で社保庁改革法案が通過しました。この法案では、2010年に社保庁を廃止し、公益法人「日本年金機構」に業務を引き継ぐ。¬唄岼兮を活用し、効率化する。0質な保険料滞納者に、国税庁による強制徴収を委任できるようにする。という三点が大きな柱となっています。

メディアでも今日の委員会の紛糾ぶりは伝えられましたが、年金に請求時効があったり、立証責任を受益者側が負ったり、と年金議論の入り口から政府説明には納まりの悪さを感じます。国民側に領収書を保管する義務も責任もなく、請求する時には領収書の提出を求めています。元々が年金手帳を前提に、納付と給付が取り決められると説明された人は多いはずです。領収書を要求しても、「年金手帳があれば大丈夫」それが社保庁の説明だったはずです。
しかしこの段階になって、領収書が必要と社保庁の説明が一変しました。多くの人間が、騙されていたのです。そして安倍氏が立証責任を問われ、「では請求者の全員に支払うのですか?」と質問者に問い質していました。そうではありません。請求者がいたら、社保庁が能動的にそれを調べ、それを明らかにしていく態度を示さなければならないのです。そもそも、記録の不整合が起きたのは、納付者の責任ではありません。自らの責任として、請求者に対して誠実に対応する、その姿勢を政府に求めているのです。

参院選までこの問題を引き摺りたくないとの政府の思惑以上に、この問題は尾を引く可能性もあります。何しろ、社保庁改革で公務員の身分を剥奪すれば、自らを律する組織が生まれる、などという政府説明を鵜呑みにすることは出来ないからです。
特ににあるような、国税庁が強制徴収をするのであれば、新組織である日本年金機構は単にデータ管理会社になってしまいます。組織の資質が問われた、その専業組織になるのですから、これでは年金を任せられないと不安を煽ることになるでしょう。年金制度は抜本的に見直しが必要なのです。徴収を税方式にすれば、新組織自体必要がなくなることになります。財務省と厚労省の綱引きで、結局社保庁を解体しても厚労省所管の組織を残す、そんなことをしている場合ではないのです。国民が安心して老後を過ごせるような、そんな制度をいち早く構築しなければならないのですから。

今日は政府答弁にがっかりして、一昨日と同じ話題を取り上げてしまいました。社会保障は年金だけでなく、保険や介護など多岐に渡ります。少なくとも、今日のような議論で話を進めることだけは、して欲しくないと思います。

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2007年05月23日

年金問題の政府答弁が若干改善

年金に関して、5000万件が該当者不明となっているとの記事がありました。この件で年金を納めたはずの人が申し出ても、「領収書を持って来い」の一点張りで、社保庁が対応もしれくれないとの話もあります。1997年以降は加入者ごとに基礎年金番号で管理されているので、それ以降の支給漏れはないとも言いますが、社保庁の管理体制が年金制度に不安を与えていることは確かです。

更に、社保庁は国会審議の場でも、支給漏れの具体的規模や総額を明らかにせず、受給者側の証明責任を盾にとりました。公的サービスにあるまじき行為ですが、これに対しやっと柳沢厚労相が「受給者本人に注意を呼びかける」と答弁しました。ただし、社保庁にはすでに紙媒体の記録がない場合も多く、やはり証明責任は受給者側に課せられるのでしょう。
社保庁側の記録が不備で、更にこれまでも領収書の発行は拒んできました。受給者に証明責任を果たす具体的証拠も渡さずに、最終的には証明は受給者というのですから、詐欺的行為と呼ばれても致し方ありません。どんなに業務が過多になろうと、この問題はやはり社保庁が責任をもって事実を明らかにする、という態度が必要なのです。

4月から年金分割が始まりましたが、4月に293件の請求があったそうです。多いか少ないかの判断は色々とあるのでしょうが、これも最低生活の保障に資するだけの財源は確保できているのか、という議論になると、分割されることにより厳しい側面もあるのでしょう。恐らく、現役時代に蓄えを相当に持っておかない限り、かなりの確率で生活が成り立たなくなり、困窮すると考えます。数年後には新たな問題が発生するのでしょう。
少子化の問題で、欧州では事実婚が常識化されているという記事もあります。日本では家族を一単位として生活保障の枠組みを考えてきましたが、今後はこうした事実婚や離婚での生活保障を含め、新しい枠組みを考えなければいけない時期に来ています。

