February 23, 2005

★THE BIG FISH biography

THE BIG FISH

Chris Powell自身によるTHE BIG FISHのバイオグラフィーとメンバー紹介です。
text by Chris Powell
 僕が(双子の兄弟と一緒に)産まれたとき、僕の家族はブライトンからそう遠くない、東サセックスのアルフリストンというところに住んでいた。僕が産まれた1960年代初めのイギリスといえば、急速な社会変化の時期であり、戦後の禁欲生活から抜け出しで、音楽にも楽天主義と創造性があった。若者達はレコードにお金を費やすようにもなった、という時期だった。
 両親は旅をしてきた。1950年代には定期船で働いていたので、僕は若い頃彼らがアメリカで手に入れて来たカリビアンのレコード、特にカリプソをよく聴いていた。他にもポップ・ミュージックやクラシック、映画やミュージカルのサントラも聴いた。後に僕はその力強さとエネルギーに魅せられて、ロックやブルースも聴くようになったし、南アメリカを旅してからはクンビアやサルサも聴くようになった。

 初めて組んだバンドはMoss Side Blues Bandというもので初めてレコーディングしたのはnursery rhymesのパンク・ヴァージョンだったんだ!

 ビッグ・フィッシュは、91年、僕とジーナでジャジーなポップ・バンドとしてスタートした。ロンドンのマネージメント会社から興味を持たれて、僕の書いた「This Is The World」という曲を4トラックのカセットでレコーディングしたんだ。僕とジーナはアムステルダムでアルバムを書き終えたけど、残念ながらリリースされることはなかった。でもそれがよい経験となって、僕らはジャズのスタンダードとアイリッシュの曲、オリジナルのラテン・スウィングをミックスしたライヴ・バンドを結成しようということになった。演奏を楽しむこと、ギグにたびたび違うゲスト・ミュージシャンを迎えることは、単なるソロを聞かせるのではなく、バンド全体での即興性を導く強力な要因として重要だったんだ。

THE BIG FISH 2

 ビッグ・フィッシュの主要メンバーは永年一緒に演奏して来た仲間で、コミュニケーションも良好だし、面白そうな音楽テリトリ−を実験することも簡単だった。枠組みとしての構成だけを見せて、その中身はミュージシャンたちが自由に創ることができる。みんなで一緒に曲を作っていくのは、僕がひとりで全て組み立てるよりもずっといい。ライヴでは全く違う曲のように演奏することがよくある。するとお客さんはどんな展開になるのか分からない!これがいいんだ!
 時には極端にフリーに。時にはグルーヴィーに、でも常にダイナミックに演奏している。マークは、僕が一緒に演奏したドラマーの中でもっとも表現力豊かなドラムを叩くので、彼のプレイは音楽の感情表現をとてもよくサポートしてくれている。

 僕は一緒にプレイしているミュージシャンに、誰が本当にクリエイティヴでいいプレイヤーかということをよく聞く。僕が誰を素晴らしいと思っているか聞くと、大抵がみんなもそう思っている。
 メンバーのラインナップは時によって変わる。みんなそれぞれに休暇をとったり、他のことをやってるから。なぜかベース・プレイヤーが多いんだけど。それに、いいミュージシャンと沢山プレイするのが好きなのでメンバーを変えるということもある。アルバムにも、キャット、 クレイグ、パット、マイク、ラヴらに参加してもらった。気安くやってくれるし、一緒にできることにとても満足している。

 他のバンド・メンバーがそれぞれにやっている他のプロジェクトにも大変興味がある。ミュージシャンとして、様々なミュージシャンとプレイすること、違ったジャンルの音楽をプレイすることは、とても重要だと思う。その全ての経験が、個人のプレイの本質を明らかにする。また誰かが求める表現を満足させることも重要で、他のメンバーのために、僕自身にたくさんの違った側面を必要とする。一つのバンドに全てを閉じ込めようとは思わないけれど。

主要メンバーを紹介しよう

MARK BRADLEYマーク・ブラッドリー(Mark Bradley)は、一緒に演奏した中で最も表現力のあるドラマー。僕らの音楽にダイナミックなヴァリエーションとなる基本的要素を与えてくれる。数年前、彼が一緒にプレイしてくれると了解してくれたときの興奮が今でも忘れられない。それにいつも他のミュージシャンに気を遣ってくれて、ギグで遠征するときに食べ物を持って来てくれたり、スタジオ・セッションにワインを持って来てくれたりする。
ORGANELLES

LISA CHERIANパーカッショニストのリサ・シェリアン(Lisa Cherian)は、すべてを素敵にスウィングさせてくれる。いとも簡単にやってしまう。彼女は間違いなくみんなのお気に入りのパーカッショニストだ。

