社会

2019年06月04日

雑感。シーサイドラインの事故と自衛隊機墜落と

横浜で自動運転していた金沢シーサイドラインが、逆走して車止めに衝突、負傷者がでた問題で「進行方向切り替えの信号は正しく入出力。自動列車運転装置(ATO)の地上側装置に異常なし。モーターが逆に動いたのは電気系統の不具合との見方」と伝えます。しかし少しでも制御をかじったことがあれば、違和感しかない説明です。明らかに制御プログラムの不具合で、通常ではない信号を拾って進行方向の切り替えが上手くいかなかったから、一斉に逆走したとしか思えないからです。恐らく制御プログラムの不具合などといえば、自動運転をしている路線を一斉に止めねばならず、影響の大きさを危惧して不自然な説明をしたのでしょう。
しかし一番驚くのは、逆走を始めた時点でハードのリミットスイッチを設け、それを越えた際にはモーターを強制的に切るようにしていかなったこと。要するに安全装置が疎かだった、ということです。恐らくこれまで事故が起こらなかったのは、通常ではない信号がよほど発生しにくいものだったからで、最初から仕込まれたエラーだったのかもしれません。調査には1年かかる…という説明も不自然で、恐らくそれは自動運転している路線の制御プログラムをすべてチェックし、修正が終わった後、事実を報じるかどうかは分かりませんが、影響が少なくなったころに原因を発表、そこで幕引きをはかるつもりです。原発といい、この国の安全安心とは、国民に統制された誤った情報を与えてでも不安や懸念を起こさせない、といった方向性を目指しているのでしょう。今回の違和感だらけの発表を聞いて、強くそれを想起させました。

岩屋防衛相が、墜落して行方不明のF35Aについて「遠からず原因の絞りこみができるのでは。安全確保ができれば飛行再開」と語りました。しかし飛行記録も見つからず、原因が分かるのか? もし過去の整備記録などで不具合が確認されたとすれば、そんな機体に大事な隊員を搭乗させた、という別の問題が生じる。少なくとも墜ちてからあの機体は危なかった、などというのなら運用に耐えられるものではありません。
しかし安倍政権ではF35の購入を急いでおり、それは米国との約束なので果たさないといけない。運用に耐えられるかどうか、ではなく、安倍政権の方針に従ってF35の安全宣言をだすつもりではないか? それは米軍事産業にとって、危険な機体だという印象を与えないための早期運用再開を目論むのではないか、ということです。安倍政権はよく「自衛隊員が誇りをもてるよう改憲して…」と語りますが、3月の飛行隊結成から約1ヶ月でおこした事故の、正確な情報もないまま運用を再開する、といったことをするなら、誰がその誇りを穢しているのか? よく分かるというものです。

天安門事件から今日で30年、中国の報道統制という話もでていますが、今の安倍政権とメディアの態度に、それを批判できるのか? 中国のような共産党一党支配の国に、日本が近づいてしまっているのが現状ではないのか? 国会では予算委が開かれない、という話もでてきており、参院選前にネガティブなことを起こさないよう、与党が統制するような国に日本もなってしまっていると感じます。そして今日の二つの技術者が関わる問題でも、違和感しかなかったように、国民が真実を知らぬまま不安や懸念を抱かない社会が、果たして幸福なのかどうか? 改めて考えさせられるものでもあるのでしょうね。

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2019年06月02日

就職氷河期への対策を骨太にもりこむ?

元農水事務次官が「引きこもりで暴力もあった」とする長男を殺害した事件。また「引きこもり」がクローズアップされそうですが、これはすでに幼少期からうけつづけたストレスで、同じ状況がおこるとイライラし、暴力的になることが知られます。従順で素直、そう評される子供でも本人が気づかないうちにそれがストレスとなり、やがて溜まってくると暴走し、イライラに耐えられず暴力的になる。特に長男であり、厳しく育てようとしたのかもしれず、子供が大人になると上手くいかない原因ともなったのでしょう。
大切なことは、なぜ自分がイライラし、精神的に不安定になるのか理解すること。精神科でなくとも、カウンセラーなどを介して親子がそれぞれ、どういったことがしこりになっているか知り、そうした状況にならないようにすること、です。本人が自覚するだけでもよい影響があるので、親子の関係を再構築するためにも、互いが納得する形で専門家を訪ねるのがよいでしょう。引きこもりが問題なのではなく、そうなってしまった原因を知り、悲劇劇な結末を選択する前に改善する道をさぐることが、必要なのです。

安倍政権でも最近、就職氷河期で職につけず、不安定な立場にある人への支援を検討しています。ただし聞こえてくるのが就労支援だったり、職業訓練といったありきたりな内容であり、ろくな政策ではないと感じます。骨太の方針に盛りこむとしますが、安倍政権お得意のやっている感だけでしょう。特に今回の元農水事務次官のようなケースでは家庭問題もからんだり、また就職活動で失敗をくり返すことで心に傷を負ったようなケースでは、自信をとりもどすような支援も必要でしょう。これはブラック企業に勤め、就労意欲を失ったような場合でも同様に、大切なことは心労支援だったり、社会復帰のための訓練なのです。
しかも就職氷河期を35〜45歳、と区切っているのもスジ悪です。それ以外でも就職に失敗した人はおり、そういう人が見捨てられ感を強めるだけ。この方針自体が、社会保障費の抑制という質の悪いところから出てきているだけに、うちだす対策にもろくなものがない。丸投げされた厚労省が従来の就労支援の延長として行うだけのこと。それなのに年齢制限をかければ、意味が分からないことにしかならないのです。

安倍政権が間違えているのは、大変だから何とかする、という後発の理由で動き出すことです。問題が起こる前に、起こらないように向き合うのでなければ、政治家など誰がやっても一緒です。法律は官僚が書くので、方向性を決めるのが政治家の仕事だからです。問題が起きてから、やれ大変だ、何とかしなきゃ、では遅いのです。問題が起きた時点で不幸な人がでているのであり、そういう不幸な人をできるだけ少なくするのが、政治の仕事です。言葉は悪いですが、問題が起きてから対策するならバカでもできます。むしろ問題が起きているのに、対策もしないのは本当のバカです。これまでに引きこもりや、就職氷河期などというものが起きている時点で、本来は対策をしておかないとおかしいのです。遅きに失した現状で、どこまで取り戻せるのか? それ次第では、安倍政権は政治の素人集団と断じても強ち間違いではないのでしょう。就職氷河期どころか、政治氷河期でみつかるマンモスの骨がスカスカでは困ることばかりなのでしょうね。

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2019年05月31日

川崎登戸死傷事件の私論

川崎市登戸で起きた19人死傷事件で、専門家とよばれる人の意見が、あまりに的外れと感じます。まず犯人が興奮していたから駅から犯行現場に向かうまでに、それを識別できるカメラがあれば通報し、事件を防げたというもの。これは猟奇的事件を起こした人間は精神的に異常な状態にあった、とする単なる思い込みです。刃物をもって襲いかかる段階では興奮しているでしょうが、今回の犯人のように目的意識をはっきりともち、事前に準備して行う場合、犯行現場までは少しソワソワするぐらいで、変化は感じられないはずです。
また社会に恨み…というのも違うと感じます。PCもスマホもなく、得られる情報はテレビ、新聞や雑誌ぐらいで、社会と隔絶された状態にある。周りが幸せそうだから、社会に復讐するため…というなら、なぜカリタス学園なのか? わざわざ電車に乗り、目的地に向かう。電車の中にも多くの人がおり、死ぬ気ですから対象は子供でなくてもよいはずです。これまで分かってきた情報だけでも、ある程度の事情を推測してみます。

加害者は叔父夫婦にひきとられていた。中学以後、音信が途絶えるのは、高校に行っていないからでしょう。もし叔父夫婦が、実子でない加害者の高校行きをみとめなかったら? 働きにでて、独り立ちするよう促したら? 恐らく加害者は絶望し、逆に自分が引きこもることによって叔父夫婦が困り、復讐を果たした気分になっていたのではないか。それはいとことの待遇の差、向けられない愛情といった事情もあったでしょう。そうして叔父夫婦へ迷惑をかけることが、自分の存在意義のようになっていったのではないか?
その状況が変化したのは、それこそ叔父夫婦が介護をうけようと、第三者が家に何度も訪れる状況が生まれることです。復讐を果たすための自分の安住の地が脅かされることで、自分という存在価値を失った。そこで、最後の復讐としていとこが通った学校、その存在を滅茶苦茶にしようと思い立ったとすれば動機は説明できます。叔父の家族を直接殺すのではなく、最後まで困らせることで復讐を果たそうとしていた。きっとそれは唯一の肉親だから、というのではなく、自分と関わりのある唯一の『社会』だから、でしょう。恩讐が交錯する間柄だからこそ、であり、だから凶行を見ず知らずの第三者に向けたと考えられます。

一人で死ね、という意見がネットでも増えています。一面はその通りですが、その背後にある思想は千差万別あるはずです。恐らく今回のようなケースは、社会がケアしようとしたり、関わろうとすると逆効果だったはず。社会と関わらず、親族に迷惑をかけることが目的とみられるからです。信頼関係を築いている人がいない。それは誰の声も耳にとどかず、過ちを糺す機会すらない、ということでもある。恐らく公的機関が介入したとてどうこうできるものではなく、ごくわずかな可能性として、社会との関係を再構築できるとしたら、むしろ親族と完全に切り離してそこで新たな関係を築くことだったのかもしれません。
親に見捨てられ、愛情飢餓に陥った子供は大人になっても問題をかかえるケースが多い。プロイセンのフリードリヒ2世やスイスのスピッツによる赤ちゃんへのスキンシップ遮断実験や、米国のハーロウによる猿への実験で、愛情飢餓が与える影響が大きいことが知られています。叔父夫婦がひきとって育てた行為は立派だと思いますが、実子がいる中で、どうしても対応に差がでてしまったのかもしれない。家族という第一の社会性を育てる場で、つまずいてしまったこと。悲劇はそこにあると考えられるのです。
一人で死ね、自殺したいなら勝手にすればいい、そう言うことは簡単でしょう。しかしそこに至る経緯を正しく認識し、なぜ事件に至ったのかを考えないと、今回のようなケースでは特に第二、第三の事件へとつながってしまうことにもなりかねません。加害者の収益構造なども分かっていませんが、例えば生活保護などを受ける際、親族を頼るよう促されますが、歪な親族関係となってしまうようなケースでは、むしろ切り離すよう行政から指導するなどのケアも大切です。一人で死ね、という前に、一人にならないような施策を考え、自暴自棄になる前に防ぐことがこうした事件を未然に防ぐ上でも重要となってくるのでしょうね。

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2019年05月28日

雑感。スカスカの国

川崎市の登戸駅で、登校中の小学生をふくむ複数が刺された事件で、安倍首相は「子供たちの安全を何としても守らねば…」と述べます。であれば、正しい日本の現状を示し、疎外感や自分だけ不幸、との感想を抱かないようにさせて犯罪の動機をなくすことです。加害者は51歳の男性とされますが、幼少時の話をきくと、発達障害に思える。今では一般的ですし、対応をとる施設もありますが、当時はただの乱暴者、落ち着きがないとされて問題児のレッテルを貼られただけでしょう。そうしたものが社会への不適格となり、社会に恨みをもったとしたら…。正確な動機は分かりませんが、強い動機と自分が死んでも…という覚悟をもたれたら、犯罪を防ぐことはほとんど不可能。それはどんなテクノロジー、対策をとったとしても、です。
3年前に相模原で起きた障害者施設の襲撃事件といい、安倍政権でめだつ弱者を狙った犯罪。何でもかんでも安倍政権の責任、というつもりはありませんが、少なくとも安倍政権が弱者を蔑ろにし、剰え弱者に厳しい対応をとってきたことは辺野古移設をはじめ、様々な場面でもみられることです。強者をさらに富まし、貧困の差が拡大していることもまた事実。一方で社会保障費を削るなど、弱者をお荷物と考えているフシもある。弱者を守っていく姿勢を政府が発信し、社会全体で醸成していくのでない限り、こうした犯罪は減らないのでしょう。日米同盟が強固、という前に、国内が弱体化しているのではどうしようもありません。

国内の弱体化、というのは株式市場にも襲っています。昨日は売買代金が1.5兆円割れと4年半ぶりの低水準でした。今日は銘柄入れ替えの影響で売買も膨らみましたが、先物市場の低調と合わせ、日本はすでに市場としての魅力を失ったかのようです。世界に先んじて悪化する経済情勢と、増税が待つ上に、日米貿易協議では敗北が確定。誰も買いたくないのです。ただその一方、時おり機械的に入ってくる日系のTOPIX先物買い、1日に4000枚単位で買うので、かなり大きな動きです。普段から先物、オプション市場でめだつ主体ではないだけに、5月になって数日入ったこの動きが、特に目立つものともありました。
日系大手の日経225先物買いを取り上げたこともありますが、その結果、昨年度は運用損を抱えて赤字に転落しました。またここは東証の市場再編の情報を漏洩した、として金融庁から業務改善命令をうけており、当分の間取引にも制約がかかるものとみられます。だから新たに日系のTOPIX買いという手法に切り替えたのか? いずれにしろそこまでしても上昇しない株価は、買いの限界とみられています。

