2008年02月27日

「鳳リーとチョコレート工場」〜冶葉・番外編2〜

vおばあさまの手紙v

わたしが生まれて初めて聞かされた誕生の秘密・・・。

自分の宿命を目の前に叩きつけられて困惑しているわたしをよそに、おばあさまは自室に籠ってチョコにも手を出さず一心不乱に手紙を書き記していました。

その夜・・おばあさまは帰らぬ人となってしまったのです。
まるで、その手紙にすべてを託すようにして・・・。

わたしに、悲しみに暮れている暇はありませんでした。
おばあさまが、数少ないチョコの作り手であったこと・・それだけでも驚くべきことなのに、わたしがその血をひいていること・わたしに顔も知らない兄がいること・おばあさまの兄弟弟子がいること・・・
そのような事実を一度に知らされたわたしは、目の前に残された1通の手紙を読むことがいまの自分に課せられた試練なのだとわかりました。
わたしは、高鳴る胸を抑えつつ、おばあさまが最後に書き記した手紙を読み始めたのです・・・




よしゑの手紙











あなたが、自身の絶対チョコ感に目覚めてからしばらくの間、天下第一製菓でともに切磋琢磨してきました。
わたしたちの師がかの忌まわしき呪いにより、あのような姿に変えられてしまったことも、巷間では架空の伝説の1つとして享受されていってしまうかもしれません。
天下第一製菓秘伝の製法をここで絶やすわけにはいかないのです。
しかしながら、あなたはまだ第チョコ感に目覚めるには至っておらず、1人の力ではどうすることもできないでしょう。
ともに立つ仲間が必要なのです。
それにより、天下第一製菓の復興が叶えば、わたしは思い残すことはありません。
わたしは、孫娘に天下第一製菓の秘宝「チョコ清牌」を委ねました。
孫娘はこれからその謎に挑んでいく覚悟でいます。
やがて時期がやってくるでしょう。
あなたの前に、わたしの血をひく2人の孫が揃って現れ、続く同志もチョコ清牌に導かれるようにして集まってきます。
そのときあなたは仲間と力を合わせて大事を為し遂げることができるでしょう・・・

      ・
      ・
      ・


手紙はそこで終わっていました。

わたしは宛て先のないこの手紙が、誰に向けて書かれているのかすぐにわかりました。よしゑおばあさまとともに、チョコよしゐのもとで学んでいたというもう1人の弟子!!

わたしはまずこの手紙をその人に渡さなければならない…

突然、混乱の渦中に放り込まれたわたしは意外にも落ち着いていましたが、心には小さな使命感が芽生えていました。(つづく)

angel_yayo at 12:07│Comments(0)TrackBack(0)鳳リーとチョコレート工場 

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