ガーディナー指揮モンテヴェルディ合唱団、イングリッシュ・バロック・ソロイスツによるバッハのカンタータ集。作曲年代で区切るのではなく、年代の違う顕現節後第3日曜日のためのカンタータを4曲収録している。いずれも聞きごたえのある興味深い曲。

1726年のBWV 72、冒頭の合唱曲の力強さと迫力が素晴らしい。ガーディナーは低音が控えめで軽い印象を受けることがよくあったのだが、この曲に関しては重厚。2曲目のアルトのアリオーソで同じフレーズを9回繰り返すところも印象的。

1724年のBWV 73は、合唱と独唱のテノール、バス、ソプラノが対話しつつ進み、最後に控えめながらも短調なのにトランペットが入る構成が聞きどころ。

1725年のBWV 111まで冒頭の合唱曲はいずれも暗いのだが、この曲の4曲目になってアルトとテノールの2重唱では踊るようなメリスマの躍動感が溢れて明るい。不安に慄く人がやがて自信を持って神の信仰による喜びを歌う内容。

最後に収められている1729年のBWV156は優しい響きのオーボエソロのシンフォニア。チェンバロ協奏曲第5番の第2楽章にもなった曲。そして、穏やかなテノールのアリアが始まるが、歌詞は「我が片足は墓にあり」という暗さ。

陰と陽のうち陰の方が際立つ曲が多い。それも興味深く味わった。