アメリカ

2019年05月06日

トランプ大統領による対中関税発言

トランプ米大統領が突如「中国の交渉は遅い。関税は25%に上がるだろう」とTweetし、世界的に波紋が広がります。今はまだブラフですが、一度でも口走ってしまえば後戻りは難しい。米朝交渉も同様ですが、トランプ政権の交渉術は1か0ではなく、+10か-100か、です。交渉に成功すると米国が得るものも大きいですが、失敗すると米国の損失は桁外れに大きくなる。強気を支持にむすびつけるため、安易な妥協もできず、かといって高めに放たれたボールは、米国にも大量の返り血を浴びせることになります。
トランプ氏はFRBに利下げを要求しますが、仮に中国製品に25%の関税をかけると、米国のインフレ率は跳ね上がるでしょう。そうなるとFRBは利下げではなく、利上げに転じないといけない。先のFOMCでFRBは利下げではなく、様子見を決めた。インフレ率の落ち着きは一時的、との認識を示し、米株や為替相場にも影響を与えましたが、インフレ率の上昇が利下げを織りこんでいた市場に大量の冷や水を浴びせるでしょう。

むしろ、中国の交渉術としては「米中交渉が上手くいく」で米株を買っておいて、上手くいかなくなったら売り浴びせればいい。そうするとトランプ政権は慌てて、対中交渉をまとめようとするでしょう。株価を成果とするトランプ政権にとって、それが痛撃だからです。今の株価は上がるから買う、買うから上がる、という循環しか働いていない。金余りで、それ以外のことが見えなくなっているのですが、急落により何十兆$が吹っ飛んだ、と報じられることがあるように、金余りの解消は一瞬です。相場が一斉に下落すると、ばらまいた金が紙くずどころか、露と消える。中国がその引き金を引くのかもしれません。
そこまでいけば死なばもろとも、となるでしょうが、交渉材料としてダウを数千$下落させるぐらいなら、世界経済へのダメージも少ない。何しろ、この環境で最高値圏にある米株は明らかに高すぎる。米中貿易協議が上手くいき、世界経済はさらに成長する、というシナリオを覆すだけで数千$の下落もストーリー的に成り立ってしまう。そしてそれはトランプ政権を痛撃するのですから、中国の対米交渉の一つの手段に、米株を操作する可能性もでてきてしまう。そして今や中国に、それだけの力があるのが問題です。

そもそも折り合いがつかない、とされる補助金ですが、米国とて5G の覇権を握るために補助金をだすとの報道もある。日本だって研究開発費に政府が金をだす。補助金は、実は世界的に行われていることであり、中国だけ規制するのはおかしな話です。その規模に関しても、何をどこまで政府主導ですすめるか? によっても変わってくるでしょう。結局、この話が折り合うことはない。それは国の政策として当たり前に行うことを規制するのですから、主権を放棄するのと同じです。それは米朝交渉でも同じで、他国なら規制もなく行えるミサイル実験を、安保理決議に違反するとして北朝鮮には禁止する。米国の示す条件を北朝鮮が受け入れれば、米国は大勝利ですが、それは北朝鮮が主権を放棄するのと同じことなのです。
果たして、今はトランプ氏もブラフでしょうし、市場が動揺すれば見直しがかかるかもしれませんが、米中協議がそう簡単に解決することはない、という認識が広がったことが、今回最も懸念される問題となるのかもしれません。市場には冷や水かもしれませんが、米中経済頼みの日本だけは、この動きによって煮え湯を飲まされることになるのかもしれませんね。

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2019年02月28日

米朝首脳会談は合意ゼロ

米朝首脳会談、異例の何も合意せず、という形で終わりました。外交交渉では首脳が会うのは事務方の調整が終わった後であり、それが今回はハノイでも続いていると報じられていたので、嫌な予感はしましたが、まさかの結果です。合意文書を準備するも、サインせずというのも不自然です。合意文書は調整済みだから準備するもので、今回の結果からみると合意文書をもってサインを迫った、が真相に近いかもしれません。
北朝鮮が完全な制裁解除を求めた、というのも違和感があります。制裁は国連決議であり、米国だけに解除を求める筋合いはありません。制裁の緩和、というなら話は分かりますが、その場合は開城工業団地の再開など、対韓国向けの一部でも解除できれば、北朝鮮は御の字だったはず。しかも北朝鮮が完全解除を求めるような材料を提示した、という話もでてきていません。交渉の道具として、初期段階では完全解除を要求するでしょうが、その話なのか? 今のところ米側だけの情報ですが、不可解さが残るものとなっています。

困ったのは日本、韓国です。日本は2回、拉致問題を取り上げたといいますが、まさに「取り上げた」だけなのでしょう。そもそも核合意さえできていないのに、拉致問題が議題になるはずもありません。米国頼みの交渉はたちまち頓挫し、安倍首相は「私が向き合わねば…決意する」などと言いますが、最初からそうすべき、という話です。しかも日本単独で交渉しても、国連の制裁決議をひっくり返す力は日本になく、また制裁決議を破って支援を約束することもできない。向き合ったところで「何しに来たの?」としかならないでしょう。北朝鮮は「拉致問題は解決済み」とするのですから、日本側から何らかの提案をしない限り話にもなりません。
韓国は文政権が親北をうちだし、それを経済の起爆剤にしようと考えていた。事実、今日の韓国株が急落したように、北朝鮮はビジネス的にも重要だったのです。しかし制裁が継続する以上、現在の苦境がさらにつづく。今さら日本に頭を下げるわけにはいかず、政治的に行き詰まります。明日から抗日を活発化させ、国民の目を逸らそうと画策しているようですが、経済的無策はそれ以上に文政権を追い詰めることになるでしょう。

ほそく笑むのは中露です。北朝鮮が頼るのは中露しかなく、制裁対象品以外の輸出入はつづいているように、中国がコントロールをつづけられる。経済的自立が遠のいたことで、米中貿易協議でもカードに使えます。露国も最近では兵器開発などで、米軍への圧力を強めていますが、北朝鮮が脅威で居続けてくれれば二面作戦がつかえる。アジアにおける露国にむけられる米軍の脅威は、かなりの範囲で減殺しつづけるといっていいでしょう。
最大の敗北は米国です。北朝鮮が焦っていた、という見方もありますが、それは物分かりのよさげなトランプ氏の間にある程度の決着をみせかたったから、でしょう。事実、米議会ではロシア疑惑が取り上げられており、トランプ氏が大統領でいつづけられる期間は短い。次はトランプ氏でないから、次回会合の日程も決まらなかった、とみることができます。恐らく、トランプ氏がここで成果をだせないと…と焦り、それを事務方が押しとどめ、それを振り切って合意文書を手に「これにサインしろ、悪いようにしない」と迫った。それを北朝鮮が拒否、というのが今回の会談の実情に近いように感じます。結局、トランプ氏の外交手腕のなさを露呈しただけです。

そしてこれは、経済的には最悪といえます。昨日、ライトハイザー米通商代表部が米中貿易協議に厳しい見方を示しましたが、来月の米中首脳会談でさえ、まともな合意ができるとは思えなくなってきた。今の株高をトランププットともしましたが、市場の期待を一気に冷ましてしまう可能性があります。米株の頭打ちも顕著になってきて、経済指標は悪化をつづける、不況時の株高という話まで語られるようになってきました。
無能なリーダーに率いられる今の世界のリスク、米議会で証言した元トランプ氏のコーエン顧問弁護士にむけて、共和党が「尻に火がついた」と批判していましたが、まさに世界全体のお尻にも火がついたのかもしれません。そんな中、嫌なことから目を背けてきた安倍氏の「ケツ意」にも火がついた、となるなら日本にとって好材料でしょうが、魂に火を灯すほどの情熱も傾けず、「拉致問題解決に全力を…」などと語ってきた人物に、そもそも期待するだけ空しい話でもあるのでしょうね。

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2019年02月23日

米中貿易協議は延長戦へ

世耕経産相がプレミアムフライデーでキャッシュレス決済をした際、ポイント還元を増やす考えを表明しました。やっぱり経済について何も分かっていない、ダメ閣僚ぶりを露呈します。そのために別システムを準備するムダ、切り替え時にトラブルを起こす危険性、そもそもプレ金など低調なのに、誰が喜ぶの? という不満。小売り企業も決済事業者も、誰もうれしくない。ただプレ金を推進した経産省だけが失敗を認めたくないため、改めてプレ金を流行らせたい、というだけのダメ政策です。こんな考えを大して精査もせず、表明してしまうぐらい経済のことを分かっていないだけに、存在感の薄い経産相と揶揄されるのでしょう。

米国では米中貿易協議が2日間延長され、来週まで期待をつないだこと。またトランプ米大統領が来月の米中首脳会談と、3月1日の制裁発動の延期を示唆したことから、米株は大幅高しています。しかし「為替問題に対して最終合意」「米国製品の輸入を1兆$規模で積み増すことで合意」と、割と合意はたやすいと思われるところだけで、知財保護や産業振興の補助金などでは「引き続き障壁が高い」と、米通商代表部もみとめているように、実際にはほとんどこれまで織り込んできた期待以上のものは、でてきていない印象です。
トランプ氏の発言も、従来からくり返してきたことです。それでも米株が上昇したのは、今週は上値が重く、流れが変わりそうな雰囲気があった。ここまで楽観、期待という材料で上昇させてきた主体にとっては危険な状態だったため、もうひと踏ん張りしてみせた、というのが本質でしょう。12月米小売売上高が低調だったように、米国も株安に怯えている。特にトランプ氏の最近の発言からは、市場フレンドリー感がにじみでるように、何とかして株高を維持したい、それを感じ取って市場も動いている、というのが昨今なのでしょう。

以前から指摘しているように「合意」とされたものも、他の項目が先送りになれば決着はしないはずです。例えば今後6年間で1兆$の輸入、という話でも中国が本当に6%以上の経済成長をしていたら、吸収できる数字ですが、成長が鈍化するとまず達成できない数字です。そしてこれが積み増しではなく、半導体や液化天然ガスなどの輸入先を米国産に切り替えるだけなら、それまで中国にそれらの製品を輸出していた国が困る、という話です。半導体なら日本を直撃するかもしれない。液化天然ガスなら露国や東南アジアの国々が困る。そして割高な米国産を買わされる中国企業はもっと困る、という話になりかねません。
米中貿易協議が成立しても、決してウィンウィンではない。それはよく意識しておくのがよいでしょう。米株は上昇していますが、シカゴの日経225先物は22日の東証終値をほとんど上回っていないのも、米国だけが得をするような取引では、周辺国は苦境に陥る。そしてそれが世界経済をおかしくすれば、回りまわって米国経済をもおかしくするでしょう。GAFAなどは世界で稼ぐ方が多く、そこが崩れれば米株も軟調になる。そうなれば米内需が崩れる、ということが昨年12月に体験したことです。

今のそういう方向にすすんでいる。果たして延長した2日間でどこまで決まるか? もしかしたら対中貿易の多い日本が、もっとも負の影響を受けるかもしれず、「ノーベル平和賞に推薦」という話で海外からも「トランプ氏の愛犬(ポチ)」ともされる安倍政権。そうなると、日本は米国から餌ももらえなくなり、経済も知らないダメ閣僚では野生化しても生き残れない。日本人を「ノーベル経済学賞に推薦」もできないような国では、対策も難しいということになってしまうのでしょうね。

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2019年02月21日

米中貿易協議で6つの覚書

北海道で震度6弱の地震がありました。胆振東部地震の余震なのか、それとも誘発されたものかは分かりませんが、前回でも北海道には脆弱な地盤が多いことが判明しているので、心配です。被害をうけた家屋など、くり返しの揺れで倒壊の危険も高まるものであり、震度6クラスでも被害が拡大しかねません。

国会でトランプ米大統領をノーベル平和賞に推薦したのかどうか、と問われた安倍首相が「同盟国なので配慮はある」と、事実そのものより同盟国としての立場を強調しました。しかし残念ながらそんな理屈、聞いたことはありません。米国は同盟国である日本に対しても、配慮のない対応を迫ることもあり、配慮するかどうかは個別に判断されます。日本がそうでないというならそれは同盟国ではなく、従属国の立場です。
5月26、27日にトランプ氏が訪日し、新天皇による初の海外の来賓として迎える、といいます。『初』に何の意味もありませんが、安倍氏はトランプ氏の就任前に会談するなど、ナゼか『初』に拘り、それを相手にも名誉として強いる傾向があるようです。ただそのトランプ氏、5月まで大統領で居続けられるか? その判断となるモラー特別検察官によるロシア疑惑の報告書が、月内にも提出される見込みです。ただ司法省がそれを公表するか? その内容が如何なるものか? 来週になったら注目を集めることになるでしょう。

そんな米国では、米中貿易協議で6つの覚書が準備、と報じられました。1.技術移転強要とサイバー窃盗、2.知的財産権、3.農業、4.サービス、5.非関税障壁、6.通貨、7.貿易赤字削減、8.実行メカニズムです。7と8は覚書に盛りこまれておらず、7は中国が対米輸入を増やす項目について、8は米国側が中国が約束した内容をどう確認するか? という内容です。6は何も決まらないでしょう。過小評価された人民元…などといっても、日本の円も韓国のウォンも過小評価され、監視対象国にされていますが、それを飛び越えて人民元のみ何らかの制裁をかけるのは難しく、かけるとすれば東アジア全体となり、大混乱に陥ります。
中国が妥協できるのは3と4、農畜産物の市場解放と、カード会社などの中国市場への参入ですが、どちらも日米欧などが参入したとて、勝てる見込みがありません。中国はせまい土地でムリやり農畜産業などが行われるので、抗生物質や薬が蔓延しており、それがさらに酷くなって安価となり、競争力をつけてくる。カード会社などは中国政府への情報提供を義務付けられることが確実で、また中国ではすでに信用コストによる融資などが始まっているため、追いつくのは困難です。むしろそれが分かっているから解放するのです。