日銀も5月に入って下落続きでも動かず、懐疑的な見方が増えると、途端に連続して買いを入れてきました。動けない、との印象をつけたくないためでしょうが、相場は上昇しないし売買は低迷する。もはや逆効果であることが鮮明です。株価が上昇しても、株をもつ富裕層を潤すだけです。だから市場のことは市場に任せておけばいいのに、安倍政権はそうでない。これも強者の側の理論を、安倍政権がとっていることの一つの証左です。しかしそんな安倍政権の態度が、逆の国内を弱体化させてきたからこそ、今は誰からもそっぽを向かれます。大切なことは、誰もが納得できるよう正しい情報を発信し、納得して物事に当たれるようにすること、なのでしょう。異例の国賓、などといってメディアがバカ騒ぎするのも、結局は違和感を国民に植え付ける一つとなります。愚かな犯罪をなくすためには、正しい認識を広く国民がもつこと。愚かさを、愚かさで埋めるようなことがないようにすることが重要なのです。特に、株式市場はそうした嘘を嫌う傾向もあり、まさに日本の現状を映すようにスカスカになっているのも、そうした事情からくるのかもしれませんね。

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2019年05月22日

週末のトランプ訪日

英国でメイ首相がEUと合意した離脱案を下院が支持すれば、国民投票を再実施するとの新提案を行いましたが、英議員からすれば「バカにするな!」と叫びたくなるものです。ナゼなら、すでに何度も否決した法案はまったく変わっておらず、かつ合意あり離脱を議会が賛成した後、国民投票で離脱を否定されたらどうするというのか? 改めて合意あり離脱法を破棄して、EUに残留しろというのか? すでに辞任カードも切り、野党へのすり寄りも行ったメイ氏が、詐欺的に合意を迫ったというだけの話です。EU議会選も始まる中、こんな愚かな提案を行って何をしたいのか。英元首相のチャーチルの臨終の言葉を借りれば「もう飽き飽きした」となりますし、日本風にいえばメイ(5月)病ということにもなるのでしょう。

韓国のハンビッ原発1号機で、今月10日に熱出力が制限を超えて急上昇したにも関わらず、11時間半も適切な対応をとらなかったとして使用停止命令がでて、特別司法警察による調査が行われることになりました。これが深刻なのは、韓国の原発も商業運転がはじまってから40年以上が経過し、耐用年数をオーバーする原発が出始めます。そんな中、運用主体にも問題があるばかりか、これから経済的に韓国が厳しくなると、ますます雑な運用が蔓延するかもしれません。そして韓国で原発事故が起これば、大なり小なり日本にも影響する。来月、青森県知事選も行われますが、原発の争点化に対して自民党候補が逃げ腰となり、議論が深まらないとされますが、そうしたことにも韓国原発の問題は直撃するかもしれません。
さらに今週末、トランプ米大統領が国賓待遇で訪日しますが、今回は異様なほどテロ警戒が高まっています。イランへの制裁をはじめ、イスラエルへの配慮で中東での評判がすこぶる悪くなったトランプ氏が、相撲観覧など狙われやすい位置にくるのですから、テロリストにとってこれだけ恰好な材料はありません。訪日外国人も増え、その中にテロリストが雑じっていても見抜きにくい。中東に独自の情報ルートをもっていないことは、安倍政権でおこった記者がテロリストに拉致された事件でも、まったく頓珍漢な対応をとったことで露呈しています。それ以外でも北朝鮮、中国、交渉が行き詰まっている国はトランプ氏の暗殺を目論むかもしれない。まさに今、トランプ氏を殺したい人間は五万といる状況なのです。

さらにシークレットサービスが動くのは当然として、米軍が空の警戒を強めると、それだけ事故の可能性が高まる。まさかオスプレイは使わないと思いますが、ドローンぐらいなら妨害電波で撃ち落とせても、それこそゴルフ場に小型飛行機でも突っ込まれたら…。正直、前回の訪日と比べても格段にリスクが高いにも関わらず、ほとんど報じられず、市場も意識していないというのが異様な怖さとして感じられます。
択捉島では露軍が地対艦ミサイルの発射演習が昨秋行われた、と露国防省機関紙で報じられました。昨秋といえば、まだ安倍政権が北方領土2島返還と平和条約締結に色気を見せていたころ。逆に露国の演習について日本政府が知っていたとすれば、国民に黙ってそんな条約を結ぼうとしていた、となるのかもしれません。今そこにある危機、どころか日本の周りには、今そこは危機だらけ、という状況なのです。軍事、経済、政治、どこでも火が吹く可能性が、これまで以上に高い。週末は猛暑日も予想されていますが、安倍政権のお尻にも火がついてきて、愈々真のリスクへの対応が試される夏がくる、となるのかもしれませんね。

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2019年04月09日

雑感。新紙幣の発表について

ゴーン日産元会長による反論動画、やはりこの程度しか出てこないから、記者会見できなかったということがよく分かるものでした。事実関係について証明、反証することもなく、現日産経営陣による陰謀説を唱え、「数人の幹部による汚いたくらみ」ともしますが、名前は弁護士がカットした。もしカットしなければ、下手をすれば名誉棄損にされたかもしれません。ナゼなら、まったくそれを証明できていないのですから。
恐らく記者会見でつっこまれても、何の説明もできないから会見できない。公判にむけた情報操作という以上に、稚拙さしか感じません。これで同情が集まるか? 到底ムリでしょう。また実際に謀略があろうと、公判で問われるのは私的流用があったかどうか? それだけです。つまりこの動画は何の意味もない、ただ個人的な憤りを吐露しただけです。記者会見を開けなかった、としますが、動画をとる時間が会ったら深夜でも緊急記者会見を開けばよかったのです。それすらさせずに警察が介入していたら、それは陰謀説が強くなったのでしょうが、この動画はただゴーン氏の人間性を疑わせるだけのものでしかありませんでした。

新紙幣について発表されました。大体20年ごとに刷新されており、2024年からの運用をナゼ今日発表したのか? 憶測ですが、衆院補選の公示を隠す意図があったのでは? 沖縄3区は恐らく勝ち目がない。県民の意思を無視し続ける自民に投票するのは、あまりに卑屈であり、先の県民投票の結果をみても自民を背負ったら勝てる見込みすらない。問題は大阪12区補選です。安倍官邸としては自民北川氏の地盤でしたが、落としてもよいと考えているのではないか? ここを維新に譲って、国会対策として協力を得やすくする。統一地方選でも応援演説に出向かない安倍氏、大阪への遠慮からも、また組織票頼みの選挙を旨とする安倍政権の選挙戦術からも、扱いを小さくして浮動票の動きを小さくしたい面があったと考えます。
もう一方で、令和と新紙幣とでブームをつくり、景気後退を何とかしたい。実際、紙幣の判別機や自動販売機など、特需が起こることになります。ただし、ほとんどの企業にとって改元も、新紙幣もただのコストアップ要因です。ブームで本当に景気が浮揚すれば、コストを吸収できますが、そうでないと逆効果になる。事実、ブームが乱発されすぎて食傷気味であり、一つ一つの効果が減殺されている印象です。

一万円札の渋沢栄一氏は、徳川慶喜公への忠誠を貫き、明治新政府へも渋々出仕したことで知られます。有用な部下が出仕を拒めば、慶喜公に二心あり、とみなされるのを恐れたのです。しかし大蔵省少補事務取扱として財政整理をはかり、各省の予算増額要求を拒否したものの、薩長により政治的に覆されたために出仕から3年ほどで下野しており、明治政府への忠誠心は皆無といえます。一橋家→幕臣→静岡藩と続く慶喜に仕えたころと、下野した後に実業家として成功したときが、もっとも活躍した時期だったのです。
五千円札の津田梅子氏は女性活躍を、千円札の北里柴三郎氏は国際的な活躍、という意味合いなのでしょうが、正直みんな同じような顔に見えてしまう。ふくよかで顔の特徴が薄い。今は印刷技術も向上し、特徴のない顔もその違いを浮き彫りにできるようになりましたが、逆にそのことでこうした同じような顔を並べても大丈夫、となったのでしょう。しかし紙幣の顔などよくみない、ちらりとみて違いが分かる方が、よほど有意義だといえます。まだプロトタイプでしょうが、数字が大きくてチープな字体であるのと同様、何か今回の紙幣刷新は、それこそキャッシュレスを促すためにわざとそうしているようにも感じます。

これで長らく続いた慶應学閥による福沢諭吉推しから外れたことになる。学問ノススメの言葉を借りれば、『天は人の上に人をつくらなかったが、人の上に安倍が立ったことで、自分が下ろされた』となるのかもしれません。薩長から追い出された形となった渋沢氏といい、令和の『令』を体現した人選といえ、安倍政権に従わないと下野させられる、令に従え、という意味では狙い通りなのかもしれませんね。

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2019年04月04日

ゴーン被告の4回目の逮捕

トヨタが昨日、ハイブリット技術の全面開放を表明しました。英断ともされますが、個人的には遅きに失したと考えます。全固形燃料電池が商業ベースで量産されれば、EVシフトが世界的に起きます。弱点である充電時間の長さ、充電池の寿命、安全性等が劇的に改善されるため、今後はファミレス、スーパーにいる間に充電、というのが一般的になると予想されます。支払いは駐車料金を払う機械で一緒にできますし、その程度の時間で十分に満充電できる。小売り、飲食なども充電料金も売り上げになりますから、ガソリンスタンド単独より小売りに付随した形で車の充電をするように、世界的なパラダイムシフトが起きるでしょう。
すでに世界はEVに向かってすすんでいる。トヨタが主導権をにぎるハイブリッドが、改めて世界で評価される可能性は極めて薄いのです。なので今回の開放は、ハイブリッド車の延命のためであって、過渡的な技術が思っている以上に早く廃れることへの危機感がそうさせました。そしてこれは水素燃料電池車も同様、世界の潮流から外れた以上、いずれ戦略の転換が必要です。日本だけに普及する車を売るのは企業にとって負担であり、世界的な流れをつかまなければいけなかったのに失敗した。だから遅きに失したのです。

日産の元会長、ゴーン氏が4回目の逮捕です。保釈中の逮捕は異例ですし、いきなりツイッターを開設して記者会見を11日に設定しましたが、これは検察の情報封じという見方は早計でしょう。逆に、検察が逮捕する動きを察知して、ゴーン氏側が記者会見をすることで世論を喚起し、逮捕を免れようとした面が強いと考えます。実際、すでに録画済みともしており、弁護士側が検察の動きをつかんでいたことがうかがえる。問題は、国際的に注目されている事案について、なぜこのタイミングで逮捕だったのか? です。
オマーンの捜査協力が得られた、というのも一因でしょう。しかしこれだけの案件、検察側だけの判断で逮捕に踏み切ることはできない。政権サイドのGOサインがあったはずです。むしろ、政権が認めない限りは逮捕に動けなかった。ではなぜ政権が容認したか? やはり塚田国交副大臣の「忖度」発言を大々的にメディアに取り上げられたくない、との判断が働いたものとみられます。ゴーン氏を逮捕すれば、当分はこのネタでワイドショーは長時間ひっぱるはずです。間違いなく塚田氏の件は扱いが小さくなります。

検察サイドは何としても有罪にしないと面子が立たない。だから政権サイドに嘆願したでしょう。何としてオマーンルートを解明するため、再逮捕したいと。安倍政権としては、塚田氏の公選法違反などをもみ消すことも約束させたでしょう。政権、検察、双方の思惑が完全に一致した。タイミングと言い、まさに政権、検察にとっては都合よかった。統一地方選を無事に乗り切るためには必須だったのでしょう。
弁護士が「この逮捕は言論封じ!」という戦略をとったため、見えにくくはなりましたが、その前にいくらでも記者会見できたはずです。裁判所に出廷したときも大した反論ができなかったように、ゴーン氏は記者会見したくなかったのでしょう。結果、ビデオ映像という一方通行の情報発信を選択したのも、妥協の産物です。映像をとるヒマがあったら、さっさと記者会見を開いていればよかったのですから。

しかし最悪なのは日産のユーザーです。仮にゴーン氏が無駄遣いしていた場合、その分の割高な車を買わされていたことになる。EVでは先行した日産ですが、政治との調整では後手を踏むことが多いように感じます。仏政府に蹂躙されることを恐れ、日本政府に泣きついたら、こうしていつまでもゴーン氏ネタでしゃぶりつくされることになったのですから。自動車業界のパラダイムシフト、まだまだ道半ばであり、gone(過ぎ去った)というほどに過去の因襲をぬぐいさるのは簡単にはいかない、ということなのでしょうね。

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2019年03月16日

雑感。事件と信用スコア

電気グルーヴのメンバーで、俳優のピエール瀧容疑者が麻薬取締法違反で逮捕され、出演作品などが販売中止になると「作品に罪はない」とする意見があります。しかし一般人にとっては一人の犯罪者かもしれませんが、薬物依存から逃れようとしている人、そして薬物を取り扱う人物らにとっては事情が異なります。薬物のことを忘れようとする中で、ピエール瀧容疑者の姿をみる、声を聞くと嫌でも思い出し、そのたびに苦しむことになる。逆に麻薬の密売人たちにとっては、よい広告塔です。彼のことを連想させる映像、音声、その他あらゆるものが依存性のある人たちを喚起させ、売り上げが伸びるのですから。作品に罪はないかもしれない。しかし一部でそうしたイメージが利用される恐れもあり、やはり規制をかけざるを得ないのです。
この議論で感じるのは、将来的に世界で運用される、とみられる『信用スコア』です。その人の『信用』により社会的な位置づけも変わってくる。しかも犯罪をするような人物とつながると、自分も信用スコアを落とされる。すると、自ずと危険人物との付き合いを減らそうとし、犯罪が抑止されるという考えです。同じように危険人物を作品に用い、実際に事件を起こしたなら、作品の『信用スコア』が落ちて発禁されることになる。そんな世の中はつまらない、といってみたところで、確実にそうした方向にすすんでいくのであり、俳優や音楽家など、作品を世に発表するような職種は今後、より厳しい自己管理が求められ、それをできる者だけが業界にとどまるのでしょう。逆に、それができない者と仕事をするのはリスクとなります。

