だいぶ前のこと、ジェーン・バーキンが好きでアルバム『ベスト・アンコール』(記事末尾参照)を聞いたところ、その中に収録されていた「さよならが言えない」がどこかで聞いた覚えがあって調べたら、元はこのフランソワーズ・アルディが "Comment te dire adieu" を「さよならを教えて」という邦題でヒットさせ、戸川純もカバーしていた曲とわかり、さらにそれはヴェラ・リンという歌手が英語で歌っていた曲であると知った。英語の原曲は雰囲気がかなり違うものだ。

アルディやバーキンのバージョンはセルジュ・ゲンスブールが手掛けたもので、洒落た可愛さのあるアレンジ。ただ、バーキンのアルバムもアルディと詞こそ同じだが、マーチング・バンド風に独特な編曲がされているので、以前よりアルディの歌が聞いてみたかった。

優しく柔らかい歌い方で、好感の持てる歌声。バラード風のゆったりしたテンポの楽曲中心。ただ、上記の曲以外は知らない曲ばかりであった。色々な作詞・作曲家の曲が収録されているが、やはりゲンスブールの詞と音楽のセンスが抜群であるからこそこの曲がこれだけ親しまれるようにもなったのだろうか。とはいえ、5曲目の "Il n'y a pas d'amour heureux" なども切なさが染み出してよい曲。優しさに満ちたバラード "La rue des coeurs perdus" もよい。

1960年代の曲だが、下手に電子音を使った伴奏でなく、生のスカ・バンドやストリングスの入った音であるところが、今聞いても古びた感じがしないなと感じた。