1、2、5で折り合いをつけるなら、8の実現は難しい。進捗を計られ、未達となったら再び制裁発動などを受け入れたら、中国が罰を受けるようなものだからです。1の技術移転の強要自体は国際的に問題ありません。そんな国には企業が進出しなければよいだけです。サイバー窃盗にしても、米国側が犯罪の証拠をみつけだし、提示しない限りはただの口約束で終わるでしょう。5にしても、中国が半導体生産能力の増強に1500億$を投じ、それが米企業を脅かすとしますが、米国とてかつては補助金や税優遇などで産業を促進したはず。これらに対し、実行メカニズムを監視するなど、米国に都合よすぎる話ばかりとなってしまうのです。
果たして、上記1〜6で覚書をつくったとて、1と2は合意でき、3〜6は継続…などとなるのか? 私は難しいと感じます。むしろ合意するなら一斉で、できないならすべて継続協議。もしくは複数が合意できても発動はすべてが合意した後、となるはずです。そして途中段階では、米中首脳会談が開催されることはないでしょう。むしろ、米中貿易協議が決着するまで、トランプ氏が大統領でいつづけられるかどうかも、ロシア疑惑の行方が決めるのかもしれません。米朝首脳会談ばかりが日本では報じられますが、実はそれ以外の項目の方が、よほど日本にとっても影響ある、重要な問題と言えるのでしょう。ただ、それを「同盟国の配慮」とやらで日本が報じず、それこそノーベル平和賞どころか、犯罪者としてトランプ氏が政権の座から追われるのなら、初の『国賓』どころか日本の情報の『酷貧』ぶりの深刻度の方が、『初』と断じてもよいぐらいになるのでしょうね。

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2019年02月06日

トランプ大統領の一般教書演説

日経が『中国企業の業績急ブレーキ 1割赤字 1000社が減益』という記事を挙げました。しかし昨日もとりあげたフレーミング効果、それを狙った悪質なタイトルにも感じます。後半を『9割黒字 2500社が増益』と書くと、同じ内容ですが印象が大きく変わるでしょう。ただ、1〜9月期までは絶好調だった中国企業が、10〜12月期の急変で一気に悪化した部分もあり、警告という意味なら慧眼ですが、どうも最近の日経には誤解を与えるような記事も多く、今回は人目をひくために記事に不自然なフレームをかけたのか、それとも日本企業の業績悪化を過小にみせかけるため、かの国の方がひどいという印象を与えたかったとみられます。

トランプ米大統領の一般教書演説、サービス精神には溢れていましたが、内容は薄くて消化不足です。目立つのは北朝鮮との首脳会談に言及、壁建設は諦めず、破滅的貿易政策の転換が最優先課題、インフラ投資をすすめ、医療費や薬価の引き下げ、景気減速に神経をとがらせ、そのために党派的(ロシアゲート事件の)調査を止めるべき、というものです。アフガンの撤退も、トランプ氏の独断であって軍にも寝耳に水だったことが判明していますが、それも正当化する。最大に目をひくのは、「私が大統領でなかったら北朝鮮と戦争」という件です。
15ヶ月も核実験がない、ともしますが、今のところ慌てて実験する動機が薄い、というだけです。問題は、トランプ氏はここ数ヶ月のうちに米朝交渉で成果をだすことを強く望んでいる。それは大統領選にむけて…という事情ですが、それが上手くいかなかったとき、米朝戦争の危機が一気に高まるでしょう。戦争という言葉を軽々し口にした以上、トランプ氏の頭にはその選択肢が入っていることは明白です。そのときは米中貿易協議などはふきとび、米中戦争にむけて極端に緊張が高まることにもなってしまうのでしょう。

南米のベネズエラでも、マドゥロ政権とグアイド国会議長による綱引きの裏に、米中の思惑があります。反米政権をゆるさない米国と、現政権に貸し込み、原油利権を得ようとしていた中国と。米国はすでにCIAを動員し、経済封鎖をしていますから、ここで米国が勝利すれば中国の債務を棒引きさせるなども、米中貿易協議の交渉材料となるかもしれない。南米でおきていることも米中には大きく関係してくるのです。
こんな状況で米中貿易協議が進展することはないでしょう。とにかく対立する点が多過ぎて、またそれぞれが取引材料になるので、解決に向かうなら一足飛びですが、少しずつ解決は困難なのです。トヨタが決算を発表し、本業の方の打撃は少なかったものの有価証券の評価損で3558億円を計上しており、やはり出てきた印象です。バブル期の教訓で控えていた株式もちあいが、世界的な景気回復局面で油断につながり、増加していた。それが10-12月期で一気にマイナスに作用した。そして今の株式は回復といわれますが、米中短金利の逆転や金価格の上昇をみても、危機はまだ終わっていない。3ヶ月つづいた下落が一旦止まっただけで、下落局面がつづいているのなら今回の上昇は1ヶ月半、つまり2月半ばで終わり、また下落をはじめるでしょう。今はそれが起きるかどうかを見極める時期、相場循環を確認するタイミングに来ている、ということでもあるのです。

トランプ氏が神経を尖らせる、景気についてですが、米企業には中国の影響が遅れてでてくることになるでしょう。10-12月期は大きな影響もみられなかった、それは米国が最終製品を輸入するだけだからであり、中国へのサプライヤーである日本企業には過大な影響がでている。果たしてこれが一過性で終わるか? とてもそうは思えません。ロシアゲート事件も概ね捜査を終えつつある、という。もしトランプ氏が更迭されるような場合、市場がそれを好感するのか、悲観するのか。トランプ氏のファーストネーム、Donaldは古いケルト語のdubno(world)とval(rule)からなりますが、トランプ氏が世界のルール足り得るのか、それともルールによって権力の座から引きずり降ろされるのか、今や世界経済を米国一国で支える構図であり、大きなインパクトをもつだけに注意が必要なのでしょうね。

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2019年01月26日

雑感。米国の政府機関閉鎖は一旦解除

自民の森山国対が毎勤不正に関して「今回はさほど大きな問題はない」と述べました。恐らく、対応もつくし、国民が騒いでいないから、という意識なのでしょうが、海外からも「Liar Abe」とまで評される一端ともなっている事柄を「大きな問題はない」は、常識を疑われるレベルです。安倍首相が直接つく嘘だけでなく、統計データすら信用できない国。それが今の日本に対する海外の見方なのです。
ただ統計不正の問題で、統計の人員不足や資金不足により生じた、とするのは何の説明にもなっていないばかりか、逆に省庁の無能ぶり、悪質性を示すといえます。統計は本来、省庁にとって必要な作業であり、統計法でも決められた罰則すらあるものです。そこに人員や予算を割り当てていない、などというのは確信犯的な怠慢でしかありません。これを予算どり、人員どりの材料にしようとする悪質さであり、それをそのまま垂れ流すメディアはどうかしているレベルです。不正をしないともう正確なデータがだせないほど疲弊しているから、何とかしてくれというのならまだしも、不正をしていたけれど、それは人と時間が足りません、などという犯罪者のイイワケを、論評もはさまずに伝えているのですから。

米国では3週間のつなぎ予算が成立。壁建設費を含まないもので、一旦は政府閉鎖が解除されます。トランプ氏がこの民主党の法案をのんだのは、政府機関の閉鎖に対して国民の批判がトランプ氏に集まっているため、です。自身の支持層を満足させていれば大統領に再選できる、と考えていたら、ゆるいトランプ支持層であった保守層でさえ、トランプ氏から離れ始めている。一旦この問題を冷却させないとまずい、そんな判断もあったのでしょう。しかし今後、壁建設を成し遂げないと支持層が満足せず、それを強引な手法で成し遂げようとすれば、ますますゆるい支持層は離れる。大統領任期の4年のうちに達成すれば…と思っていたら、最初の支持が高くて議会がねじれていないうちに通しておけばよかった。後悔は先立たないものですが、ロシアゲートでも追い詰められてきて、泣きっ面に壁なのかもしれません。
しかし米国では政府機関が閉鎖され、データが出てこなくても、空港や国境などの手続きで混乱を生じても、政府職員の給与が支払われなくとも、国は回ってきました。恐らく日本でそうなったら、大混乱となるでしょう。逆に言えば、それだけ政府の関与が各方面で強すぎるともいえます。そんな国で統計の不正がおこったのですから、これは間違いなく「大きな問題」であり、早期の幕引きに失敗したように、安倍政権の適当な対応がさらに「問題を大きくした」ということも言えるのでしょう。

国民民主と自由の合流話がでてから、政界について報じられる機会が増えてきました。統一地方選を前にして、新元号などで話題をとられそうになる中、よくも悪くも野党が目立つことは自民にとって脅威となるでしょう。統一地方選で野党に勢いがでると、そのまま参院選になだれこむパターンが多い。通常国会は毎月勤労統計の不正が争点になるとみられ、4月まで引っ張れると野党にとって有利なのでしょう。
恐らく安倍氏は、新元号と今上天皇の退位と新天皇の即位で、統一地方選を乗り切れるとふんでいるのでしょう。今のメディアなら政治ネタを極力減らし、そちらに時間を割くとみられるためです。しかし再び米政府の閉鎖がおきたり、Brexitなどが炸裂すると、嫌でも政治ネタが増えてくるとみられます。もし日本でも、予算不足や人員不足で統計データもまともにだせない、などという官庁があったら、政府機関を閉鎖した方がいい。暴論であっても、そこまで強く野党が議論を主導していけるのなら、今の政治の流れに楔を入れることにもつながっていくのかもしれませんね。

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2019年01月19日

雑感。米国株の上昇と日本

米国株式市場が堅調です。私が耳にした一つの噂では、昨年末にトランプ大統領が複数の著名投資家と会談したことが知られています。株式市場の上昇を自らの成果としてきたトランプ氏は、株高を維持したい。そこで著名投資家に下支えを依頼した、というのです。当然、見返りはあるでしょう。ただそれは金銭的なもの、というより情報なのかもしれない。政府が公表する経済統計だけでなく、M&Aの情報や外交、貿易に関するものまで。そして今、市場を押し上げているのもその情報ですが、これがかなり怪しげです。
17日はWSJがムニューシン財務長官が「中国からの輸入品にかかる関税の一部、または全部を撤廃」と発言したと伝わり、相場が上昇しました。18日はbloombergが「中国が米国からの輸入を6年に亘って拡大」と提案したと報じ、相場が上昇しました。しかしムニューシン氏は米中貿易交渉ではほとんど力をもたず、実質的な担当であるライトハイザー通商代表はこの発言を否定していますし、18日は財務省報道官がbloombergの報道を否定している。つまり両日とも、噂で跳ね上がってはいますが、実態には即していないことになるので、非常に危険度が高い、といえます。特に、ダボス会議で米中の協議が期待されていましたが、トランプ大統領は政府閉鎖を理由に欠席を表明しており、代表団の派遣も中止する、といいます。もし仮にライトハイザー氏のみ参加しても、米中協議が進展する見込みはないでしょう。そして、こんなあやふやな情報で上昇してしまう今の米株市場には、リスクしか感じませんが、もしこれがトランプ氏と著名投資家の合意の上で為されているのだとしたら、メディアもグルになって演出されたもの、といえるのでしょう。

米中貿易戦争で日本が苦境…そう報じられますが、日本がとるべき手が一つあります。ふたたび技術大国となり、中国に技術力で勝り、米国にサービス分野で勝ることです。安倍政権のように「二番でいい」などと考え、米国にも中国にも気持ちで負けているような政権では、到底ムリな話でしょう。そして今から追いつき、追い抜くのはかなり大変です。ただ米中に主導権をにぎられたままでは、大国に弄ばれ、右往左往するだけであり、今後もそういう立場をめざすのが安倍政権の態度でもあります。米国には頭が上がらず、中国の成長にすがるばかりで、ここ6年で日本が置かれた立場はさらに悪くなったのですから。
立場が悪いのは日本の株式市場も同じです。売買代金は2兆円かつかつ、5年前は安倍ノミクス、黒田バズーカで盛り上がったのに、今や外国人投資家はそのころ買った分を、一生懸命吐き出している。18日も日系大手の日経225先物買いが炸裂しましたが、8時から円安をしかけ、ゆるゆると円安に向かいながら株を買う。円売りが止まると株買いも止まり、後場の値動きはほぼない。こんな分かり易い手口をつづけるのも、自分たちが買うから周りも買え、として買いを誘発する戦略なのでしょう。ただし、それが成功している気配もなく、日系大手が買い手トップになってしまう。周りはそれ以上に売買していないのです。

電動自動車も、自動運転も、次世代通信技術も、今や日本はその二番手にもなり得ていません。株式市場の規模もそうです。民主党政権の時代「2位じゃダメなんですか?」が嘲笑されましたが、安倍政権の時代は「3位にも入れない」。もう笑っている場合ではありません。米中貿易戦争、この隙にトップを狙うぐらいの戦略もない政権では、日本が落ち目になっていくばかりです。米国では『嘘から出た実』を信じ、上昇するぐらいのアニマルスピリット。日本の安倍マルスピリットでは、揉み手擦り手でついていくことしかできず、とてもではないが太刀打ちできるものではないのでしょうね。