NZで銃乱射事件がありました。銃をもつことができる国では、多かれ少なかれ起こる問題ですが、NZはこれまで移民に寛容とされてきた。しかし異常な考えをもつ者がコンマ数%でもいれば、こうした事件が起こります。逆に、これまで銃による事件が少なかったために安全管理が疎かになっていたのでは? とも感じます。またこうした事件でも、信用スコアがあると危険な組織との付き合いなども考慮されるため、事前に対処できる可能性が高くなる。ビッグデータの活用がすすめば、人との結びつきも考慮されるためです。
一方で、仏国では18週連続で黄色いベスト運動のデモが起こっている。沖縄でも辺野古移設に抗議する集会が開かれました。こうしたものも、信用スコアは査定してしまいます。政府のすすめることが必ずしも正しいわけでなくとも、上からの指令に従えない者は信用が落ちる。残念ながら、そうした社会は非常に生きづらいということになります。しかし世界的にみれば、信用スコアに似たシステムをすでに導入している国があり、それが中国です。国家統制をすすめる上で都合いい、まさにそうすればテロなども起こしにくくなり、社会が安定する。その安定が、国民にとって幸福かどうか、は決して約束しないのでしょう。

辺野古移設など、地盤改良で3年8ヶ月、などと報じられますが、国の示す予定はいつも先送りにされる。確実に5年以上の歳月がかかり、安倍氏が辺野古移設の理由とした「早期に普天間の危険を除去」という言葉とも矛盾する。他の場所の方が、よほど工期から考えても早期にできるからです。信用スコア、誰に対しての信用なのか? むしろ嘘をつきつづけ、国民を騙してばかりいる政府の信用の方が低くないとおかしく、より多くの人を不幸にするという意味でも、信用が高くないと務まらない職種としての政治家、芸能人、有識者などの公人としての立場がある。そうした認識が広がらないと、安易に導入してはいけないのでしょうね。

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2019年03月14日

詐欺の横行する日本

アポ電と呼ばれる詐欺グループの実行犯が逮捕され、またmface詐欺の最大規模のグループも逮捕されています。最近、詐欺が横行しているように感じますが、これも金融緩和の徒花でしょう。低金利で借りて高金利で運用すれば、それだけで儲かる。金融機関の運用では手数料が高く、低利回りであるため儲けは微々たるもの。だから自分で運用しようと、高金利を謳う怪しい投資にも手をだしてしまう。しかもそこに、将来不安という問題が重なってくる。むしろ日本は、国を挙げてこうした詐欺的なグループを援助しているかのようです。
さらに、詐欺などの刑罰が軽すぎるのも問題でしょう。行動経済学のプロスペクト理論では、得をした喜びより損をした苦しみは二倍以上、と試算されます。詐欺罪はおおよそ10年以下の懲役、未遂だったり未成年だったりすると、さらに刑が減免される。逆にいえば、10年と経たずに同じ人物が、同じような詐欺をくり返すことができてしまうのです。損をした人の苦しみは二倍どころか、その後の人生を大きく狂わせてしまうのに、です。これでは暴力団にとってのよいシノギとなり、絶対に減ることはないといえるでしょう。個人的には、詐欺とわいせつに関する罪においては、その後の一生をずっと監視対象とすることが必要では、と考えます。首や足首などにGPS付きのバンドをつけ、居場所の確認と同時に定期的な報告を義務付ける。再犯は数倍の量刑とする。そうでないと、罪と罰の考え方において著しく不公平が生じる、ということでもあります。

しかし詐欺的行為、といえば今や安倍政権の十八番といえます。日露外務次官級会談を今月2回目の開催をめざす、とします。明らかに安倍政権側の焦りがあり、かつ上手くいっていないことがうかがえる。安倍首相は北朝鮮の金正恩氏と「向き合う」と、くり返し発言しますが、北朝鮮からは誹謗中傷の言葉がとんでくる。10年つづけた国連人権理事会への北朝鮮非難決議案の提出を見送りましたが、今の段階から融和的にならないといけない。「向き合う」どころか、まず「ふり返り」もしてもらえないのが、今の安倍政権の立場なのです。
経済的にも、すでに統計不正が明らかですが、もはや深刻な景気減速に陥っていることが不正をしているはずの統計データからも分かる。それでも安倍政権は嘘をついて、景気がよいと言い張ります。株価は日銀の買いで支えられ、低金利も日銀の量的緩和による。雇用の改善は少子化と海外バブルの影響ですが、それを自分たちの成果だと言い張り、国民を騙してきた。政府がそんな状況では、詐欺グループを責められないのかもしれません。

そうした詐欺が通用しない外国人投資家は、今年に入って3月第一週までに現物株を1.5兆円売り、先物を2兆円以上買っている。年金などの機関投資家は株が高いうちにさっさと日本から逃げだし、その調整が終われば、さっさと先物を売ってくるでしょう。世界的に同じような状況にありますが、これはフラッシュクラッシュと呼ばれる急落を準備しているようにしか思えません。詐欺的な政治に付き合って、短期スジが先物を買って上昇しているので、相場が実体に近づくまで、冷静な長期投資家は寄り付いてこないのかもしれません。
米中貿易協議のせいにしていますが、日銀のマネタリーベースも減少しており、今回の減速は日銀の緩和がついに限界に近付いている問題も大きいのです。こんな状況で引き締めざるを得ない日本、これまで景気がいい、とされてきたのは金融緩和の結果だけだからこそ、日本は苦境に陥るともいえるでしょう。mface詐欺でも、実行犯の言葉は巧みだったとしますが、安倍政権の発する言葉に騙されていては、自分たちが被害者になってしまうのです。むしろ安倍政権からの発信を『アポ電』ならぬ『アベ電』として、より注意深く精査し、その虚実を計っていかなければいけないのでしょうね。

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2019年03月11日

東日本大震災から8年

東日本大震災から8年、黒い津波はヘドロを巻き上げたもので、水の津波より危険だということが分かっています。日本全国、湾になったところの海底にはヘドロが溜まり、津波により撹拌されて黒い津波となり、被害を拡大する。それが分かったのですから、ヘドロ除去などの対策を今からとっておくべきでしょう。

また放射性物質を含む汚染土を、駐車場や道路の下に埋める、という案もありますが、道路の下には上下水道などが通っているケースも多く、仮に配管が破裂した場合、汚染度が地上に吹き上げることになる。また掘り返す工事のたび、管理区域並みの厳重装備で工事をすることにもなります。どこに埋めようと、二度と掘り返さない、資産価値がゼロでも構わない、とならない限りは後にトラブルを起こすことになる。道路の下に地下水脈が流れていたら汚染し、下流で井戸水がつかえなくなるかもしれない。茨城・栃木の豪雨で汚染土の入った袋が流された、などもありましたが、減容して放射能が失われるまで管理するしかないはずです。
汚染土の再利用を国がすすめるのは、原発の廃炉ででる金属などの廃棄物も放射化され、そのままゴミとなるのを防ぎたい。また福島原発で汚染水を入れているタンク、建機などもそうで、一度放射化されると除染しても線量が落ちない。ゴミになったらその量が半端ないことになります。汚染土の再利用を蟻の一穴に『低線量なら再利用』という流れをつくりたい。そんな思惑をもつのでしょう。使用済み核燃料でさえ処分方法が決まっていない。低線量の廃棄物もアスファルト固化処理が頓挫して以来、保管という形をとらざるを得なくなっている。この国はいつの間にか、大量の放射性廃棄物が行き場もなく溜まった状況になっているのです。

ヘドロなら焼けば土や肥料として再利用できるかもしれない。ただ問題は、東北から関東にかけて拡散した放射性物質、それが川の流れで海へと運ばれ、ヘドロの中に滞留しているかもしれない。もし福島原発からトリチウム水が放出されたら、さらに海洋汚染がすすむかもしれない。津波でなくなったはずのヘドロは、また福島や宮城の海底に溜まっているといいますし、それが放射性物質をふくむ可能性は十分に高いといえるのです。
日経などでは復興の主役は『官から民へ』といった書き方もしますが、まだ官がやらなければならないことは山ほどあります。むしろ、なぜ8年経った今だからこそ、改めて各地の汚染状況などをチェックし、公表しないのか? 原発を推進するため、事なかれ主義で蓋をしておけばいい、というものでもないでしょう。むしろ今、拡散した放射性物質がどう動き、どういう場所に溜まるのかを大規模調査しておくべき、ともいえるのです。

8年経ってもできないこと、8年経ったからこそしておくべきこと。安倍政権は一体どこまでわかっているのでしょう? むしろ6年間、やるべきことをしてこなかったのでは? 菅官房長官が追悼式のことを「きねん式典」とし、後に訂正していますが、安倍政権の復興、原発への向き合い方など、改めて問われる『疑念式典』として、今さらながらに注視するべきなのでしょうね。

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2019年02月17日

雑感。少子化と児童虐待

堺屋太一氏の告別式が行われました。堺屋氏はずっと少子化についての問題を訴えてきましたが、安倍政権ではまったくその問題に手を付けずに放置。剰え少子化による雇用環境の改善を「成果」などと、とんでもないことを言いだす始末です。成長を前提とした制度、政策に依拠しながら、成長の果実さえ生み出せない。その状況が後数年つづくだけで、日本は絶望的な状態になりますが、そんな想像もできないのでしょう。
そもそも「人手不足」はブラック企業のいう言葉。収益を従業員に正しく還元されていれば、労働者は自然と集まってくるもので、安い人件費でないと戦えない、というのは経営サイドの失敗です。そうして待遇のよい企業には人が残り、そうでないところは人手不足と騒ぐ。そんなブラック企業の是正をするのではなく、その声を聞いて外国人労働者を受け入れるのですから、安倍政権にすりよる層の質もうかがえるというものです。

そして少子化対策ではもう一つ、千葉県野田市の虐待事件でも、政権は「対策をしっかり…」と述べますが、その原因を正しく理解できているのか? 外では温厚、とされる父親が小学校や児相に圧力をかけたり、嘘をついたりしてまで娘をとりもどしたのか? それは父親にとって『一度覚えたストレス解消の味』が忘れられず、次にそれなしで同じストレス環境に晒されたときへの不安が、執拗な行動につながったのです。
ストレスとは誤解されがちですが、本人がそれと意識していない形で心にかかる負荷です。意識できるものはプレッシャー、と区別されるのです。父親が幼少のころ、家庭においてストレスをうける環境にあった。そして自分が父親となり、家庭内において同じようなストレスを感じたとき、異様な苛立ちを覚えるのも、その負担を受容できなくなっているため。だから心のバランスを保つための自己防衛をとろうとします。幼少のころは親に逆らえず、ストレスに晒されるだけだったものが、親になると解消できる。それが子供への暴力です。そしてストレス解消できることが快感となり、それをくり返してしまう。他者との関係でそれが発揮されないのは、幼少時のストレスが主に家庭に限られていたためであり、普段は温厚とされる人物が家庭で激変してしまうのも、ストレスから身を守るために為されている、と自覚させない限りは虐待が収まりません。

これは精神疾患でも同じですが、そうした過去の事実と親が向き合えるようにならないと、解決しない問題なのです。しかし今、児相でも行われているのは面談であったり、一時的に引き離して様子をみる、というだけです。必要なことは親へのカウンセリングです。自分の事情にすら気づかず、冷静に考えれば異常な行為でも、自己防衛による行動なのでそれを正当化しようとする。なぜそんなことが起こっているかを見極めないと、また同じことをくり返すだけ、児相の職員を増やしても抜本的な対策とはならないのです。
それに児相の職員の要件も、緩和した方がよいでしょう。職員がカウンセリングまでうけもつのではなく、専門のカウンセラーとの橋渡しをする。児相が客観性をたもち、子供サイドに立たないと子供を守れません。親への対応をカウンセラーが担い、第三者性をもたせる。児相は子供が好きで、子供を守りたいという人がなるものなら、人材はすぐに確保できます。またカウンセラーの質も担保しないといけないので、そちらにも配慮が必要ですが、ここまですればある程度は虐待による事件を減らせるのではないか、と思います。

ただ安倍政権では、こうした児相の職員増という話もコストアップだからやりたがらない。来年度に1000人増ぐらいでは、付け焼刃ぐらいにしかならないでしょう。安倍氏そのものが人の機微に対して鈍感である以上、まともな指示もだせない。周りにいる人物も、安倍氏の顔色ばかり窺っていて、忖度はできても心の内面まではかれない。子供を守る、というのは少子化という意味でも大きいのですが、残念ながら安倍政権では対応もできないので、こうした問題をくり返してしまうのでしょう。安倍政権の面々は、まず堺屋氏の『平成三十年』を読むところから始めた方がよいのかもしれませんね。

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2019年01月21日

雑感。日露、日韓、発砲事件

安倍首相がモスクワに向けて出発しました。「平和条約を前進」この言葉の裏に「北方領土は諦めた」という本音が透けてみえます。国後、択捉はもうもどってこない、歯舞、色丹も共同『経営』ぐらいでお茶をにごし、平和条約を締結させるつもりでしょう。政府内からもそうした発言がちらちら聞こえてくるように、それで世論を納得させようとして周辺からの打診的な発言を繰り返しているように感じます。恐らく、安倍氏の頼みの綱はプーチン大統領はこれまで、領土問題を解決するために半分ずつという原則をとってきた。2島は返還してもらえるかも…。黒海の情勢悪化で、NATOとの緊張が高まる折、日本との友好関係は維持しようとするだろう。そんな淡くて儚い期待だけで、露国に向かったとしか思えません。
韓国艦艇からのレーダー照射問題でも、レーダーの電波を音に変換したものを公開し、これで幕引きとする考えです。実務者協議でも真相究明に至らないと考えた、としますが、真相が分からないと再発防止にもつながらない。むしろこれが前例となり、韓国艦からの嫌がらせが増える可能性すらあります。日本は自ら幕引きする、と高をくくられるからです。韓国は日時を明らかにしろ、と主張しますが、日本が韓国の火器管制レーダーの情報をもっている時点で、それはアウトな話です。通常の演習でも、短信音などで相手に撃墜を伝えることはできるので、火器管制レーダーを照射しない。むしろそれが日本側にあったら、韓国側から打ったことがあると認めたようなもの。何のためにそれをしたか? が問われるのです。

