2008年09月08日

2人っきりの毎日。

「あ〜ぁ、もう生きてるのが嫌になっちゃった!」

これは、退院後のバーバラさまの口癖です。

バーバラさま、入院中、お部屋から1歩も出る事を許されず、
自分で小指1本動かす事の無い生活を送っていたためか、
だいぶボケッとした状態で退院して来ました。

そして、何を勘違いしているのか、まるで自分が、
生死を分けた大病だったかのように思い込んでいます。
きっと、完全防御な格好で出入りする看護師さんたちを見て、
自分はもう不治の病に違いない、くらいに思ったのでしょう。

しかし、命に何ひとつ別状の無い疥癬だったバーバラさまは、
あっさりと、予定通り、たった2週間で退院させられました。

そして。

あっさりと退院させられた後のバーバラさまの生活は、と言うと、

まだ、2週間後の検査の結果が出るまでは、はっきりと、
「疥癬は完治しました!」と胸を張って言える状態ではないので、
自宅で出来る限りの治療?療養?をしなくてはなりません。

まず、朝起きたら、シーツを交換し、身に着けていた衣服は
全て取り替え、湿疹のできている部分には、
オイラックス軟膏を丁寧に塗り込みます。

また、オムツの交換も、ゴムの部分に湿疹ができていたので、
今まで以上に1日に何度も交換して、清潔に保つようにします。

そして、汗をかくと痒みが強くなるだろうと思い、
マメに体を拭いて、その都度、肌着も取り替えてあげます。

バーバラさまは食事以外、寝て過ごす事が多いので、
多い日には、1日に4回、着替えをすることも・・・。

その他、食事やインスリン、投薬は、いつもの通り。

・・・・・・・・・・どうですか?

何だか、こうして文字にしてみると、
私のやってる事、大した事じゃない様に思えてきますね。

でも、夜中に勝手に取り替えて、何の機能もしていない
丸まった尿取りパットから、大量に沁み出した尿が、
茶色に変色し、異臭を放ったシーツやパジャマ、とか。

気分転換に、と、一緒に出かけた先で、オムツ交換のために
一緒に入ったトイレの個室で、私の目の前で便を漏らし、
そのお尻を拭いてキレイにし、オムツ交換をすること、とか。

盛り付けた量よりも、明らかに増え、具が微妙に細かくなって、
皿にたっぷりと残っている料理(要するに吐いたんですね)と、
口元からダラダラと何かを垂らしながら、
薄ら笑いを浮かべるバーバラさま、とか。

ダニが潜んでいるかもしれない、大量の洗濯物とか。

・・・・・やっぱり、大した事じゃないと思いますか?

