MAGNA HISTORIA

カテゴリ: 日本文学



前作『夜にはずっと深い夜を』はページ全体が真っ黒になっているところが多かったため、ページをめくるのに皮脂がつくのが目立って気になるという欠点があった。それこそ、生写真を扱うような手つきで文庫本を読まねばならないから大変だった。それが今回改善された。凝った模様は施されているが、白くなった。

鳥居みゆきさんのお笑いネタ風の挿話もあるが、全体的には前作よりも幻想的な怖さが増しているように感じ、一日集中して読み耽った。ある人間のエピソードを語った後、今度はそこに現れた脇役の物語があり、さらにその中の脇役のエピソードが繋がったりと、網の目のように不気味な出来事が繋がっていく。鳥居さんはあらかじめ全体図を構想してからこの作品を書くのだろうか、それとも数珠つなぎのように書きながら繋がっていくのだろうか、色々な伏線が次々と回収されていく手際が見事だと感じた。
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可愛らしいアニメ絵の表紙であるが、そして表題作は元々『ラブライブ!』を下敷きにした作品であるが、中身はドロドロ、原始的な生命のグロテスクな動き、捕食活動、そういった描写や科学蘊蓄だらけである。「実存主義的ワイドスクリーン百合バロックプロレタリアートアイドルハードSF」と書いてあるけれど、この原始的な生命活動の描写に百合とかアイドルという言葉から通常連想される雰囲気はほとんどなくて、非常に気持ち悪かった。が、この蘊蓄はすごい。それは確か。

他に収録されている「エヴォリューションがーるず」は「けものフレンズ」が下敷きにあり、声優を主題に取り上げている「暗黒声優」も収められている。どれもみな、元のモチーフは細胞レベルまで徹底的に解体され、別次元の世界へ行っている。

その理論的説明は圧倒的なので、そこは凄いけれど、かなりそのような蘊蓄重視であるのと、なにぶんグロテスクなのが辛かった。
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黒猫の接吻あるいは最終講義黒猫の接吻あるいは最終講義 [単行本]
著者:森 晶麿
出版:早川書房
(2012-05-24)


読了。中盤までは探偵役の若き美学教授である黒猫の生意気で偉そうな口調が嫌で、探偵役そのものが気に入らなければ、ミステリーとしては読むのが辛いと感じていたのだが、クライマックスは中々凄い盛り上がりを見せる。

ヒロインはポオ研究者の卵なのだが、ポオ研究に関していまいち頼りない。黒猫のポオ解釈もそうなのだが、学問的というよりも詩的で、実証的に文学作品を解読していないところがちょっとな・・・と気がかりだった。つまり、そんなに観念的にグルグルテキストを解釈しても、果たして妥当なんだろうか、と疑問が沸いてしまうのだ。

出てくる黒猫とその友人の男性二人とも、キザでねぇ・・・。なんか少女マンガ的な人物にも思った。

でも、最後は盛り上がる話でした。
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あけましておめでとうございます。

今年も宜しくお願いします。

お正月休み、最近はこの本を読んでいる。
黒死館殺人事件 (河出文庫)黒死館殺人事件 (河出文庫)
著者:小栗 虫太郎
販売元:河出書房新社
(2008-05-02)
販売元:Amazon.co.jp


こういう本にはもっと早く出会っていてよかったかもしれない。好みなのだ。黒死館で次々起こる殺人事件に博覧強記の探偵、法水があらゆる知識を総動員して挑む。彼の頭脳の明晰さ、知識量が半端じゃない。カタカナのルビに誤りが時々見受けられるものの、それにしても物凄い量の知識なのだ。どうやったらこんな話が書けるのかと思う。嗚呼、こういう人物には昔から憧れている。

ただ、法水の説明がわけわからんところも結構あるのだが。
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小説宝石 2011年 09月号 [雑誌]小説宝石 2011年 09月号 [雑誌]
販売元:光文社
(2011-08-22)
販売元:Amazon.co.jp
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今回はみゆみゆが表紙ですね。インタビューでは、あまり本との関わりのエピソードが無いのが残念。まあ、あんまり読まないのでしょうか。

AKBの中では、ブログを読んでいると、まゆちが結構色々読んでいるみたいですね。

次号の表紙は誰になるだろう。このところチーム4のメンバーが続いていたが。
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最近は、置く場所が無いと言う理由から本を買いたくないのだが、欲しい本が色々出てしまうこの頃。結局購入した小島なお氏の第二歌集。『サリンジャーは死んでしまった』

歌集 サリンジャーは死んでしまった (コスモス叢書)歌集 サリンジャーは死んでしまった (コスモス叢書)
著者:小島 なお
販売元:角川学芸出版
(2011-07-28)
販売元:Amazon.co.jp
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現代仮名遣い、口語と文語が混ざっている。

読めばなるほどと思っても、自分ならいざ作品には出来ないような、小さな日常体験の中の一瞬が切り取られている歌が数々あり、巧みな比喩表現も多い。

でも、感覚的に私にはよく分からないところもちらほらあるのだ。

たとえば、

「ガードレールまたげば秋のてのひらに小さな銀河生まれるような」(p. 40)

はて、ガードレールをまたいだ時の感覚として生まれる銀河とはどのようなものなのか。こういうのはどう解釈したらよいのだろう。またぐという動作によって、脚ではなく、手のひらに感覚が向けられるというのも何なのか。

これはうまいなあと思ったのが、

「動物の影人間の影が棲む地球を照らす日と月と星」

動物や人間、或いは地球を照らすというのならごくごく当たり前の表現になるけれど、ここに「影」と入れることによって光と影のはっきりとした対照が生まれる。影まで言うことによって、光が持つ特性や価値が表現されていると感じた。

嗚呼、どういう短歌が良い作品で、評価されるのだろうか。最近よく分からなくなってきた。
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小説宝石 2011年 07月号 [雑誌]小説宝石 2011年 07月号 [雑誌]
販売元:光文社
(2011-06-22)
販売元:Amazon.co.jp
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普段、短歌以外の文芸誌はあまり読まないのだが、みなるんが表紙だったので(まんまと作戦にかかっている)、ちらちらと。

へ〜、みなるんはホラー小説が好きなんだねえ。いいですねえ。意外。
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隻眼の少女隻眼の少女
著者:麻耶 雄嵩
販売元:文藝春秋
(2010-09)
販売元:Amazon.co.jp
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読み終わった。所々理屈がよく分からないところがあったが、そんなことより、このトリック、この真相はなんてことだ。そんなのありなのか。なんともやりきれない事件の解決。
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隻眼の少女隻眼の少女
著者:麻耶 雄嵩
文藝春秋(2010-09)
販売元:Amazon.co.jp
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私はいつも複数の書籍を同時進行で読んでいるので、この本を今半分ほど読んだところ。

隻眼で和装の少女探偵が、山村で起きた殺人事件に挑むミステリー。
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新訂 新古今和歌集 (岩波文庫)新訂 新古今和歌集 (岩波文庫)
著者:佐佐木 信綱
岩波書店(1959-01)
販売元:Amazon.co.jp
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幻想的な作風の和歌が読みたくて、『新古今和歌集』を読んでいる。嗚呼、中々いい歌がありますね。岩波文庫版は注釈が全く無い。少し注釈ほしいなあ。
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