そもそも日露、日中が非常に良好な関係なら、一時的にしろ韓国と敵対しても、一向にかまわないはずです。北朝鮮は米国との2月の首脳会談をひかえ、動きもないでしょう。実は韓国と丁々発止の議論をするのにこれほど絶好のタイミングはないはずです。むしろここで膿をだすために、ひざ詰めで協議してもよいでしょう。しかしそれを日本側から下りる、というのですから、実は日露、日中とも関係はむしろ悪い。軍事的な問題がそこに含まれているとしか思えない。実際、中国はふたたび辺野古周辺での活動をはじめており、露国とも、日本海で墜落した露空軍の戦闘機などの影響もあるのかもしれません。
露国が日本海で活動していても不思議はありません。ただ日露首脳会談を前にして、なぜ戦闘機を展開したのか? 日本海で訓練する必要があったか? それが極東の緊張をみているとすれば、恐らくNATOの動きを見越したものであり、米朝交渉の行方次第では、米軍が日本海に展開することも想定しているのでは? とみられます。こんな状況で、露国が平和条約など結ぶはずもなく、それを期待している安倍政権は、どうかしているレベルです。自分の都合で外交を歪め、成果を焦っているその典型といえるでしょう。

新宿の歌舞伎町で発砲事件がありました。不思議なことに、最近こうした暴力団絡みの犯罪が増加傾向にあり、拳銃をつかった事件も頻発します。暴対法ができて、暴力団は壊滅的となり、今は半グレなどが跋扈する、と語られたこともありましたが、どうやら先祖返りしているようです。逆からみれば、安倍政権下では暴力団が活況になる素因があるのかもしれません。人手不足の中で建設業を潤すのなら、暴力団が外国人をやとって派遣業をすれば、仕事は山ほどあるでしょう。それだけでなく、振り込め詐欺に有力な対策もうちだせず、被害は拡大する一方で資金源が断ち切れていません。
安倍政権になって「振り込め詐欺」の新名称として「母さん助けて詐欺」などとされたこともありますが、定着せずに終わりました。しかし外交に失敗し、内政でも続々と問題が明らかになる安倍政権、嘘をついてでも自身の成果を喧伝し、失敗を隠してきたのですから、今やマザコンともされる安倍氏そのものが「母さん助けて。詐欺(がばれちゃった)」というレベルにまでなってきているのでしょう。露国に北方領土を振りこみ、韓国には譲歩を振りこみ、暴力団には稼ぎ時を振りこむ。そんな安倍政権から搾取されるのはいつも弱い立場の国民、ということになるのでしょうね。


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2019年01月08日

ゴーン元日産会長の意見陳述

ゴーン日産前会長が、勾留理由開示手続きで公判の場に姿を現しました。その陳述書からいくつか疑問を抱いた点を挙げてみます。ドル建ての収入が変動しないよう結んだ、とされる為替スワップで、06年に為替118円、日産株1500円、07年に為替114円、日産株1400円で契約をむすんだのが、09年2月に為替80円、日産株250円となり、担保を差し入れるよう要求された。退職して慰労金を担保に差し入れるのは日産への同義的な責任があり、できない。なので、知人が担保を用意するまでの間、日産に金銭的な損失を負わせない限りにおいて、担保を提供してもらった。これが特別背任とされるものです。

まず、ドル建ての報酬を日産が『できない』とし、為替スワップ契約をむすんだ。『銀行業界全体の仕組みが機能しなくなり』為替スワップ契約において必要となる担保を『直ちに』要求された、としますが、前段の銀行業界全体の…というのは何の意味もありません。為替スワップ契約ですから、契約上必要とされた担保を、正規に要求しただけでしょう。つまりどちらも私事であり、自己責任の範疇で生じたことです。
次に、詐欺などのケースでは「損失を与えていない」は、確かに犯罪成立要件になりにくい。しかし特別背任でそうした大審院判例がでたケースは、私の知る限りにおいてありません。これは直接的な損失がなくても、信用を毀損すると企業価値が揺らぐので、特別背任に問えるかもしれないからです。これが社内で、正規の手続きを踏んだ上で為されたのなら、それは日産会長であったとしても一時的な貸借であり、相応の利息がかからないとおかしい。社内手続きとその契約がどうなっていたか? この陳述書には何の記述もありませんが、これをセーフとするのは些か苦しいと感じます。それは企業のコンプライアンスにかかってくるからで、もしこうした資金移動が常態化している、と市場から認識されれば信用を毀損することにもなります。今回は損失がなくとも、もしかしたら企業活動とは別に、危ない取引をして大きな損失を被った場合、減益となって企業活動にも影響する。今回損失がないから…は無罪証明としてかなり弱いのです。

ハリド・ジュファリ氏について、支援者でありパートナーだとして功績を語りますが、企業体としてみれば契約がない限り、相手がどんな行動をとろうと対価を払う必要がありません。『同氏の会社からの請求に基づき、関係部署の承認に基づいて、相応の金額の対価を支払った』と陳述書にはありますが、この文言だけをみると、契約はなかったように感じます。後付けであっても、こういう仕事の対価として支払う、という契約があって然るべきでしょう。それが日産側に残っており、その契約が正当な報酬だったかどうか、が問われるので、陳述書にその契約について記述がない以上、曖昧という他ありません。
金融商品取引法違反について、はさらに反論が弱い。4つの自動車メーカーから招請をうけた、高待遇の条件だったので、参考のため個人的なベンチマークにした。誰にも話していないし、取締役らが作成した退職後の条件などには反映されていない。確定された退職後の報酬を契約したこともないし、提案は社内外の弁護士により検討し、承認されると思っていた、とします。根本は、退職後にうけとる報酬とされた株を有価証券報告書に記載しなかったこと、が勾留理由ではありますが、検察が説明したゴーン氏のサインがある契約書の存在など、そこに対する反論がなかったからです。報じられている範囲で、物証とされるものはその契約書だけなのですが、明確にそれを否定しなかったのはナゾです。

これが裁判で手の内をみせないための、とりあえずの意見陳述なのかどうか? つまり隠し玉が他にあるかどうか? そうでないと、国策捜査でもあるこの事案で無罪をかちとるのは難しいでしょう。ただ日産側にすべての証拠が握られている以上、ゴーン氏にも手詰まり感があるのは否めません。むしろ外圧に頼るのか? 高度な政治判断を期待しているとすれば、ゴーン氏にとっては仏国のマクロン政権の弱体化が一番の気がかり、ということなのかもしれませんね。

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2018年10月26日

『自己責任』について

シリアで武装勢力に囚われていたジャーナリスト・安田氏に対して「自己責任」批判が多く聞かれます。代表的なものは「国が渡航禁止にしているところに行った」「プロとして危機管理ができていない」などです。しかし例えば、シリアの混乱に乗じて日本政府が不正をしていたら? 例えば死の商人をしていたり、開発した猛毒を試す人体実験をしていたり。そういう場所に、国が禁止しているからといって誰も調査に行かなかったらどうなるか? 犠牲になる人が大量にでても、国民は何も知らない、ということにもなるでしょう。
「プロだから…」という話も、では人命救助の訓練をしている自衛隊員が、救助中に誤って死亡しても「自己責任」だから仕方ない、というのか。どんなプロでも失敗するケースはあるのです。どんなに細心の注意を払おうと、起こってしまうケースもある。自己責任が行き過ぎると、実は多くのケースで多くの人間が困った事態に陥ることにもなります。

あくまで極論ですが、地震で家が倒壊しても自己責任です。液状化するような危険な土地に建てたのが悪いので、建設会社との地盤調査の問題だけで、国が一切介入する必要はない、となります。水害も同じ、警報がでても逃げなかった人は助けに行かず、放置すればいい。そもそも川の近くの低地に家を建てたのは自分の判断です。泥につかってもボランティアに行って掃除する必要はない、となる。行政による補償などをする必要もないでしょう。
これから宇宙旅行が当たり前になる時代が来ますが、宇宙で事故を起こして漂流しても、助けに行く必要はないでしょう。危険な場所に自ら望んでいったのですから。航空機事故で墜落しても同じ、国が助けに行く必要はありません。上記の例は許認可などの問題もあるので、必ずしも国が無視していい話ではありません。しかし自己責任が行き着く先には、そうした事態も想定されるのです。それこそ年金や健康保険、生活保護も不要でしょう。長生きすると思う人だけが老後の資金をため、病気になる心配をする人だけが民間の保険に入ればいい。投資に失敗して無一文になっても、リスクを冒して投資したのですから、生活保護で助ける必要もない。「自己責任」型社会は、小さな政府の究極の行き着く未来としてそういう形になります。そこでは許認可もなくなりますので、自ら選択した結果にすべての責任をもたねばなりません。

私には上記した通り、「自己責任」をふりかざす人はアナーキズムとしか思えません。しかし今回のケースでは「国の命令に従わなかった」という、国粋主義の匂いがする。どちらも人権意識が希薄、という意味では共通するかもしれません。むしろジャーナリストの役割を正しく理解していない、という形の批判も含まれるのでしょう。例えば自己責任の意識が強い米国では、ジャーナリストが拘束されても「自己責任だから見放していい」とはなりません。それはジャーナリストが危険なところに行き、情報を伝えることが役目である。その認識を多くが共有していることがあります。国の不正を暴くジャーナリストが守られる必要性など、自己責任型の社会であってもそこには保証すべき範囲、という考えがあるのです。
日本では安倍政権にすりよるメディアを多くの国民が疑問視しないように、国と良好な関係を築くのがジャーナリスト、との誤解もある。しかしそれでは偏った情報しか流れないのです。例えばシリアなら、介入している露国の情報や、シリア政府の報道がメインとなるでしょう。それでは一方からの情報発信であり、客観的な視線が欠ける情報なのです。

だからといって、武装勢力に囚われたら国が責任をもって絶対に助け出せ、というつもりもありません。助けに行く側にもリスクがあり、また諸々の情勢、状況もあって難しいということもあるでしょう。しかし助ける努力を怠ってはいけない。なぜなら、そこに生きている人がいるからです。家が潰れて逃げられない人も、家が水没して屋根の上で助けを求める人も、生きているのです。生きている人を国が見放してしまえば、それは国体を怪しくするのです。
自己責任で国が突き放してしまえば、国への信頼、信用が低下し、国内は荒れるばかりでしょう。自分の身は自分で守らねばならず、社会は廃れていきます。まさに人々は国を信用しない、無政府主義が蔓延することでしょう。ジャーナリストの役割、国の役割、それらが果たすべきことをして、初めて国が健全な形で、国民からも信頼される形になるのです。自己責任の匙加減、まちがえると国が危うくなるだけなのでしょうね。

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2018年10月10日

雑感。携帯料金と言論の自由と。

総務省が「モバイル市場の競争環境に関する検討会」の初会合を開きました。菅官房長官の肝入りで、通信料金の4割値下げを目的にする、とします。総務省の調査では日本だけが突出して高くみえますが、他の調査ではそうでないとの結果もあり、この辺りは注意したいところです。ただ料金設定より大きな問題は、携帯各社はiPhoneの契約だけ特殊な形態を用いており、それ以外の端末を保有する人に不利益があるのではないか? それが事実だった場合、携帯各社は集団訴訟を起こされてもおかしくありません。
料金そのものより、契約形態を簡素化することが一番であり、それが顧客の流動化につながるはずですが、政治的には面白くない。料金を引き下げた、などというのを成果として語られても、それは官製賃上げと同じで実は政治としての結果ではありません。単純に、企業が忖度しただけの話であり、本質的な部分で問題点を改善しない限り、決してそれは成果ではないのです。しかし安倍政権はみせかけの成果を誇ることが多く、今回もそれでしかありません。

米国では人気歌手テイラー・スイフト氏が、中間選挙を前に民主党支持を表明、波紋を広げています。米国では著名人が政治的な態度を表明することが多く、だからといって不利益をうけない、という文化があります。しかし日本では安倍政権が自ら「中立性を保て」とメディアに圧力をかけており、態度を表明すると仕事を干されるケースもあります。個を大切にしてきた米国と、組織を大切にしてきた日本、といえばそれまでですが、米国では大統領がヘイトをしても許される、というほど言論の自由がある、という意味では良し悪しです。
そんな米国のドルが、外貨準備として比率を落としている、との記事があります。6月末時点で62.2%と、依然としてその地位は変わりませんが、徐々にその比率を下げており、円は4.97%、人民元は1.84%と徐々にその比率を上げている。アジア経済圏の拡大という事情以外に、トランプ政権への不信がその背景にあるのでは? として警戒される動きです。