日本ではすぐに風土に合わない、という論点で家族制度の議論を封殺する気運があります。しかし明治民法下で構築された家族制度や、旧来の風習に引き摺られると、結果的に時代にそぐわない制度しか構築できません。給料天引きでは、一度も働かずに基礎年金番号がつけられない事実婚などをする若年層が将来に至った時、また最低保障の問題が湧き上がるでしょう。
色々な痛みや産みの苦しみはあるのでしょうが、税方式も真剣に議論し、年金そのものの制度疲労を見直すべき時に来ていると考えます。もう小手先の変更だけで、国民の年金への不安を解消するのが難しい、それほどの段階には来ているのですから。

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2006年11月23日

社会保険庁が医療費過払い分を不通知

社会保険庁で「政府管掌健康保険」に加入している方のうち、患者が過払いしていたことを通知していないことが分かりました。2003〜05年で18000件、通知対象が65000件ですから、35%にも上る数の非通知であり、更にそれを隠して報告していたというものまで。過払い分を医療側に請求する上でも大事な情報であり、社会保険庁の体質そのものが再び問題視されるほど、重要なものだと考えています。

自民党では先の国会から継続審議されていた、社会保険庁改革法案を廃止として、新たな改革案を策定する方針に変わっています。当初は「ねんきん事業機構」として、国家公務員の身分を保つことも検討されていましたが、これで以前安倍氏が述べた「解体的見直し」が現実のものとなりそうです。
郵政事業では小さな政府を実現するために、ばっさりと公務員の身分を切っておきながら、何故この社会保険庁の職員の身分を庇うのか?それを考えると、公的業務である年金を取り扱う機関が民間事業で良いのか、とする問題に行き当たります。

しかしこれも税と一緒に徴収する方式に変えれば済む問題であり、年金行政は抜本的見直しが必要な時期に来ているので、それを行えば全て解決するのです。更にパートの年金加入など、年金事業は既に複雑化し過ぎて扱い切れなくなる懸念もあり、一度全てを解体して、再構築する必要がある時期に来ています。
ですが、これは今の道路特定財源の一般財源化議論と同じ、金がつく事業は手放さないという官僚側の問題の方が強くなっています。官邸主導であれば、こうした年金でも道路特定財源でも、正論をもって良い方向に導けるはずです。ですが、中々そうした動きは見られず、ではどうするのかについて、様々な方面から意見が上がるばかりです。

社会保障と国の債務の問題にきちんと焦点を当てていかないと、国民の間の不安は解消されません。更に今回のように隠蔽して報告し、その事情を掴みながら社会保険庁は何の対策も打っていなかった、という構図は先の未履修の問題で、文科省が実態を把握しながら対応していなかった問題と全く同じです。
国の機関が発生した問題に対して対応の不味さを露呈する。残念ながら、ここにも危機管理能力の無さを感じざるを得ません。公的機関だけのことではありませんが、きちんとこの点を学んでおくべきなのでしょうね。

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2006年09月08日

2006年版 厚生労働白書の概要を読んでみる

2006年版 厚生労働白書が発表されました。その概要をざっと読んでみましたが、当たり前のことを当たり前のようにうたうばかりで、目新しいものは特にありませんでした。その中で眼を引いたものを幾つか考えてみます。

まず年金制度の中の一文に「公的年金制度が全ての国民から信頼され、全ての国民が公的年金制度を支える意識を持つことが必要」と明記されたその後に、「今後とも国民から信頼される制度運営に努め、制度に対する国民の理解と協力を得ながら…この貴重な財産を引き継いで」いくと述べています。
矛盾は述べなくても分かると思いますが、年金とは国が制度を運営し、国民はそのサービスを享受する立場にあります。つまり大雑把に言うと、これは公的サービスの一つです。国民に対して「支える意識をもつことが必要」と述べた後で「理解と協力」を求める。本来、国民の理解と協力を抜きにしては成り立たない制度なのですから、国の実践する態度としてはそれをどうサービスとして提供し、国民満足度を高めるのか?それを述べなくてはならないのです。