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2019年01月06日

最近の米中の動き

安倍首相が韓国における徴用工訴訟で、資産差し押さえ請求に対して対抗措置の検討に着手、とNHKの番組で述べました。今ごろ着手? 違和感もありますが、発言により韓国側にプレッシャーをかけたいということでしょう。しかし韓国海軍によるレイダー照射問題といい、今や日韓は互いに緊張を高めておく方が、政治的に利がある。それだけ内政に行き詰まり、外敵を利用する状況にあるといえます。しかもそこに沖ノ鳥島付近を探査など、中国も参戦してきて、今やアジアは政治的緊張を高め合う展開となっています。
これが深刻なのは、中国は一時期、米中貿易戦争の回避地として日本に期待してきた。日本も財界の要請で中国に接近し、互いに利を享受できる関係だという認識を高めていた。それを中国側が蹴ってきたのは、日本に期待できない。それは媚米主義の安倍政権がファーウェイ排除に動きだした、という以上に、外部要因に脆い日本経済では、中国経済を支えるのは厳しいとの認識も広まったためでもあるのでしょう。

その米中貿易戦争、米国はトランプ氏が大統領の間に徹底的にやる、そう決めたようです。私も記憶が定かではないのですが、年末に米捜査官という人物がインタビューでテレビに出演、中国のハッキングなどの不正について語る、という映像が流れました。しかし新聞ではほとんど報じられていない。テレビで報じるほど重要だったにも関わらず、新聞の扱いが小さいのは、印象操作をしたいときにありがちです。逆に言えば、米国はまだまだ米中貿易戦争をつづけるので、日本側も協力するよう国民に対して中国の悪い印象を付ける狙いがあったのでしょう。米国は徹底的に中国を叩くつもりです。
中国版GPSが運用を開始したことでは、軍事利用というより個人情報を盗む目的の方が大きい。GPS搭載端末をもっているといつでも位置が補足でき、それこそ暗殺するにも容易です。またビッグデータと合わせれば、その国の人々の流れも把握でき、マーケティングにも利用できる。GPSのメリットを考えれば、中国が覇権をにぎろうとしてもおかしくありません。そういう面でも米国との対立軸がでてきたのです。

月の裏側に無人機を着陸させたのも、米国への対抗です。月の利権を中国がにぎる。いざとなれば中国人を月に移住させる、なども行ってくるでしょう。それは南シナ海でとった手法と同じです。表面は米露が探査しているので、裏側でも自分たちが発見、権利を主張できるものを握ろうとの思惑でしょう。
今ここで、経済面だけで戦争しているわけではない。あらゆる面において、中国の伸張を抑える必要がある。しかし技術や軍事力ではすぐに抑えきれない。では何をするか? 経済面で弱点をついて中国を破綻に追いこむ。その弱点とは何か? それは債務問題です。恐らくそれが破裂するまで中国を追いこむつもりです。米国も返り血を浴びますが、その負の部分をトランプ氏に引き受けさせ、失意のうちに大統領を去らせる。なので、ここ1年半が勝負となるのでしょう。今年、経済の予想を立てる上では米中関係は必須なのに、薄っぺらい分析が多いのも、実はそれが知れると世界中を動揺させるためでもあります。トランプ氏は年末、著名投資家と会談をもった、ともされますが、Tweet好きのトランプ氏が一切それを公言していない。その密約の中には、恐らく米国の意思が見え隠れもするのでしょう。それをトランプ氏が知らされていない可能性は高く、それを知ったときには最もトランプ氏が驚愕することになるでしょう。今年、財界が考える最も警戒すべきリスクはトランプ氏、だそうですが、実はその背後にあるものの方が、世界経済を低迷に導く主体、という方が正解でもあるのでしょうね。

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2018年11月07日

雑感。米中間選挙

米中間選挙、現時点で上院は共和、下院は民主が多数となりました。今回、両院とも共和にとって有利な状況でした。上院は改選議席数が民主が多く、下院では区割りで優遇されていた。それでも上院では大した上積みができず、下院も逆転される。トランプ政権にとって懸念されるのは、特定の支持層だけを固めても投票率が上がると通用しない、という点です。財政を痛めてでも減税をやって、国民を喜ばせれば勝てる、などという甘い状況ではない。このままでは2年後には確実にトランプ氏の再選はならず、共和は大敗でしょう。
日本への影響は、トランプ氏が成果とできるものを日本側が準備できるか? によって決まります。準備できればその範囲で止まりますが、準備できなければ圧力が止まらなくなるでしょう。しかもすでに日本は米兵器を大人買いしており、さらに上積みすれば防衛費の拡大が止まらなくなり、これは難しい。なのでTAGなどと国内的に嘘をついて始める通商交渉では、相当の妥協を迫られることになるはずです。そうしないと自動車関税など、不利な立場に追いやられることになり、安倍政権の交渉能力が疑われることになるのですから。そうなる前に何とかしないと…というのがここから2年の戦略となるはずです。これまでは日米同盟の強固さをアピールし、対中、対移民などの対外強硬策をとってきたトランプ政権ですが、そちらの問題が片付くと日本は用済みですから、そのとき本当の関係がみえてきます。

今日の株式市場では、前場に「下院も共和」との観測が流れて急騰する場面もありましたが、結果は小幅下落でした。それもそのはず、9月の景気動向指数は、一致指数と先行指数がともに下落し、しかもプラス寄与した項目はゼロ。基調判断を「足踏み」と下方修正しました。9月の毎月勤労統計では、実質賃金が前年同月比0.4%減で2ヶ月連続で減少。安倍政権で実質賃金がプラスになったのは昨年だけ、しかも昨年は消費者物価指数がマイナスとなったから、という状況であり、今年も9月までの段階ではマイナスなのです。日本は不景気一歩手前、こんな状態で株価だけ上がったら、それこそ実態を反映していないとなります。
確かにトランプ政権は中間層への減税を公約にかかげており、それが実現されたら一段高というシナリオもある。ただトランプ政権で膨らむ財政赤字は、危険水域に入るとのシナリオもある。金利が上昇しやすくなっており、それが景気を冷やす可能性が上昇するのであり、10月の急落局面も金利上昇で引き起こされたとすれば、まったく予断をゆるさない話です。ここからは揺らぎがポジティブにも、ネガティブにも反応しやすくなるのです。

米国でも予想通りとの受け止めですが、市場関係者からも「公共工事が増える」「保護貿易がつづく」と語られます。どちらも民主の政策に近いですが、わざわざトランプ政権に得点を与える必要はなく、財政の問題を考えても、合意は得にくいでしょう。外交はトランプ政権の専権事項でも、貿易は異なる。議会の承認をうける必要があるものもあり、NAFTA合意なども含めて、議会承認は通りにくくなるはずです。トランプ氏の分断の手法では議会の合意が難しくなり、停滞を迎えるのはほぼ間違いないということなのでしょう。
しかし米国では、そうして2年を我慢してもトランプ政権にNOという人が多かった。しかも若者は7割近くが民主に投票した、との出口調査もある。銃を所持し、白人を優遇し、借金して今を楽しむ、そんな古い考えにもNOといえる若者が多いのは、米国の健全さを感じます。しかし2年間は、まちがいなく米国が不健全な状況に陥る。その間に、絶好調な米経済が傾くリスクにも注視しつつ、今後の世界情勢を考えていかないといけないのでしょうね。

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2018年10月05日

雑感。AppleとAmazonにデータ盗用チップを埋め込まれた、との報道

安倍政権では経済統計の信ぴょう性が著しく低下していますが、8月の家計調査で消費支出が前年同月比、実質で2.8%増になった、とします。猛暑でも消費が増えたのは夏の賞与が増えたから、とその理由を説明しますが、明らかに嘘でしょう。交通・通信が15.1%増で、自動車関連が伸びたとしますが、西日本豪雨災害で自動車に被害の出た人が、修理や新車購入などで出費したとみられます。豪雨災害で、特に土砂や鉄砲水などの被害の場合、駅の近くよりも駅から離れた場所が主です。そういうところは自動車が必須であり、家が残っても自動車が壊れたら生活ができない。避難所も駅や商店などから遠く、買い物もままなりません。西日本豪雨災害は広範に及ぶため、被害から一月経ち、落ち着いたところで自動車に対する支出が増えた。大きな出費となったので押し上げただけで、家計は余裕をなくしたとみられます。何より、8月の実質の世帯収入は前年同月比0.6%減なのです。

米国の経済統計も大丈夫? というほど強いですが、そんな中でペンス副大統領による「中国が民主主義に介入している」と演説しました。トランプ氏は脱税疑惑、不倫口止めに選挙で集めた資金をつかった、などの醜聞がてんこ盛りで、トランプ政権が指名した連邦最高裁判事のカバノー氏は暴行疑惑で、公聴会で証言するなど踏んだり蹴ったり。そんな中、中国叩きは米国内でもかなり好意的にうけとめられることから、目くらましのためと、中間選挙の前に布石を打っておき、中間選挙で負けても中国のせい、として責任逃れにもなります。
そんな中、BloombergがAppleとAmazonが、Supermicro社製のマザーボードに中国人民解放軍がチップを忍び込ませ、データを盗まれたと報じました。しかしAppleもAmazonも即座に否定、Bloombergの指摘した部品はあまりに小さく、単純なICチップではアクセスは困難、と専門家も否定します。しかもSupermicro社製のマザーボードは米軍にも納品されており、FBIや政府関係者がそうした事実をつかんでいるなら、即座に交換されているはずだが、そうした動きはない、として完全に否定される、とします。ただ最近のBloombergといえば、相場操縦に手を貸すメディアとしても有名で、今回もSupermaicro社の空売りに手を貸したのでは? と噂されます。恐らくは今回のBloombergの報道も、噂通りなのだと考えます。

ただペンス副大統領の演説といい、あまりにタイミングがいい。中国ならやりかねない、という疑念と上手く合致させた。しかもFBIもすぐに否定したわけではない。航行の自由作戦を展開していた米艦艇と、中国駆逐艦が異常接近した、という事例も重なった。米国人が中国に向ける目を厳しくする中で、Bloombergの記事がでたため、大騒動になりました。
しかももしこれが空売り、相場操縦があったとした場合、これまでトランプ氏は世界政府があり、グローバルな金融もそこに依拠しており、だから庶民は潤わない。庶民は虐げられているのであって、トランプ氏はそんなシステムに対抗する人物、として扱われていた。しかしこの相場操縦に加担していたとすると、トランプ氏そのものがグローバル金融の申し子、庶民を騙す側にいる、ということになります。単純に空売り勢が、トランプ政権の動きに便乗した、というのでない限り、そうした疑念が米国民にも広がることでしょう。

中国側としても、一時的な緊張の増幅は、その後に緩和へと向かいやすくもさせる。「もう緊張を高めることはしない」というだけで、それは妥協のカードになるためです。さらに米金融に手を貸した、ということになるのか? 露国のスパイ容疑も続々と報じられますが、世界の経済が小康を保っている間に、余裕のでた国が軍事や諜報活動などに、精をだしてきたことも間違いないことです。そして今度は、それを利用して国内の引き締めをはかる米国。そんな中露と、接近しようと盛んに働きかける安倍政権。日本の場合、マザーボードに埋め込まれた盗聴チップより、世間に埋め込まれた嘘のチップの方が問題なのかもしれません。そのうちBloombergが安倍政権のヨイショ記事などを書き始めたら、要注意なのかもしれませんね。

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2018年09月27日

日米首脳会談、TAG?

日米首脳会談が行われ、FTA(自由貿易協定)ではなく、TAG(物品貿易協定)の成立させるための共同声明が発表されました。当初、市場にもヘッドラインだけ聞いて、自動車関税は先送り、農畜産物についてはTPPの枠内で、ということで好感する向きもありましたが、内容が伝わるに従い、評価は悪化の一途をたどり、安倍政権の交渉能力の欠如を嘆く意見の方が増えました。まず、茂木経産相は「FTAとTAGはまったく異なる」と述べますが、私の解釈ではFTAを二段階にして、最初に物品を、次に商取引や投資などを話し合うというだけのことで、実態はFTAそのものです。実際、共同声明にもTAGを締結した後、投資などの話し合いに移ることが明記されており、要するに、二国間交渉(FTA)を拒否していた安倍政権が、TAGとして物品の交渉を優先させることで、意見を違えていないとの体面を保っただけのことです。

自動車関税は先送り、とされますが、話し合った結果として何%の関税がかかるか、分からないのであって、TPPでは現状とほぼ変わらなかったはずで、よくて引き分け、悪ければ大敗の可能性もある。さらに米国での製造を増やすことが声明に明記されているため、関税が変わらずとも日本での製造する数量は減っていく。悪い観測では、米国への製造移管、その進捗度合いによって関税率が変わることはすでに合意され、最悪は25%か、それ以上の関税率になる可能性もある、という話もでています。要するに、これは猶予期間でしかないのです。
農畜産物では、TPPの枠内としていますが、関税率はそうでも数量については変更の余地があるのではないか? つまりコメと同じで輸入数量が決められ、日本政府が一定の枠を買う。それを流通させたら、国内の生産者が大打撃をうけるので、結果的に廃棄せざるを得ない。そうすることで影響を軽減するなら、結果的に日本は大損する、という話です。しかも昨日も記したように、WTO改革では補助金をだして産業を保護することに罰則をかける、というのですから、農畜産業への補助金をだすこともしないかもしれない。自動車産業を守るため、米国に日本の農畜産業を売り渡した、としても強ち間違いではないかもしれません。