そして新興国で危機を謳われる国は、特に外貨準備の少なさを問題にされることも多い。さらに、その外貨準備が不安にさらされたときが、世界的な危機につながります。米国は現状、利上げ局面であり、外貨準備として国債を買うという選択が難しい。なので比率が下がるとしても、トランプ政権では減税と財政出動により、財政に大きな負担がかかっている。ただでなくとも貿易赤字であり、財政の穴埋めに失敗すると、国債にはさらなる売り圧力がかかり、そのかじ取りに失敗すると、米ドルが基軸通貨としての地位を失うことになるでしょう。
『人、遠慮なければ必ず近憂あり』、これは論語ですが、遠慮は控えめの方ではなく、未来を見通す、ということです。しかし今、どちらの意味でも当てはまりそうです。トランプ氏の遠慮のない物言いが、米国では様々な問題を生じ、国が分断されるという近憂を招いている。日本では未来を見通す目をもたない安倍政権が、近憂ではなく金融に頼ってきた。日米の政治が、『遠慮』を失う中で起きつつあること。それは今、比較的強い通貨となっているドル円でも、その価値を大きく毀損し、『害化準備』に陥る可能性をも秘めている、ということなのかもしれません。それでも個人で意見がいえる米国がいいのか、日本のように批判の声をひそめてでも、穏便にすまそうとする国がいいのか。そんな「モラリティ(道徳性)市場における競争環境」について、改めて考えた方がよいのかもしれませんね。

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2018年09月10日

リスクと対応

全米OPテニスで、大坂なおみ選手が優勝しました。ただ気になるのは、対戦相手のセリーナ・ウィリアムズ氏に与えられた警告で、ブーイングの嵐が起きたこと。どの国でもナショナリズムの高まりがあり、対立を強めている。それと日本も無縁ではありませんし、そうしたナショナリズムに対しては、常に冷静で公平な視点をもって対処しなければなりません。

4-6月期GDP改定値が発表され、実質で前期比0.7%増、年率換算3.0%増と速報値(年率1.9%増)からの大幅改定となりました。総裁選が始まったおり、景気をよく見せかけるために法人企業統計で設備投資の数字を盛った、などと揶揄されていましたから、ある程度は想定内といえます。もしくは財界の協力で、設備投資を4-6月期に前倒しで実施させた結果、ということもあるかもしれません。いずれにしろ7-9月期には崖が待つので、4-6月期を高く見せかければ見せかけるほど、7-9月期の落ちこみが大きくなることになります。
総裁選の論戦では、安倍首相が「安倍ノミクスの恩恵で、地方にも温かい風が吹き始め…」と語りましたが、地方議員の多くが「嘘つけ!」と感じたでしょう。インバンド消費があるところはすでに恩恵もありますが、猛暑と災害でそれも今後は減少に転じる。国内経済では地銀の経営悪化と、スルガ銀のような不正で、むしろお尻に火がついた状況です。地方は生き残りに必死で、それに失敗したところは脱落するので、「温かい…」どころの話ではありません。そもそも少子化での人口減少は地方が中心で、そこに安倍政権は無策なのです。

北海道の胆振東部地震でもオール電化は厳しい、との声があります。しかし太陽光発電と併用すれば、晴れてさえいれば昼間に家事を済ますことができる。北海道や東北、日本海側など年間で4分の1が雪の下になってしまうため、太陽光発電の必然性が低い地域の特異性、ということも言えます。リスクには常に備え、例えばオール電化の家庭なら、カセットコンロとガスは常備しておく対応が必要ですし、石油ストーブがあれば煮炊きもできます。
これは北海道電力も同じ、結果的に苫東厚真火力発電に頼り、集中させ、リスクへの備えを怠った。それで困った、大変だ、といっても自業自得感が強い。組織でも、個人でも、それは同じです。オール電化は基本料が電力会社のみになるので、日々の暮らしでは負担が減る。そこで満足せず、そのとき生じるリスクへの備えは、誰しも考えなければいけません。

例えば最近、ガラケーに注目という記事があります。機能は制限されても、バッテリーの持ちがよく、通話品質もよい。こうした震災などの非常時や、山登りをする人には必須の装備かもしれません。普段使いする必要はなくても、SIMを入れ替えて使えるようにしておけば、トラブルのときには役に立つ。そういう考え方を常にもっておくことが大切なのでしょう。
翻って安倍政権、経済を「当たり前の状態にした」と語りますが、異常時の金融緩和をつづけていて、当たり前も何もありません。非常時の備えが何もない、どころか非常時には節電など、国民負担を強いることばかりです。特に、西日本豪雨災害や、台風21号の暴風雨被害では重かった腰が、胆振東部地震ではやたら震災対応アピールが目立つ。安倍氏にとっては『風が吹けば桶屋が儲かる』ではなく『風が吹いても儲からないけれど、地震の対応は俺様が儲かる』とでも考えているのかもしれません。『風が吹けば…』の箴言は、意外なところに影響がでる、という内容ですが、それを「意外」としている時点で災害対応としては落第であり、今回の震災対応にしろ、「温かい風」どころか「生暖かい風」や「木枯らし」が、安倍政権に向かって吹き付けることになるのでしょうね。

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2018年09月01日

防災の日

今日は防災の日です。閣僚も徒歩で官邸に集まる、などの非常時の行動を意識していましたが、安倍首相だけは動静をみても8時7分、官邸と伝わるのみです。普段は私邸にいる安倍氏が、この日だけ公邸にいて、防災訓練を行ったのならそれは訓練ですらないでしょう。巨大地震がおきたとき、私邸にいたら確実に遅れます。それを想定し、訓練をしなければまったく意味がありません。公邸にいるより、確実に私邸にいる方が多いのですから。
しかもそのとき、股関節周囲炎だと歩くことすらままならないかもしれない。あれだけゴルフをしていたのですから、もう治ったのかもしれませんが、西日本豪雨災害で現地にも行けないほど酷かったはずが、都合よく治る病気もあったものです。むしろ行きたくない、やりたくない病なら、巨大震災だと再発する類のものかもしれません。私邸にいて初動が遅れました、などとなったら、それこそ評判がた落ちで逃げ回りたくなるでしょうから。

日米首脳会談が9月25日、日中首脳会談が10月23日で検討、と伝わります。通常、総裁選を戦う間は外交日程など組めないはずで、もし安倍氏が敗れたら、相手国にも失礼にあたるからです。いくら勝利を予想できたとしても、選挙という結果が曖昧なものだからこそ、確実性に薄いもので予定を立ててしまう。これが安倍政権の危機管理、ということなのでしょう。
NHKでも巨大地震の予兆を感じた時『臨時情報』をだす問題を取り上げていましたが、もしそれが出たら、間違いなく経済は大混乱します。沿岸付近にある工場、産業は稼働を停止し、それは原発も同じです。想定した津波を越えてきたら? そして、津波がくると分かっているところに、従業員は集まるのか? 通勤の移動で被災する可能性もあり、その被害を軽減するなら泊まりで対応、ということもあり得るでしょう。長期化すれば、それだけ作業員も疲弊する。被災するのが分かっていて、家族を残しておけるのか? 正直、東日本大震災のように事前予告もなく、どんときてしまうより、臨時情報で「巨大地震の可能性…」と伝わる方が、様々な予測不能の問題が発生する、といえるのです。

原発作業員が辞めてしまい、そもそも対応が難しくなるかもしれない。長期の操業停止でサプライチェーンが崩壊する。船が日本への接岸を拒み、海上輸送が滞る。漁業ができずに海産物が供給されない。海岸付近の道路がつかえず、意外な場所で渋滞が発生し、物流が混乱する。避難場所が学校である場合、授業はできるのか? などなど、巨大地震が起きていなくても、『臨時情報』だけでそうなる可能性があります。
大切なことは、普段から不測の事態がおきたときのために何を、どう備えをもっておくか? です。私邸に寝泊まりする安倍首相もそうですし、読売の単独インタビューに応じた黒田日銀総裁も、金利を上げると経済には大変、としますが、金利が低いまま景気が低迷したらもっと大変です。普段の備え、安倍政権、黒田日銀はまったくできていない、といえるでしょう。日本は地震大国ともいわれますが、政界の根拠のない自信大国、ということもいえるのかもしれません。もっとも不測の事態がおこったら、仮病をつかうのが政界の習わしでもあり、そのときは官邸に誰もいなくなり、防災どころか崩壊の日になってしまうのかもしれませんけれどね。

明日は一日、お休みしたいと思います。

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2018年08月08日

雑感、不健康な日本

翁長沖縄県知事が亡くなりました。膵臓がんは発見が難しく、みつかったときには手遅れともされるので、予後も心配していましたが…。ただ、安倍自民は沖縄県知事選にむけて、警戒を強めていることでしょう。辺野古移設に反対しつづけ、その心労が祟ったとして弔い合戦にもちこまれるためです。11月の県知事選、自民沖縄県連は佐喜間宜野湾市長に出馬を要請していますが、弱った翁長氏なら与しやすい、と踏んでいたでしょう。
反基地派は「翁長氏の遺志を継ぐ」として、一つにまとまれば十分に対抗できる。問題は、その象徴的立場だった翁長氏の後継に誰を据えるか? それ次第でしょう。翁長氏は無念だったはずですが、すでに選挙を戦う体力もなかったはずで、むしろここで亡くなったのは最期の抵抗だったのかもしれません。自民党の肝は十分に冷やせたはずで、これを反基地派は熱に変えられるかどうか? それ次第で弔いを果たすことも可能です。

日本ボクシング連盟の山根会長が辞任しました。子供の口座に代金をふりこみ、などを『私物化』と呼びますが、組織として対処すべきことと、身内を巻きこむこととの差を弁えることができない以上、組織としては弊害しかありません。暴力団関係者との交際、も語られますが、実はこうした反社会勢力とのむすびつきは、至るところで垣間見られるものです。つまり暴対法の抜け穴、杯はかわしていない、暴力団員ではない、でもその威光を笠にきて、社会的地位を得てきた人物は意外と多くいるものです。
本来は公安がそうした組織をピックアップし、補助金の支給などにも制限をかけないといけない。しかし今や半グレなど、暴対法の対象外の組織もでてくるなど、規制をかけるために暴力団の定義を確定したため、そこから外れることもできるようになった。まさにそうした隙間で、組織をのっとられたのが日本ボクシング連盟でもあったのでしょう。

最近、菌活なる言葉が流行っています。腸内細菌は大きく善玉菌、日和見菌、悪玉菌に分けられ、そのバランスで健康や体の状態が変わってくる。だから菌活し、善玉菌を増やして健康になろう、というものです。そしてこれは社会にも当てはまる。組織として正しいことをしようとする善玉、組織を悪い方向に導く悪玉、そして日和見です。ここに強い悪玉が入ってくると、日和見はそちらに靡き、組織全体が不健康な状態となる。それは日本ボクシング連盟然り、そして日本の政治についても同様でしょう。
今は悪玉が優勢になり、不健康極まりなくなってきた。日和見はそれこそ忖度などを通じて、悪玉に協力している。善玉はますます劣勢になり、数を減らしている。今はそうした状況でしょう。辺野古に基地などつくるべきではなく、国防に何の役にも立たない米海兵隊など、嘉手納に統合すれば十分です。しかしそうした正論は消され、基地建設という利権を目当てに、建設業などが推す候補に票が集まっていく。それがどれほど日本を不健康にしているか? それに気づけないようなら、日本は内部から蝕まれていくだけなのでしょうね。

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2018年08月05日

雑感。栃木小1女児殺害事件の控訴審判決

一昨日、栃木小1女児殺害事件の控訴審判決が、東京高裁でありました。かなり異例なのは、録画・録音での自白から事実関係を認定したのは法令違反で破棄は免れないが、被告が母親にだした手紙や車の走行記録など、状況証拠で「合理的な疑いをさしはさむ余地はない」として無期懲役の判決を下した点です。これまで、警察は自白をとることに躍起となり、自白さえとれれば有罪にできる、という形が多かった。それを法令違反として断じたのです。逆にいえば、録画・録音について警察の恣意的な利用をゆるさない、ということでしょう。ただもう一方で、この程度の状況証拠で有罪か? との疑問もわきます。

今回、一審と二審では検察の主張する殺害場所が変わるなど、かなり異例の経緯をたどりました。つまり自白をとっても、殺害場所や方法について、秘密の暴露がほとんどなかったことになります。なので、自白そのものは価値がなかったのでしょう。なので、状況証拠に頼らざるを得なかった。しかし母親への手紙が状況証拠か? 甚だ疑問といえます。
ロスタフという心理学者による実験で、人の記憶は簡単に捏造できる、ということは証明されています。取調官が誘導する形で、本人の記憶にないことでも、それを事実として認識するようにもできる、ということです。そしてこれは、弁護人にも同じことが当てはまる。つまり勝又被告は、警察によって偽の記憶によって罪を自白し、母親にも謝罪の手紙を送り、それを弁護士によって否定される記憶を植え付けられた、とも考えられるのです。つまり言葉は悪いですが、検察の主張も、弁護士の主張も、記憶によって説明されているものは、すべて虚偽である可能性を捨てきれない、ともいえるのでしょう。

だからこそ状況証拠には、客観的事実としての信ぴょう性が必要です。その中で、疑問なのは遺体に残されていた粘着テープから、被告のものは発見されず、第三者のものが発見された、という点です。検察は「捜査過程で混入した可能性」を指摘しますが、であればそれを証明する必要があるでしょう。証拠を取り調べた鑑識官であったり、現場保全に努めた警察官、それに発見者のDNAなどを丁寧に集め、一つ一つ発見されたDNAをつぶしていかなければいけません。粘着テープの表なら別の人間がさわった可能性もありますが、粘着部ならさわった人が限られるのですから、証明はできるはずなのです。
こんな判決をだしているようでは、死刑反対論者が用いる「冤罪が多い」という言葉も否定できなくなるでしょう。状況証拠であっても、有罪にして構わないと思いますが、今回それを認定するには無理があります。検察は今回、重大な箇所を訴因変更する、という異常な手段にうってでたのですから、上告審までにきちんとした筋道を立てた状況証拠を提出し、事件のシナリオを示すべきでしょう。今のままなら、安倍政権に忖度した政治家や官僚への捜査が行われない、という司法への疑念とともに、その信頼はゆらぐばかりといえるのでしょうね。