医療サービスの点では国は積極的に地方、及び地域に比重を移したい考えが、露骨に明示されていました。「国民一人一人が『自分の地域の医療の在り方をどう描いていくのか』…この課題に向き合う時期に来ているのではないだろうか」と結ばれています。
一面では正であり、一面では誤です。病院の数や医師の数など、実は欧米と較べても日本が見劣りする訳ではありませんが、日本は島などの飛び地が多く、その偏りが問題なのです。これは地域で解決できる問題ではなく、積極的に国が関与していく必要があります。

また地域ネットワークの活用などにより、子育て支援、介護支援を充実させることなどが頻繁にうたわれていますが、隣近所が信用できない世の中、それを解消しない限りまず実現性はありません。恐らく、それが実現した先には隣近所で子供に怪我をさせた、物を盗まれたなどで訴訟が頻発することが予想されます。
全般的に国が関与せず、歳出を増やさない方向を一生懸命に模索し、それをこの白書に盛り込んでいます。確かにそうしたものも必要ですが、先に指摘した通り国が関与しなければ解決しない問題も有ります。そのバランスを探る必要があるのですが、どうもこの白書にはそうした視点が欠落しているように見受けられるので、この白書が問題解決策になり得ないことは確実なのでしょうね。

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2006年08月22日

減税?出生数が増加?国民負担は?

自民党総裁選で、驚いたことに安倍氏、麻生氏の二人が減税を言い始めました。簡単には安倍氏は企業の開発や人材育成に関する減税、麻生氏が成長産業に対する減税であり、両者とも言い回しは違っても企業側の発展を促すための減税です。
日本の未来像を描く上で大切なことは何か、と言えば総裁となる人物がどういう将来を描けるのか、ということです。まだ端緒の段階であり断定は出来ないと思いますが、少なくとも安倍氏と麻生氏は経済活性化を業界支援と言う形で成し遂げようとしている、ということだけは分かってきたのかもしれません。

さてさて、昨日の記事ですが少子化傾向に歯止めがかかるかもしれない、そんな記事がありました。今回は出生数であり、出生率にはまだ換算されていませんが、前年同期より2.2%出生数が増えたと言うものです。
この数字に対して厚労省の人口動態・保健統計課では「経済が活性化し、雇用環境が改善されてきたから」としていますが、私が最初にこの数字を見た時は全く逆の感想を持ちました。つまりそれほど二極化が進んだのか、という印象です。

そもそも、雇用環境が改善してきたのは昨年からであり、出生数が増えるにはタイムラグが少なすぎます。実際、個人が好景気を享受できるほどには、まだ日本経済が潤ったとは言えず、数字として実感できてきたのは今年に入ってからのことです。十月十日前の受胎時はまだ経済が活性されていませんでした。
以前も指摘した通り、先進国の出生率はそれほど高くなく、実際に地球の人口増加を支えているのは貧困に喘ぐ国々です。避妊の普及が進んでいない等もありますが、一番はお金がなくて他にすることもなく、貧困層が子作りに励み易いというのがその理由と言われています。日本の二極化により貧困層が増え、出生数が高まったのだとすれば、今回の数字はあまり喜ばしいことではないのかもしれません。

一方で、出生率を基に算出される年金に関しては、サラリーマンの負担率が引き上げられたり、パート労働者まで適用が拡大される方向です。搾取の側は必死で国民負担を増そうとしている訳ですね。
これは労働者も、雇用の側も負担が増すのでどこが得をするかと言えば、年金を集めている厚労省(社保庁)のみです。未だに年金の財布のヒモはゆるゆるで、支出を減らす努力はほとんどしていない中で、徴収だけは抜け目なく行うつもりのようです。

先の出生数の話でも、減税の話でも政府から発信される耳障りの良い話は、気をつけていないと裏側にある国民負担を見逃してしまいがちです。国がどんな未来を考えて国民負担を増そうとしているのか?厳しい眼で見ていかないといけないのかもしれませんね。

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2006年06月22日

年金未納問題はノルマが原因?