そもそも対米貿易黒字の大半は自動車関連産業なのですから、そこを削らない限り、トランプ政権が満足する結果が得られるはずもないのです。農畜産物とて、他の地域との競争という話であって、関税を引き下げたからと言って劇的に増えるわけでもない。自動車産業を守りたい、という安倍政権の態度では、他の産業に大きな負荷がかからざるを得ないのです。
今回も、安倍政権は目先の問題を先送りしただけ、しかもその後にはもっと悪化することが間違いない。TAGなど、おかしな交渉の仕方を受け入れてもらう代償に、何を失ったかはこれから分かるでしょう。それは安倍政権が体面を保つためだけに、日本が失った代償という意味でもあります。TPPに拘り、FTAを否定した、その戦略的失敗のツケを日本の生産者や消費者がうけることになる、ということでもあるのです。結局、TPPも米国が抜けたことで日本にメリットなし、むしろ損失が増えるとの見立てもあり、米国とのTAGでもそうなる可能性は十分ある。いえ、もうそうなっている、ということなのかもしれません。

勝ってもTPP以上にはならず、負けるとTPPより悪い結果となる。これを負け、と言わずして何とするのか? tagは英語で『値札』などの意味もありますが、野球では『タッチアウト』の意味もあります。安倍政権はタッチアウトで負け、なのです。野球は最後に攻撃した側が負ける、というスポーツの中では面白い仕組みがあります。ただサヨナラゲームもあり、最後に攻撃した側が勝つこともできる。ただ安倍政権では、最初から最後まで攻撃されっ放しで、このままでは完全試合で負け、の道をただ突き進むだけなのでしょうね。

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2018年09月25日

日米通商協議が1日延期

貴乃花親方が日本相撲協会に退職届けを提出しました。権力闘争で負けた末であり、虚実まじった告発文を退職理由に据えたものの、実際には一門に加わると下っ端になることを嫌った、と推察されます。前から気になるのは貴乃花氏への質疑の際、家族の反応を問われ「『そう』と聞きました」弟子の反応は「涙する子がほとんどだが、側面から見守っていく」と、必ず主語が「私」になってしまう点です。私がそう聞いた、私が見守る、とするのです。
8月末に文書をうけとった、場所後半に別の親方から口頭で言われた、などと有形無形の圧力を語りますが、それを周りと相談もせず、今朝になって重要な決断を伝えるだけになる。相手の立場になって物事を考えられない、貴乃花氏の最大の弱点だといえるでしょう。むしろだから相撲では成功しても、親方業では上手くいかないのかもしれません。貴乃花氏を擁護する向きも多いですが、組織で上手く立ち回れない者の悲哀、そんな顛末だけのことです。

安倍首相が訪米し、トランプ大統領と居室で通訳だけ交えて会談しています。しかしゴルフをするため、わざわざ日曜に渡米した日本側の要請が受け入れられず、先のTwitterでは「支援してきた」とまで釘を刺され、この会談がただの親密ぶりアピールとは到底思われません。しかも直後、FFR日米通商閣僚協議が1日延期された。事務方の調整がつかないわけでない、としますが、閣僚が会っても仕方ないから1日延びた、と受け止めるのが自然です。
米国の事情は、月内にはカナダとのNAFTA再交渉に決着をつけなければいけない。2000億$の対中制裁関税を発動し、中国からは通商協議の継続を拒否された。NAFTA再交渉がまとまらないと、合意したはずのメキシコも通商協議をやり直す可能性がでてきます。つまり中間選挙が終わるまで、各国とも米国と交渉しない可能性がでてきます。そうなるとトランプ政権は成果なし、むしろ農畜産業では反トランプの動きも広がり、選挙で大敗する可能性もでてきます。

総裁選が終わるまで、日本叩きをせずにおいたのだから、これからは協力しろ。それがトランプ氏の言い分でしょう。しかも、2人きりの食事会後の安倍氏の表情から困ったという風はうかがえず、粛々と受け入れた様子だった。今頃、事務方は双方がメンツを立てた上で、米国の意向を最大限にうけいれるための条件設定に腐心しているところかもしれません。
日本の立場は、米国をTPP交渉にひきもどすこと。選挙公約を破ってまでTPPを推進したので、そこがマストです。であるなら日米の合意は「米国がTPPに戻る(かもしれない)との意思を前向きに受け止め、米国側の要求をのんで、農畜産物の解放をすすめる」となることでしょう。それ以外に自動車や機械、電機への影響を回避する術がない。突如、思いついたようにJA叩きを始め、熱病のようにすぐ止めた安倍氏には、農畜産業の未来を本気で考えたこともないため、そこで妥協しやすいのです。そしてそれは米国で反トランプの動きが広がる農畜産業に対し、成果としてアピールできる点も大きいので、細かい決定事項は後になるとしても、中間選挙の前には何らかの合意まで進んでしまう可能性があります。

新潮45が休刊を発表しました。社長の反応も謝罪になっておらず、編集長が一切でてこないまま、トカゲの尻尾を切ったのでしょう。言論の場でもあるので、右から左まで様々な意見があってもよいですが、批判をうけたものの擁護に回れば、それは意見を偏らせたとみなされる。それはもうオピニオン誌を捨て、色のついた雑誌になることを意味するのです。
新潮の創業者、佐藤義亮氏の「良心に背く出版は、殺されてもせぬ事」は、『出版』の部分を替えると様々なものに当てはめることができ、かつ責任ある人は必ず守らなければいけないこと、です。しかも、そもそも『良心』が欠落していた場合、そこに歯止めがなくなることにも注意が必要です。良心があったら、あんな出版物を世に出してはいけないことに気づくでしょう。良心があったら、米国と安易に合意してはいけないことにも気づけるはずです。ちなみに、『良心的な』という意味でstraight dealingという言葉もありますが、これは『公正な取引』も意味します。果たして、日米の交渉に『良心』があるのかどうか? すぐにそれが試される場面がでてくるので、注意も必要なのでしょうね。

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2018年07月18日

米大統領選に新たな疑惑

円が独歩安です。「改めて金利差に注目して…」などとも語られますが、現状、金利が動いているわけでもなく、この円安を説明しきれない為替アナリストが苦肉の策で語っているものでしょう。特に、日本時間の朝8時にすっと円安に動くなど、日系の金融機関がちょうど動きだすタイミングでもあり、手の内を明かせない事情もあるのでしょう。
サッカーの本田選手と米俳優のウィル・スミス氏が、110億円のファンドを立ち上げ、米ベンチャーに投資、という報道も一役買ったでしょう。日本で資金を調達し、米国で投資するので円売り需要が発生します。というより、今そうした動きが多い。また西日本豪雨災害により、日本経済に期待がもてないのと同時に、復興には国債増発懸念もある。今、安倍政権は矢継ぎ早に対策をうちだしているようにみえますが、実際にはほとんど歳出が含まれておらず、中身がスカスカですが、実際には多くの予算を獲得しなければいけません。そんな日本から資金が逃げだしている、当然と言えば当然の動きでもあります。

しかしドル独歩高になりつつある米国は、大変な問題が発生しています。米露首脳会談で、露国による選挙介入はなかった、と述べて訂正を迫られるトランプ氏ですが、その選挙はとんでもない茶番だった、という話です。全米でトップシェアをもつ投票機メーカーのシステムに、リモートアクセス用のソフトウェアがインストールされていた。通常、クローズで運用されるはずが、インターネットに接続していたことも確認されたことから、いくらでも数字を弄り放題だった。しかも、元々WindowsXPベースでシステムが設計されているため、脆弱性が指摘されていたものが、そのソフトウェア自身も脆弱で、ハッキングされていた場合は勝手に第三者がその数字を操作することもできた、というのです。
メーカーとしては、システムの更新にも利用していたようですが、露国や北朝鮮のように国家ぐるみでサイバー犯罪を仕掛ける国であれば、こうした脆弱性をみつけたら、利用しないはずがない。まだデータ改ざんがあったかどうか、介入があったか、それは不明ですが、これから捜査が始まることは間違いなく、もしそれで先の大統領選の不正がみつかったら、一体どうなるのか? 実は国民が選択した大統領でなかった…となったときの米国のダメージは計り知れないものがあり、今後の動きには要注目といえます。

日本では紙の投票券なので、脆弱なシステムで…ということはありませんが、今回の公選法改正で入った『特定枠』は、かなりスジが悪い。国民が投票した人物ではなく、党が勝手に指定した人物に国政を委ねるばかりでなく、ますます党総裁へと権力が集中し、特定枠に選定してもらえるよう阿り、すり寄りが強まることでしょう。安倍政権で強まるオトモダチ政治が、これによってさらに強化されるため、総裁選にも影響するはずです。
演出家の浅利慶太氏が亡くなりました。中曽根元総理の演出もつとめ、政治にショウ的要素を付加した人物としても有名です。しかし今や政治にショウマンシップすら必要ない。メディアが法律の問題点やその影響を正しく報じないため、国民がその弊害に気づくまで政治の問題とは考えないためです。演出すら必要ないほどの茶番劇、しかし観客ですらない国民はみていなくても、政治をじっとみつづける経済の分野では、じわっと円が逃げだしている。円安で株高、といっても売買高は2兆円強とまったく盛り上がっておらず、これが現状の日本を映すのでしょう。安倍政治という壮大な舞台、そのエンディングがいつになるのか? ただその終幕がどうであろうと、悲劇に見舞われるのが国民、という事態だけは変えようがないのかもしれませんね。

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2018年06月08日

日米首脳会談について

内閣府が発表した5月景気ウォッチャー調査、現状判断DIが前月比47.1と1.9pt下回り、先行き判断DIも前月比49.2と0.9pt下回った。これを受け、内閣府も消費マインドを下方修正せざるを得ず、1-3月期GDPの改定値も速報と変わらず0.6%減でしたが、4-6月期は回復するとの市場の見立てを、この景気ウォッチャー調査は否定する数字です。原油高、円安による資源高騰の煽りを受けており、賃金も伸びていないことから消費にはしばらく期待できない。世銀も日本の成長率を下方修正するように、かなり景気は悪いかもしれません。

日米首脳会談が行われました。トランプ大統領は拉致問題を「必ず、必ず議題にする」とし、安倍首相が「提起してもらえることを嬉しく思う」と語った。その後で自身が日朝会談で解決する、と述べた。つまりこれは、拉致問題を解決するのは日朝会談まで先送り、という意思表明です。トランプ氏は交渉カードとして拉致問題をもちだせばよく、低いハードルになった。拉致問題を米国に解決してもらおう、という当初の目論見のせいで、国内で盛り上がった期待を下げるために今回確認し合った、という質の悪い話です。
しかも安倍氏は「完全に一致」とする圧力も、トランプ氏はその文言を使わないことからも「完全に一致」しているとは思えない。日本を無視しても、米国が制裁解除に動いてしまう可能性を残した、といえます。そもそも『あらゆる射程の弾道ミサイルを放棄』など、北朝鮮に武装解除しろ、というようなもの。それがないと制裁解除しない、などと要求するのは敗戦国でない限り難しいのです。核の「完全、かつ検証可能で不可逆的な廃棄」も、そんなことができれば苦労しない。もしそれを最終ゴールとするなら、北朝鮮が暴発するか、本当に敗戦国のようにひれ伏すか、どちらかの道をたどることになります。

しかも、ここに来て焦点は朝鮮戦争終結になってきた。これは単純に、今後戦端を開くのが停戦合意の破棄から、宣戦布告になる、というばかりでなく、米軍が韓国に駐留する理由を喪失するものです。再編をめざす米軍にとっても渡りに船、脅威の去る北朝鮮にとっても望ましい。今後、延坪島への砲撃や艦船への攻撃など、挑発的戦闘行為がやりにくくなりますが、北朝鮮にとってメリットがある。最大は、韓国との経済活動がしやすくなることで、実質的な制裁解除の効果が得られることも北朝鮮は想定しているでしょう。
安倍氏の語る「圧力で完全に一致」も、どこかで一穴が開いてしまえば、後は堰を切ったようになし崩しになるのです。もし日本がその戦略を維持したいのなら、米国ばかりでなくアジア諸国を巻きこまなければいけません。しかしその努力を一切怠り、米国にすがって何かを為そうとする。今回のように、米国が梯子を外しかけると、慌ててご機嫌取りに向かわなければならない。記者会見でトランプ氏が「日本は10億$の兵器や航空機、農産品の購入を約束した」などと、トランプ氏の守られるかどうかも分からない言質を得るために、それだけのバラマキをしてこなければならない、との理不尽に遭います。

今回も「日朝平壌宣言に基づ、不幸な過去を清算し、国交正常化し、経済協力を行う用意」と安倍氏は述べます。しかし『不幸な過去』に拉致問題は入っていないのです。それは戦時賠償の話だけ。この宣言にこだわる以上、安倍氏は拉致問題を解決する気ゼロ、とみなすことができます。米国から拉致問題を『提起』してもらうだけで、安堵してしまう安倍氏は、むしろ『埒が明かない』ことを望んでいる、といえるのかもしれませんね。

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2018年06月02日

雑感。米朝交渉は日本にとって好ましくない結果か?