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2018年08月02日

ワイドショーを騒がす問題と、安倍政権の立場との類似

日銀が2日午後、予定にない国債買い入れオペを行いました。指値オペと異なり、額を決めて行う通常のオペは、予定日に行うのが通例です。今回のことは「不意打ちオペ」などと渾名されていますが、長期金利は0.145%をつけたとはいえ、黒田総裁の示唆した0.200%とはまだ乖離もあり、昨日と比べても0.025%しか動いていない。単に、日銀の会合から2日で日銀の許容する上限がネタバレするのを恐れた、としか思えず、ますます日銀への信用が揺らぐ事態といえるのでしょう。まだまだ日銀の動き、余波がありそうです。

突然、厚労省の分割案という話がでてきました。安倍政権の方向性がはっきりしてきたのは、財務省は公文書改竄があってもお咎めなし、財源をひねり出させるのに、協力は不可欠ということでしょう。文科省は安倍政権に逆らったので、徹底的に叩き潰す。厚労省は分割して閣僚と委員会ポストを増やすのに利用し、経産省利権は肥大化。今井補佐官は最近、安倍氏と距離をおいているとされますが、まだ強固な関係のようです。
自民党が同党の杉田議員の「LGBTは生産性がない」発言について、自民党がHPに「理解不足と関係者への配慮を欠いた表現」と載せました。しかし約半月、杉田氏から発言の修正は行われておらず、もしこれが「理解不足」なら、依然として「不足」していることになり、HPに載せる前に杉田氏の理解を促す方が先でしょう。そして、関係者に配慮していたらよいのか? 急に安倍氏も「多様性は大事」などと、やっと発言しましたが、遅きに失している。同党の谷川氏は「同性愛は趣味みたいなもの」と発言し、火に油を注ぎ、二階幹事長は「大げさに騒がない方がいい、この程度の発言」とするなど、党の考えが『差別的であること』は露呈しています。自民党の議員の多くに「理解」した上で、LGBTを差別的にみる土壌があることは、杉田氏が「応援された」と語っていたことでも明白です。

しかし安倍政権が焦りだしたのは、この問題に限らず、最近おきている日大アメフト部の危険タックルから始まる、田中理事長の独裁の問題。日本ボクシング連盟の山根会長の問題など、『長期独裁体制による弊害』が意識されだしたことも影響するのでしょう。どこの組織でも起こりうる、それは政党という力関係が歴然と現れる場ですから、尚のこと強まります。安倍政権が9年続き、何かおかしなことが覆い隠されているのではないか?
その一端が垣間見えるのが、今回の省庁に対する恩賞と懲罰の使い分け、にも強くでているのです。そもそも文科省不正の仲介役、とされる谷口氏は医療コンサルを勤めており、文科省ばかりでなく厚労省にも顔が利いたでしょう。厚労省は不問に伏すから、厚労省分割という目くらまし、省庁再編は折にふれて記事になるから、政治の不祥事の際は御用メディアがこちらを記事にすることで、国民の目をくらますこともできる。そんな利用をすることで安倍政権と厚労省が手を打ったのかもしれません。まさに御用メディアが、厚労省は分割した方がいい、といった記事を並べるのも、その意義を後付けするものです。

しかも、明らかになった東京医大の女性受験者の点数を低く抑えていた問題も、「女性は出産や子育てで職場を離れるから…」とした理由も語られますが、出産は仕方ないとしても子育ては男性でもできる話です。これなど、古い考えを基にした根拠づけをしたことで東京医大はその権威を著しく貶めた、といえます。そして、この問題も安倍政権に波及するのを恐れたのかもしれません。性差別、LGBT差別が日本では蔓延している、しかもそれを主導するのが安倍政権、与党である、などとなったら外交、内政に支障がでることにもなります。『差別、長期独裁の弊害、そのトップリーダーが安倍政権』、日本が何かおかしくなっている…そんな印象を重ねられることに、今の安倍政権は恐れを抱いていることの証左が、HPの掲載なのでしょうが、むしろ逆効果ともいえるのでしょうね。

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2018年07月12日

人口減少社会

急速に円安がすすみます。米中貿易戦争で米国の輸入物価が上昇し、米金利上昇で…という説明はもっともらしいですが、ピンと来ません。今回はドル独歩高ですが、昨日の段階で米金利は下落しており、動きに整合性がないからです。しかもトランプ減税と歳出拡大、そこにFRBの引き締めで米国債はダブつく、と噂される中で、米金利は上昇しやすいとはいえ、ここに来て円安の水準をブレイクしたのは、裏で思惑があったのでしょう。
リスク時の円買い…とするべきところ、西日本豪雨災害により円が買えなくなった。まずは予備費の活用ですが、これだけ広範囲に被害がでると、復旧にもどれだけの予算が必要か? 日本も安倍政権のバラマキにより、国債増発の懸念があっても人為的に日銀が金利を低く抑えるため、円売りを引き起こしやすい。しかし有事の円買いが発動しにくくなると、逆に円が一気に弱くなる可能性が高まった、ともいえる。むしろ今回は、対外投資を解消せずに日本勢が思いとどまったことで、ドル高に引きずられたといえそうです。

昨日発表された人口動態調査で日本の人口は1億2521万人と、前年比37万4千人減で9年連続減少です。出生数は94万8千人と過去最少。少子高齢化がますますすすみ、日本は危機に向かっているというのに、相変わらず報道も小さいですし、政治の動きも鈍い。このままでは間違いなく、日本は十数年後には崩壊的危機を迎えることでしょう。
一方で、外国人は249万7千人と前年比17万4千人増です。それに加え、安倍政権が新たに外国人労働者の受け入れを標榜しているので、ますます増える方向です。未だ2%とはいえ、外国人が増えたとき、改めて社会保障などを始めとした諸制度を変えないといけない。それこそ健康保険や年金などですが、もう一つ医療体制についても考慮しないといけません。日本ではあまり知られていませんが、人種の多い国なのではすでに人種差医療が一般的です。地域により遺伝的特徴が異なり、病気の罹り易さも異なる。当然、治療方法も変わってくる、という考えです。

例えば、外国で流行ったダイエット法だからといって、安易に日本人がすると危ない、というのが糖質制限ダイエットです。日本人は欧米人に比べ、インスリンの分泌量が半分から4分の1しかなく、糖を吸収しにくい。逆に、それだけ豊富に糖をとってきたため、それを減らすと膵臓に負担がかかり、糖尿病になり易くなる、とされます。体質がまったく異なるので、こうしたダイエット方法ばかりでなく、治療でも人種差を考慮しないといけない。日本はおもてなし、と言いながら、外国人の居住者が増えたり、外国人観光客が増える中でも、中々こうした人種差についての認知度が高まっていません。
安倍政権は、こうしたことよりIR法案でカジノをつくる方が先、とでも考えているようです。被災地であふれるゴミも、これから伝染病を蔓延させる恐れがあり、注意が必要です。世耕経産相が「安倍氏が来るからエアコンがついた」というツイッターに猛反論していますが、被災から4、5日後に取り付けられたから、そんな風聞が立つのです。しかも安倍氏が訪れる場所を優先したのでは? との懸念もあり、決して威張って「優先度に応じて対応」といえる状況でもありません。被災者の健康状態を気遣うのは、政府として当然の務めです。そして、それは海外から日本を訪れる旅行者でも同様といえます。

しかも、外国人を呼びこめば経済成長、と安倍政権は安易に考えている。それは人口が減少する中で、外国人労働者を招くのも同じ。しかしケアをしなければ、そんなものはすぐに逃げていくだけでしょう。被災者も同じ、健康、安全を担保して初めて国家としての機能が成り立つのです。今は円安を囃す向きも多いですが、この円安が日本経済に深刻なダメージを与え始めたとき、安倍政権にどんな対処療法があるのか? 日本が罹患している『安倍』という病の根治、まずはそこから始めないと安全の担保は難しいのかもしれませんね。

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2018年06月27日

党首討論について

富山の警察官襲撃事件や、新幹線の中での死傷事件など、最近は刹那的な、理不尽な事件が多い。その理由の一端となりそうなのが、給与手取り額を比べた世界的なデータで、日本が8位、韓国より下でした。当然、これは税金や社会保障などが天引きされた後ですので、低負担低福祉の韓国と単純比較はできません。事実、最低賃金を上げた韓国では、給与水準は上がりましたが、若年層の失業も増えている。賃金が高いので雇わない、というケースが目立ちます。しかも家計債務の多いお国柄ですから、幸福度も上がらない。
ただ、日本はこれまで中負担中福祉でしたが、方向性は高負担低福祉にむかってまっしぐらであり、これでは国民のマインドなど上がるはずもありません。給料も上がらず負担ばかり増える。必ずしもそれが事件の引き金、ということはできませんが、日本に漂う閉塞感は、政治家が給料が増えた、と嘘をつきつづけ、実際には負担が増えることで相殺され、国民は実感が得られない。そんなモヤモヤした気分も影響しているはずです。

党首討論が開かれました。枝野立憲民主代表が「F15の墜落事故で飛行中止を申し入れ、としたが米軍は否定」との質問に、安倍氏は「結果としてそうなった」と語りました。この前後で色々と語りますが、まとめると一言『嘘をついた』ということです。
大塚国民民主共同代表から移民の定義を問われると、「一定程度のスケールで、期限を定めず受け入れること」としました。しかし国が人数を定めなければ外国人労働者があふれても制限がかかりませんし、何年かおきに申請をだせばよいので、なりすましもやり易い制度です。むしろ諸外国より大甘な制度運用も可能です。PBの黒字化を先送りしたことで、安倍ノミクスの失敗との指摘には、「デフレ脱却しなければ財政健全化できない」と述べました。これだけ明白な『嘘』もないもので、緊縮財政をとればインフレもデフレも関係なく、財政は健全化します。安倍政権では成長して健全化、の前提をおくので、歳出拡大圧力が止まらないだけで、しかも成長とインフレが同時発生する、という認識なので、そんなおかしなことを語るのです。安倍氏の経済認識は子供レベルといえます。

安倍氏は「歳出の点検」としますが、志位共産委員長が指摘したように、詐欺的行為を働いた加計学園に補助金をだしているようでは、点検が機能していない。森友学園への値引きも同じ、これが違法でない、という認識のこの国が「歳出の点検」をしているとは、とても思えません。片山維新共同代表も、参院の定数増に苦言を呈しましたが、安倍政権が歳出に関して厳しくチェックしているとは、到底思えないのが現状です。
岡田無所属の会代表が、時間をオーバーして質問をしたとき、安倍氏は「ルールは守りましょう」と語りましたが、そのルールを無視してきたのが安倍政権です。公文書の管理や会計検査院の調査への妨害、そして国会答弁での度重なる『嘘』。そして今日の答弁でも関係ないことをだらだら答弁する。枝野氏が前回の党首討論後「歴史的な使命が終わった」と語ったことを引き合いに、安倍氏が「本当に歴史的な使命が終わってしまったと思った」と語りました。つまり安倍氏は制度が形骸化していると指摘されたら、それを改善しようとするのでも、対案を考えりするのでもない。NHKで選挙前に行う党首討論でもいい。何か新しい形にしよう、という気などさらさらないのでしょう。

人は『嘘』をつくとき、言葉数が増えたりする。安倍氏の答弁が長くなったときは、ほとんどが『嘘』や『ごまかし』の意図を、多分に含むといえそうです。党首討論の歴史的な使命は終えたのかもしれない。ただしそれは、党首という責任ある立場にある者が、姑息な『嘘』をつくことによってそうなるのだとしたら、政治全体が大いなる茶番、虚構の状況にある、という意味で、歴史的な意味合いは異なってくるのでしょう。国民のもやもやとした気分、それを生んでいる元凶といえるのかもしれませんね。

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2018年06月05日

雑感。罪と罰

トランプ米大統領が「自分を恩赦」と述べ、批判されています。現職大統領を訴追できないため、特別捜査官はあくまで報告書を議会に提出するまで。それをうけ、議会が弾劾の手続きに入ります。弾劾は恩赦に影響をうけませんが、ロシア疑惑による刑事罰となったら、そこに恩赦が適用できる。ただそれが、日本でいうところの公選法違反なのか、それともロシアに介入をゆるした国家反逆罪なのか、によっても恩赦の意味は変わってくるのでしょう。しかも恩赦とは、犯罪行為を認定して罰をうけた状態でだされるもの。その前に大統領は罷免されているでしょうから、恩赦をだせるかもナゾです。

昨日、公表された財務省の調査報告書に、早くも共産党からカウンターです。会計検査院や国会への対応として、財務省と国交省が協議した内容が記されたメモがでてきました。重要な部分は「官邸との調整」との文言がでてくること。官房付き秘書官なのか、どういうルートをたどったかは分かりませんが、実際に「調整」が行われていた場合、官邸もある段階で事情を把握していたことになる。自民党内からも、昨日の報告書に異論がだされるなど、まだまだ幕引きには程遠い状況であり、官邸の思惑は外れたといえます。
会計検査院が昨日の報告をうけ、財務省自ら資料の提出を拒んでいたことをみとめたため、懲戒処分の要求を検討、と伝わります。昨日も指摘したように、違法な行為であることは明らかなのに、佐川氏の暴走に財務省の職員が、何の反発もせずに行動したのは、明らかに異常です。そしてこの懲戒処分の要求にどうこたえるのか? 外務省のロシア課長がセクハラで停職9ヶ月、と報じられる。何があったかも分かりませんし、罪の軽重を一概に論じることもできませんが、佐川氏の停職3ヶ月がいかに軽いか、浮き彫りです。