今日の昼のテレビでやっていた内容です。社会保険庁の年金徴収員に対しノルマ制、即ちポイントによる成績で年金徴収を進めていたというもの。徴収員は準公務員にあたる訳ですが、一時は公務員にノルマを課すということで多少話題にもなった話です。
ですがその実体として、年金未納者と面会をすれば1ポイント、納付までさせれば更に1ポイントがつく。更に年金納付を銀行からの引き落としにすれば、20ポイントもつくとのこと。それに対して年金未納者に納付免除をさせれば、それだけで2ポイントがつくとのことです。これでは年金収納率を上げる際に、『分母減らし』とよばれる年金未納者対策を中央から推進していた、とされても致し方ないでしょう。何しろ未納者が簡単に納付に応じるはずがないのですから、自然と(勝手に処理して)納付免除をしてしまおうという方向に傾いてしまうはずですよね。
ポイントの理由としては納付免除は手続きとして1回で済むから、ということでしたが、納付免除による分母減らしを加速させたことは事実です。ノルマにしろポイントにしろ、それに応じて給料の増減をすれば、『上手くやる』人間はどこにでもいるものです。特に村瀬長官が納付率アップにムチを入れ始めた時から、こうした分母減らしが加速しているとも言われていますから、問題は更に深刻なのでしょうね。

ちょっとだけ気になったことを追加で。
秋田の畠山容疑者の報道は異常に過ぎると思います。誰だって畠山容疑者の言動、態度を見れば尋常ではないということが分かるでしょう。以前から報道人が追いかけることで人が追い込まれていく様を指摘していますが、畠山容疑者の場合は躁と鬱が激しいようですので、元々そういうものに敏感な体質なのだと思いますし、犯罪についてもそこに合理的な説明を求めること自体、無意味な気もします。
メディアも今度の奈良の放火事件に対象をシフトしつつあるようですが、今度こそ冷静な対応をお願いしたいですね。確かに『良い子』の反逆、というテーゼは興味の湧くものなのでしょうが、メディアの理性を信じています。

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2006年05月31日

社会保険庁の体質改善が出来ないのは…?

昨日の記事の補足と追加です。村瀬社会保険庁長官に対し、賛否は色々とあるようです。ノルマ主義で良いのか?今回の不正免除問題に対する責任は?私は村瀬氏でも構わないのですが、どうやって社会保険庁を改革するのか、そのアクションプランを示さない限りにおいて村瀬氏に任せられるのか、という不安は拭えないと思います。村瀬氏が副社長を勤めていた、損保ジャパンも保険の不正契約で業務停止命令を食らったばかりですし、彼のノルマ主義がどの程度通用するのかは不安ですよね。
しかし、社会保険庁については「社会保険新組織の実現に向けた有識者会議」により、社保庁改革法案に結びつく訳で、村瀬氏にとってもその法案成立を見ないと動き難いところではあるでしょう。国の動きの緩慢さが組織的な問題を残す原因でも有り、その辺りは政治家も考えて法案作りを進めて欲しいと思います。しかしこの問題が明らかになって社保庁改革法案が出せないなんて、今までの議論が骨抜きだったとしか思えないのですけどねぇ・・・。

昨日の記事の中で公務員の組合に労働基本権を付与する問題を取り上げました。私は公務員に労働基本権を付与することには賛成なのですが、今の国家と組合との関係を考えると反対します、という意見です。例えば社会保険庁ではパソコンを数十分扱った後は休憩する、としていた勤務内容は組合が勝ち取った権利です。今はどうか分かりませんが、そうした怠慢な勤務態度は(労働基本権がない)組合が得た権利であり、社会保険庁の職員はその権利を行使していたに過ぎないわけです。
一般社会ではそんな権利を勝ち取ることなど有り得ない話ですが、それを成し遂げていたのが官公労を始めとする公務員の組合です。別に労働基本権などなくとも最も強い力をもっていたわけですから、その力関係を変えない内に付与に賛成する訳にはいかない。独立行政法人を作って公務員純減目標を達成する、単なる配置転換に終わるだけの『小さな政府』実現への見返りとしては、あまりに大きな権利な訳です。

公務員に労働基本権を付与するには、まず成果主義による賃金格差の導入や、国に損害を与えた公務員の解雇、及びリストラなどの人件費抑圧策を国がとり易くすること。勤務態度などの評価をもっと厳格にすることがあります。公務員は残業などの過労働を抑制させること、賃金交渉などをし易くすること、などがバーターとして考えられる条件です。つまり、民間企業の労使交渉と同等とするべきなのです。
今の権利を持ったまま、労働基本権を付与することには反対です。『小さな政府』実現の陰でバーゲニングチップのように労働基本権を与えてはいけません。もっと広範に議論した上でのものとすべきなのです。社会保険庁の体質を見ると分かりますが、彼らに労働者としての意識があるのかすら疑問です。労働者としての自覚、成果を達成することで得られる賃金、それによる労働者としての権利を正しく考えていただきたいですね。