米5月雇用統計が非農業部門の雇用者数で22.3万人増、失業率も前月から0.1pt下がった3.8%となり、米経済の底堅さを示しました。また平均時給は前年同月比2.7%増と、伸びが小幅にとどまり、強すぎて利上げ加速とならず、弱すぎて景気後退懸念、という両面を回避した、まさに絶妙な数字をだしてきた、ともいえます。ただ、ここには原油高によるシェールオイル関連や、鉄鋼・アルミ関税に伴う米鉄鋼業界への回帰、といった思惑も働いているとみられ、原油は下落局面に入り、また関税は各国からのWTO提訴が相次ぐ。米製造業に吹くこうした逆風を今後、織り込んでくるとしたら厳しくなってきます。

イタリアの政局不安も、とりあえず組閣できたことで小休止。米国では米朝会談に注目も集まりますが、ここにきてトランプ大統領は「最大限の圧力はつかわない」「複数回の首脳会談」「12日に合意文書をかわすことはない」と、相次いで日本を置いてきぼりにするツイートをくり返します。しかも朝鮮戦争の終結についても話し合うかも、といい、米朝の親密ぶりが際立つ形となってきた。北朝鮮の主張をかなりの部分、取り入れることになるのかもしれません。トランプ氏の12日会談見直し発言でで、北朝鮮が慌ててすり寄った、という見方もありますが、北朝鮮ペースで交渉が進んでいるようにも感じます。
しかも北朝鮮への支援は日中韓で、とトランプ氏はツイートする。シンガポールで飲み食いしたツケ、伝票は日本に回ってくるようです。これで困るのは日本です。拉致問題が解決していない、として断ったら、朝鮮半島の非核化が達成できなかった責任を日本に押し付けられます。日本の立場を理解してもらうには、かなりの時間と説明を要するでしょう。逆に直前とされる日米会談が、かなり重要なものとなってしまいました。

しかも、その後のG7での日本の立ち位置も問題です。麻生財務相は「流れをみて」WTOへの提訴を考える、としますが、欧州やカナダはすでに提訴を明言しており、日本も加われば米国包囲網が完成です。そうすれば関税障壁を撤回させられるかもしれない。逆に、日本は米国側につき、媚びをうることもできる。自動車関税を引き下げてもらったり、それこそ拉致問題の解決をお願いしたり、といったことも考えられます。
さらにもう一つ、安倍氏は訪米すると必ず市場関係者を前に講演し、日本への投資をお願いしてきた。日本株が上値を抜けず、停滞気味でもあり、外国人投資家の買いもほとんど入らない現状を、何とか変えてもらおうとするのかもしれません。日本ができる裏取引は、日銀の金融政策をリークすること。これまでも米金融機関は、まるで米政府の動きを知っていたかのような、怪しい動きをしていたこともある。日本に資金を置いておくと、それだけ儲かる、というイメージを与えるために情報を売るかもしれません。

それをするのも、短期の成果を求めているから。それが解散、総選挙となるのかもしれません。米朝会談で日本の要求が何も通らなかった時、安倍政権は逆風にさらされるでしょう。それを覆い隠す株高、解散シナリオはやはり根強い、といえます。ただし弱気相場入りした今、米国株は調整を嫌って右往左往していますが、日本株はかなり調整色も強くなってきた。来週のメジャーSQを越えた後、新たな戦略を立てようとするとき、日米の関係には要警戒、という状況がつづいてしまうのでしょうね。

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2018年04月19日

日米首脳会談は無風?

テレ朝が昨晩未明、緊急会見を行い、福田前財務事務次官のセクハラをうけたのは自社の記者である、とみとめました。なるほどテレ朝の動きをつかんで、昨日の辞任会見かと得心はいきましたが、テレ朝の初動の不味さとともにテレ朝内で、週内にテレ朝が動くと財務省に伝えた者がいる。まだまだ闇が深い問題、といえるのかもしれません。
矢野官房長の、逆ギレの「そんなに弁護士に訴えることが嫌なのか」との発言m福田氏の「お遊び」発言は、日本の性差別被害の根深さを国際社会に喧伝する形になり、より深刻です。トランプ米大統領もセクハラ、不倫の口止め疑惑など、女性蔑視発言が目立ちますが、なるほど安倍氏とトランプ氏はこんなところにも共通点…とも受け取れます。

日米首脳会談、驚くのは何の決定もなかったこと。共同記者会見でも、トランプ氏はお行儀よく原稿を読み、為替への言及もなく、茂木経再担当相とライトハイザー通商代表との新たな経済対話の枠組みが決まっただけ。元々は麻生財務相とペンス副大統領との経済対話で話し合っていたはずで、その代替だとしてもポジションは格下であり、前進した感じもありません。成果を欲するトランプ氏にとって、何のメリットもない結果です。
これほど何もない理由、考えられるのは3つ。安倍氏との個人的な付き合いから、支持率が下げ止まらないことで気をつかった。しかし中間選挙で大敗が予想されるトランプ氏にそんな余裕はありません。北朝鮮問題で、日本の重要性を再認識した。しかし会見でも、中国が重要な役割を果たしてくれた、とトランプ氏も述べており、日本に言及がなかったことからもそれは想像しにくい。3つめについては、憶測も踏まえて考えてみます。

実際には裏で合意事項があるが、政治的な理由で公表が憚られた可能性。このケースで想定されるのは、日銀の金融緩和を停止する。つまりそれは中央銀行の独立性の問題もあるため、政治による金融政策への言及はご法度。そうして為替を円高に誘導し、貿易黒字を減少させると約束する。この場合、次の日銀会合まで結果を先送りできる上、日銀はステルス引き締めを政治マターで公にできる上、金融機関への弊害がめだつなど、これは米国からの圧力ではなく、国内事情による政策転換との言い分も立ちます。
麻生財務相が国会同意を得ないまま、G20に向かったのも黒田日銀総裁とともに、日本の金融政策の転換を説明するためかもしれない。当然、それは麻生氏も辞任前の花道として、G20という大舞台を利用した、という面もあるでしょう。黒田氏としては、二期目スタートと同時に方針転換など、恥の上塗りになりかねませんが、財務省主計局OBとして財務省の尻拭いをする、というところなのかもしれません。

あくまで憶測であり、実際にここから市場に引き締めを織りこませにいく、となると相当に難しいでしょう。しかし米中間選挙前に結果をだすには、時間がないのも事実です。米国が満足するのは100円を大きく割れるレベルとみられることからも、短期間にやり過ぎると崖が大きくなり、黒田氏の責任論にまで及んでしまう。難しいかじ取りになるのは間違いありません。麻生氏が訪米に向かう姿、淡いグレーのスーツに濃いめのハットがダンディどころか、まるで道化にしか見えなかった。むしろダムンド・デイ(damned day:呪われた日)としか思えず、オシャレをしたつもりがシャレにならない、というところだったのかもしれませんね。

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2018年04月17日

雑感。明日の日米首脳会談

発見されたイラク日報に関し、小野寺防衛相が「組織性や継続性のない散発的な発砲や襲撃は戦闘に該当しない」とし、イラク特措法の『非戦闘地域』に該当するとの見方を示しました。この理屈だと、とある敵の遊軍が行きがけの駄賃とばかりに、自衛隊駐屯地を襲撃してきても戦闘でない、となります。敵兵が組織的に、継続的に攻撃などしてきたら、自衛隊は壊滅するでしょう。つまりその段階でないと、自衛隊は撤退もできない。やはり自民党は自衛隊を使い捨てにするだけの、ただの道具とみなしていることが、ここでもはっきりします。自衛隊を憲法に明記する前に、むしろ自衛隊を憲法に明記してしまったら、正規の軍隊としてより命が軽く扱われてしまうことにもなるでしょう。

安倍首相が訪米します。日本から要請することは多く、一方で米国は着々とディールの材料を積み上げているのに、日本からはそれができない。最初からこの会談はかなり厳しい、と予想がつきます。北朝鮮問題では、中短距離ミサイルの削減まで盛りこんで欲しい、としますが、言葉は悪いですが北朝鮮とて自衛権がある。兵装が整った中露とは仲良くして、北朝鮮だけ武装解除しろ、は虫が良すぎる話です。また拉致問題を取り上げてくれるよう要請する、としますが、そもそも日朝の二国間で解決すべき問題であり、それができないから米国に…は、逆に日本外交の弱みとしてつけこまれるだけでしょう。
通商交渉はもっと大変です。為替操作国認定はされませんでしたが、香港のように為替介入を始めたところもありますが、日銀の金融緩和がやり玉にあがり、円高に移行するかもしれない。購買力平価でみても円安は鮮明なのですから、おかしいと言われれば金融政策しか買えられません。しかも、二国間で通商交渉入り、などとなったら何のためにTPPに日本は残るのか? TPP承認にむけた国会審議入り、それすら無意味なものとなります。

さらにここに来て、大きな難問となりそうなのが、日本にも対露制裁に加わるよう、圧力がかかるのではないか? シリアに関する対露追加制裁を、トランプ大統領は思いとどまりましたが、西側で対露制裁に加わっていない日本に、代用として制裁をかけさせるつもりではないか? そうなると、来月の日露首脳会談がとぶことになる。日本が制裁に加わらないなら、逆にその説明を求められ、「代わりに何ができる?」と迫られるでしょう。日本の対露政策が転換する可能性が、大きくなってきました。
先の山口会談で、プーチン大統領が北方領土返還交渉にのることはない、と思い知らされた。外交成果を求めるなら、トランプ氏絡みで北朝鮮への成果に賭ける、そんな戦略が想定できるのです。しかしそうなると、来月の日露会談をセットしたのは失敗。米露を手玉にとり…という外交が、ここに来て重しにしかならなくなったのです。

ゴルフ会談も今回、セットされていないという。それはレベルが違い過ぎて、安倍氏ではついていけない。日本でのゴルフでは安倍氏が一回転して笑われたように、あたふたするばかりで接待ゴルフもできないのです。日米首脳会談、いつにも増して注目されるのは、激動する世界において、日米とも政治的混乱により成果を求めている点です。日米会談が決まり、犬が尻尾をふるように喜んだ、とも伝わる安倍氏。自分がころりと転がり落ちたバンカー(bunker)のbunkには、一部で『逃亡する』という意味もあります。今回の結果、逃亡したいと思うほどの結果だった場合、政権の寿命まで変えることにもなるのでしょうね。

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2018年04月13日

米国の動きと、日本の人口減

総務省が人口推計を発表しました。65歳以上が56.1万人増、生産年齢人口が60万人減、15歳未満は18.8万人減、これが日本の求職を押上げている最大の原動力です。就職が容易になった、と喜ぶ若者がいるようですが、この社会構造では将来、年金が破綻するのは目に見えています。しかも9年連続で人口減少、減少幅は7年連続で拡大しています。つまり安倍政権は少子高齢化対策に失敗し、日本は数年後に危機に陥ることになります。
それは年金ばかりでなく、経済規模が縮小すれば今の借金を返すのが難しくなる。人口減とは、生産力の低下と同時に、消費の減退も意味するのであり、今より減った歳入で1千兆円を超える借金を払っていかなければいけないのです。支払い能力に疑義をもたれれば、国債は暴落です。プライマリーバランス改善の旗を下ろしたようにしか見えない安倍政権は、財政をずっと悪化させつづけた、ともいえます。この5年半で、間違いなく日本は改善ではなく、悪化している。その一つの結果が、人口推計にも表れているのです。

日本ではトランプ米大統領が「TPP復帰」としか報じられませんが、これはトランプ氏が変節したわけではなく、再交渉によって米国に利があれば、という条件付きで、従来の主張のくり返しにすぎません。中国へ圧力をかける目的はその通りですが、安倍氏の訪米一週間前に言いだした点も、意図を感じます。つまり日本の対米貿易黒字に対して、TPP再交渉によって答えをだせ、ということなのでしょう。そもそも大統領任期中の2年で復帰、とただの復帰ならそんな時間をかける必要もない。また中間選挙の前、対中貿易の制裁競争となり、不満の高まる農畜産業界にむけて、目くらましする目的が強いのです。
シリア情勢で市場が右往左往、というのもおかしな話です。これまでも米軍はシリア空爆を行った実績もあり、影響は計れます。イランやサウジアラビアに飛び火する可能性、米露の緊張、といったところで同じです。可能性がなくはないが、微々たるもの。市場を動かすには材料不足で、それなのに市場は一喜一憂し、値動きを大きくします。

昨晩の米株市場は1-3月期の金融決算期待で上げた、ともされますが、1-3月といえば値動きが大きかった。つまり金融機関は、金融緩和による資金流入で相場上昇、という収益構造から、値動きを荒くして稼ぐイベントドリブン型に転換した、となります。今後も落ち着かない相場展開はつづく、なぜなら今の水準の居心地が悪いためです。経済成長して達成される水準なのですから、成長できなかったら下落する。さらに上には行きにくいものの、この水準が成長にかかっている以上、阻害要因で上下動しやすいのです。
日本の市場も居心地が悪い。裁定売り残がたまっている、外国人投資家が8週連続で売って4月は買いを入れやすい、と上昇要因も語られますが、不透明なのは日銀です。ETF購入に関して微修正が行われ、年間6兆円規模から減らされ始めた、ともされます。最大の買い手が市場から撤退をはじめたため、日本株も不安定にならざるを得ないかもしれません。

米国にとってシリアだろうとTPPだろうと、今や大統領の人気取りの道具にすぎません。しかしそれに乗ったイベントドリブンで、金融機関は潤っている。ある意味、米国はしたたかです。翻って日本は、少子化対策に打つ手もなく、政権は醜聞まみれで、どんどん国力を落としていく、そんな政権が5年半もつづいています。安倍氏は「膿をだしきる」としていますが、腐った部分を取り除かない限り、また膿んでくるのは確実。その腐った部分は安倍政権そのもの、といえます。まともな政策がでてくる国に変えない限り、日本は弥縫策をとりつづけるばかりで、将来的にそれは貧乏策としかならないのでしょうね。