内閣府の少子化克服戦略会議が、政府への提言をまとめました。男女とも1回しかとれない育休を複数回に、ベビーシッターを利用すると税優遇措置、有給休暇を1時間からとれる、不妊治療の負担軽減、などです。しかしすぐに気づきますが、ほとんどが生んでからの措置であり、生みたくなるような施策はありません。不妊治療の負担軽減は、生みたくても子供ができない人向けではありますが、この施策をもってじゃあ子供を…と思う人はまずいないでしょう。つまりこれは名前からも分かる通り、少子化を『克服』するものであって、少子化への対策を行って人口増を促すものではないのです。
しかし少子化により克服しなければいけないのは、様々な制度破綻です。年金、財政、経済成長など、様々なものが影響をうける。一部で、人口減でもイノベーションで克服できる、とする記事も見かけましたが、日本は研究開発費をけずり、企業は保守的になり、イノベーションとは縁遠い国になりました。規制により既存のシステムを温存し、新しいものが生まれない国、早晩それは『克服』できない日本の枷となってくるでしょう。

神戸製鋼への強制捜査も、米国により処罰されたら多額の賠償金を支払うことになるかもしれず、日本企業を守るために介入した、という見立てでよいのでしょう。しかしエアバック問題のタカタもそうだったように、日本企業は米国からの厳しい制裁をうけないと、中々態度が改まらないのかもしれません。日本の守られたシステムでぬるま湯につかっていた企業には、克服すべき課題が山ほどある、となるのでしょう。こうした駆け引きをするより、安倍氏が本当にトランプ氏と親しいのなら、恩赦でも要請すればうけてくれるかもしれません。その前に、罪と罰の判断すら歪んでいるこの国では、まともに司法が機能するとは思えず、克服するより国策の方により問題がでてしまうのでしょうね。

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2018年05月26日

加計学園がウソをみとめる

菅官房長官が、栃木県連大会の挨拶で「選挙のとき日米韓で圧力をかけつづけ、北朝鮮の政策を変えると言い続けた。私たちが考えていた方向に向かっている」と述べました。他人の褌で相撲をとる、というより、一国だけ違う土俵で相撲をとっている安倍政権が、他人の成果を自分のものとして横取りした、というところでしょう。
南北会談は二回目が開催され、トランプ氏があれほど猫なで声で会談への未練を訴え、これが圧力の結果だとしたら、随分と優しい圧力もあったものです。北朝鮮が会談再開への意思を示すのも、トランプ氏なら体制保障が得られる、と思っているから。かといってリビア方式ですぐ非核化、とはしたくない。その綱引きをしています。日本など、この問題でかすりもしていない。徹頭徹尾、この問題で日本は蚊帳の外です。しかも、今は訪露の最中であり、安倍首相が直接トランプ氏に電話をして事情を聞く、ということもできない間の悪さもあって、日本には何の情報もない、というのが現状なのです。

加計学園が愛媛文書に載っていた2015年2月25日の安倍氏との面談は「加計の担当者が誤った情報を伝えた」と発表しました。そうなると加計学園は愛媛県、今治市を騙した詐欺というばかりでなく、それに基づいて動いた国家戦略特区でさえ、本来はみとめるべきではなかった、国家への詐欺にも該当します。さらに、そんな加計学園側のウソ主張を加藤現厚労相や内閣府の職員だった柳瀬氏や藤原氏が、まったく見抜けなかった、という官邸崩壊状態を露呈することになる。自分たちのトップが誰と面談したのかも知らず、かつその嘘に騙されるというみっともなさ。安倍官邸のお粗末ぶりが際立つのです。
しかしこれは日大アメフト部の内田前監督と同じぐらい、お粗末なイイワケです。加計学園の窓口がたった一人で、すべての交渉に一人で対応し、嘘をつきつづけた、というのならその当事者のみの責任ですが、複数で担当していた場合、それは組織ぐるみとなる。その場合は加計氏も知っていたのか? そこに焦点が当たる。「担当者が誤った情報を与えてしまったように思う」や「深くお詫び」で済む話ではありません。

28日の集中審議を前に、こうした情報をだしてきたのは打ち止め感を演出し、安倍政権の問題ではない、というためでしょう。加計の担当者にひたすら謝罪させ、安倍政権は「制度上問題ない」と言い続ける。国家戦略特区の選定の上で、手続きは瑕疵なく行われたとして、加計学園には多少のペナルティーで国民の留飲を下げさせて幕引き、という魂胆でしょう。こうすれば安倍氏、加計氏をともに守れ、また学園が特区ともども存続するために、痛みは最小で済む。土曜に発表したのも、国民の目を逸らしたかったからです。
しかしこのあまりに悪質な詐欺事件、加計学園を無罪放免で存続させると、怒りの声が安倍政権へと向かう可能性が高い。何しろ、このウソは何がウソなのか? ということに国民の多くが気づいているからで、安倍政権を、加計学園を守るためなら、担当者の責任にして自分たちが安寧をはかる。日大アメフト部の問題とも、構図が重なってくるからです。ただし、加計学園担当者に、真実を語る勇気も、また誠実さもないでしょう。大人の醜い世界を体現する安倍政権には、教育を語る資格すらない、ということを今回のことでもよくあらわしているのでしょうね。

明日は一日、お休みしたいと思います。

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2018年02月07日

雑感。毎月均等統計と貴乃花インタビュー

昨晩の米株市場は、始値がダウで600$近いマイナス、それを30分ぐらいで400$プラスまで切り返し、場中はプラスマイナスを行ったり来たり、引け間際の30分で600$近いプラスまで押し上げました。とある噂ではシンジケートが組まれ、下支えに動いた、トランプ政権のお墨付き、との話も聞かれます。シンジケートというと物騒に聞こえますが、複数の主体が参加して資金を融通し合う、企業買収でもよくある形です。米株市場の危機に、複数の主体が買い支えの資金を拠出し、それが30分の急騰を生んだ原因というのです。
日本株は朝高も、ほぼ安値引けで昨日の終値まで押し戻されました。米夜間取引を横目にみながらなので影響は必至ですが、米株もボラが上がっているのにVIX指数が低下するなど、かなりイレギュラーな展開で、不安定と言えます。一昨日は米国債を購入し、金利を上昇させても下げ止まらなかったことから、VIX指数を下げるよう動いて株価を上昇させた、などともされる。いずれにしろ当面はボラタイルな展開がつづくのでしょう。

平成29年通年の毎月勤労統計速報がでて、現金給与総額は前年比0.2%減。つまり安倍政権が語っている「給料は上がった」というのは、実質ベースではウソ、となります。確かに名目なら現金給与総額は0.4%増ですが、生活実感は実質の方が近いのですから、国民からみれば安倍ノミクスは失敗、にみえて当然です。これで安倍ノミクス5年で、実質で給与が上がったのは一昨年のみ。累積でもマイナスとなることが確実です。
しかも、この5年間で総実労働時間が前年比で減少がつづく。経済が上向いているなら、仕事も増えて労働時間も増えているはずなのに、そうでない。効率化? もしそうだとしても今度は人手不足、という話が信じられなくなる。いずれにしろこのスラックが賃金上昇を促さない原因とも考えられ、それを放置して有効求人倍率ばかりを喧伝する安倍政権は、真の問題点が分かっていない、といえます。むしろ、分かっているけれど認めたくない、ということなら、安倍政権の景気回復はずっと『実感なき』との言葉が付きまとうのでしょう。

貴乃花親方がテレビ朝日の単独インタビューに応じ、ゴールデンタイムで2時間の特番で放送されました。残念ながら直接みておらず、報道ステで一部をみただけですが、最初に違和感があるのは「警察の捜査が終わる前に自分が事件について語ることは警察の冒涜」という点。ならば、テレビや新聞はずっと警察の捜査を冒涜していることになる。貴乃花氏は以前から指摘しているように『被害者に近い人物』ではありますが、直接の被害者ではないので何かを語っても一向に問題はないはずです。もしそれが冒涜になるなら、身内への取材を報じること、そのものをメディアが禁止すべきです。これはあくまで貴乃花氏が語っていることなので、メディアはそう思っていないけれど…、というならそれを論評なく垂れ流してよいのか? という点に大きな疑問を感じます。
もう一つは、通常こうしたものは双方の主張を取り上げるべきで、特にこれは物事の良し悪し、という問題ではなく、互いに主張が鋭く対立する問題です。その一方の主張だけを取り上げるのは問題を感じます。それに、不思議なのは日馬富士関の貴ノ岩関への暴行の現場について、どうして日本人で同席していた人にインタビューしないのか? モンゴル語で分からない、ということはありますが、アイスピックをもちだしたかどうかなどは、聞けばすぐ分かる話です。株価下落の話も、安倍ノミクスの自慢話も、こうして大相撲の話にしてもそう、メディアの検証不足が顕著に感じます。米国では『シンジケート』が株価を支えますが、日本ではメディアが「信ジトケー」と言われても信じられず、モヤモヤした気持ちがマインドを低下させつづける、ということにもなるのでしょうね。

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2018年02月03日

相撲協会の理事選

米株のダウが約666$の大幅下落です。1月雇用統計がでて、時間当たり賃金が前年同月比2.9%増となり、インフレ警戒が広がり、FOMCの利上げが年3回から4回の予想が増えて金利が上昇して株に弱気、という理由が語られますが、おおよそその通りではあるものの、もう少し考察も必要でしょう。米株は年初から調整知らずで上昇をつづけました。新規資金の流入がつづいたからで、運用担当者が利確するタイミングを失っていた。先高期待が喪失したことで一気に売りがでた。またVIX指数の上昇で、株が安全資産でなくなったこと、などが複合的に影響しての大幅な下げにつながった、とみています。
問題は、インフレ懸念は継続して意識されること。また一度上がったVIX指数は、景気拡大とインフレ懸念との狭間で相場変動が大きくなり、高く推移することが予想されます。もしかしたら、トランプ減税の効果はインフレ懸念という形でより大きくなる形となり、ゴルディロックス相場を終焉させる破壊力がより強かった、ということになるのかもしれません。小売り大手ウォルマートのように、賃上げ発表と同時に、従業員の削減をしていた、という話もある。賃上げ…、今後の市場でも軽視はできなくなるでしょう。

相撲協会が理事線を行い、貴乃花親方が2票で落選しました。これに貴乃花派の識者などは怒り、相撲協会はダメ、理事選は間違いだ、などと烙印を押します。しかし理事選は親方による投票で、また一門のシステムが残ることは事前にわかっていたこと。要するに、貴乃花氏はそのシステムの中で多数派をとれなかった、というだけのことであり、貴乃花氏が当選したら良くて、落選したらダメ、などというものではありません。
そもそも理事選の直前に更新したブログも問題です。これまで理事をつとめ、あの主張通りの行動をとっていたのか? 他の理事、現執行部と対立するから何もしません、といっていただけではないのか? だとしたら、そんな人物のことを誰も信用しません。それにどうしてブログ? 理事選が一般人の投票であるなら、ブログで広く意見を発信するのも道理でしょうが、理事選はあくまで親方が投票するもの。親方衆にわざわざ自分のブログをみろ、というのか? それより親方衆に対して、口頭で説得する方がよほど効果的ともいえます。貴乃花派の識者やファンに向けて情報発信し、世論を喚起して…という思惑があったとしたら、誰もそんな人物に投票したい、とは思いません。

行動と主張のズレ、そればかりでなく、誰に理解して欲しいのか? 何を変えたいのか? そんな諸々のことが明後日の方を向いているのですから、自身の一門からも票が逃げたのです。今回の出馬も、選挙にするため、とも報じられますが、貴乃花氏としては一門以外からの自身への支持を確認したい、という思惑もあったのでしょう。そして、貴乃花派の識者が「当選確実」などと流すことで、さらに世論を煽りたて、寝返る親方を増やして当選する、との青写真まで描いていたのかもしれません。
しかし逆に、弱体化を招いたのは計算外だったに違いありません。貴乃花氏は言っても聞いてくれない、周りとしてはそんな改革者を不安視するものです。それは自分が考えている改革路線と、貴乃花氏のそれが違ったら、次に排除されるのは自分だからです。因果応報、貴乃花氏が現執行部に敵対的な行動をとればとるほど、身内の離反を招きやすいといえる。結局、そういうやり方で多数をとる、というのが難しいのです。貴乃花氏が善、と決めてかかって怒りを示すより、なぜ貴乃花氏が多数をとれないのか? そういう反省もなければ、貴乃花氏の行動はただの駄々っ子の叛乱にしかなりません。相撲協会を変えたければ、ファンに向かって恰好をつけるのではなく、他の親方衆のためにどれだけ汗を流せるのか? そうでないのなら、一部の支持者以外からは裸の王様にしか見えなくなるのでしょうね。

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2018年01月08日

雑感。相撲界の改革?