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2006年05月30日

『小さな政府』実現の影で巨大化する悪

昨日発表された社会保険庁による不正免除問題、11万件以上の不正処理が明らかになったのも驚きですが、川崎厚労相が「信用できない」としており、この数字が最終結果ではない可能性が高い、というのを聞くと驚きを通り越して呆れてしまいます。
最終報告を出させたければ、「今回の調査までは責任を問わないが、以降に不正が見つかったら罰を与える」とすれば良いのです。一番良いのは不正が発覚すれば、給料半額にするぞと脅されれば、社会保険庁の職員も不正など行わなくなるでしょう。村瀬社保庁長官が「私が辞めていいのですか?改革する方が先ではないですか?」と発言していましたが、逆に問いたいのは貴方が長官であることで、今後改革が出来るのかということです。ノルマを課して納付率を上げるばかりでなく、どうすれば社会保険庁職員の意識改革が出来るのか、そのプランを先に示して欲しいものです。

あまり大きな記事ではありませんが、公務員へ労働基本権が付与されることになりそうです。その動きの裏にあるのは『小さな政府』を指向する政府が、公務員純減目標5%を掲げましたが、その目標達成のために連合に交換条件として提案するというもの。つまりは「見返り」です。
昨今の企業では、労働組合が会社との馴れ合いとなり、ほぼ労働基本権も行使されないのが現状です。分かり易いものでは三月の春闘がありますが、それでもストライキには発展せずに終わります。企業内に様々な部署があり、中々団体でストなども出来ませんし、労働者も望まないストは実施されないのです。

結果、企業はリストラなどを進めて労働者を圧迫しつつ企業業績を回復しました。しかし、ここに労働基本権を今まで保障されて来なかった、最も守られた労働者の組織があります。それが公務員の所属する組合なのです。
公務員は労働基本権がないことを交渉の条件として、国から様々な権利を勝ち取って今に至っています。もし今回の『小さな政府』の実現に伴って労働基本権を公務員に与えてしまうと、アンタッチャブルな労働組合の誕生となってしまい、それが今後の国家運営に対しても、かなり危険な圧力団体として機能することになります。『小さな政府』の実現の影で、そんな事態が進行しているとすれば恐ろしい限りです。

小泉氏は社会保険庁の問題で「改革を潰そうという勢力がある」と発言していますが、小泉内閣発足以来、国民が小泉氏に求めていたのは政官業の癒着、ひいては巨悪になりつつある官僚に対する改革です。任期切れ間際までこうした問題を引き摺ってきたことが問題なのであり、「改革を潰す」前に本当に改革してきたのかが問われなければなりません。この矛盾についての説明責任を、小泉氏には果たしていただきたいものですね。

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2006年05月25日

年金納付率をノルマで上げても・・・

年金納付率を上げるための社会保険庁の不正が発覚しました。社会保険庁を弁護するつもりはありませんが、職員にとってみれば「制度自体が破綻しているのに、納付率を上げろって言われても…」という言い訳をしたいところでしょう。元々、ノルマとは無縁の公務員にいきなりノルマを課すと、こうして都合の良い数字を作り出して誤魔化す、というのは体質という他ありません。財務省が財政逼迫を訴える資料を作って、消費税などの増税を進めるときに数字を都合よく使うのと同じことです。
本来、数字とは過去の成績を表すためのものであり、未来を志向するときにはその数字の解釈が問題となります。これを目標として設定してしまうと、無事に目標に達すれば良いのですが、達成できないと現場の責任者は責任をとらされることを恐れて数字を弄り始めます。

年金制度が既に破綻しているのは度々述べてきました。社会が変化しつつある中、いつまでも同じ制度で運用しても意味がありません。そのための改革を一昨年行いましたが、国民の不安を払拭できるまでには至っていません。更に厚生年金と共済年金の統合は、あくまで共済年金側の都合であって国民の負託に応えたとはいえない状況。こうした国民の年金への不安が納付率を下げている訳で、社会保険庁の体質を問題にするのもそうですが、もっと深く年金の議論をしないといけません。
国民も馬鹿ではありませんので、少子高齢化が進めば負担は増えても給付は下がるとわかります。昔はベビーブームが訪れ、子供が増えて社会は拡大する、年金は得をする制度だという認識がありました。しかし今の人に聞くと必ず「年金って払うだけ損をする、払いたくない」と答えます。この部分を改善しない限り、絶対に納付率は上がりません。
これを指摘すると、必ず「年金とは現役世代が高齢者を支える制度だ」という批判を受けるのですが、そうした人間の善意に依拠した制度は遅かれ早かれ破綻します。自分は損をすると分かった上で、善意で他人を助けるなんて考える人間は少数派ですから。