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2018年04月04日

米中貿易戦争と日本

イラク日報問題で、小野寺防衛相が昨年3月27日に発見も、当時の稲田防衛相はおろか、政務三役にも報告していなかった、と発表しました。小野寺氏は『遺憾』としますが、これはそんな謝罪も反省もない言葉で片付けられるものではなく、国会への虚偽答弁、報告、隠ぺいという重大な犯罪行為です。国会法104条では『内閣、官公署その他に対し、必要な報告又は記録の提出を求めたときは、その求めに応じなければならない』となっており、mustなのです。その後、要求されなかったから提出しなかった、で済む話でもありません。
しかも不自然なのは、なぜ1年間も隠していたものを、昨日になって公表したのか? しかもそのタイミングでも防衛省は嘘をつき、その説明を1日で覆した。行動の一貫性もなく、稲田氏へ責任論が飛び火しそうになり、慌てて防衛省に罪を被せた、としか思えません。もしこれが事実なら『劣化』どころか『腐敗』です。当時の防衛事務次官を含めて、関係者を処分するのがスジですが、安倍政権からそうした話が聞こえてこない。今回も、行政に罪を被せて自分たちが生き残りをはかる、これが安倍政権の手口なのでしょう。

米国のトランプ大統領が知財侵害に対する報復関税として、中国に5兆円規模の制裁を課すもので、中国は早速報復関税を発表しています。日米でも「中国が損をするから報復できない」という誤った認識を語る人もいます。しかしこれはディールであり、一方が取引材料を得れば、もう一方も対抗して当然です。しかも、最終は税収も上がりますが、関税障壁をかけられた商品は割高になるため、自然と輸入量が減る。それより安いところからの輸入に切り替えるためで、特に中国だけが損をする、という話でもありません。
貿易戦争などできない、市場が下落するからおかしな経済政策などできない、としていた市場関係者の予想を、トランプ氏は尽く裏切ります。というより米市場関係者の劣化も著しく、すでにリーマンショック前からおかしな楽観に依拠する風説が、あたかも真実であるかのように語られてきました。市場型経済の米国は、貿易戦争では打撃が小さい、という話も聞かれますが、世界経済に暗雲がただようことによる市場の低迷により、二次的な打撃が大きくなります。見かけの輸入、輸出の問題だけで論じるのはナンセンスで、そんなものに依拠した説明は、正直何の価値もありません。貿易戦争で被害をうけるかどうかは、経済環境によって変わるのであり、市場型経済の米国と、製造業型と投資経済の中国は、どちらも大きな打撃をうけるのが必定です。

トランプ政権はロシアゲートを隠すため、それ以外に国民の目を向けさせるために貿易戦争を仕掛けている、という話もある。残念ながら、日米ともにフェイク政権が国を治めている以上、国の威信を失墜させる行為がつづくのかもしれません。そればかりか、経済を毀損する行為を平気でしてしまう、ともいえるのでしょう。なぜなら、日米とも政権にべったりの支持層がいて、それを喜ばすことだけしていれば安泰、と誤解しているから。
正しい評価が与えられないから、政権も間違った方向にすすんでしまうのでしょう。安倍政権の外交を評価している人は、多くが日米関係の良好さを絶対の基準としているように感じます。これも正しくなくなってきた。トランプ氏から詐欺師呼ばわりされ、首脳会談も4月初旬から中旬へと、米国の事情で先送りにされた。米中が貿易戦争を繰り広げている間に、対中輸出を増やす、といった上手く立ち回ることすらできない。「日本が損をするけど報復できない」今の日本の立ち位置は、実に深刻といえるのでしょうね。

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2018年03月18日

雑感。安倍政権の火の粉

続々と安倍政権の支持率低下が伝えられます。支持が30%前後、レイムダック化してきたとみて間違いありません。直接の原因は森友問題ですが、その後の対応のまずさが目立ちます。安倍首相が国会で「報告は11日」と述べた後、官邸への報告は6日と認めるなど、もし本当に安倍氏が11日まで知らなければ、裸の王様でしかない。結果、何かを隠している政権、というのが誰の目にも明らかです。安倍支持者ですら説明に納得していません。
しかし実は安倍支持者のこの動き、少し前に自民の改憲案で、国民総動員法のようなことがでてきたときも反発があり、その流れの一環にあるともいえます。安倍支持者も、永続的に安倍政権がつづくわけではないので、憲法に国家総動員法などが盛られると、自分たちに不都合な政権ができたとき、それを行使されたら堪ったものではない。憲法は簡単に変えられないのに、そんな愚かなことをするのか? 自民党に向けられる視線が厳しくなりつつある中、明らかになったのが決裁文書の改竄です。不審の追い打ち、だから影響も大きくなります。この期に及んで佐川氏一人に責任を押し付けようとしたり、文書の流出を地検の責任にする姿勢も、往生際の悪さばかりが目立つ。それは潔さを美しい、とする日本の伝統的価値とも異なり、安倍政権が当初唱えた「美しい国」とは真逆ともいえます。

来月初旬の安倍氏の訪米も、危うさが漂います。トランプ政権では閣僚の辞任ドミノがつづきますが、これは外交の調整を危うくします。トランプ政権の方向性がみえず、何を望んでいるかも分からない。いつの間にか、安倍政権まで北朝鮮との対話を模索、と報じられるように、圧力一辺倒から変化した。北朝鮮から対話、と述べていた方針を変えざるを得ない。結局それは、安倍外交が非常に危うい戦略しかとれないことを意味します。
さらに株価が弱含んだことも、支持率低下には影響するのでしょう。すでに外国人投資家は、先進国株投資の一環としてしか日本株を買わない。この取引がめだつと、為替との連動性を強めます。彼らはドルやユーロを通じて日本株をみるため、円高になれば日本株の持ち分が増えるため、自然と売るのです。徐々にIMM通貨先物の取り組みをみても、円ショートが減ってきた。それも対ドル100円割れの見立てが増えたことも影響するのでしょう。しかもそれは円キャリー取引の減少も意味する。今後、投資資金の減少がもたらされるなら、どこかの市場が変調を来しかねません。世界全体の相場に元気がなくなってきたのも、そんな事情がありそうです。安倍ノミクスはすでに停滞中ですが、本格的に崩壊を迎えるなら、安倍政権唯一の成果ともいえる株高も終わりを迎えます。

明日の集中審議で何がでてくるかは分かりませんが、これまで通り「佐川は異常」の論調をとるなら、安倍政権の支持率低下は加速するでしょう。しかも、ここで戦略を変えると、逆に前言を翻した、としてさらに不審を極め、支持率下落に歯止めもかからなくなりそうです。すべては自分のまいた種ですが、加計学園の問題でも、今治市の公文書が改竄されていた疑いがでて、それも内閣府の指示、などと語られるなど底なしになってきました。今まさに官邸崩壊が一気にすすんでいる、そんな印象すらもちます。
もしかしたら、米国も国家総動員法はやり過ぎだろう、との懸念をもって安倍政治を終わらせよう、と画策したのかもしれない。それは北朝鮮戦略をミスした安倍氏を、トランプ氏がFiredした、といえるのかもしれません。そうなると、この動きはもう止めようがない。安倍氏のお尻についた火、もしかしたら米国が焚きつけているとしたら、数ヶ月ともたずに安倍政権は全焼するのかもしれませんね。

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2018年03月10日

米雇用統計と関税障壁

財務省が決裁文書の書き換えを「あった」と認める方向、と伝わります。実際にどの程度、どんな文言が入っていたのか? それは週明けにならないと分かりませんが、佐川氏の辞任程度では終わらなくなりました。佐川氏を証人喚問し、説明させなければならず、疑惑解明はやっと端緒についた、といったところ。むしろ幕引きではなく、幕開けです。
国政調査権をつかって国会に専門の調査チームをつくり、財務省職員が亡くなられた経緯も含めて、一体ここ数年の財務省内で何があったのか? それを詳らかにしないといけません。それは今後も、政治家に壟断され、悲しい犠牲者をださないためでもあります。異常なことが起きていたことは間違いないのですから、すべての膿を出し切らないと、また同じことが起こる。それを起こさせてはいけない、という意味でも大切なことです。

米2月雇用統計が発表され、非農業部門の雇用者数が31.3万人、平均時給は前年同月比2.6%増となり、インフレがそれほどすすまず、結果良好ということでNYダウは440$、ナスダックも132$も上げるなど、爆騰しています。しかしこれはアルゴリズム取引の悪い癖で、良好と判断したら買い一辺倒になる。ただし、じわりとインフレがすすみだしたことは間違いなく、減税の影響がでてくるこれから、それが本格的になることでしょう。
むしろ株高は、インフレ昂進に寄与するもので、自分で自分の首を絞めているようなもの。それにアルゴリズム取引では気づけないのです。そして、株高でないと景気が失速していくことは確実。それは上がり過ぎた景気が巡航速度にもどる過程で、停滞とみなされることから起き、やがて実体経済へと波及していくことになります。残念ながら、常に景気が上向き、などというのは幻想であり、上下動するのが常ですが、その変動をあえて大きくするようなことをすれば、それは下向きの力も大きくかかるのです。

その一つはトランプ大統領の関税障壁です。貿易黒字国が制裁関税などかけられない、などとされますが、簡単に制裁が可能です。それは相手国への投資規制をかけてしまうことです。国債、社債、不動産、いきなりゼロにはできませんが、多すぎる投資は不安定化をまねく、などいくらでも説明がつく。それは橋本元首相が「米国債を売る用意がある」と言及し、市場を大混乱に招いたように、そこまでの混乱を引き起こすのはマイナスですが、相手国を動揺させることが、取引材料にできることになります。
北朝鮮問題でも、これは米国内の強行派とトランプ氏との分断工作であり、不見識のトランプ氏がまんまと乗せられた形です。5月まで引き延ばせば、中間選挙前で行動も起こしにくくなり、北朝鮮有事は回避できる。そして中間選挙で共和党が敗れれば、議会とのネジレが生じて開戦も難しくなる。北朝鮮はここ数ヶ月が勝負とみて、急に態度を軟化させてきたとみて、間違いないでしょう。会談場所、内容、それらの調整が長引いて会談が夏になったら、北朝鮮としてはゼロ回答でも一向に問題ない、となるはずです。

じわりと米国のMMFでは円売りの修正がかかりだしました。市場の表向きの楽観とは異なり、裏ではじわりと引き締めにむけた準備もすすむ。それはここ数年で、おかしくなってきた世界が、徐々に正常化にむかってすすむ流れといえるのかもしれません。そしてそのとき、何が起きるかも予想しきれないものがあります。実際の戦争ばかりでなく、貿易戦争、そして経済戦争という時代の到来前、一時の安寧を貪るには、あまりに短い時間にしかならないのかもしれませんね。

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2018年02月28日

パウエルFRB議長の議会証言

18年度の予算案が今晩、通過する見込みです。自公は審議時間さえ確保すれば、数をもつので法案を通すことが可能です。厚労省のデータねつ造も「精査、精査」と言って時間稼ぎをしていれば、後は委員長権限で通せるのです。岸田政調会長が「予算を通すことが最大の景気対策」と述べ、これは安倍政権になってからの常套句のようになっています。それを「最大の…」と言ってしまうぐらい、他の景気対策が何もない、ということのこれは裏返しなのでしょう。与野党が納得できる予算案をつくれば誰も文句はいいません。

米国でパウエルFRB議長の議会証言が行われました。市場は嫌気した、というより期待値で上昇してきたので、材料出尽くしで一服です。証言でボルカールールの見直しに言及した点はハト、また景気は数年よい見通し、金融安定リスクはない、などかなりのリップサービスもありました。12月以降、景気見通しが強まった、など金融引き締めを示唆する文言もありますが、全体的には経済学者の理論に立脚した説明がなく、平易な言葉で語ったため、議会フレンドリーとみられたこともあり、無難にのりきったという印象です。
しかし逆にいえば理論武装がなく、経済が混乱したときの舵取りには不安を残す。言葉は悪いですが、安寧な世のお飾りトップであれば打ってつけ。分かり易さとは、市場を一方通行にしてしまう危険もあるのです。分かり易くて誰もが理解してしまうからこそ、の弱点をこれからFRB理事に選任された経済学者のグッドフレンド氏が補完する形になるのでしょうが、バーナンキ元FRB議長以来、市場フレンドリーが求められるFRB議長、あまりにフレンドリー過ぎても、今後の運営を難しくする部分があるのでしょう。

米株は急落前の水準、と語られることもありますが、これには著名投資家バフェット氏が個人投資家に送ったリポートも寄与しています。投資を推奨し、むしろ積極的になれ、と言わんばかりの煽りもあり、急落して下がった局面を買い場とみせた。ただ一方で、証券担保ローンの拡大など、ネガティブな面も目立つ。お金を借りて投資する、それが通用する局面が後どれぐらいつづくか? ここからその継続度合いが試されます。
パウエル氏は4年で「バランスシートを正常化」と語り、この部分はタカです。金利正常化と同時に行うのですから、2兆$程度を市場から吸い上げながら、利上げも行う。正直、これが成功するとは到底思えません。恐らくトランプ政権でバラマキを続ける間、また自身の任期中に、ということなのでしょうが、パウエル氏のこの賭けが、今後の市場の見通しを大きく変えるかもしれません。

日本の場合、黒田氏の続投で緩和継続、との見立てです。しかしすでに金融機関の中には厳しく見積もると、自己資本比率が4%の下限を下回る金融機関がでてきた、というように弱体化した金融が、日本経済の重しともなりそうです。パウエル手腕に怯えるのは、日銀もしれない。今年はECB監視を強めるよう、日銀の金融政策決定会合の日程も組まれていますが、来月の21日、最初のFOMCで何が起こるか? フレンドリーどころか、不況ドリーが鳴き始めることも考えに入れておかないといけないのかもしれませんね。

