Charpentier: Musiques Pour Les Funerailles de la Reine Marie-Therese

同じジャケットデザインのCDが日本のアマゾンにないので、上のリンクではドイツのアマゾンのサイトを参考に示しておく。だが、ジャケット違いで同じ中身かと思われるCDが日本のアマゾンのサイトでもいくつか出てくる。

演奏はナムール室内合唱団、ムジカ・ポリフォニカ、ルイ・デヴォの指揮。1988年の録音。

フランスのバロック音楽はそんなにたくさん聞かないのだが、シャルパンティエの音楽は最近ちょくちょく聞いている。今まで何曲か聞いてみて、澄んだ音色で美しく品があってよい印象。そして今回の表題の曲は、スペイン王フェリペ4世の娘にしてフランス王ルイ14世の王妃の死に際して作られたものということ。

1曲目、In obitum augustissimae nec non piissimae gallorum Reginae lamentum, H. 409 は、シャルパンティエの作品としてはかなり重厚な響きで、王妃の死の悲しみからやがて天国での王妃の幸福を讃える内容へと徐々に変化していく。冒頭の序曲から実に重厚。擬人化された役割を担う独唱・重唱・合唱が「嗚呼、王妃が死んでしまった」(Ah! periit!)、「おお、運命よ」(O sors)といったフレーズを繰り返し対話するように歌い交わし、ある意味バッハの受難曲のような迫力がある。

2曲目、3曲目はそれぞれElevation H408とLuctus de morte augustissimae Mariae Theresiae Reginae Galliae, H. 331で、1曲目よりも編成規模は小さく、しっとりとした楽曲。後者にはガリア(フランス)の他、スペインの名も歌詞の中に登場し、彼女の出身国にも悲しみに浸るよう呼び掛けているところが特徴的。そして、カトリックの典礼文ではなく、むしろ時事的な内容でもある歌詞なのだが、これが皆ラテン語で歌われている。

ブックレットで一か所気になったのは24頁。H. 408の歌詞であるが、二つ目の連はESURIENS, CHRISTUSが歌うと表記され、横に並んだ仏英独訳もそれにならっているのだが、聞いているとここはESURIENSとSITIENSではないのだろうか。