現社会保険庁長官である村瀬氏は損保ジャパンの出身。その損保ジャパンは不払いや不適切な契約で業務停止命令を受けました。郵政の新しい社長である西川氏は三井住友銀行の元頭取で、その三井住友銀行は金融商品を不正に販売していた疑いで行政処分を受けました。不正をしていたから儲けていたのか?儲けていたから白羽の矢が立ったのか?それは分かりませんが、人材登用をもう少し考えても良いのでは、と考えてしまいますよね。

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2006年05月02日

小泉政権考4 −年金問題−

今日は小泉政権下では何も問題が解決されなかった、年金問題です。わざわざ最初にこう書くのは、先に小泉政権の下で行われた年金改革で「100年は大丈夫な制度を作った」と自負していた政府が、早くも厚生年金と共済年金の統合を打ち出し、更に国民年金の未納問題は未だに解決の道筋すらない、という現状を踏まえてのものです。

今回の厚生年金と共済年金の統合の話も、公務員年金の縮減案が先延ばしの末に大して減らされなかったという問題を抱えており、官民格差を是正する動きにはつながりませんでした。統合に官の側が同意したのも、最終的に公務員の数が削減される中で年金資金の減少を心配した官の側が妥協した構図がありますが、それでも自らの利権である「職域加算」の廃止を渋り、それを認めさせてしまったのです。
年金は以前から言われている通り、国民年金を含めて統合するしか問題解決の道は開けないのですが、それを拒んでいる勢力は官の側にあります。国民年金と統合したところで、厚生年金と共済年金の得になることは一つもありません。なぜなら受給額は国民年金の側が一番低く、そちらの水準に近づけると厚生年金も共済年金も受給額を減らさざるを得ないからです。また制度的に見ても国民年金は切捨てが原則であり、本人が死亡したらはいそれまで、という非常に割り切ったものです。こちらに給付の基準を合わせられると、その他の年金は困ることになります。遺族年金等の手厚い給付が減らされることになるからです。結果として国民年金は条件の悪い状態で取り残されたまま、未だに年金問題が検討の道半ばとして語られています。

ではその根本的な問題点は何か、というと将来不安の一つにつきるでしょう。先の年金改革で試算された人口統計が甘い試算だったのはご存知の通りですが、人口減少と高齢化に伴う給付水準の引き下げについて、政治家は誰も説明しようとしません。
議員年金の引き下げ、廃止や共済年金の引き下げの時に必ず出てくる「財産権」の話は、国民年金給付の引き下げの時には絶対に議題に上りません。出てくる話は必ず年金資金の不足の話とそれに伴う給付額の引き下げです。これで将来不安を抱くな、という方が無理というものでしょう。そしてその不安を拭えない以上、年金未納者が減ることはありませんし、今後もどんどん増えるでしょう。
基本的に、年金は現在の就労者が過去の就労者の生活を支えるもの、という論理ですがこれは社会構造が変質しない前提の上に立ったものです。少子高齢化を迎え、高度成長を望めなくなった時点で年金構造も変更しなければならないのですが、その道筋が政府は示せていない。年金統合問題を先送りした小泉政権。これも次の政権への宿題ということなのでしょうが、国民が一番不安に思うことを後回しにしていて、一体何を改革したいというのでしょうね。

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2006年02月15日

年金の話

少し趣向を変えて、未来の出来事を描いてみよう。

その男は自営業を営み、何とかその日を過ごせるだけのお金を稼いでいた。一時、不況の時に納められなかった年金。生活に余裕もなく、未納分を納めないと満額の支給は無理と言われて年金の支払いを諦めていた。
ある日、彼の元に一通の手紙が届く。『年金を払いなさい、払わないと健康保険を停止します』 彼は迷ったが、年金を納められる経済状況でもなく、その手紙を無視することに決めた。
数年後、彼は癌と診断された。すでに健康保険が停止されていた彼は、癌と分かると病院から拒否されるようになった。高額な医療費を、彼が現金で払えるとは病院側も思っていない。彼は医療拒否により、それからしばらくして亡くなった。

別に大袈裟なことではなく、このショートショートが描く未来は現実に起こることである。その時、社会保険庁は「払わなかったお前が悪い」と言うのだろうか?どうせ年金を払わない人間なのだから、早く死んでくれた方がマシとでも言うのだろうか?