年明けから話題に事欠かない相撲界。今度は行司の式守伊之助による十代の行司へのセクハラ行為が発覚しました。泥酔した結果、としますが、男性社会で裸もあふれる相撲界だけに問題も大きい。世界ではTime up、セクハラとはオサラバ、という機運が盛り上がる中ですから、余計に日本の伝統である相撲界のこうした問題は厳格に対処すべきでしょう。
日馬富士の暴行問題に関して、協会への報告義務を怠ったとして、貴乃花親方に対する理事解任という処分が下されました。時系列的にみても嘘をついたことが明白なのですから、処分は仕方ありませんが、相変わらず「被害者に…」という論調も見受けられます。もし貴ノ岩関が『貴乃花部屋であること』を理由に、暴力をうけたなら貴乃花部屋を被害者としてもよいでしょうが、事件の経緯をみてもそうではない。なぜ「貴乃花氏が被害者」という論調をつかうのか? 皆目見当がつきません。

相撲界を改革する旗手、として貴乃花氏を応援するむきもありますが、そもそも格闘技でガチンコが成立するのか? 例えば白鵬で問題になったかち上げ、張り手ですが、横綱相撲としてふさわしくない、というのと同時に、では下位同士の関取がそんな取り口をしても、特に問題ないのか? それは奇妙な話です。それが肘打ちや掌底といった攻撃に巧みに偽装されたら、もしかしたら死者がでるかもしれないのに、禁止にしないのですから。
例えば立ち合いの際、相手の顔面に頭突きするような攻撃とて、可能となるでしょう。いくら鍛えた者同士、といっても顔の周りは鍛えられません。事実、本場所でも脳震盪に至ったケースもあり、こうした危険な行為は禁止して、初めてガチンコ相撲という形が成立するはずです。もし貴乃花氏がそういった危険な技について、もっと相撲協会の中で話し合って、その上でガチンコ相撲を推奨するなら理解できますが、今のままガチンコ相撲など取り入れたら、死者がでてからでないと何もしない、というに等しいと感じます。

貴乃花氏の師匠、貴ノ花親方が亡くなったとき、肉親に対しても自分が相撲部屋を継ぐのだから遺産を放棄しろ、と迫ったといいます。この一事をみても分かる通り、貴乃花氏は自分の目的のためなら、良い言い方をすれば「妥協をゆるさない」。悪い言い方をすれば「血も涙もない」。弟子を大事に…という言葉も、自らの目的のためには弟子に頑張ってもらうしかないから、そういう形にならざるを得ない、としか思えません。
相撲協会とて先に挙げたように「横綱相撲にふさわしくない」などと言うばかりで対策が後手であり、ルール化せずに忖度や察し、に任せている時点で無能です。モンゴル勢が裏で星を融通していることも問題でしょう。しかしそのカウンターが貴乃花氏のやり方では現役の力士に負担がかかるだけなのです。危険な行為を禁じた上で、さらに部屋間の交流はほとんどなくし、給料制は止めて出場料と勝星に比例した報酬制にする。そうすればガチンコ相撲となるでしょう。しかしそれは、今までの相撲ではなくなるはずです。それでよいのかどうか、それを踏まえた上で貴乃花氏の改革路線を考えないといけません。

個人的に、相撲にそれほど興味はありませんが、昔からガチンコだったのか? についても懐疑的に考えています。人が競う、特に格闘技でガチンコになったら、必ず悪どい手を考えつく者が現れる。相撲のルールに、そこまで精緻に練られた痕跡がないことからも、昔から忖度や、いい感じで折り合いをつけていたとしか思えないのです。始めてみて、やっぱりダメでした、では済まないからこそ事前の検討が重要ですが、貴乃花氏にそれを重視している風もない。やはりそういう面に、安倍首相と同じ危うさしか感じられない。相撲界もTime up、昔と決別してこれからを始めるなら、きちんと周りに気を配り、様々な目配せできる人間でないと、改革などできるはずもない、となってしまうのでしょうね。

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2017年12月27日

慰安婦合意の検証

高レベル放射性廃棄物の説明会に学生を動員していた問題で、調査報告書では新たに79人の学生動員が確認され、またNUMOから委託された企業、東電グループ会社の管理職などに参加を呼び掛けていたことが判明しました。これまでも原発の説明会では動員とみられる発言が相次ぐ、という事態がありましたが、それが裏付けられた形です。

韓国の文在寅政権の下、康京和外相直属の作業部会が、日韓の慰安婦合意に関する検証を行い、「被害者が受け入れない限り、政府間で不可逆的解決としても再燃される」とする報告を行いました。予想通りの結果で驚きもありませんが、そもそも国家間の合意といっても文書に残っていないのですから、双方が口伝するしか合意内容が後世に残っていきません。韓国では前政権を否定する形で、新政権が政策をすすめることが多く、朴クネ政権が交代した途端にこうなることは自明でした。朴クネ政権が不祥事で倒れたことにより、予想よりも少し前倒しされた、というぐらいのことでしかありません。
日本大使館前の慰安婦像は撤去されず、今やバスにまで乗っている。韓国にとって、慰安婦は一つのビジネスであり、慰安婦支援団体には寄付が集まり、慰安婦像をつくる人がいて、慰安婦関連で仕事をする人がいる。慰安婦像とはその宣伝、広告媒体であり、そういう人たちにとっての飯のタネです。言葉は悪いですが、慰安婦ビジネスには政治も関与しており、それを有権者へのアピールポイントにしている時点で、どの政権とどういう合意をむすんだとしても、次の政権になればひっくり返されます。そんなことは最初から理解しておかないといけないのに、安倍政権は「日韓関係はマネージ不能となり、受け入れられない」というだけで、韓国側の責任にのみ帰すつもりなのでしょう。

未だにワイドショーなどでは大相撲の話題も多いようですが、貴乃花親方は白鵬などのモンゴル勢を目の敵にしています、しかし言葉は悪いですが、ハゲタカを追いだしてハイエナを招く必要がない。つまり、悪い側と対立するのは、必ずしも善ではない。悪い人間をおいだした後で、さらに悪い人間がその地位を乗っ取れば、事態が悪化するだけです。
例えば、「被害者側が処分をうけるのはおかしい」として貴乃花氏を擁護する意見があります。しかし被害者は貴ノ岩関であり、貴乃花親方は関係者であっても、被害者ではありません。これを交通事故に喩えれば、貴乃花家に居候する貴ノ岩関がタクシーに撥ねられたとしても、同じタクシー会社に勤める貴乃花が「自分も被害者」などと言って、会社で高い地位を得ようと策動することに、何の正当性もないということです。

韓国は、儒教に基づく純粋な部分と、そうしたしがらみから社会的に捻じれた部分と、さらに為政者のだらしなさから常に侵略の危機に怯えてきた。モンゴルは、雄大なユーラシア大陸の中心部で厳しい環境に育まれた部分と、キャラバンを襲ったり、他民族と争ってきたり、といった猛々しさももつ。そうした国民性を理解し、日本的な考え方や伝統とそぐわない部分もあることを踏まえて、何事も考えないといけない、ということです。安倍政権や貴乃花氏は、自分の敵は悪、と見据えてしまう悪い癖がある。それでは対立の構図を生むだけ。しかも悪と対立する自分たちも、決して善ではないという致命的な欠陥も抱える。来年はそうしたことに少しでも気づく人が増えるような、そんな1年になってくれることを祈るばかりですね。

今年は今日までとなります。来年は1月5日から再開したいと思います。読んでいただいた方はありがとうございました。よい年をお迎えください。

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2017年12月24日

雑感、持続可能性の世界

20日に行われた相撲協会臨時理事会で、貴乃花親方が自分の立場を説明する資料を配り、回収した件について、組織の中で対立する立場なら当然で、弁護士の指示だろう、と八代弁護士が指摘したようです。しかしそうだとすれば、相撲協会側が下す裁定は、もっとも厳しいもので貴乃花一門の役職を永久的に停止、というものでしょう。自ら対立します、などという相手を迎え入れる必要もありません。言葉は悪いですが、今のところ貴乃花一門が相撲協会から去ったところで、イメージダウン以外で困ることがないからです。
貴乃花氏が間違えているのは、相撲協会という組織でのし上がりたいのか、相撲協会を壊して新たなものをつくりたいのか、どちらか分からない、という点です。貴乃花氏は相撲協会の利権を狙っている、という話もありますが、それと整合的なのは『相撲協会を乗っ取って利権を奪いたい』という戦略であり、なので早くから弁護士を絡めて行動している、ということなのでしょう。多数派となる前から、弁護士をからめた行動をとったら、まさに逆効果にしかならないのに、です。言葉は悪いですが、愚者はカリスマたりえる。愚者だけに、余計なことに気が回らないからで、自分の信じる道にまい進しているようにみえるため、カリスマになり得る。しかしその『信じる道』が『利権』というなら問題なのでしょう。

国連総会で、米国のエルサレム首都認定について撤回を求める決議に日本も賛成しました。米国が脅しをかけたことで注目を集めましたが、反対9、棄権35、欠席21と思ったほど米国の行動が逆風にならなかった。ムスリムを抱える国が多いこと、またアラブ圏との付き合いが重要、と考えた向きも多かったのでしょう。どうせトランプ政権との付き合いは長くても後3年。アラブ圏とは今後も付き合いをしていかなければいけないからです。
しかし日本の事情は異なります。これまでトランプ政権にすり寄り、親密さをアピールしてきた。トランプ氏は公約実現の一つ、として成果を喧伝してきた。世界にむけて脅しまでかけたのですから、かなり熱も入っていたはずです。それなのに安倍政権が反対できた理由、それはさらなる米国への貢献を約束したから、となるのでしょう。逆に、それ以外で米国が反応しない理由がありません。安倍氏自ら、トランプ氏とのホットラインをアピールし、北朝鮮問題では何度も連絡していたのに、この問題で連絡しないはずがないからです。しかしそれは公にせず、結果として日本は世界と同様、米国の動きに反対した、という体裁だけをととのえたのでしょう。実際、安倍氏が直接調整したわけでなくとも、北朝鮮の脅威を煽っている安倍政権が、ここで米国に反対できるはずもないのです。

京大農学部出身の今西氏の『主体性の進化論』では、「種が変わるときにはその種に属する個体が、皆同じように変わるのでなければ、種も社会も、その機構を維持していくことが困難になるだろう」とあります。つまり内的統一のない歪な社会では、存続不可能ということです。しかし実際には、多くの社会が歪な構造を抱えます。
しかし今西氏のいう「内発」は、その方が確かに良い、という状態をへて社会全体がそういう方向へと収斂していく。持続不可能なものが、持続できるという状態に変わらない限り終わってしまうからです。さて相撲協会、そして世界、どちらが持続可能性をもつのか? そしてそれにむけて収斂するのか? そうでない状態へとすすみ、結果的に崩壊へと向かうのか。相撲協会の主体性、世界の主体性、何が持続可能なのか、その選択に間違えたら、大変なことになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:26|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加

2017年12月16日

相撲協会と貴乃花親方と

相撲協会vs貴乃花親方、来週ともされる鳥取地検の処分まで、貴乃花親方が貴ノ岩関の聴取もふくめ、協力しないと伝えたことで長期化しています。正直、結果がどうであろうと興味はないのですが、双方の戦略を考えてみると、危機や問題への対処の仕方について、ヒントになるべき点があるかもしれない、と考えて再度、とりあげてみます。

相撲協会は危機対応の王道、従来の相撲ファンにむけ、着々と加点している印象です。毎日貴乃花部屋に出向き、封書を投函するなどもイメージ戦略ですが、それを貴乃花親方が拒絶するので、益々立場を悪くする。むしろ表立ってうけとれない、と見透かしてそうしているのであり、応対した女性が「FAXで…」とするのも、パフォーマンスは止めろ、と言いたいのでしょう。しかしその女性が応対にでない時点で、もう礼を失していることになる。いくら一般人で、顔を映せないといってもモザイクをかけてもらうなど、いくらでもやりようがあるでしょう。結局これは、貴乃花部屋全体で相撲協会との接触を避けよう、としているのが明白です。それは貴乃花親方の指示、としか考えられません。
貴乃花部屋の後援者などが色々と語りますが、これはマイナスでしかありません。例えば「相撲協会は情報操作している」などと述べても、貴乃花親方側もそれは同じであり、双方が放送されることを前提に行動しています。ただ相撲協会側が上をいっているので、不満を吐露した、となるのでしょうが、それが貴乃花親方側の焦りと感じられる。恐らく今、貴乃花親方の思っていたのと異なる方向にすすんでいるのでしょう。

これはそもそも両者が最終的にめざす方向性の違い、が大きい。相撲協会は相撲ファンにむけて対応し、相撲人気を落とさないことをめざす。一方で貴乃花親方は、モンゴル勢を敵視し、それを許している相撲協会を嫌悪しますが、最終的に相撲協会の改革をめざす立場。相撲協会と徹底的に対立したら、自分が天下をとったとしても、相撲協会自体が解体されかねません。後援者から「モンゴル勢はこんな悪いことをしている」などと語られますが、その証拠がない。そうかもしれないけれど、それを語るなら確たる証拠を示さない限り、ただの風説を流しているだけ、にしか聞こえないことになります。
「警察と検察を間違えていた」として、相撲協会への協力を先延ばししましたが、貴乃花親方側のブレーンはあまり頭がよくないのでしょう。こうした失態をつづけるから、余計に貴乃花親方の立場が悪くなります。それは単なる間違い、のことではない。もし貴乃花親方が、弟子ファーストで貴ノ岩のことを考えるなら、決してこの言葉はでてこないからです。つまり、協力できるタイミングは「貴ノ岩が快方したら」としなければならないのです。警察や検察の事情によって、協力できるタイミングが変わる、としている時点で、もう貴ノ岩の容態は問題ない、と述べているのと同じことになります。

しかし今回、あえて取り上げたのも、貴乃花親方を応援する、もしくは擁護する論調をとるのが、微妙に安倍政権支持層と重なる、と感じたからです。もしかしたら、貴乃花部屋後援者に、日本会議のメンバーが含まれるのか、それとも相撲協会の利権を貴乃花に奪わせ、政権に協力的な組織につくり替えたい、という策略でもあるのかもしれません。これだけ戦略ミス、失態を重ねても貴乃花親方へのバッシングが広がらないのは、そんな事情もあるのかもしれません。それは安倍政権を擁護する際、散々に繰り返してきたことだから、慣れているのでしょう。カリスマ性、という部分で安倍首相と貴乃花親方が重なる、と書いたこともありますが、両者とも本人の能力不足、資質が大きな問題です。『双方がぶつかる』という意味の『相撲』が、この両者だと『相方がほろぶ(撲滅)』という意味の『相撲』になってしまう点でも、似通っているといえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:34|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加