PAUL BRADLEYポール・ブラッドリー(Paul Bradley)は僕が知る中で最もクリエイティヴなギター・プレイヤー。僕にとってのインスピレーションの源でもある。それに美しい声の持ち主で、ハーモニーに関しては天然の本能を持ち合わせている。
ORGANELLES ■LOOPFORCE ■SPIRIT READERS

PETE JUDGEトランペットとフルーゲルのピート・ジャッジ(Pete Judge)は、ふだん感情的なプレイヤーではなく、彼のトーンはメロディのシンプルさを活き活きとさせてくれる。彼のタイミングは申し分なくすばらしい。
ORGANELLES

SAVIO PACHINIサヴィオ・パチー二(Savio Pacini)のトロンボーンはクリエイティヴで詩的で、いつも観客から最大のリアクションを得ることで定評がある。

GINA GRIFFINシンガーでありヴァイオリニストのジーナ・グリフィン(Gina Griffin)は、僕の知る中で最も才能のあるミュージシャンだ。素晴らしい即興能力、表現のダイナミックさ、そして天使のような歌声。彼女は才能あるアーティストでもある。
THE MOONFLOWERS ■GINA&CHRIS

今回のアルバムには3人のベース・プレイヤーが参加してくれて、みんな素晴らしい! リチャード・スタビンズ(Richard Stubbings)はもともとオリジナルのベース・プレイヤーで、とても詩的な演奏をする。彼はもう生演奏をしなくなってしまったので、彼のプレイが懐かしい。

PAUL MARSHALLポール・マーシャル(Paul Marshall)は、一緒にやりはじめて1年ちょっと。彼はとてもグルーヴィーなプレイヤーで、ラヴリーなスウィングと丸く暖かいトーンを持っている。

JIM BARRジム・バー(Jim Barr)(彼は忙しいミュージシャンなのでフリーなときだけ)もダブル・ベースとエレキ・ベースでこのアルバムに一緒に参加してくれている。ジムは素晴らしいプレイヤーで、ジャズのダブル・ベースからファンキーなエレキ・ベースまでとても幅広い経験を持っている。それに彼は僕よりも背が高くて(僕は1.9m)、ベースをギターみたいに見せてしまう。
SISSI

ゲストについても紹介しよう。

HANNAH PORTERハンナ・ポーター(Hannah Porter)は(このアルバムではフルートだけだけど)ピアノ、フィドル、フルート……と、多くの楽器をプレイできて、しかも上手なだけでなく、完璧なピッチだし、ハーモニーをよく理解している。DJ SUVやMORNING STARなど、多くのバンドに参加している。

CRAIG CROFTONクレイグ・クロフトン(Craig Crofton)は僕のお気に入りのサックス・プレイヤー。彼は余りあるエネルギーと情熱を音楽に注ぎ込んでいる。ジョージ・マブーザ・カルテット(George Mabuza Quartet)としても、ジョージ・マブーザとマイク、リサ、そして僕とで活動していた(はじめは4人でスタートしたんだけど、途中からクインテットになったんだ)。

KAT COLESキャット・コールズ(Kat Coles)は美しくて表現に富んだ声の持ち主で、タイミングもすばらしい。彼女が書いた「Endless Summer」の歌詞は素晴らしい。

パット・フォーブス(Pat Forbes)は世界的にも有名なオペラのソロ歌手なのだけど、多芸多才な声の持ち主で、ジャズからヘヴィー・ロックまでなんでもこなす。いま彼女は自分のソロとしてのキャリアを追求している。

RAVラヴ(Rav)はサイケデリックなサランギをレコーディングした直後、アイルランドへ音楽の勉強をすると言っていなくなってしまった。それもあって、「Understanding」は違った雰囲気の曲群の中において、真ん中の曲順にした方がいいなって思ったんだ。サランギとは、曲がったインドの楽器でフレットが無く、ストリングスのようなロープがあり、指で押さえ共鳴させる楽器だ。

MYKE VINCEマイク・ヴィンス(Myke Vince)はリサの旦那さん。とても物知りで、天才的なパーカッショニスト。彼とは永年、いろんなラインナップで共演している。彼はリサとともにグルーヴィーなサルサ・バンドでも活躍していて、彼とリサのサルサの腕前は「George One」のハイライトでもある。いま思えば、あのセクションは2倍の長さにしてもよかった。マイクの格好はいつもクレイジーで、ときどき娘のピンクのチュチュを帽子代わりに被っていることもあるよ。


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