もう一つの未来を描いてみる。

家業を真面目に行っている男がいた。当然、国民年金にも入り、老後は年金生活をしようと考えていた。子供たちは既に独立して生計を立てている。妻は数年前に亡くしていた。
年金の給付を待つ間に、彼は亡くなってしまった。遺族は父親が納めた年金の分を受け取ろうと社会保険庁に申し出たが、門前払いを食らった。四十年、ちゃんと納めてきた年金だが、亡くなったらその時点で没収されてしまうのだ。

年金が財産権だと最近の主張の中にある。厚生年金と共済年金の統合の際、共済年金の上乗せ分を削る議論や、議員年金を廃止するときに上がる話である。年金が財産権を有する場合、国民年金はどうなのだろう?個人が亡くなってしまうとその時点で給付が停止してしまう。厚生年金や共済年金、議員年金には財産権が有っても、国民年金は財産ではなく、手形のようなものだと言うことだろうか?

与党の年金議論では年金の基本的問題は解決しません。更に今の社会保険庁の議論でも、年金受給者を上げることは出来ないでしょう。年金問題は抜本的に改革しなければなりません。為政者は所詮、年金問題は他人事でしかないのですよねぇ。

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2006年02月02日

年金問題

昨今、小さくながら社会保険庁が年金の納入をしない人に対して、様々な措置を講ずることを検討している、と新聞報道がされています。そして、国会では議員年金が廃止と言いながら、規模を少し縮小するだけで継続するとのこと。更に議員年金に換わる退職金を検討、と国民の感情を逆撫でする文言が並びます。国民の大事な年金を食い物にした社会保険庁について、少し私見ですが述べさせていただきます。

社会保険庁が検討している年金未納者に対する措置、というのが国民健康保険の停止、預貯金などの資産の差し押さえ、などだと言います。現在の年金保険加入者が就業者の60%強なので、これを何とか80%以上にしたいというのですが、その加入者増加を罰則で促そうと言うのですから、本末転倒の話です。
年金制度が国民に対して不信感を与えたのは、一つに社会保険庁の無駄遣いがあります。更に社会保険庁の人間がテレビのインタビューに答えて、「89歳以上になれば年金はお得です」と発言していました。つまり平均年齢をはるかに超え、国民のほとんどが利益を享受できないシステムが年金だと、はっきりと認めたわけです。これで年金に加入して下さい、などと言っても若者やニートの人などは加入するとは思えません。更に言えば二年以上の未納期間がある人間が、今更納めるはずもありません。納めても絶対損をすると分かっているのですから。

厚生年金と共済年金の統合の話にしても、今まで共済年金でホクホクだった官僚が統合に傾いたのには、将来の公務員の減少による年金需給の悪化が明確になってきたために統合も已む無しとなった訳です。一般のサラリーマンはこの統合により給付が下がることはあっても、得することは何もない状態です。

社会保険庁はまず無駄遣い分を補填し、国民に謝罪する。これが国民に信頼を得られる年金制度の第一歩でしょう。更に一昨年改正された年金制度を見直さなければなりません。前提である出生率の減少が、すでに始まっているからです。これが出来ない限り、罰則強化による未納者減少は、一時的なもので終わる可能性があります。

年金の議論をすると必ず、これは就業者が老人を支えるシステムだから払わなければいけない、といった意見が出てきます。しかし年金が義務でない限り、この論調は間違いです。日本が社会主義国家でない限り、個人の将来の問題を国が押し付けることは出来ません。信頼できる年金制度があって初めて、年金はこんなにお得な制度だからと国民に説得できるのです。昨年の衆議院選挙で本来は検討されるべき年金問題が棚上げになってしまいました。今一度、年金制度を根底から見直す時期に、今来ているのです。

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