MAGNA HISTORIA

The Life and Opinions of Ando Rei 安藤麗の生活と意見

カテゴリ: 英文学




ロレンスの短編集を読んだ。ずっと前からちまちまと読み進めていたもの。鬱屈した人間の心理描写が巧みだ。そんな心理が引き起こす発言や行動など、細やか。日本の純文学のような雰囲気を感じた。起伏の激しい冒険譚ではないが、かといってゆるやかな日常だけが続くというわけでもない。

ロレンス自身、父親が炭鉱労働者だったが、そんな生い立ちを色濃く反映した作品がいくつかあり、真っ黒になって働く労働者の意識が家庭や結婚などといった問題と関わった時の意識が繊細に、しかし時にぶっきらぼうな言動を通して描かれる。イーストウッドの方言も交えて書かれている。

軍隊の上官によるいじめが描かれて印象的な "The Prussian Officer" を含む12作品が収録されて読みごたえがある。苛立って暴力的になる男と、そんな彼を挑発するような行動をしてしまう女を描く "The White Stocking" もうまい文章だなと思った。

大人の文学だな、とも思う。面倒な人間関係をある程度経験してこそ味わい深く読める話が並んでいる。
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Animal Farm
George Orwell
Penguin UK
2008-07-29



動物農場、読んだ。恐ろしい話。読みながらどうしても今の日本の状況を重ねてしまった。どうしても。
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読了。しっかりした内容ある一冊。パトロンに支えられていた時代が終わり、読者がパトロンとなる。ジャーナリズムの発展。そのような中、当然、売れることばかりを目指した質の低い読み物も増えた。

ロマン派の作家で現在有名な人物なんて、スコットとバイロン以外はみんな売れず、読まれなかったんだな、ということがよく分かる。それはもう、数字で実感する。

ロマン派の時代に次々出た定期刊行物の紹介も豊富で、誰がどういう経緯で創刊したか、ということにも触れられている。作家への報酬の話題なども。
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読んだ。

アグネス・グレイ (ブロンテ全集 8)
著者:アン ブロンテ
販売元:みすず書房
(1995-08)
販売元:Amazon.co.jp
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ブロンテ三姉妹の中では一番知名度が低いアンだが、『アグネス・グレイ』は教育に携わる人が読むと、色々共感できる部分が多そうだ。

主人公アグネスがガヴァネス(女性の住み込み家庭教師)になって、散々苦労し、最後は幸せになる話。言う事を聞かない生徒と理不尽な親に挟まれて苦悩するアグネスの姿は現在でも共感を呼びそうだ。
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純愛の詩人 クリスチナ・ロセッティ―詩と評伝
著者:岡田 忠軒
販売元:南雲堂
(1991-03)
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読んだ。

前半に詩の翻訳、後半に評伝という構成。評伝には詩の引用が多い。

小さな本なので、割とすぐ読み終わる。

クリスチナ・ロセッティというと宗教色の強いイメージがあるのだが、そればかりではない側面が押し出されていたと感じた。
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新装版   放浪者メルモス新装版 放浪者メルモス
著者:C・R・マチューリン
販売元:国書刊行会
(2012-08-23)
販売元:Amazon.co.jp
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いくつかの書店で国書刊行会のフェアをやっているのを見つけ、そこに『放浪者メルモス』の新装版が置かれていた。以前、上下巻で同社の世界幻想文学大系シリーズで出ていたが、それがボリュームある一巻本になっている!

英文学におけるゴシックリバイバル期、最後の傑作だ。
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英米文学を読み継ぐ―歴史・階級・ジェンダー・エスニシティの視点から英米文学を読み継ぐ―歴史・階級・ジェンダー・エスニシティの視点から
販売元:開文社出版
(2012-04)
販売元:Amazon.co.jp
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大著の英米文学論文集が刊行された。ラドクリフの論文が収録されているので読みたいと思っている。

そして、
パーディタ――メアリ・ロビンソンの生涯パーディタ――メアリ・ロビンソンの生涯
著者:ポーラ・バーン
販売元:作品社
(2012-03-30)
販売元:Amazon.co.jp
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メアリ・ロビンソンも有名になったのね。
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マンクマンク
著者:マシュー・グレゴリー ルイス
販売元:国書刊行会
(1995-06)
販売元:Amazon.co.jp
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マシュー・グレゴリー・ルイスの『マンク』がこれとは違う新しい表紙で書籍売り場に並べられているのを見て、新訳か?!と驚いたのだが、中身は国書刊行会の以前出た翻訳と同じだった。それが表紙カバーを新たにされたのは、どうやら『マンク』が映画化されるとのことが帯に書かれていた。ひえー!見たいかも。

『フランケンシュタイン』以前に書かれたゴシック小説としては、『マンク』は最高傑作じゃないかと思う。なるほど道徳的に最悪かもしれないが、小説としてこの出来栄えは凄いじゃないか。
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詩をどう読むか詩をどう読むか
著者:テリー・イーグルトン
販売元:岩波書店
(2011-07-13)
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半分くらいこれを読んだ。英詩って難しくて読みにくくて、良さとかよくわかりませんので。

前半は詩の定義から始まり、詩に関する批評理論の話。後半はそれらを踏まえて話が展開していく。最初の方は英詩を現代において読むことの状況についても色々述べられていて、そのあたりは私も関心があるので、興味深く読んだ。

割と噛み砕いた口調でわかりやすく語ろうとしており、入門書的でもあるのだが、説明のところどころに混じる皮肉や冗談は、日本人が読むにはかえってわかりにくくしてしまうように思った。

英詩の引用は原詩と翻訳と両方載っている。
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燈台へ (ヴァージニア・ウルフ・コレクション)燈台へ (ヴァージニア・ウルフ・コレクション)
著者:ヴァージニア ウルフ
販売元:みすず書房
(1999-04)
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年末年始の読書に色々な本を手元に置いておいた、そのうちの一冊。久しぶりにウルフ。全然読めない。全然面白くない。『ダロウェイ夫人』の方がまだ読めた、といっても全く面白くはなかったが。

こういった作品が傑作と言われている実情があるから、その良さがわからない私は絶望するしかない。実験的な語りの手法を使っているのはわかるが、その良さや面白さが全然わからないのだ。結局誰が何考えているかわからないじゃないか。嗚呼、もう、悲しくなってくる。泣きたい。

英文学の女性作家で有名な人といったら、オースティンとウルフを挙げて間違いないと思うが、この二人が私にとって一番その良さがわからない作家だ。もう、私は駄目なのだろうか。こんな感性じゃ駄目なのだろうか。敗北。
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