もちろん、私が何をしている間でも、
バーバラさまは、ボケッと立ったまま、
小指1本、髪の毛1本、動かしません。
自分は、生死に係る重病患者だと信じていますから。

そして。

バーバラさまと2人、長かった2週間が過ぎ、
いよいよ、退院後の検査の日がやって来ました。

バーバラさまは、まるで死の宣告でも受けるかのような
暗い、浮かない表情をしています。

そして、また、あの、伝説の皮膚科の医師の登場です。

退院時の話では、また、湿疹ができている皮膚を少し削って、
顕微鏡でダニの有無を確認して、判断をすると言う事でした。

・・・・・しかし、この医師・・・・・。

バーバラさまのお腹の辺りをチラッと見ただけで、
堂々と、高らかに、「疥癬完治宣言」をしたのです。
その診察所要時間、わずか1分です。

そして、
「やったね!私!さすがだ!私!!」のような主旨の事を言い、
自分で自分を褒め、さっさと診察を終わりにしてしまいました。

一体、何だったのでしょう・・・・・!?
今さら、この医師に、何も言う事は無いのですが・・・・・。

一応、疥癬は完治しました、と言う内容の診断書を
この、皮膚科の医師から書いていただき、
停止していた介護サービスは使える様になりました。

結果、「生死を彷徨う重大な病気」ではなくなったバーバラさまは、
健康になった自分に少しガッカリした様子で、
渋々、ショートスティに出かけて行きました。

なので今は、やっと、少しずつですが、
バーバラさまと離れた時間を持てる様になって来たところです。

実は、バーバラさまと2人っきりで過ごしていた間、
何度もPCの前に座り、何度も記事を書こうとしました。

しかし、どうしても最後まで書くことが出来ず、
途中で気力が無くなり、消去してしまう繰り返しでした。

けれども、更新の無い私のブログを訪問してくれる方がいる事、
カウンターを見るたびに、何だか気持ちが切なくなって、
申し訳なく思うのと同時に、どこか励まされたりもして、
何とか、バーバラさまの完治まで頑張ることが出来ました。

毎日、気にして覗きに来て下さった皆さま、
本当にありがとうございました。

嬉しかったです。


そして。
恐れていた私への感染も、
今のところ、大丈夫みたいです

anatanoashiha at 20:26│Comments(7)TrackBack(0) バーバラな日々 

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この記事へのコメント

1. Posted by ゆみよん   2008年09月08日 23:05
お疲れ様!!といいたいとこですが
本当に大変な日々を過ごされたのですね。毎日お邪魔してはいましたが、更新はできないのかなあ・・・と心配していたんですよ〜。
ショートに出かけてくれると自分の時間もできますから、その間だけでものんびりできますように!
よかったらスカイプはどうですか??
2. Posted by すー   2008年09月09日 11:38
なんか涙が滲みました。
よくやり抜かれましたね。
3. Posted by シェリー   2008年09月09日 12:22
☆ゆみよんさま☆

お久し振りです〜
私も、ほぼ毎日、お邪魔してました。

ほほぅ、スカイプですか〜
うちでも何度か検討したことがあるのですが、
周りに誰もいなくて見送っていました。
も少し落ち着いてきたら相談してみますね

☆すーさま☆

ご訪問、ありがとうございます♪
ちょっと、私の書き方が大袈裟だったかな!?
心を痛めてくださって、何だか申し訳ないです。
でも、今回の騒動?は、自分でもよくやった!と
ちょっと思っています。
4. Posted by miyo   2008年09月10日 08:08
シェリーさん
お疲れ様でした。なんとか"完治宣言"を受けられたのですね。(皮膚科の医師にはケリを一発お見舞いしときました←妄想)

やはり、表現って難しいですね。文字にすると簡単にもなり、重くもなり。。。においや色、細部の表現が加わると一気に状況が胸に迫ってきて、私も↑のすーさん同様、涙が出て来てしまいました。
作業を箇条書きにしただけでは「そんなものか」と思ってしまいます。つらいのはその作業ではなく、その状況なんですよね。バーバラさまがシェリーさんに寄りかかっているのがよく分かってつらいです。戦争を生き抜いてきた人。私たちよりよっぽど強いです。ご自身を一番大切にしてくださいね!
5. Posted by シェリー   2008年09月10日 11:15
☆miyoさま☆

お久し振りです♪♪
私も、何度も回し蹴り入れてました、妄想で♪

やっと、やっと、長かった疥癬との闘いが終わりました。
停止していた介護サービスも、少しずつ使えるようになってきたところです。
でも、中には、もう少し利用は見合わせたい、
と、やんわり断られる施設もあったりして・・・。
もうこんな厄介な病気には2度とかかって欲しくないです。

(それから、ミックスジュース、
私、飲んだ事ありません
6. Posted by 武士ガエル   2008年09月10日 18:17
医者はついに伝説になったんですね!
完治宣言おめでとうございます。
更新する気力が無くなるほどがんばってたんですねー。
お疲れ様です。
7. Posted by シェリー   2008年09月10日 19:46
☆武士ガエルさま☆

そうなんです!ついに彼女(皮膚科医師)は
伝説になりました〜!そしてお星様に・・・。

ホント、完治して良かったです。
皮膚の中にダニがいるなんて、
考えただけでゾゾ〜〜〜っとします。

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