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2018年01月25日

ムニューシン財務長官のドル安容認発言

角界の春日野部屋で、14年9月に兄弟子が弟弟子に暴行。16年6月に有罪判決が確定。16年3月から民事の損害賠償請求訴訟がおこされていることが、明らかになりました。これをうけ、相撲協会の隠ぺい体質とともに、貴乃花親方による貴ノ岩関への暴行事件の際にとった行動に「得心がいった」と述べる人がいますが、とんでもありません。
事件当時、貴乃花氏は危機管理部長、報告もうけていたといい、むしろ相撲協会とともに隠ぺいを図った当事者。もし貴乃花氏が相撲協会のやり方に抵抗し、公表しようと動いていた、と言うならまだ分かりますが、そうした報道はない。ならば相撲協会への不信、はおかしな話です。別の部屋の弟子なら守らなくていい、そんな判断だったら、言葉は悪いですがクズでしょう。忸怩たる思いで隠ぺいに加担しました、というならさっさと記者会見を開いて自分の言葉で語るべきで、そうしない限り貴乃花氏の行動に正当性は見出せません。いつもこの相撲協会関連の報道に関して感じることは、一方が善で一方が悪、そんな単純化するのは危険、ということです。今は全員が自己保身と栄達、そんなもののために他者を利用しようとしているようにしか見えない。みんながアウトレイジです。

ダボス会議でムニューシン米財務長官が「ドル安は我々にとってよいこと」と述べ、円高がすすみました。その後で「より長期のドル高は…今後もそうあり続ける」としますが、前段のインパクトにかき消された形です。それは『強いドル』政策の転換、とうけとめられたからです。米国のように貿易赤字を直接投資によって穴埋めする国にとって、ドル安容認がどんな影響をもたらすか? 考えるまでもなくマイナスです。
特に今、金利上昇局面なのに円高ドル安。その背景には金利上昇局面で米国債の値下がりが予想されるため、米直接投資が減少する背景がある、とされます。中古住宅成約も右肩下がり、これは在庫不足の側面もありますが、米市場は株ぐらいしか買うものがない。今の株高も資金流入が高水準のためであり、それは他市場から流れてきた資金、とも言えるものです。そして米国外の投資家は、株のようなリスク資産への投資は限られるため、ドルを買って投資することができない。つまりこうした国で、強いドルの旗を下ろせば、貿易赤字という実需によるドル安がさらにすすみ易くなってしまうのです。

そしてIMMの取り組みをみても、現在はかなり円ショートを抱えており、ドル安誘導の流れが意識されると、これが一気に円ロングに傾く可能性がある。そうなると対ドル100円割れになってもおかしくありません。米当局が必死で火消しに走っていますが、その成否によっては現実味を帯びるでしょう。ドル安の流れはECB理事会次第か? とみていましたが、俄然ダボス会議に注目が集まることになり、当分収まらない可能性もあります。
ユダヤ系で、その名前もヘブライ語の『慰める者』を意味する、とされるムニューシン氏ですが、トランプ氏の米国ファーストを意識し、ドル安にも言及したのでしょうが、とんだ食わせものだったのかもしれません。投資責任者として成功し、ゴールドマンサックスの共同経営者になったことでも知られますが、経済のことを知らなくても投資が成功することなど、ままあります。それともただの短慮、軽口を叩いただけだったのか? いずれにしても、今回の軽挙では誰も慰められないのであり、開いた『弱いドル』の扉は、そう簡単に閉められそうもないのでしょうね。

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2018年01月21日

米国と原油高

南米ベネズエラの経済危機が叫ばれて久しいですが、昨年の原油生産量が前年比13%減の日量207万バレルと発表されました。それを補うかのように、米国のシェールオイル生産が日量1000万バレルに達しようとしており、年末には1100万バレルまで増産される、との見通しがでています。今の原油高は1.好景気、2.イランとの核合意の見直しに伴うイラン産原油の取引停止、3.ベネズエラの減産、4.中東の反政府組織による原油インフラへのテロ、5.ドル安、6.市場の暴走、など様々な要因により引き起こされています。しかしこうしてそれを上回る米国による増産があり、需給としての原油高でないことは一目瞭然です。

通常、南米でトラブルがあると米国が積極的に介入するのが常です。犯罪組織の温床になれば、米国への影響が小さくないからです。しかし米国は静観、ベネズエラの破綻を容認するかのような態度です。イランとの核合意見直しも、トランプ政権によるオバマ政権時代の否定、ということをさておいても、このタイミングで打ち出したのは理由もあるのでしょう。米国第一のトランプ政権、支持率も一定数は維持していても下落気味、経済が良好といってもほとんどオバマ政権時代の産物で、実はトランプ政権では減税ぐらいしか、経済を押し上げる政策はありません。それが国民に知られたら、非常にまずいことになります。
トランプ政権の成果とするための原油高、米鉄鋼産業などは相変わらず、悪い状況がつづきますが、シェールオイル産業は息を吹き返すことができる。関連産業でも雇用が増え、シェール関連への投資家は配当をうけとり、原油の輸入量減により貿易赤字を削減、産油国の動向に一喜一憂せず政治ができる原油安全保障が確立できる。こうした様々な利がありますが、唯一の弱点はガソリン高による国民の不満です。ただし景気は好調、時間当たり賃金も2.5%の上昇があり、不満の声が大きくならないので無視できるレベルです。つまり、トランプ政権で唯一自身の成果と喧伝できるのが原油高による効果なのです。

中間選挙の前、原油高を米国が仕掛けたとみてほぼ間違いないのでしょう。そしてそれは露国との約束だったかもしれない。選挙に協力してくれた謝礼、国内向けに制裁は解除できないものの、原油高にすれば露国経済は程よく助かる。トランプ氏にとって、ここ最近の原油高は『百利あって一害なし』です。そのために使える手は何でもつかう。ベネズエラが破綻しようが、イランが混乱しようが、原油の輸入が多い日本や欧州などのような国が困ろうと、何の不都合もない。トランプ政権にとっては、米国第一だからです。
予算案が否決され、政府機関の閉鎖がはじまります。共和、民主の非難合戦、責任のなすりつけ合いが終わるまで、醜い争いはつづくのでしょう。現状、イイトコどりの市場が、これを悪材料にするとはとても思えませんが、継続度合いによっては嫌気がさす可能性もあります。米国が始めた米国第一の経済政策、それが「百害あって一利なし」とみなされるようになったら、この暴騰相場も終わりでしょう。米国害一、そうみなされる段階をさぐることで、相場の転換をさぐることもできるのでしょうね。

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2017年12月24日

雑感、持続可能性の世界

20日に行われた相撲協会臨時理事会で、貴乃花親方が自分の立場を説明する資料を配り、回収した件について、組織の中で対立する立場なら当然で、弁護士の指示だろう、と八代弁護士が指摘したようです。しかしそうだとすれば、相撲協会側が下す裁定は、もっとも厳しいもので貴乃花一門の役職を永久的に停止、というものでしょう。自ら対立します、などという相手を迎え入れる必要もありません。言葉は悪いですが、今のところ貴乃花一門が相撲協会から去ったところで、イメージダウン以外で困ることがないからです。
貴乃花氏が間違えているのは、相撲協会という組織でのし上がりたいのか、相撲協会を壊して新たなものをつくりたいのか、どちらか分からない、という点です。貴乃花氏は相撲協会の利権を狙っている、という話もありますが、それと整合的なのは『相撲協会を乗っ取って利権を奪いたい』という戦略であり、なので早くから弁護士を絡めて行動している、ということなのでしょう。多数派となる前から、弁護士をからめた行動をとったら、まさに逆効果にしかならないのに、です。言葉は悪いですが、愚者はカリスマたりえる。愚者だけに、余計なことに気が回らないからで、自分の信じる道にまい進しているようにみえるため、カリスマになり得る。しかしその『信じる道』が『利権』というなら問題なのでしょう。

国連総会で、米国のエルサレム首都認定について撤回を求める決議に日本も賛成しました。米国が脅しをかけたことで注目を集めましたが、反対9、棄権35、欠席21と思ったほど米国の行動が逆風にならなかった。ムスリムを抱える国が多いこと、またアラブ圏との付き合いが重要、と考えた向きも多かったのでしょう。どうせトランプ政権との付き合いは長くても後3年。アラブ圏とは今後も付き合いをしていかなければいけないからです。
しかし日本の事情は異なります。これまでトランプ政権にすり寄り、親密さをアピールしてきた。トランプ氏は公約実現の一つ、として成果を喧伝してきた。世界にむけて脅しまでかけたのですから、かなり熱も入っていたはずです。それなのに安倍政権が反対できた理由、それはさらなる米国への貢献を約束したから、となるのでしょう。逆に、それ以外で米国が反応しない理由がありません。安倍氏自ら、トランプ氏とのホットラインをアピールし、北朝鮮問題では何度も連絡していたのに、この問題で連絡しないはずがないからです。しかしそれは公にせず、結果として日本は世界と同様、米国の動きに反対した、という体裁だけをととのえたのでしょう。実際、安倍氏が直接調整したわけでなくとも、北朝鮮の脅威を煽っている安倍政権が、ここで米国に反対できるはずもないのです。

京大農学部出身の今西氏の『主体性の進化論』では、「種が変わるときにはその種に属する個体が、皆同じように変わるのでなければ、種も社会も、その機構を維持していくことが困難になるだろう」とあります。つまり内的統一のない歪な社会では、存続不可能ということです。しかし実際には、多くの社会が歪な構造を抱えます。
しかし今西氏のいう「内発」は、その方が確かに良い、という状態をへて社会全体がそういう方向へと収斂していく。持続不可能なものが、持続できるという状態に変わらない限り終わってしまうからです。さて相撲協会、そして世界、どちらが持続可能性をもつのか? そしてそれにむけて収斂するのか? そうでない状態へとすすみ、結果的に崩壊へと向かうのか。相撲協会の主体性、世界の主体性、何が持続可能なのか、その選択に間違えたら、大変なことになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:26|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加

2017年12月13日

普天間の落下物

普天間第二小学校に、普天間基地から飛び立ったヘリの窓が落ちました、幸い、直撃はなかったものの、直撃していたら死傷者がでていたところでしょう。日本政府は今回も単なる自粛要請ですが、米軍がそんな約束を守ったことはなく、今回も自分たちの調査、対策がとれるとなったらまた飛行を再開するでしょう。問題は、新幹線の台車に亀裂という問題にしろ、やたらとこうした事故が最近は増える傾向にある、という点です。
古いものは耐用年数もありますが、恐らく振動などの影響を軽微に見積もり、強度などを決定したために意外と早く寿命が来ている。米軍では北朝鮮への対策として、訓練が増えていることもあって兵士が疲弊、という話もありますが、大事なことは日米ともに責任感の希薄化でしょう。米国の新自由主義、競争原理を導入したため、日本でも様々な問題、弊害が噴出しています。鉄鋼、自動車業界の検査不正、研究論文の不正、根っこは同じで何らかの結果を出さないと存在意義を失う、という焦りから生じた。毎年、毎年、結果をだすことは難しいにも関わらず、それを求められ、安易な方向に流された。競争とは淘汰であり、淘汰されないように手立てを講じる。安全を蔑ろにしてでも、外れそう、折れそうな部品でもバレないうちは使いつづける。かつての日本ではあり得なかった考え方、あってはいけない発想によって企業、組織は対応してきた。そんな弊害が小泉政権以後、15年近くたって一気に噴出しているように感じます。

しかし米軍の訓練は、今後減るかもしれない。米国でティラーソン国務長官が「北朝鮮と前提条件なしの話し合い」に言及しました。トランプ大統領は、北朝鮮のことがよく分かっておらず、安倍首相の訪米で提案された強硬路線を受け入れ、これまですすんできたと考えますが、中東情勢の緊迫化で北朝鮮どころではなくなってきたのかもしれません。米国の最重要は中東、イスラエルなのですから、東アジアの緊張緩和に動いたとしても、何の不思議もありません。安倍政権は北朝鮮が折れて、自ら話し合いに乗る、と主張していたのであり、前提条件なしで梯子を外されたことになります。
米国ではアラバマ州の上院補選で民主党候補が勝利。共和党の岩盤を破りました。問題は、最近の米国ではセクハラ、レイプなどに対する嫌悪が激しくなり、トランプ氏もその対象である点です。共和党議員としても、トランプ氏を看板にした選挙戦はしたくなく、また政権運営に過度な協力を約束する必要もなくなった。今回の選挙の結果は、トランプ氏にとって二重、三重に痛手でしょう。減税法案の行方でさえ、不透明になりました。

そんな米国にもたれ、安寧をはかってきた安倍政権ですが、その米国からも見放されつつある。この前の沖縄ヘリ墜落でも、飛行自粛要請をあっさり無視されました。米国型の経済の導入をすすめてきたものの、電車の運行トラブルでもそうですが、日本の良さを消して悪いところだけが目立ち、見直しを迫られてきた。今回の税制改革で、高額所得者の負担を増し、低所得者には減税とするのも、まさに小泉構造改革からすすめてきたトリクルダウンの失敗を、暗に認めた形なのでしょう。安倍政権が寄りかかってきたものが、次々と裏切りだした2017年。来年はいよいよ安倍政権の落とし物が、致命傷になる事態が生じるのかもしれませんね。

