グレート・ギャツビー (新潮文庫)
フィツジェラルド
新潮社
1989-05-20



有名なアメリカ文学作品、フィツジェラルドの『グレート・ギャツビー』、金持ちの若者たちがパーティーやら恋愛やらでしばらく話を繰り広げるのだが、それがこの話の最初の三分の二ぐらいを占める。そんな豪奢な生活の描写が続いて何が面白いのかそんな虚飾が、と思ってしまったのだが、まさにその豪華な生活と表裏一体の虚しさが最後の三分の一で畳みかけるように描かれている。そこにくるまでは、正直あんまり好みではないなと思いつつ読んでいたのだが、それがあっての最後の虚しさである。派手な生活とそれを追いかけることへの省察が、アメリカ西部と東部の対比や、「失われた世代」の精神性の問題と関り合って示され、じわじわと切なくなる結末であった。