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2017年12月06日

エルサレムの首都認定

日経平均が今年最大の下げです。中東情勢の緊迫化が…などとも語られますが、米国がイスラエルの首都をエルサレムに、という話は11月からあったことで、しかも朝からの話。急落は昼からなので、これが材料とは到底思えません。恐らく25日移動平均を反発材料としてこれまで買っていた日系、米系などが昼休憩帯に戦略を変えたこと。それに負けた買い方が処分売りを出さざるを得なくなった、というのが今日の動きでしょう。
しかし売買代金がやっと3兆円、メジャーSQ前と重ねたとしても、あまりに無抵抗だったと言えます。日銀のETF買いも効果ない。外国人投資家としては、9月から買い過ぎた分を吐き出しているだけ、日系はそもそも体力がない。特に材料もなく、一気に2万円を越えてからふわふわと上がっただけなので、買い支える理由もないのです。PER、ROE、テクニカルなどを材料にはできますが、それだけだと大きな流れに抗しようもないのです。

では、トランプ大統領によるイスラエルの首都をエルサレムとして認める、というのはかなり危険です。今、中東では様々な問題が噴出しつつあります。これまでは経済が良好で、覆い隠されていた部分が徐々に剥げ落ち、貧すれば鈍する、対立構図が鮮明になってきたのです。しかし多くはスンニ派とシーア派、という宗教対立の側面があった。そこに、この動きはユダヤとイスラム、という新たな火種を放りこむことになります。
イスラムが一体となってイスラエルに攻めこめば、第5次中東戦争の勃発です。経済の不安定化を対外的な緊張によって、国民の目を逸らせるようにしたい、という中東の為政者たちを刺激しやすい。トランプ氏としては娘婿のクシュナー氏を失うわけにはいかず、中東の緊張にはクシュナー氏が必要、と理由付けするためにもうってつけだったのでしょう。ロシアゲート事件で揺れるクシュナー氏、このタイミングは乾坤一擲でしょう。

そんなロシアは平昌五輪への国としての参加が停止され、悪い意味で北朝鮮を抑止する必要がなくなった。五輪のタイミングで韓国へ戦争をしかければ、北朝鮮は効率よく戦況をすすめられます。制裁が利くのは2月ごろ、と日本政府もみとめている。つまり暴発のタイミングが重なってくる。そこに、第5次中東戦争がおきていれば、米軍はそちらにかかりきりとなるでしょう。朝鮮半島の警戒がゆるめば、ますます北朝鮮としては行動しやすくなり、中露も無関心となれば、日本にも行動が迫られます。
一つ言えるのは、第5次中東戦争になれば、間違いなく中東の政府系投資機関は資金を引きあげるでしょう。軍資金が必要だからです。オイルマネーの引き上げが、各市場を混乱させたのは記憶に新しいところ。もし有事となれば、間違いなく起こりますし、原油価格の高騰も、世界を震撼させるかもしれません。投資環境としては、間違いなく悪化することだけは確実でしょう。

さらにもう一つ、悪い観測としては中東とも深い付き合いのある北朝鮮が、核技術を輸出する、もしくは直接核弾頭を、中東のテロリストに渡す。それがイスラエルに向かったとき、反撃の核が撃たれたら、あの地域にハルマゲドンを現出させてしまうのかもしれません。かつてノストラダムスの予言で、「恐怖の大王」はトランプ氏のことでは? そしてその詩編が刻まれるのは10巻72番、数字を入れ替えると2017年に符合する、と指摘したこともあります。アンゴルモアの大王が、もしエルサレムの首都認定だとすれば、世界崩壊の引き金、というほどではないにしても、その後でマルスがでてくることからも、戦争の足音だけははっきり聞こえることになるのでしょうね。

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2017年12月04日

米国の事情と北朝鮮の動き

米国で法人税が20%まで下がるトランプ減税が通過した途端、日本でも賃上げやIoTなどの革新投資をすると、20%に法人税を下げる案がでてきました。ただ、革新的かどうかを判断するお役所の頭が革新的でないですし、米国基準に合わせないと企業がにげだす、と考えているだけなら、そんな財政や景気についての目配せが足りない国からは、企業も逃げ出すことになるでしょう。大事なことは税率ばかりでなく、魅力のある国にすること。
そうすれば企業は積極的にこの国に本社機能をおきます。しかし少子高齢化も食い止めず、消費が減退していくような国、増税により労働者世帯の消費意欲をさらに殺ぐようなことをする国からは、企業も逃げ出したくなるのです。安倍政権のやっていることは、物事の順逆が分かっていないことばかりですが、またそんな事例が増えるようです。

そんな米国ではロシアゲート事件の進展と同時に、北朝鮮問題強硬派が政権内で伸長しており、ロシアゲート隠しに北朝鮮攻撃、という懸念が高まっています。過去最大規模の米韓軍事演習、などとされますが、過去最大かどうかが問題なのではなく、ピンポイントで、短時間で北朝鮮の中長距離ミサイルを無力化できるかどうか、その効率の良い作戦をとれるだけの能力があるか、が重要です。イラク、アルカイダ、ISIL等、これまでの米国の戦争をみても、早期終結には失敗している。北朝鮮とて人間の盾をつかうでしょうから、大事な軍事施設、金正恩氏などを人間の盾で隠すことぐらい、平気でするでしょう。
2、3日でそうした攻撃により、北朝鮮を完全に封じない限り、世界は北朝鮮の反撃の核攻撃に怯えることになる。いくら北朝鮮を丸裸にしても、完全にミサイル攻撃を防げるわけではない。特に、韓国との国境付近で自爆の核をつかってきたら防ぎようがなく、韓国ばかりか北朝鮮を攻撃する米軍にも大打撃を与えられます。この時期、大陸から日本へと季節風が吹く時期であり、ひいては日本にも放射性物質がとどくことになるのです。

北朝鮮の木造船が日本に漂着する事例が増えていますが、松前小島で窃盗を働いた件も取り沙汰されます。しかし疫病が心配、として防護服を着て実況見分をする様子は、プロパガンダ以外の何ものでもないのでしょう。北朝鮮ではおかしな疫病が流行る、危険な国である、との印象を植え付けるためで、それがひいては日本の圧力が利いている、という成果と映る。しかし日本のEEZ内で漁をする北朝鮮の船を取り締まれない、という時点で、日本の制裁にも抜け穴があるのであり、かつ松前小島でもふつうの服で作業する人がいるなど、どうにもちぐはぐで、こんなところも抜け穴だらけ、といえるのでしょう。
内戦状態のイエメンでフーシ派がUAEの原発にミサイル攻撃、と発表しました。UAEはイエメンに軍事介入しており、報復とみられます。朝鮮半島でも有事があり、日本が介入すれば同じことが起こるでしょう。中距離ミサイルであれば、長距離ミサイルよりも格段に準備が簡単で、探知が難しくなります。世界でおきる様々なこと、日本もわが身として意識しておいた方がよいのでしょう。安倍政権の失政がここにきて収斂してきており、日本が戦争に巻きこまれる確率が、安倍政権により格段に高まっているのです。蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)というと、大げさなだけで内容が乏しく、何の役にも立たない議論や文章のことですが、安倍戦争となると、それどころかもっと悪い結果となることでしょうね。

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2017年11月29日

米上院予算委で減税法案が通過

北朝鮮が2ヶ月半ぶりにミサイルを発射し、ロフテッド軌道により米国を射程にとらえられることをアピールした上で、火星15号と発表しました。ICBMであることは間違いなく、大気圏再突入の技術の如何はありますが、来年には愈々「米国に核攻撃できる国」を宣言するのでしょう。それでも米国は軍事行動に移れない、とみていることになります。
菅官房長官が「発射から完全に把握」したから、Jアラートなど国民に周知しなかった、としましたが、これは嘘でしょう。ロフテッド軌道はどこまで上がるか、それによって落下地点も変わる。初めからどこに落とすか、が分かっていない限り判断はできないはずで、もしそれを知っていたのなら、安倍政権は北朝鮮とにぎっていることになる。これは評判の悪いJアラートを鳴らさない、との判断を政権がした、ということを示すに過ぎません。それにEEZに墜ちているのですから、漁船への被害を考慮して鳴らすべきであり、それこそ「完全に把握」しているなら、ピンポイントで鳴らすこともできるでしょう。変な嘘をついていると、いざ領土に墜ちたときに説明のつかないことになる。こういう場当たり的で、適当なことを言うのが安倍政権の姿勢である点は、「完全に把握」できます。

米国では上院予算委でトランプ減税法案が通過し、本会議でも通過する期待が高まっています。米株は大幅高ですが、何度この話で上げるのか? といったレベルで、正当性のあまりない上昇です。米不動産価格は、前年比10%以上の上昇をしている地域もあり、年末商戦の出足も堅調。まさに死角なし、といった米経済ですが、こんなゴルディロックス相場がいつまでも続かない、という意見も多い。ただし、今は売りで入っても損をするから、として多くの運用担当者が買いでとっている状況であり、市場の調整機能が壊れている様子がうかがえ、一部ではコメディ(喜劇)ロックスなどとも揶揄されます。
米株の問題は、VIX指数が11月初旬に過去最低水準で引けたこと。相場の急変動が抑制されていいではないか、という意見もありますが、VIX指数を取引の指標として組み入れているなどが、自動で買いを入れてしまう。それがまた相場の安定を促し…の循環になり、ここまで上がってしまった。そして相場が安定する、ということは運用担当者は頭が痛いのであり、ヘッジをかけた取引だと利ザヤが薄くなってしまう。その結果、ヘッジのない取引が増えており、急変動に対して脆弱な相場になってしまっているのです。

北朝鮮のミサイルでも、反応薄なのではなく、反応し始めると雪崩を打った大きな動きになるため、それを拒絶する形で安定させようとする動きで相殺される。これが今日の市場の動きです。ブラックマンデーから今年30年。ある意味で示唆的とはいえるのでしょう。相場は急変動を準備しているようにもみえ、何が引き金になるかは分かりませんが、こうした相場で運用益の高い金融機関は、ヘッジコストの低減でそれが為されているケースもあるので、この辺りは要注意でもあるのでしょう。
米国ではゴルディアンノットという言葉もある。直訳するとゴルディアスの結び目、ですが、『難事』という意味です。ゴルディロックスの先に、ゴルディアンノットが待っているのか? もしそうなったら、トラジディ(悲劇)ロックスとなり、世界中の多くがその結末に涙することになる。そのシナリオは回避したいところですが、それこそゴルディアンノットなのかもしれませんね。

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2017年11月06日

日米首脳会談について

トランプ米大統領の訪日で、報道過熱ぶりが目立ちます。しかし例えばトランプ氏の車列に向かって、日米の旗を振りながら「大歓迎」という報道もありますが、あれはサクラです。セキュリティー上、移動経路を公にすることはありませんし、一般人の接近など許されるはずもない。しかもきれいに人が二列ぐらいで、その後ろはスカスカ。一人が二つの旗をもって見かけ上、水増しするよう努めていましたが、逆にそんな演出をする必要性は一切感じません。それにこの動員、一体どの団体からのものか? その辺りも気になるところです。

そもそも今回『友好ムード』の演出だけで、実際に外交上、何かが決まる類のものではありません。新たな条約を結ぶ、経済協力関係を築く、といったことが一切ない中で、ただただ日本側が『おもてなし』をする、というだけの話です。大山鳴動して鼠一匹、どころか、トランプ一人大喜び、というためだけのもの。日本のフィーバーぶりは異常ともいえるものです。まるで宗主国をお迎えする植民地の国、といった感もします。
他に友達もいないトランプ氏と安倍氏、似たもの同士であるだけに、蜜月は双方が望んだことでしょう。カートのないゴルフ場にカートをもちこんだり、プロゴルファーの松山氏を同伴させたり、9ホールを90分で回ったり、昼食と夕食は必ず安倍氏とともにするなど、親密さをアピールするために詰込みすぎて、空回りしている感もする。安倍氏のへぼプレーでSPが大わらわ、といった話も伝わりますが、いつもは接待される側が、たまに接待をすると気をつかいすぎてプレーに集中できないことは、よくあることです。

今回、公式の発表では北朝鮮への対応は「完全に一致」という従来の見解を踏襲したことぐらいが成果として語られます。拉致被害者家族ともトランプ氏は会談しましたが、日米のやり方だと北朝鮮が自ら屈して会談する、という形でないと拉致問題は何の進展もしない、ということになる。北朝鮮が粘り腰なら、これまで通り圧力をかけたままで、他に打つ手もない、となる。一方で、トランプ氏がちらつかせる軍事行動は、拉致被害者すら炎で焼く可能性もあるものです。外交、軍事、どちらも手の内を明かさないことは重要ですが、どちらの道をとっても拉致問題にとって、悲劇にしかなりません。
今回、明確に決まったことは米軍事装備品を日本が大量に買う、ということだけです。実はトランプ氏、NAFTAの見直しや移民排斥など、他の産業界から総スカンで、軍需産業のみが好感している状況です。高額の兵器でもぽんぽんと気前よく買う、上客の日本がいる以上は軍需産業も万々歳。再び銃の乱射事件がおきましたが、こうした事件が起きても規制の話にならないため、全米ライフル協会も大歓迎というところ。議会の承認もうけずにリシア空爆をするなど、その手は血塗られている大統領、とも言えそうです。

ともに国内で根深い○○嫌い、という層がおり、国内の分断がつづく。米国ではロシアゲート事件、日本ではモリカケ問題と、政権運営に疑義を抱える中で行われた、日米首脳会談。だからこそ余計に盛り上げた、ということなのでしょうが、『友好ムード』どころか、『騒動ムード』にしか見えませんでした。『おもてなし』をしても『恐れなし』とはならないだけに、余計に日米首脳ともに仲良しとアピールする。もしかしたら来年、政権の座を追われるタイミングも「完全に一致」となるのかもしれませんね。

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